ジョウト地方、シロガネタウン。
これから始まるジョウトリーグの本会場のフィールドに一人の男が立っていた。
「いよいよ始まるのか・・・ジョウトリーグが・・・。」
その男の服装はマントをつけて、一見派手そうに見えるが、マントの中は黒のズボンや灰色の半袖シャツでわりと地味であった。身長は190くらいありそうである。でも一番目立ったのは両腕に描かれたドラゴンの刺青だ。
「ここで世界の運命を変えることのできるトレーナーが出てこようとしている。その者が、どの程度の力のものか、俺は試さなければならない・・・。」
青年はぶつぶつとそう言うとフィールドから出口へと歩いていった。
@@@
ある山地の道中でポケモンバトルが行われていた。バトルルールは2対2のシングルバトルである。
ポケモンはフシギソウとジュプトルだ。審判は白い帽子をかぶった少年、ユウキがやっていた。トレーナーはと言うと、フシギソウのトレーナーが赤いバンダナの少女、ハルカでジュプトルのトレーナーは背の低いメガネをかけた少年、マサトだった。
ハルカが指示を出すと、フシギソウは『葉っぱカッター』を仕掛けた。マサトも負けずにジュプトルの『種マシンガン』で葉っぱカッターを撃墜する。すると今度はフシギソウが『花びらの舞』を放つ。ジュプトルは『電光石火』でかわすのが精一杯だ。その技は美しく威力があった。ハルカは2年前、グランドフェスティバルに出場したほどの実力者である。そのときとは比べ、技の威力も美しさも格段と上がっていた。その攻撃を連続で仕掛けた。だが、『花びらの舞い』には欠点がある。使用すると混乱すると言う欠点だ。マサトはその時を狙い、フシギソウが混乱したのを見計らって攻撃を指示した。『電光石火』は見事に決まり、フシギソウは後方へ飛ばされた。しかし、その衝撃でフシギソウの混乱は解け、すぐさま『つるのムチ』でジュプトルの腕をつかんだ。そして、戦況は引っ張り合いになった。数分引っ張り合いが続いた後に、ジュプトルはフシギソウの方へ飛び込み、『リーフブレード』を叩き込んだ。フシギソウの力+ジュプトルの力のリーフブレードはフシギソウにもろにあたり、ダウンした。
次にハルカはフシギソウを戻し、ワカシャモを出した。弱点を突く戦法だ。
マサトもジュプトルを戻し、代わりにヤルキモノを出した。マサトはもちろんノーマルタイプが格闘タイプに弱いことは知っていた。だがあえてヤルキモノを出した。
ユウキのコールでバトルが再開した。ワカシャモもヤルキモノもコールと同時に接近戦を仕掛けた。ヤルキモノが『ひっかく』攻撃でワカシャモがパンチとキックにフットワークを加えて攻撃を仕掛ける。両者のかわしあいが続いた。次の瞬間、ワカシャモは『二度蹴り』でヤルキモノを攻撃した。ヤルキモノは後ろへ飛び退き、『シャドーボール』を放った。二度蹴りの後、避けることは不可能だった。ワカシャモはとっさに『炎の渦』で防御した。シャドーボールと炎の渦がぶつかり爆発を起こした。ヤルキモノはその爆煙の中を移動して、ワカシャモの目の前に出てきて、『ブレイククロー』で攻撃。ワカシャモは後方へ飛ばされたが、踏ん張り、そのまま『炎の渦』で攻撃を仕掛けた。しかし、ヤルキモノは炎の渦の中へ突っ込んだ。爪を光らせ炎を切り裂き、ワカシャモに攻撃を仕掛けた。『燕返し』だ。ワカシャモは連続攻撃でダウンした。
「ワカシャモ戦闘不能!ヤルキモノの勝ち!よって勝者マサト!」
ユウキがマサトの勝利を告げた。
「やった!また僕の勝ち♪これで4戦全勝だね♪」
「な、何よ!偶然よ!次やれば勝つわよ!」
ハルカはマサトに文句をいった。
「偶然は4度も続かないよ!僕の方が実力が上だってことだよ!」
そう言われて、ハルカは何も言えなかった。実際、最近、マサトの実力が上がってきたのだ。その実力はユウキと肩を並べるくらいになっていた。
「ユウキとの勝負にも負けたことないし。」
「それは、俺のポケモンの弱点を突いてくるからだろ!」
「でも勝ちは勝ちだよ!さぁ!先に進もう!」
マサトはヤルキモノを戻し、山道を進み始めた。
ハルカは怒って、マサトを追いかけた。ユウキはマサトを不安そうに見ていたのであった。
第二章 クロスストーリー
第40話 高みを目指して・・・<序曲(オーバーチュア)>〜VSハル〜
☆マサトたちの冒険のあらすじ
マサトは10歳になり姉のハルカと一緒に旅に出た。
ジョウト地方を目的と決めたマサトは、ミシロタウンで船に乗る途中、オダマキ博士の息子、ユウキと出会い、3人でジョウト地方を旅することとなった。
ミカン、シジマ、マツバ、アカネ・・・とジム戦をしていくうちにどんどん強くなるマサト。その途中、ロケット団の騒動に巻き込まれてしまった。
ロケット団の力の前に苦戦したものの、何とか切り抜けることができた。
そしてマサトは、ツクシ、ハヤトを倒し、ジョウトのジムリーダーの中で最も強いと言われるヤナギとイブキにも勝った。ついにマサトはジョウトリーグの出場権を得て、シロガネタウンまでやってきた。
♭♭♭
ジョウトリーグの開会式が始まった。
200人近い人数が集まり、一同が本大会、会場のフィールドに集まった。最後の聖火ランナーが火を灯し、観客が一斉に賑わった。
その選手の中に混じって、例のマントの男がいた。
「(やはり、この中に相当な実力を持つものがこの会場にいるようだ・・・。なんとなくオーラで分かる。)」
男はあたりを見回してみる。だが、どこからそのオーラが放たれているかは正確にはわからなかった。
ふと男は、あたりをキョロキョロ見回している少年を目にした。
「(あのメガネの少年は・・・!・・・いや、まさかな。あんな小さな少年が・・・?・・・そんなはずはない。)」
開会式を終えると、男は風のように人ごみの中へ消えてしまった。
@@@
「マサト、開会式のとき何やっていたの?」
開会式を終えて、ハルカとユウキはマサトを見つけて話し掛けた。
「開会式って、ジョウトリーグの参加者全員が集まるでしょ?だから、知っているトレーナーや強そうなトレーナーがいないかチェックしていたんだ。僕が家で見ていた大会のビデオに出ていた人も数人いたし。」
「でも、はたから見たら、落ち着きがないように見えたぞ。」
ユウキがそう言った。
「それで知っている人がいたんだよ!あ!いた!!」
マサトはそう言って、その知っている人の方向へ向かった。その人とは頭がオレンジ色でぼさぼさで尖っていて、図体は相撲取りではないかと思わせる体格だった。
「あ、お前はマサトか?」
ハルカはその人物を見て驚いた。
「マサムネ!」
「お!ハルカではないか!ホウエン大会以来だべ!」
そう、マサトが見かけた人物とは、ホウエン大会決勝トーナメントでサトシと激しい戦いを繰り広げたマサムネであった。その大会ではベスト16と結果を残している実力者である。
「マサムネ、もしかしてジョウト大会に!?」
「もちろんだべ!おいらの夢は世界一のポケモンマスターになることだべ!ところでサトシはどこだ?」
「サトシはいないよ!」
「何!?それじゃ一体2人は何の為にここに来たんだ?」
「僕が大会に出るためだよ!」
マサトが堂々と言った。
「ほう、マサトが出るのか!それじゃ、試合であたることになったら、全力で戦うべな!!」
「もちろんだよ!!」
マサトとマサムネはガッチリと握手を交わした。
「う〜ん、これって青春かも!あれ?ユウキは?」
ハルカはマサトたちを見ていたが、ユウキがいないのに気づき、探し始めた。何かあったのかな?そう思ったのは取り越し苦労だった。ユウキは知らない女の子にアタックしていた。
その女の子は体全体は細く、ショートヘアで程よい長さの青いジーパンに薄緑のノースリーブシャツで、メガネをかけていた。腰には寒い時の為だろうか、薄いピンクのカーディガンを巻きつけていた。
「ねぇ、僕とあっちの店でお茶しない?って、痛い!ハルカ!耳を離せ!」
ハルカはユウキの行動にムッとし、ユウキに近寄り耳を引っ張り強制的に引き離した。その女の子は茫然とその姿を見ていた。それにしてもどこかで見た風景だなぁ。(オイ)
マサトの予備選は順調に進んだ。
予備選は1対1のこの戦いは負けてもいいが、その後に影響するので、なるべくなら全て勝ちたかった。
1人目はマッスグマのトレーナーでジュプトルで対抗した。マッスグマが隙のあるノーマル攻撃しかやってこなかったのをつき、その隙に『リーフブレード』などの大技で勝ち抜いた。
2人目はアブソルのトレーナーだった。マサトはグラエナで地道に攻撃をしていった。グラエナの特性『威嚇』により、攻撃の高いアブソルは能力を発揮できず、マサトのタフなグラエナの前に屈した。
3人目はカイロスのトレーナーでヤルキモノで挑んだ。角を使った攻撃とパンチ攻撃は隙がなかったと言えよう。しかし、マサトはヤルキモノに『大文字』を覚えさせていて、勝負を有利に運んで勝利した。ちなみにヤナギに勝てたのも、このヤルキモノの『大文字』の攻撃のおかげだった。
マサトは全勝で予備戦を終えたのだった。
★★★
選手村のある西にあるペンション
そこにペンションのリビングで一人の青年がくつろいでいた。黒のジーパンに上は白いTシャツ、そして黒いコートをまとっていた。その青年も身長は180前後はあっただろう。その青年に一人の少女が近づき、話し掛けてきた。
「ラグナ、順調ね。」
ラグナと呼ばれた青年は振り返って少女の方を見た。ラグナの目は、人を射るかのような鋭い目つきをしていた。
「そんなに怖い目をしないでよ!」
「悪かったな怖い目で。」
ラグナはテーブルの上にあったジョウトリーグのガイドブックをとって見た。
「それにしても、こんなことしていていいのかな?平然と大会なんかに出ちゃって・・・。」
「別に構わないだろ。バッチはちゃんと8つ集めているんだから。まぁ、ジムリーダーなんて恐れるに足らなかったがな。無論、予備選で戦った奴らもな。」
ラグナは持っていた本をパラパラとめくったあと、テーブルの上に放り投げた。
「それとユウナ、あの2人はどうした?」
その少女、ユウナはラグナの後ろに回った。
「“彼女”は、愛しの彼を探しているんじゃないの?何度か私に話していたし。あの“気まぐれスナッチャー”は、どこかでふらついてんじゃないの?いつも何考えているか分からないし。」
「そうか・・・。」
ラグナは立ち上がり外へ出ようとした。
「ラグナもこの大会で見つかるといいね。愛しの恋人(かのじょ)に。」
ラグナはこれを聞くとユウナに襲いかかり壁に押し付けた。ラグナは完全に怒っていた。
「そのことは口に出すな!!第一あの女は彼女じゃねぇ!あの大会であんなことがなければな!!」
「そうね。確か、準決勝であたるはずの彼女に仕組まれて、準決勝を棄権されざるおえない状況にさせた人だものね。あなたに近づき確実に優勝を手に入れるために仕組んだ。まさに魔性の女ね。」
ラグナはユウナを放した。
「そうさ!!どっちにしろあの女は決勝戦でセンリってやつに負けたんだ。ふん!俺がやっていたら優勝したものの!!」
「そうね。」
「どちらにしろ、俺はあいつを見かけたら・・・・・・・・・消す!!」
ラグナの言葉には本音としか聞こえようがない力があった。
@@@
予選リーグ当日、マサトたちは会場にいた。
予選リーグの対戦相手が決まりマサトは他の2人の試合を先に見ることになったのだ。
「あっちの派手に入場してきたのが、カオルコさんで・・・」
「こっちの女の人ってまさか・・・」
マサトが言おうとしたときユウキが飛び出した。
「あの女の子は、あの時、俺がお茶に誘った女の子だ!!」
「本当だ!って、ユウキ下心丸見えかも!!」
ハルカはそう言って、またユウキの耳をつねった。ユウキの言ったとおり、フィールドには前の日にユウキがお茶に誘った人がいた。
「違うよお姉ちゃん!僕が言いたいのはそういうことじゃなくて!」
その時コールがなった。それは勝敗を告げるコールだった。
「マダツボミ戦闘不能!サンダースの勝ち!勝者ハル!!」
カオルコはハルのポケモンを一匹も倒せずに終わった。
「うわ!あの人強いかも!」
「お姉ちゃん強いかもじゃなくて、本当に強いんだよ!」
「どういうことだマサト!?あの人を知っているのか!?」
ユウキは別の意味で興味心身だ。ハルカはそんなユウキの様子を見てムスっとした。
「あの人はリュウキュウ地方のポケモン大会で2年連続の優勝者なんだ。そして、今大会の優勝候補だよ!!」
「えぇ!それじゃ、マサトはいきなりそんな強い人と当るわけ!?」
「こうしちゃいられない!急いで宿舎に戻ってあの人のポケモンの弱点を探さなくちゃ!」
「ちょっと待てよマサト!もっとハルさんのことを教えて・・・痛いって!」
ハルカはまた、思いっきりユウキの耳を引っ張ったのであった。
ここでルールを紹介しておこう。
ジョウトリーグは予備選、リーグ戦、そして決勝トーナメントという方式である。
予備選はその場でポケモンを選んで、バトルをするが、リーグ戦以降は事前にパソコンでエントリーを済ませないといけない。
そのパソコンには参加者全員のポケモンのデータが記録されている為、対戦相手のポケモンを読んで決めることが出来る。
リーグ戦は3対3のシングルであるが、トーナメントは6対6のフルバトルである。
それで進んでいくことになる。(詳しくはアニメをご覧下さい。(蹴))
時間は早く過ぎるもので(?)マサト対ハルの試合始まろうとしていた。予選会場のため客はまばらであるが、フィールドはしっかりとしている。その中央で2人は握手を交わした。
「よろしくお願いします。私、負けません!」
マサトの対戦相手、ハルは前回ユウキがナンパしたときとほぼ同じ服装をしていた。違う所といえば、ピンク色の手編みのカーディガンを羽織っているところである。
口調は弱々しいが芯がしっかりと通っていて、内なる強さを感じさせていた。
「はい!でも、僕も負けませんよ!」
マサト元気のある声で答えた。そして両サイドのポディションについた。
「先攻はシャッフルにより、ハル選手からです!」
先攻後攻はシャッフルによって決められる。先攻の方は先にポケモンを出すことになるが、先に仕掛けることが出来る。一方、後攻は相手がポケモンを出してから選べるので、弱点を突くことが出来る。
「(・・・ハルさんは一体何を出してくるだろう?)」
マサトは前日の夜遅くまで作戦を練っていた。
ハルはリュウキュウ大会を2年連続優勝しているだけあって、ポケモンは皆強そうだった。
「(サンダース、ネンドール、ヘラクロスにジュカイン・・・これだけでも強い。でも中でも要注意なのは・・・あの2匹なんだけど・・・)」
マサトが考えていた所、ハルが最初のポケモンを出した。
「ヘラクロッ!」
「(ヘラクロスか・・・それならこいつで決まりだ!)」
マサトは即座にボールを投げた。中から、ギャロップが飛びだした。
「炎タイプと虫タイプ・・・タイプから言えば、マサトが有利ね。」
ハルカとユウキは観客席からマサトの試合を見ていた。
「ああ。だけど、そう簡単には行かないだろうな。」
「試合はじめ!」
審判がコールをした。
「ヘラクロス、『メガホーン』よ!」
「ギャロップ、かわして、『火炎放射』!」
ハルはいきなり虫系最大の技を指示してきた。ヘラクロスは角を光らせ一直線にギャロップへと向かって行く。
その攻撃をギャロップはかわした。マサトは効果はいまひとつといえども、最初の一撃は流れが変わると判断しかわすように指示を出した。そして、火炎放射を放った。
「かわして、『みだれづき』よ!」
ヘラクロスはメガホーンの体制から立て直すようにブレーキをかけ方向転換をし、かわしてギャロップに接近した。
「(あのヘラクロス、僕のヤルキモノの速さと同等かも・・・このままじゃ、攻撃をかわせない・・・。)『高速移動』で回避だ!」
ギャロップの最高時速は240キロである。瞬時にそこまでスピードは出せないが、余裕でヘラクロスの攻撃をかわすスピードはあった。
「(あのスピードでは、攻撃は当たらないわね・・・それなら足止めをするまで・・・)『地震』よ!」
ヘラクロスは体全体の体重を地面にかけ揺れを起こした。高速移動中に地震を起こしたりしたら当然動きが鈍る。そうハルは考えていた。
「今だ!ギャロップ!」
でもマサトはその指示を聞いた途端にそう言った。するとギャロップはヘラクロスが地震をかけようと跳んでいる間に急ブレーキをかけ、その余波で飛び上がり、同時に炎を放った。
その炎はヘラクロスを包み込んだ。
「これは、『炎の渦』!?」
「そのまま『火炎車』で突っ込むんだ!」
『跳び上がる』と『炎の渦』のアクションを同時に行い、そして、降下とともに『火炎車』で直接攻撃するというものだった。
飛行と炎タイプの二重攻撃は効果覿面だった。ぶつかった衝撃でヘラクロスを後方へと飛ばした。そのまま攻撃を受けていれば、ヘラクロスは戦闘不能になっていた。
「まだよ!」
ヘラクロスはまだ立っていた。どうやらヘラクロスは『こらえる』をしていたようだった。ハルのヘラクロスは指示しなくても、自分の判断で『こらえる』行動をするようだ。
「『起死回生』よ!!」
体力がなくなったときのこの技はどんな技にも劣らない最強の技になる。しかしその技には大きな欠点がある。
「『電光石火』で攻撃だ!」
マサトはその欠点を知っていた。ヘラクロスの攻撃を左にかわし、後ろから体当たりを仕掛けた。ヘラクロスは前のめりに倒れた。
「(『起死回生』はスピードある相手には通用しない。まさにその通りだね。)」
「ヘラクロス戦闘不能!ギャロップの勝ち!」
「やっぱり、ギャロップ相手に『起死回生』は無謀でしたわ・・・。」
ハルはボールに戻しつつ、反省した。だが、気持ちを切り替え、次のポケモンを放した。
そして、そのボールから火竜が出てきた。
「(でた・・・。リザードン!)」
マサトの警戒していたポケモンの一匹、リザードンだった。
「リザードン対ギャロップ、試合はじめ!」
コールと同時にリザードンは飛び上がった。ギャロップでは、リザードンに攻撃できる攻撃が限られてくる。
「リザードン、『竜の怒り』よ!」
ギャロップには特性『もらい火』がある。そのことを考慮してハルはドラゴンタイプの技で仕掛けた。無属性のエネルギー弾がギャロップへと飛んで行く。
「『高速移動』で回避だ!」
ギャロップはマサトの指示で回避した。再びギャロップは走り出すが、走り続けるだけでは、飛んでいるリザードンのほうが有利だ。
「そのまま連続攻撃よ!!」
ハルは慌てず『竜の怒り』を続行させた。接近攻撃をしてこない限り、リザードンはダメージを受けることは無い。炎攻撃は両者にとって効果が薄いためだ。
高速移動でかわし続けるが、10分くらい経ち、マサトが指示を変えようと考えた。
「(このままではギャロップがもたない・・・。攻撃しないと・・・!)飛び跳ねるんだ!」
ギャロップは脚力を生かし、リザードンに向かって攻撃を仕掛けた。しかし、その攻撃にハルは目を光らせた。
「ギャロップを受け止めるのよ!」
リザードンは向かってきたギャロップを後退しながら、受け止めた。とは言え、多少のダメージは間逃れなかった。でも、ギャロップはリザードンに捕まれ動けない。
「今よ!『地球投げ』!」
ハルが指示を出す前に、リザードンは動き始めていた。ギャロップの攻撃の衝撃を受け、そのままの方向から、ぐるりと一回転、二回転・・・と回り、地面へとたたきつけた。マサトは『火炎車』を指示したが、それどころではなかった。
「とどめの『破壊光線』!」
起き上がろうとしたギャロップに追い討ちをかけた。攻撃がもろに当り、ギャロップの体力を全て消耗させた。
「ギャロップ戦闘不能!リザードンの勝ち!!」
「ハルさんって容赦ないわね・・・。」
ハルの連続攻撃にハルカは目を見張った。
「バトルは一瞬でも気を抜くと痛い目に会うからね。そのことをハルさんは分かっているみたい。あぁ・・・さすがだ・・・。って・・・いたたた!何するんだよ!」
今度はハルカはユウキの頬をつねったのであった。
「俺に恨みでもあるのか??」
「ふん!」
ハルカはそっぽを向いた。
「(もうユウキなんて口利かない!)」
ハルカが怒っている一方でマサトはギャロップを戻していた。それをハルがじっと見ていた。
「(状況は2対2ね。この状態で気をつけるべきなのは、モココね。後の私の2匹は電気タイプが弱点だし・・・。)」
その時、マサトは2体目のポケモンを投入した。
中から出てきたのはチョウだ。いや、実際はチョウではない。よく見ると、蝶ではなく羽根に大きな目玉を持ったポケモンだ。
「(アメモース!?虫と飛行タイプのポケモン・・・リザードンには不利なポケモンのはず・・・何故出したの?でも予測がつくわ。相手が私の最後のポケモンが“あれ”だと予測しているならば、ジュプトルの可能性が高い。モココであるならば、なおさら今出すはず。他のポケモンはありえないわね。どっちにしろこちらが好都合!リザードンで押し切るわ!)」
ハルはそう予測した。
「何でマサトはアメモースを出したの!?」
ハルカもさすがに驚いた。
「(マサトの目・・・何か狙っているな・・・。)」
ユウキはそう感じ取った。
「アメモース対リザードン、試合はじめ!」
「(何を考えているか知らないけれど、一撃で決めるわ!)リザードン、『火炎放射』よ!」
ハルは迷わず炎攻撃を指示した。灼熱の火炎がアメモースに襲い掛かる。アメモースは虫タイプを持っているため一回受けただけでも致命傷になりかねない。
「『高速移動』でリザードンの後ろに回りこむんだ!」
アメモースはあっさりと攻撃をかわした。
「(なんて速さなの!!)」
リザードンは直前で少し攻撃の方向を修正したにもかかわらず、火炎放射はかすりもしなかった。アメモースはリザードンの後ろに回りこんだ。
「翼を狙って、『冷凍ビーム』!」
マサトはリザードンの翼を封じる作戦に出た。リザードンが飛べなければ、例え空を飛べるポケモンをもっていなくても対応できると考えたからだ。
「かわすのよ!」
ハルはもちろん回避の指示を出した。けどかわさなかった。リザードンはその場から動けなかった。そして冷凍ビームは命中し、翼が凍らされ、リザードンは地面へと落下した。
「(あのアメモース、速いわね・・・それなら・・・)『火の粉』を撒き散らしなさい!」
リザードンは出来るだけ火の粉をたくさんだし、周りを火の粉だらけにした。当然アメモースはかわそうとして、動く軌道が見えてくる。
「吹き飛ばすんだ!」
アメモースは羽ばたいて風を起こし火の粉を吹き飛ばした。だがその時ハルはもう次の指示を出していた。
「今よ!『オーバーヒート』!!」
オーバーヒート・・・言わずと知れた炎系最強の技である。一発だけならいいが、連続使用すると威力が落ちてしまうのが欠点だが、それ以外は最強の技と言っていい。
「アメモース!『水の守り』だ!」
マサトが聞きなれない技を指示した。しかし、すぐにアメモースは炎に飲まれてしまった。
全ての観客がアメモースの負けを悟った。だが、マサトは諦めていなかった。
リザードンが炎を出し切ったとき、そこには自分の体を水で纏ったアメモースがいた。
「え!?嘘でしょ!」
「アメモース、『ハイドロポンプ』!!」
今度はアメモースが水系最強の技で反撃に出た。水流はリザードンにヒットし、リザードンは後方へと押し出された。
「やった!決まった!いいぞ!アメモース!!」
マサトはガッツポーズとした。でもリザードンは立ち上がった。
「そんなバカな!水系の技を受けて立ち上がるなんて・・・それならもう一度『ハイドロポンプ』だ!」
アメモースは指示通りもう一度攻撃を放った。
だが、ハルは紙一重でリザードンをモンスターボールに戻した。
ハイドロポンプはリザードンがいた場所を飛んでいっただけだった。
「後もう一息だったのに!マサト惜しいかも!」
「さすがハルさんだ・・・不利な状況を立て直すために一度ボールへと戻した。しかもこれなら、『オーバーヒート』で消耗した体力も回復できる・・・さすがだなぁ・・・ん?(キョロ)」
ユウキはまた耳をつねられないか、と思ってハルカの方をそっと見た。しかし、ハルカはもうユウキのことは気にとめていなかった。
ハルはリザードンを戻した代わりに今度は別のポケモンをフィールドインさせた。
そのポケモンは見るからに美しかった。そう、あのホウエン地方で貴重なポケモンとされる・・・。
「(出た・・・ミロカロス・・・。)」
マサトが最も警戒していた一匹である。
「(リザードンはきっと最後のポケモンであるジュプトル戦にとっておいたほうが上策だわ。水系攻撃に効果が薄いミロカロスなら勝てるわ!それにあのアメモースはきっと・・・。)」
ハルにはある仮定が浮かんでいた。
審判のコールがなり、試合が再開された。
「ミロカロス、『ハイドロポンプ』よ!」
最初からハルは強力な技を指示した。威力はアメモースの攻撃より遥かに勝っていた。
「かわすんだ!そして、『ソーラービーム』!」
マサトは草タイプ最強の技を指示した。チャージには時間が掛かるが、威力は高いことはハルカのフシギソウを見て知っていた。
「ミロカロス、かわすのよ!」
動いてかわそうとする。だが、アメモースは動きながら、力を溜めることができ、攻撃から逃げられなかった。ソーラービームはミロカロスに直撃した。
だが、ミロカロスはとくぼうが高いことで有名である。そのくらいでダウンしないことは分かっていた。
「もう一度、『ソーラービーム』だ!!」
マサトは連続攻撃を指示した。
「『竜の息吹』よ!よく狙って!」
いくらアメモースが、チャージしながら動けるといっても、高速移動ほどのスピードではない。そのため、竜の息吹は容易にヒットすることができた。
その後にソーラービームの攻撃が来た。また、ミロカロスに命中した。だが、意外なことにまだ倒れない。
「『自己再生』よ!」
すると、ミロカロスはみるみるうちに傷を再生させていった。
「・・・させない!『銀色の風』で畳み掛けるんだ!」
2回目のソーラービームで倒せると思っていたマサトは、追撃をするタイミングが遅れてしまった。そのせいで、アメモースが銀色の風を放ったのは、ミロカロスの回復が終ったあとだった。
「『吹雪』よ!!」
ミロカロスの吹雪はアメモースの銀色の風だけでなく、アメモースさえも飲み込んだ。吹雪をやめたときには、アメモースの氷付けが完成されていた。
「アメモース戦闘不能!ミロカロスの勝ち!」
「(やっぱり、アメモースの弱点・・・思った通りね。技が多彩な代わり、威力が通常のより明らかに低い。さっきのリザードンのときでも、普通の水ポケモンならあれでダウンするだろうし、私のミロカロスだって、ソーラービームは2度も耐えられないわ。それより相手は後一体。残りはジュプトルのはず!)」
マサトはアメモースを戻した。
そして、別のポケモンを投入した。そのポケモンはハルが予想したジュプトル・・・ではなかった。
つづく
アトザ〜シロガネシティライブバージョン〜
HIRO:さぁ!やってまいりました、ここシロガネシティ!!激戦が繰り広げられるこの土地で一体どんなバトルが繰り広げられるのでしょうか!?
マサト:絶対勝つぞ!
ハル:私だって負けませんよ!
ユウキ:マサトもハルさんもがんばれ!
ハルカ:マサトの方を応援しなさいよ!!
(ハルカ、ユウキを引っ張り強制退去)
カオルコ:ところでわたくしの出番は?
HIRO:あはははは・・・。
マサムネ:笑ってごまかすんじゃねぇ!メタグロス気合の『とっしん』・・・
HIRO:うわ!やめてくれ!そんなの受けたらただじゃすまないよ!
ハルカ:それにしても、HIRO、ずいぶんと出すキャラ増やしたわね。当初では、まっさらだったのに。
ユウナ:そのお陰で私たちが出られたというわけね。
ラグナ:俺たちの出番はまだまだだって聞いていたんだけどな。
HIRO:というか、最近までラグナは名前が決まらなかったし、ユウナなんて、一週間前にふと思いついて書き起こしただけだし。
カオルコ:じゃあ、わたくしとマサムネさんは?
HIRO:特別出演ってやつでアニメから・・・。
マサムネ:じゃあ、テツヤも出てくるのか?
HIRO:テツヤくんは今回出ません!残念!(ギ○ー侍風)
ハル:じゃあ、私は?
HIRO:えーと、ハルは俺のポケモンバトル仲間のネームを拝借させてもらったんだ。
マサト:いや、僕が見たあたり勝手に使っているような気がしたよ。
HIRO:気のせいだよ気のせい・・・。(汗)じゃあ、ここらで一撃紹介と行きますか!
ハルカ:今回はハルさんの紹介かも!
ハル・・・16歳
性別・・・♀
出身・・・リュウキュウ地方
ポケモン・・・サンダース ジュカイン ヘラクロス ネンドール リザードン ミロカロス
好きなこと・・・読書、昼寝
嫌いなこと・・・歌を歌うこと
大切にしていること・・・人との出会い
服装・・・膝程度までの青いジーパン、薄緑のノースリーブシャツ、薄いピンクのカーディガン
性格・・・おっとり
一言メモ・・・読書の中で好きなのはファンタジー系。特に彼女は魔法が実際にあったらなぁ。と思っている。性格はおっとりとあるが、FF]のユウナと似たような感じ・・・。いやぁ・・・難しいなぁ。(感想)
ラクス:ところで、俺とユウナのほかにも2人いるようだが、そいつらの出る予定は?
HIRO:もちろんあるよ!っていうか、知っているじゃない!同じメンバーなんだから!
ラグナ:うるせぇ!お前がここに原稿用意してあるからその通り言っただけじゃねぇかよ!!頭に来る!ヌケニン、『シャドーボール』!!
HIRO:ぐは!
(HIRO気絶)
ハル:ところで冒頭に出てきた人物って誰なの?
ユウナ:私に聞かれてもね・・・。
マサト:全ては謎のままか・・・。
ユウキ(復活):ところでHIROが握り締めているこれなんだ?
ハルカ:なんかの殴り書きね。えーと、何々・・・『ドラ×ンクロー』・・・ハル×・・・×サト対ト××・・・もう!“×”の部分の文字が汚くて読めない!
マサト:そう言えば、HIRO、字が汚いんだよね・・・。
マサムネ:まぁ、とりあえず、次回に続くってことだべさ!
技データ
水の守り・・・マサトのアメモースの応用技。『水遊び』の応用。水を自分にまとい、炎を完全に防御する技。だがそれ以外の技を受けると、『水の守り』は消滅する。
アトガキ+α
ああ、そうだよ!俺は字が汚いんだよ!!(蹴)そのせいで、テスト間違いが何回あったことか!(駄)
ジョウト編に入って、かなり人物が出てくるので、最初の三文字(@@@など)を入れて、少し展開を分かりやすくしたのですが、なんだか余計ややこしくなったかも・・・。
次回はマサト対ハルのバトルがいよいよ佳境。そして、あいつやらこいつやら、登場する予定です!
その前に、マサトはハルに勝つことができるのでしょうか?
[一言感想]
何やら荒っぽい男ラグナと、ユウナが登場。
怪しげな思惑がよぎる中、ついにマサトのジョウトリーグは始まりました。
強くなった彼は、そう簡単にやられることはないでしょう。
ちなみに弱点をつくのは、ポケモンバトルにおいて常套手段です。
卑怯でもなんでもありません(ぁ)。