42話 「決戦前夜」

 

 

 

あらすじ:ついに最終決戦の地、ナナシマにたどり着いたジェード、アンバー、レッド、ユウジ。
だがそこで待ち受けていたのはジェードの親友であり、義兄のジェットであった。単身戦いを挑んだジェードは、
壮絶な激闘の末、ついに彼の洗脳を解くことに成功する、だが、ほっとしたのも束の間、そこにスペクターが現れて・・・?

1#:因縁の対決
「スペクター!!ここが貴様と俺の墓場だ」相当なダメージを負っているというのにまるで今しがた戦いを始めたような気迫を見せるジェット

「この土壇場で義聖剣(ギガサーベル)とは・・・フフフ・・・私を楽しませてくれるようだな、ジェット」対してスペクターは負ける要素などないという感じで邪悪な笑みを浮かべている

「・・・・・以前の俺なら・・・この技を使うことがなかったが、今なら・・・俺は・・・過去を断ち切る!!」

そう言ってジェットは・・・義聖剣を地面に刺すと・・完全に剣を捨てて、仁王立ちの格好となる

「・・・・何のつもりだジェット・・・・・武器を捨てるとは・・・・冗談はほどほどにするんだな」ジェットの意図がわからないスペクター

「・・・・・どうかな・・・・少なくともこの技の恐ろしさを分かっていないようでは貴様もここまでだ!!スペクター」だがジェットは全くスペクターの挑発にはならずそのまま立っている

「どうやら・・・・私の買いかぶりすぎだったか・・・貴様に何の策があるかは知らんがこの技で葬ってくれよう!!」スペクターはデオキシスを繰り出した、その身体は鋭いアタックフォルムである

「サイコブースト!!」全ポケモンでもトップの・・・・その壮絶なる攻撃が撃ち出された!!

ドゴォ!!!

「む!!?・・・」なんと・・・ジェットとハッサムはそのままサイコブーストを直に受けたのだった・・・だが・・・そのまま微動だにしない

「絶やすくやらぬ我が命・・・・・・魂の一撃に変える!!!貴様に見切れる筋も無い!!奥義!!零覇激滅斬(れいはげきめつざん)」攻撃を受けた後、身体中に光の力を集中し、剣を抜く・・・

「うおおおおおおおお!!!!!!」そのままジェットは大剣を振るう!!!!

「馬鹿な・・・カウンターだと・・・・ぬおおおお!!!?」スペクターもまたその威力の強さに焦る

カッ!!!!!!!


その「光」は6の島に船で近づいていたレッドたちの目にもはっきり映っていた。

「なんだ今の光は!!!」

「この光・・・・もしかしてジェードが・・!?」

「ジェード!!!そんな・・・・!!」その光をみてアンバーは最悪の事態が頭によぎった

「とにかく、6の島に急ぐんや!!」ユウジもまた焦る気持ちを抑えきれない

「アンバー、大丈夫だ・・・ジェードは・・・・俺の知っているジェードは絶対生きている。あいつは大切なものを守って自分も生きることを考えるやつだから」

「レッド・・・・」

「それにここで死んだりしたら俺との再戦の約束を破ることになる・・・そんなこと絶対させないぜ!!」

「レッドの言うとおりや・・・あきらめたらそこでゲームセット、最後まで勝つことを考えるんや」

「・・・・・うん、今度は・・・私がジェードを支える番なんだから・・・ちゃんと生きてなさいよ!!ジェード」

(まったく・・・・こんなにいい娘に心配を掛けさせるなんて・・・ジェードも隅に置けなくなったな)ユウジは親友の顔を浮かべ・・・握りこぶしを作った。

〜再び場面は変わりジェットとスペクター〜


「・・・・・・やった・・・・か?」ジェットは義聖剣でやっと身体を支えている状態だったが、今の一撃には手ごたえを感じており・・光が収まるのを待っていた・・・・・だが

「全く・・・随分派手ににやってくれましたね・・・ジェット君」なんとそこには、邪悪な笑みを浮かべたシュレイダーが立っていた

「・・・!!?・・・・シュレイダー!!?貴様・・・一体何故ここに・・・」

「フフフ・・・・少し危ないところだったが・・・・シュレイダー、よくやった」そしてスペクターもまたノーダメージで立っていたのだ

「・・・・どういうことだ・・・・・・確かに俺は・・・」ジェットは事態を理解できない

「間一髪でしたよ・・・・スペクター様のデオキシスがやられる前に・・・ディフェンスフォルムの『デオキシス・個体弐』を私が割り込ませて・・・ミラーコートを使い攻撃を弾いたんですよ」

「ぐ・・・・・一糸報えず・・か・・・・無念」

バタっ!!! 今の一撃で全ての力を使い果たしたジェットはそのまま気絶してしまった

「さて・・・・ジェード君もジェット君も虫の息・・・ここでとどめを刺してしまえば我々の野望は遂に成し遂げられるというわけですね?スペクター様」

「そういうことだ、シュレイダー・・・とどめはお前に任せた・・・」

「光栄の限りです・・・ボス・・・・では・・・・ひとおもいにやっちゃいましょうかねえ・・・・マルマイン!!」シュレイダーがマルマインを出し、大爆発を命じようとしたその時!!

「はああああ!!!!」

ドカァ!!・・・・その時燃え盛る炎の槍がシュレイダーの側に飛んできて・・・刺さった!!!!

「!!!?」

「スペクター!!これ以上ジェードには手出しさせない!!!」間一髪のタイミングで・・・モルトレスとなったレッドがこの場に駆けつけたのだった

「馬鹿な・・・・君たちはジェット君が始末したはず・・」シュレイダーはレッドの出現に驚いていた

「駆けつけたのはレッドだけじゃねえ・・・・俺もだ、シュレイダー」バチバチとスパークを走らせ・・・ファイティングポーズをとっているのはザブドスとなったユウジだ

「そう、これ以上好きにはさせないわ!!!」続いて氷の弓、フローズンアーチェリーを構えるこちらもアーティクノとなったアンバー

「・・・5大ガーディアンが・・・・揃ったと・・・そういうことか・・・フフフ・・ヌハハハハ・・・」対してスペクターは大笑いをしだす

「「「何がおかしい(っていうの)!!?」」」

「フフフ・・・・貴様らの命・・・ここで奪ってやるには惜しいな・・・良かろう、一日だけ猶予をやる・・・それが貴様らに与える最後の情けだ・・・」

「ふざけるな!!!」モルトレスは槍を構えスペクターに飛び掛ろうとした・・・だが・・

「甘い・・・・・・その程度で勝てるとでも思ったか!!小僧!!」スペクターからどす黒いオーラが飛び出したかと思うと・・・それはなんとあのモルトレスを軽々と吹っ飛ばしてしまった。

「うああああ!!」

「「レッド!!」」あまりの力に・・・・ユウジとアンバーは吹っ飛ばされたレッドを心配する

「うっ・・・・・なんて力だ・・・」

「フフフ・・・・ハーハッハッハ!!!!・・・我が闇の力はすでに全盛期に戻っている・・・・・これなら・・・・邪竜、オロチを復活できるというもの・・・とめられると言うのなら止めてみるんだな・・フフフ、グハハハ!!!!」

「ヒュウ!!お見事です、ボス・・・」シュレイダーもあまりの力の強さに口笛を吹いている

「では・・・・明日・・・・7の島に両足をついて来た物には私と戦う資格がある・・・・もっともあきらめの悪いやつしか来ないだろうがな・・」スペクターはそれだけ言うと・・シュレイダーとともにテレポートで何処かへ去ってしまった

「・・・・・くそっ!!!」

「そう熱くなるなレッド・・・・とりあえず・・・今は」ユウジはレッドに傍らを見るように促した

「ジェード・・・大丈夫?・・・起きて・・・ジェード!!」その横では倒れているジェードに必死に声を掛けるアンバー・・・だが彼は返事を返してくれない

「・・・・・そうか・・・とりあえず・・・二人を病院に運ばないと・・・・」

ぼんっ!!そう言っているうちに・・・・・ジェードの側に置かれてあったモンスターボールからミュウが飛び出した

(移動なら僕の出番だね・・・・後このブルーの両親がこの島の小屋の中にに居るみたいだから助けないと

「!!・・・そうか・・・仕方ない・・・今日は・・」

「一時退却・・・やな」

こうして・・・3人はジェードとジェットを抱え、ブルーの両親を助け出し・・・・1の島のポケモンセンターに戻ろうとしたのだが・・・ミュウが(トキワの森の方角から不思議な力を感じる)ということでトキワのポケモンセンターに行くことになった

2#:それぞれの休息

そしてトキワのポケモンセンター・・・・ベッドにはジェードとジェットが死んだように眠っていた。

「・・・・・・、そうか・・ジェードは結局ジェットの洗脳を解くことに成功したんやな?」マサキはとりあえず二人の生還に安堵したようだった

「ああ、でも・・・・恐らく二人は・・・・・」

「とりあえず絶対安静が必要です!!死んでないほうが不思議なくらいです・・・・どんなポケモンバトルをしたらこんなに傷を負うのか・・・分かりませんよ」ジョーイの手伝いをしている少女はそう言った

「スイレンちゃんの言うとおりよ・・・・・この二人は寝かせておかないと・・・」ジョーイもまた、二人がいかに重傷であるかを伝えていたのだった

「確かに・・・このままのダメージじゃ・・・・もう一度戦うことは不可能だな」レッドとユウジは痛々しい傷を負った親友を見て、ただ俯いてそういうだけだった

「・・・・・・ぐっ・・・・レッド・・・か?」その時・・・ジェードが目を覚ました。

「・・・・気がついたか・・・この馬鹿野郎・・・・」レッドは・・・苦笑を浮かべ・・・そう言った

「・・・・俺は・・・・・・・・はっ!!・・・そうだ・・・ジェットと戦って・・それで・・・」

「そのジェットなら・・・お前の横で寝ているよ・・・・とりあえず命に別状は無いみたいだ・・・全く・・・・心配かけさせやがって」レッドはジェードの横の方を向きながら言った、彼が隣を見ると・・・確かに元の赤い髪に戻ったジェットがそこには横たわっている

「・・・・・ぐぅ・・・・ジェード・・・か?」そしてジェットもまた目を覚ましたのだった

「ジェット・・・・無事で・・・良かった・・・」

「ふっ・・・・お前に心配されるとはな・・・・・・・俺もヤワになったな・・・・・・痛・・・・」ジェットはいつものクールさを見せるが、やはり傷の痛みには勝てなかった

「ジェット!!」ジェードはそんなジェットの様子にさらに不安になるが

「・・・・・俺は大丈夫だ・・・・・しかし・・・ジェード・・・すまなかった・・・・・・洗脳されていたとはいえ・・・俺はお前を・・・・」

「・・・・ジェット」

「せめて奴に一矢報いたかったが・・・・・シュレイダーに邪魔され・・・この様だ・・・」

「・・・そんなことないよ・・・ジェット、悪いのは全てスペクターなんだ・・・」

「・・・・・・」ジェットはジェードにかける言葉が見つからなく・・・黙り込んでしまった

「ジェット・・・って言ったな」その時、レッドが口を開いた

「・・・・・」

「今回・・・洗脳されていたとはいえ・・・お前のやった事は俺は許せない・・・・けどジェードが・・・・友達が許すっていうのなら・・・俺は・・・・お前を信じる」

「・・・・レッド・・・」ジェードは・・・・レッドの言葉に・・・・思わず涙が出そうになる

「ジェードが身体を張ってお前を止めたんだ・・・今度はお前がジェードに答える番・・・そうだろ?」

「・・・・・、くっ・・・馬鹿・・・・だな・・・俺を仲間にすると後悔するぞ」

「そんなことないぜ、ジェット・・・・俺たちマスクドチルドレンで・・・スペクターをぶっ潰す・・・そういう約束覚えているだろ?」

「ユウジ・・・・」

「クールなお前にそんな顔されるのは気ぃ狂うわ・・・・・・・・」

「・・・・・・分かった、というわけだ・・・・ジェード、スペクターを倒すのに・・俺も力を貸す」

「ジェットが来てくれるなら・・・・俺も助かる・・・・」

「今度こそ・・・奴を倒す・・・・シュレイダーに・・・・・・・一泡吹かせてやらんとな・・・」

「・・・・・レッド・・・・・ユウジ、ごめん・・・・そして・・・ありがとう」・・・怒りに任せ・・・無謀な戦いをしたことを・・・いまさらながらジェードは後悔した

「気にすんなや・・・お前がジェットを慕う気持ちは俺も良く分かる・・・兄貴を助けてやりたかったんやろ?・・・だから今日はあまりしゃべらんで早く寝ろ」ユウジは幼少の時からジェードとジェットの間の友情を知っている。彼の気持ちは痛いほど理解していた

「・・・・・そういうことだ・・・イエローとアンバーが今お前の体力が回復する方法を必死に探してくれている・・・・・後お前のミュウが・・後で来るはずだ・・・何か俺たちの『力』の事でいろいろ話があるらしい」

「ミュウ・・・が?・・・・わかった・・・それじゃ・・・お言葉に甘えさせてもらう・・・・」 

こうしてジェードは深い眠りについたのだが・・・・

2#:よみがえり

パァァァァ・・・・・・・・突然彼とジェットの居る病室が光り輝き始める。

「うーん・・・・・・・・眩しい・・・・って!!これは・・・!!」飛び起きてみると、ジェットもまた起きていて・・・

「ジェット!!・・・・一体・・・これは?」

「わからん・・・・俺がおきたときにはもう既に光がこの部屋を包んでいたが・・・・・」あのジェットでさえも驚きの表情を隠せない

やがてその光は緑色を帯び・・・・・その中から・・・一人の女性が姿を現した・・・・、しかもその女性はジェードと同じ翠色の髪と瞳・・・そう、彼の母、エメラルドだった

「か・・・・母さん!!?」

「エメラルドさん・・・・・」

「・・・・・久しぶりね・・・・・ジェード・・・そしてジェット君」エメラルドは静かに微笑み・・・話だした

「・・・・母さん・・・・いつトキワに戻ってきたの・・・・?」

「・・・・あの後も私は・・・先の戦いで負った傷を癒す方法を探していたの・・・今度は必ずジェード・・・あなたの力になってあげたかった・・・そうしたらあなたの仲間のミュウがテレパシーで私に直接頼んできたのよ」

「ミュウが・・・」ジェードでもミュウの持つ未知の力は把握できなかったようだ

「でも・・・ジェード・・・・・あなたにはとてもつらい思いをさせてしまったわね・・・・本来・・私は母親失格ね・・・・」

「そんなことないよ・・・・だって・・・・母さんは」

「ジェードの言うとおりですよ、エメラルドさん」ジェードが途中まで言いかけたところでジェットが口を開いた

「ジェット君・・?」

「安心してください、ジェードは・・・・あなたが居なくても立派に戦い・・・再び闇に堕ちた俺を助けるまでの実力を身につけました・・・本来俺が守っていくつもりだったんですが・・・こいつは自らの力で強くなっていきましたよ」

「ジェット・・・」ジェットが他人を褒めることなど滅多に無い・・・・・それはマスクドチルドレンの頃から行動を共にしてきているのでよく分かっている

「・・・・・・そう、・・・ジェード、そしてジェット君も・・・・大きくなったのね」ジェットの言葉を聞いてエメラルドは我が子の成長を嬉しく思う『母』の顔になっていた

「・・・・・・」ジェードは本当はもっと話したいことがたくさんあるのだが・・・・・その言葉がのどで止まってしまい・・・黙り込んでしまっている

「ジェード、何回もセレムのフルパワーで戦ったみたいね・・・・・、私もそうだったけど、本来セレムに変身する回数は少ない方が良いのよ・・・それをあなたは何回も変身した、だから身体はボロボロになっているわ・・・包帯を取って髪の毛を、見てごらんなさい」

「・・・・・・・・」

しゅるしゅる、

言われたとおり頭の包帯を解き始めたジェード・・・・すると・・・・

「・・・・・・こ・・・これは・・・?」ジェードは我が目を疑った・・・。遂先日・・ジェットと戦う寸前までは緑色だった髪が・・今ではすっかり白髪になっていたからだ。

「・・・・これ以上戦い続ける事で貴方の命は・・・・・・それでも貴方は戦えるの?・・・・私は・・・母親として貴方を止めたいの・・・」エメラルドの表情はどこか哀しげだ

「母さん、何と言われても俺はスペクターと最後まで戦う・・・もうこれ以上犠牲は増やしたくないし・・それに俺は必ず生きて勝つって大切な人に約束したんだ!!」ジェードはそんなエメラルドに対し強い口調で言った。

「・・・・・・やっぱり貴方はお父さんに良く似たわね・・・・その最後までやり遂げると言う精神・・・忘れちゃダメよ」エメラルドは再び優しい笑顔を向けると、ジェードをそっと抱きしめた。するとジェードとジェットの身体に彼女の身体から放たれる光が取り込まれていく

「母さん・・・・・・下手するとこれが最後かもしれないね・・・俺が生きて会うのは・・・・」強い意志は見せたものの・・やはりジェードもまだ十代の少年・・・死が恐ろしくないはずが無かった。

「・・・・・大丈夫・・・・貴方には必ず良い流れが来る・・・・それに貴方には仲間が居るわ・・・アンバーちゃんを・・・大切にね・・・・私もあなたを信じているわ」 

フッ

次の瞬間、ジェードとジェットの傷口は完全にふさがり・・治っていた。

「・・・・・・これは・・・」

「・・・・・・これが癒しの力の真の力」

「私が今して上げられるのはこれくらい・・・でも・・・もう一つとっておきのプレゼントがあるから・・・・楽しみにしててね。私はいつまでも貴方達の味方・・・ジェード、ジェット君・・元気で・・」

「母さんっ!!!」こみ上げていた想いに限界が来て・・・ジェードは遂に決壊した

「ジェード・・・・困った時は・・・・仲間を思い・・・・今までのどの戦いの時よりも命を燃やして戦いなさい・・・命の輝きは・・・かならずあなたを救うわ」

「仲間を・・・・思う」

「仲間を信じ・・・・守ろうとする思いは・・・必ず人を強くするわ・・・・私は・・・森の中でやることがあるから・・・・後の事はあなたが考えて・・・行動しなさい・・・アンバーちゃんの事・・愛しているんでしょ?・・・彼女に何か言うことがあるでしょ?」

「・・・・・!!・・・わかった・・・・俺は・・・・もう一度愛するものの為に戦う!!」

「ジェード・・・ジェット君・・・・どうか・・・・元気・・・・で」

そういうとエメラルドはまた光と共に去っていった

3#α:運命を前に 〜Side:Jade〜

そしてジェードは部屋を出ようとした。すると・・・・

「怪我・・・もう大丈夫なの?」・・・・部屋の前で待っていたのだろう。アンバーがそこには居た

「アンバー・・・・・・・聞いていたのか?」ジェードは普段の声で・・今の部屋の中での出来事を聞いたのかどうか訪ねた

「・・・・・・・」コクリ、と彼女は頷いた。

彼女は全てを聞いていた・・・ジェードの命がもはや風前の灯であることを・・・・・・

「聞いていたんなら・・・・・・もう何も俺からは言わないよ・・・ただ・・・」

「・・・・・ただ・・?」

「俺は一度約束したことは必ず守る・・・・・今回もそのつもりだよ、アンバー」本当は一番苦しい状況であろうジェードがこの時笑って見せたのだ

〜回想〜

「アンバー・・・・、起きてるか?」 その日の夜・・野宿になったジェードは寝袋からアンバーに声をかけた

「・・・・・うん・・・今日は色々なことがあったね」彼女もまた昼間の出来事が頭を離れず、眠れなかったらしい

「ああ・・・ベリル爺さんまで俺を待っていてくれたなんて・・・正直嬉しいよ」

「やっぱり・・・家族って良いものね」 

「うん・・・・・だからこそ・・・俺はイエローやレッド達を守りたい・・もっと力が欲しい・・・」ジェードは左手を握った

「ジェード・・・・・私も貴方の力になるわ・・」アンバーもまた出来ることなら生涯、ジェードと運命を共にしてみたいと思っていた

「ありがとう・・・・アンバー、俺は一人じゃない・・アンバーの為にも・・・約束するこの戦い、必ず俺はスペクターに勝って無事に生きる!!」

「本当に約束よ、ジェード」

「もちろん」

こうして2人は固い約束をしたのだった。


「わかってるわ・・・あなたは約束を破らない・・そうよね?ジェード」

「そのつもりだよ・・・・・アンバー」

「でも・・・・今日一日・・・私に付き合ってくれる?」アンバーがウインクしている

「あ・・・アンバー?」彼女の申し出に・・・ジェードはびっくりしたようだ

「あら?私からデートしてくれって言ってるのよ?」

「デートッ!!?」

「私とじゃもしかして嫌・・・?」

「そんなことないよ!!」

「決まり!!ほら・・・私カントーあまり知らないから・・・案内してね」

「・・・・わかった」(おれは・・・・・アンバー・・・今日・・・君に・・・)

3#β:運命を前に 〜Side:Jet〜

ジェードが病室から出て行った後・・・・ジェットは一人病室で再び眠りについていた。

「・・・・・これは・・・・くっ・・・いつもの悪夢か・・?」 ジェットは何処か良く分からないが・・・謎の研究所内に一人でいるのだった

「・・・・・ジェット・・・・ここには来ないでって・・・言ったのに・・・・」そこへ水色の髪と瞳をした少女が入ってきた 

「カレン!!・・・・頼むから馬鹿な真似はよせ・・・俺は・・・・お前を・・・・」

「・・・・・もうだめなの・・・私は・・・スペクターに・・・・・・だから・・・・ジェット・・・」

「俺は・・・・それでも俺は・・・・敵は斬る・・・・・それしかできない!!!」ジェットはハッサムを出し・・・攻撃を開始した

ザシュッ!!!!

「はあっ・・・・・はあっ・・・・カレン・・・・」死闘の末・・・なんとかカレンを倒すことに成功したジェット・・だが

「ジェット・・・・やっぱり・・・・あなたは・・・強い・・・そして、・・そんなあなたを・・私は・・・・」カレンは

「もう良い・・・・何もしゃべるな・・・」

「ジェット・・・・お願い・・・・私を強く・・・抱きしめて・・・」カレンは・・・力を抜いてジェットに身体を預けてきた

「これくらいいつでもできるだろ・・・馬鹿を言うな・・・・」ジェットは彼女に話しかけるが

「・・・・・・・・」

「カレン・・・?・・・・・カレン・・・・まさか・・・・・・俺は・・・・うおおおおおおお!!!!!」

ばさっ!!!

「きゃっ!!!」

「・・・・はぁ・・っ・・・はぁ・・っ・・・全く・・この夢もいい加減にしてほしいな・・・・・・・・!!?」

目覚め・・・落ち着いたジェットが目の前を見ると・・・・・・・そこには・・・・

「いきなり目を覚ますんだから・・・・びっくりしたわよ?ジェット」

「・・・・・・・・ま・・・・まさか・・・そんなことが・・・」ジェットはあまりの事態に・・・・いつもは冷静な彼の頭が・・・・・混乱を起こしていた

何故なら・・・彼の前に立っている女性こそ・・・先ほどまで夢に出てきていて・・・・そして彼の腕の中で死んでいった・・・愛する女性・・・カレンだったからだ。

「驚いたわよね・・・・私だって・・・今この世界に戻ってきて・・・あなたに会っていることが夢だと思うもの・・・」カレンは自分の髪を少したくし上げながら・・微笑みかけた

「本当に・・・お前なのか・・・?カレン」

「ええ、・・・正真正銘私は・・・カレン=ハナダ=アクアフィールドよ♪」カレンは活発な女の子らしい明るい声で言った

「・・・・・・・・・・・・っ!!」ジェットはその場に居続ける事が耐えられなくなり部屋を飛び出そうとするが・・

「ジェット!!!」

「・・・・・・・・来るな・・・・・・俺は・・・・・・・カレン・・・お前がまた生を受けたというんのなら・・・」

「・・・・」

「俺は・・・罪な男だ・・・・・・・・お前のことを一度も忘れたことはなかったが・・・・・・(俺は・・・カスミを・・・)」そう・・・・ジェットはカレンの事を想いながらもすでにカスミを愛していたのだ

「分かっているわ・・・・・カスミ・・・・・でしょ?」

「・・・・・何故分かった?」

「私が死んだ後・・・あなたのことだから・・・・・、人を遠ざけようとしたんじゃない?・・・・それでも一途なカスミの事だから・・・いつもあなたの帰る時を待っている・・そしてあなたもあれからカスミを愛している・・・」

「・・・・・まいったな・・・そこまで当てられるとは・・・」

「分かってないわね?・・・・私はあなたの事ばっかり考えたのよ、他の誰よりもあなたのことは分かっているつもりなんだから」カレンはそう言って顔を近づけていく。

「・・・・・そんなお前だから・・・俺も・・・」ジェットはそこまで言うと二人は静かに唇を重ねた。

「・・・・・さっ・・・・私だけじゃなく・・・カスミも幸せにしてあげましょう?」カレンは身体を放すと・・・・穏やかな笑顔で言った すると・・彼女の身体が水色の光に包み込まれていく

「カレン!!?・・・・お前は・・・・?」

「私は・・・・・今度生まれ変わったら決めていたことがあったの・・・・ジェット・・・・あなたを守る盾として生きることを・・・・だから・・・いつでも・・・あなたの側に・・」 カレンがそういうと・・なんと彼女は姿を変え・・・ラプラスの姿になった

「・・・・・・・・

「ああ・・・そうだな・・・ミュウツー・・・・ハナダまで俺たちを送ってくれ」

(わかった・・・・・)ミュウツーは集中すると・・・・テレポートで2人と共にハナダシティへと飛んだ。

4#:懐かしき3人

その日・・・ハナダジムはいつにも増して忙しい昼間を終え・・・・・・・日も傾きかけ・・・そろそろジムを閉めることにしていたカスミ

「さて・・・今日もなかなか将来的に楽しみなトレーナーが来たわね・・・・私たちジムリーダーもうかうかしてられないわ」そしてジムの扉に鍵をかけようとしていた時

「・・・・・ジムリーダー、今日の挑戦は・・もう締め切ったか・・?」

「挑戦者の方ですか?・・・悪いですけど今日はもうジムは・・・・っ!!?」カスミは後ろの声に答え振り向き・・・絶句した・・・。

何故ならそこには夕日の光にその赤い長髪をなびかせた青年・・・そう、失踪していたジェットが立っていたからだ。

「どうした?・・・・俺がまた来ることがそんなに珍しいのか?」

「・・・・・・馬鹿っ!!!」

パシッ!!!カスミは思いっきりジェットの頬を引っ叩いた

「・・・・・!!」

「一体何処に行ってたの!!!あれから連絡が無いと思ったら・・・ジェードと戦ってるし・・・本当に心配したのよ!!」カスミは

「・・・・すまない・・・・お前には心配をかけてしまった・・・・だが・・・俺は・・・・」

「お願いだから・・・・・全てを抱え込んで一人で突っ走らないでよ!!!・・・・・あなたの帰ってく・・・・」一気に言おうとしたが・・・彼女は口を塞がれた・・・・彼の唇によって

「勝手だと言うかもしれない・・・・でも俺は自分の生き方は代えられない・・・そんな俺でもよければ・・・俺はお前を・・・・・愛している」

「・・・・・」

「だから・・・・俺とお前が一緒にいるためにも・・・・奴を・・・スペクターを倒さなければいけない・・・」

「・・・・ジェット」

「・・・・・俺は・・・絶対に勝つ・・・・そして生きてお前の元に戻る」

「私も・・・・あなたを信じる・・・・」カスミもまたジェットの背中に手を回すと・・・今度は彼女から・・・・

こうして・・・・また一組・・・カップルが誕生した

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そしてその時・・・ジムからさらに北の方角に進んだところにあるカントー有数のデートスポット、ハナダの岬にはジェードとアンバーが居た

「とっても綺麗ね・・・・・・海の向こうの夕日」アンバー水平線上に沈みかけている夕日をみてジェードに話しかけた

「ああ・・・そうだね・・・・・・でも・・・・これがもしかすると・・・・」 戦いに負ければ最後の夕日だ・・・とジェードは思っていた

「駄目よ、ジェード」

「えっ・・・・・・・」

「二人で見る夕日はこれで最後・・・・なんて考えちゃ・・・」

「アンバー・・・・・」

「私との約束・・・・守ってくれるんでしょ?」アンバーはあくまで明るくジェードに話しかけた・・・・こうしてやることで彼は落ち着くだろう。

「うん・・・・・・、」

「それだったら明日・・・スペクターを倒して・・・世界をロケット団の手から守らなきゃね?」

「そう・・・だね・・・・だけど・・・・もう一つ・・・・」

「ジェード・・・?」

「もう一つ・・・・約束していきたいことがある」いつもの彼より・・・より一層真剣な顔だ

「・・・・なあに?」

「俺が・・・スペクターを倒して・・・・平和が戻ったら・・・その時は・・・・俺と・・・・結婚してくれ!!」

「!!」

「・・・・・まだ・・・世間的に早いとか・・・そういうことは抜きにして・・・・俺は本気だから・・・・その・・・アンバーはどう思ってる?」

「・・・・・・・うれしい・・・・・」アンバーはもう・・・・今自分が死んでもかまわないと思うくらい・・・の幸せを感じていた

「それじゃ・・・アンバー」

「ええ、もちろん・・・その約束・・・・絶対に守って私をジェードのお嫁さんにしてね」

「わかった・・・・必ず・・・君を・・・・」


決戦を前にお互いの想いを確認した二人は・・・遂に最終決戦に臨む


つづく


HISUI「いよいよクライマックスを迎えてきました・・・42話お楽しみ頂けたでしょうか?」

ジェード「・・・・・・・」

アンバー「・・・・・・・」 幸せのあまり言葉が出ない二人

HISUI「うっ・・・・・何だこのラブラブっぷりは・・・・」

ジェット「・・・・・・フン・・・・」

HISUI「おいジェット・・・・、何とかしてくれ」

ジェット「誰がお前などの頼みを聞くか・・・・」

カスミ「まあ良いじゃない、ジェット」

カレン「そうよ、ジェット」

ジェット「そうだな・・・ここで俺たちが昔話をして作者を困らせるのも一興だ」

ジェットこの後・・・二人とのろけだす

HISUI「ぐはっ・・・・・独り身の俺に・・・・そんな虐めか!!?」

ジェード「・・・・・こうしてみると作者も惨めだね」

アンバー「ほうっておいてジェード・・・夜通し愛を語りましょうよ♪」アンバー、作者に見せ付けるようにジェードに抱きつく攻撃!!

ジェード「うわっ!!!ちょっとアンバー!!」

以後なぞの電波障害により・・・座談会終了。

 

[一言感想]

 オリキャラバトルで一足先に出て来たスイレンが登場。
 某、運命を解き放つRPGの主人公とヒロインみたいなデートの始まりでしたが(ぇ)、ジェードとアンバーは幸せそうです。
 とうとう婚約までしてしまいましたが、いかんせんすっかりボロボロなジェード。
 ちゃんと責任とらなきゃ駄目ですよ?(ぁ)
 ジェットの方も、丸く収まってきましたね。
 いよいよ始まる最終決戦ですが、果たして……。
 たぶんレッドも、隠れたところでイエローと……ね(謎)。

 

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