マサトは最後のポケモンであるジュプトルを出した。



「ジュプトル、お前が頼りなんだ!絶対に勝つぞ!」

「ジュプ!」



ジュプトルも気合が入っている。



「・・・。(おいおい・・・残りが草系じゃ君の勝ち目はないよ・・・マサト君。ヘルガーをいるのを忘れているぜ!それに俺にはこいつがいる・・・。)」



トキオはポケモンの選択をして、ボールを投げようとした所でいったん止めた。



「マサト君、棄権しないのか?」

「どうしてですか?」



マサトの方が逆に聞き返した。



「いや、なんでもない。(棄権の選択は無しか・・・。仕方がない・・・。)」



そしてトキオは、三匹目のポケモン、エアームドをフィールドに出した。

 

 

 

第二章 クロスストーリー
第42話 それぞれの心の闇<狂想曲(カプリッチオ)>〜VSリュウヤ〜

 

 

 

「ジュプトル、『電光石火』から『リーフブレード』!!!!」



ジュプトルがフィールドに出て15分が経った。マサトは、いろいろな攻撃を試みていたが、エアームドにダメージを負わせることはできなかった。

逆にジュプトルはもう傷だらけである。



「『エアーカッター』だ!!」



空気のカッターがジュプトルに襲い掛かるが持ち前のスピードでかわす。多少ダメージは受けているもののこの調子で攻撃はかわしていた。だが、その“多少”が命取りである。“多少”でも15分も戦っていれば、ダメージは蓄積される。そして、結局疲れが出て、大きなダメージを受け負けるのがオチである。



「『鋼の翼』だ!!」

「かわすんだ!」



だが、ジュプトルは疲れが足にきて膝をついた。それを狙わんとばかりにエアームドの攻撃がヒットした。ジュプトルは吹っ飛んだ。



「まだだ!ジュプトル!まだ負けていない!」



マサトの声に答えてジュプトルは立ち上がった。だが、膝ががくがくしていてもう立っているのも辛そうである。



「『リーフブレード』だ!!」



『深緑』を発動させ、渾身の力を込めたリーフブレードをエアームドに叩き込んだ。だが、エアームドは、平然としていた。



「悪いが、終らせてもらう・・・。『ゴットバード』だ!」

「『リーフブレード』で受け止めるんだ!!」



リーフブレードで受け止めようとした。だが、ブレードが折れ、そのままエアームドのゴットバードがジュプトルを弾き飛ばした。その威力はジュプトルをフィールドの場外に飛ばすほどだった。もちろん、ジュプトルは再起不能。意識が完全になかった。



「ジュプトル・・・・・・」



マサトは茫然とした。そして、審判のコールがトキオの勝利をつげた。

マサトにその審判のコールは耳に入っていなかった。











♯♯♯



「何とか勝てた・・・。」



トキオはマサトとの試合が終ってポケモンセンターに次の対戦のため、ポケモンたちを預け、自分は喫茶店で一人で休んでいた。



「(それにしても、あのマサトって奴、がむしゃらすぎだったな・・・。俺だったら絶対棄権するのだが・・・。ポケモンに無理させすぎだぜ・・・。)」



店の店員に注文をとられ、トキオはレモンティを頼んだ。



「(それよりも・・・次の対戦相手・・・マサムネかリュウヤって言っていたかな?そろそろ気を引き締めないと。いつも準決勝で負けているし。)」



彼はなぜかノースト地方の大会でベスト8を除けば、いつもベスト4止まりだった。

トキオは出されたレモンティを飲みながら、外を眺めていた。そして彼はある二人組に目が止まった。

一人は緑のワンピースで下にズボンを穿いていて、胸元にはペンダント、腕にはブレスレットをつけていた。もう一人は緑のフレアスカートで、半袖の短いクリーム色のブラウス。髪は黒で長さは肩かかり、そして、左右に二つに分け結んでいた。耳にはハートのイヤリングをしていた。

ペンダントの方の少女は知らなかったが、イヤリングをしていた少女には見覚えがあった。トキオは慌てて店を飛び出して、全力で追いかけた。だが、角を曲がったところで見失った。



「はぁはぁ・・・あの子・・・どう見てもヒカリさんだぞ・・・?でも、大会に出ていないし・・・俺の見間違いか・・・?」



トキオは首をかしげながら喫茶店の中へ戻っていった。











@@@



「マサト、残念だったね・・・。」

「・・・。」



ハルカとユウキとマサトはポケモンセンターに戻っていた。



「マサト、マサムネの試合見に行こう!」



ハルカが明るく誘う。そして、手を差し伸べた。だが、マサトはそれを払った。



「僕のことなんてほっといてよ!」



マサトは邪険になった。



「わかったわ・・・私は先に行っているからね。」



ハルカは優しくマサトに言った。自分も負けたときの悔しさはコンテストでわかっているつもりだったから、余計に気を使っていた。



「マサト、今回は残念だったな。」

「・・・。」

「まぁ、初めてにしてはいいところまで行ったじゃないか。次の大会がんばればいいさ。」



ユウキは気軽に言ってみせた。



「ポケモンたちはジョーイさんに任せて俺たちはマサムネの試合を見に行こう!」



ユウキはスタジアムへハルカを追いかけようとした。



「絶対に勝てた試合だった・・・。」



マサトはボソリと呟いた。ふと、ユウキは足を止めた。



「ポケモンたちがもっとがんばれば、絶対負けはしなかった!僕はしっかりとがんばった!だから絶対勝てたんだ!!」

「マサト・・・お前、本気で言っているのか・・・?」

「ああ!本気だよ!!!!」



ユウキはマサトの頬を思いっきりはたいた。周りの人がユウキたちを見るほどにその音は響いた。



「何を・・・!!??」



マサトはユウキに殴りかかろうと拳をユウキの頬に放った。しかし、ユウキは右手で軽く受け止めた。そして、マサトの右腕を横の方へ引っ張り転ばした。



「お前がそう思っているようじゃ、これから先、強くなれないぜ!!」



ユウキはあえて冷淡な声で言い放った。

マサトはすぐに起き上がった。ユウキはマサトがまた殴りかかってくると思い、体勢を低くした。だが、マサトはポケモンセンターを飛び出していった。



「・・・。(ちょっと言い過ぎたかな・・・?)」



その時ハルカが、戻ってきた。



「ユウキ大変なの!スタジアムに・・・あ、この映像を見て!!」



ハルカは、モニターを指差した。そこには第二試合、マサムネ対リュウヤの試合が行われていたのだが・・・。



「嘘だろ・・・?」



ユウキはモニターを見て愕然とした。

マサムネが残りメタグロスなのに対して相手はまだフルに6匹残っている。しかも、リュウヤはボーマンダとフライゴンしか使っていないのだ。

そして、ボーマンダの『大文字』がメタグロスに炸裂した。マサムネは相変わらず『気合だ!』と叫んでいるようだが、メタグロスは力尽きた。

モニターの中でマサムネの負けがコールされた。



「リュウヤって人・・・強すぎ・・・。」



ハルカはあまりの凄さに語尾の“かも”を付け忘れたくらいだった。



「一体何者なんだ!?」

「そう言えば、マサトは・・・?」

「ポケモンセンターを飛び出していった。まぁ、夕方には戻ってくると思うよ。」



ユウキは先ほどの騒動のことをあえてハルカに話さなかった。











★★★



「ヒカリ、“愛しの彼”は見つかったの?」



歩きながら、首にペンダントをつけていた少女は尋ねた。



「ユウナ!“愛しの彼”は止めてよ・・・結局、片思いだったんだから・・・。」



ヒカリはうつむいて答えた。



「でも、強くなって彼の気持ちを奪いたいと思っていたんでしょ?」

「そうよ。だから私はこの組織に入ったのよ!誰にも負けないために・・・。」

「いいな・・・私もそういう人がいたらな・・・。」

「ラグナなんていいんじゃない?」

「止めてよ!怖いし!」

「じゃあ、ハルキは?」

「暗いし、何考えているか分からないし・・・。それに、彼には確か“気になる女”がいるって言っていたよ・・・。それに私はもう人を愛することなんてできないかもね・・・。」



突然ユウナは黙り込んでしまった。



「家族が事件に巻き込まれたこと・・・よほど恨んでいるのね・・・。」

「ええ!私は絶対警察を許さない!今の警察組織を全て壊滅させてやるんだから!」



ユウナの声には怨念が含まれていた。











♭♭♭



「見つけたぞ・・・。」

「え?」



ドラゴンの刺青の青年、リュウヤは何もない広場に来ていた。そこに、メガネをかけた少年、マサトがいた。



「あなたは誰ですか?」

「俺の名前などどうでもいい。俺とバトルしろ!お前の力、見せてもらう!!」



リュウヤはいきなりポケモンを出し襲い掛かった。

翼が綿みたいでふわふわなポケモン、ハミングポケモンのチルタリスだ。

チルタリスはマサトの顔に向かって『燕返し』を仕掛けてきた。マサトは身を屈めた。動けなかった。

だが、攻撃はわずか数センチずれた。いや、チルタリスがわざと外したのだった。

そして、リュウヤのもとへ戻っていった。



「危ないじゃないか!!トレーナーに攻撃するのは反則なんだぞ!!」



しかし、リュウヤは謝りもしない。



「早くポケモンを出せ!負けるのが怖いのか?」



マサトはカチンと来た。即座にギャロップを出して対抗した。

出した直後に『火炎放射』を放った。チルタリスはそれをまともに受けた。



「(技の威力は並か・・・。)その程度か?」



チルタリスは平然としている。

続いてギャロップは高速移動に入り『とっしん』を仕掛けた。だが、ひらりとかわした。

さらに『みだれづき』と仕掛けるが、かわされて、あたる様子はない。



「ギャロップ、『火炎車』だ!」

「(スピードもこの程度か・・・。)チルタリスやれ!」



リュウヤは指示を出す。チルタリスが激しい光を出した。

刹那、ギャロップは倒れた。



「・・・!!??いったい何が・・・?ギャロップ!立つんだ!まだ負けていない!!」



ギャロップは立ち上がろうとする。だが、力尽きて倒れた。



「(この程度か・・・期待はずれだったな。次は・・・。)」



リュウヤはチルタリスを戻し、その場を離れていこうとした。



「待て!まだ、負けてはいない!まだポケモンは残っている!」



マサトはリュウヤをひきとめようとした。だが、リュウヤは目にもくれない。



「同じことだ。一匹だけで充分!これ以上やる必要は無い。」



マサトは悔しさのあまり地面をたたいた。











準決勝、第一試合、“トキオ対リュウヤ”の試合が熱狂とともに始まった。フィールドには氷が張り巡らされていた。



「(う〜ん・・・氷をどう使うかがポイントかな?)」

「・・・。(こいつは珍しいオーラを持つ奴だな。面白い!)」



両者がそう思う中試合が始まった。だがこの試合は一方的だった。

トキオは最初にガルーラを出すが、ボーマンダのパワーに対抗できず撃沈。

続いて『火炎放射』をエアームドの『高速移動』を生かし、『火炎放射』をもろともしない『燕返し』で仕掛けようとするが、意外な技『ハイドロポンプ』の水圧で体勢を崩され、『大文字』でとどめを刺された。

ジュゴンの氷攻撃で巻き返しを図り、ボーマンダを苦戦の末、撃墜させるが、キングドラの『竜巻』攻撃に対抗できなかった。

ブレイクタイムの後、ゲンガー対フライゴンで試合が始まるが、それも一方的だった。

『影分身』後に、『冷凍パンチ』で攻撃を仕掛けるが、見切られ、カウンターの『アイアンテール』を受けたが最後、『道連れ』を発動させる暇もなく、『竜の息吹』、『火炎放射』のラッシュでなす術無く倒れた。

ついにトキオの残りは2匹になってしまった。



「(何なんだ・・・こいつ?強すぎる!)」



トキオは今まで遭遇したことの無い強い相手に押されていた。



「(なかなかの実力だな。今まで戦った中でも指折りに入る強さだな。)もう終わりか?」



リュウヤは挑発してきた。

だが、トキオはそんな手には乗らない。あくまで冷静であった。

次に出したポケモンはなんとイーブイだった。



「!?イーブイだと!?何故進化させない!?(何か特別な力でも持っているのか?)」



リュウヤはさすがに驚いた。そして、トキオに聞いた。



「いや、何に進化させるか迷っているだけだ。」



会場全体がずっこけた。



「先制だ!『電光石火』!」

「!?(・・・イーブイにしては速い!)」



フライゴンは火炎放射を打っているが、まったくあたらない。そして、イーブイはフライゴンに顔面に体当たりした。フライゴンは怯んだがすぐに気を取り戻した。



「『地震』から『大文字』!!」



イーブイが着地する瞬間を狙って、連続攻撃を仕掛けた。それはどうあがいても避けられなかった。

だが、攻撃がおさまった後、イーブイを見ると無傷だった。

さらにイーブイは驚くことに、『大文字』を放った。フライゴンは意表を突かれてかわせなかった。



「『守る』に『物まね』か。イーブイでまさかここまで戦えるとはな・・・。」



炎の中からフライゴンが姿を現した。ダメージは属性防御のためさほど受けなかった。

トキオはそれを見て審判に告げた。



「ここで棄権します!」



トキオの残りはイーブイとヘルガーだった。ヘルガーは相性が悪い。さらにイーブイの攻撃がきかないのでは話にならないと考えた。



「トキオ選手棄権により、リュウヤ選手の勝ち!」











♯♯♯



「あ〜あ・・・またベスト4か・・・。」



準決勝を終えて、トキオは宿舎へ戻る途中だった。ノースト大会から始まり、リュウキュウ大会、ホクオー大会などあらゆる大会に参加したのだが、ノースト大会がベスト8を除き、全てがベスト4のトキオ。これはこれで凄いと思うのだが・・・。

次の瞬間、トキオは何かにぶつかり、転んだ。その弾みに、モンスターボールがすべて転がってしまった。ぶつかったのは、どこか物憂げそうな目をした少年だった。その少年も尻餅をつきボールを転がしてしまった。



「悪い・・・。よく前を見ていなかったもんだから・・・。」



トキオは謝り、自分のとその少年のボールを拾い始めた。そして、その少年にボールを渡した。

少年は拾ったボールを受け取り、礼をして黙って去って行った。



「・・・あれ?今の少年どこかで・・・?いや、それよりもあの少年が持っていた“プラスル”・・・彼のものではない上にどこかで感じた温もりがする・・・。誰のだっただろうか・・・?」



トキオはただ首を傾げるばかりであった。











★★★



「ヒカリの見たとおり、あいつはトキオだった。」



少年、ハルキはトキオとわざとぶつかってから、数分後町の怪しげな場所にいた。そこにはヒカリもいた。



「でも、トキオ一人だけだった。他に仲間はいなかった。」

「そう、手伝ってくれてありがとう。それじゃあ、トキオは一人で旅をしていたのね・・・。」



ヒカリの声の調子が自然と下がった。よほど落胆したらしい。



「(それにしてもあのトキオって男、誰かに似ている気がする・・・。そう、“あの女”に・・・。)」



ハルキはハルキで別の考え事をしていたのであった。











@@@



決勝の朝



「ねぇ、マサトは?」



決勝を見に行く為にハルカは準備を済ませて外に出ていた。



「マサトの奴・・・相当落ち込んでいるな。さっき部屋に行ったが、『僕にかまうな!』の一点張りだったし・・・。」



マサトは準々決勝の日以来、ずっと部屋に閉じこもりっぱなしだった。



「決勝戦の後にはすぐ開会式があるっていうのに・・・。」

「仕方がない・・・。2人で行こうか・・・。」



ユウキは先に一歩踏み出した。

ハルカも歩き出した。でも時々後ろを振り返ったりした。母、ミツコからマサトのことを頼まれているだけに余計に気を使っていた。それだけではなく、ハルカにはなんとなく感じていた。もの凄く嫌な感じを。











♭♭♭



トーナメント決勝、リュウヤ対ラグナの試合が幕をあけようとしていた。

入口からリュウヤとラグナの両方が顔をそろえた。

リュウヤは準決勝トキオを圧倒して、この大会はリュウヤが優勝するのではないかと騒がれた。

だが、その前評判ではラグナも負けてはいなかった。緒戦、準々決勝と3匹で勝ち抜き(やられたのは1匹)、準決勝では優勝候補と呼ばれたサンドパン使いのアキラ相手に一体もやられずに完勝したのだ。

その両者が顔をあわせた。

そして、リュウヤとラグナともに近づくが、ただじっと見つめるだけで、握手さえもしなかった。



「(この男、いままでに感じたこののないオーラだ・・・もしかしたらこいつが?・・・もしそうならば、世界の運命を変える男かどうか・・・ここで見極めなければならない!!)」

「(・・・この男、只者ではない・・・。)」



そしてバトルが始まった。

正直、このバトルは今までのジョウトリーグの中で最も激しいバトルとして残されるであろう一戦だった。



最初が、ラグナがカイリキー、リュウヤがボーマンダ。相性は飛行タイプがある為リュウヤのほうが有利・・・というのは決勝戦には通用しない。そのことを両者は分かっていた。だが、ここはボーマンダが押し切った。つづいて、ラグナはピクシーを投入した。意外と小細工ばかり使って、ボーマンダを苦しめ、最後には『冷凍ビーム』で凍らして勝負を決めた。しかし、次に投入したのは、キングドラ。弱点がドラゴンタイプしかないという、攻めにくいポケモンだ。しかしラグナは、小細工で勝負していく。『歌う』や『小さくなる』などで、キングドラの調子を下げていった。だが、リュウヤは怯まない。『ハイドロポンプ』などの大技の連発でピクシーの攻撃の隙を削った。状況をみてピクシーを戻し、今度はオーダイルで勝負に来た。すると、リュウヤは特殊攻撃から物理攻撃に切替えパワー勝負に出た。ラグナも『ドラゴンクロー』を中心に接近攻撃で攻めた。その結果、両者共倒れになった。両者3匹目はヌケニンとフライゴン。リュウヤは火炎放射で速攻した。一撃で決まると思われたその攻撃は、当たらなかった。ヌケニンは『高速移動』で撹乱し、まったく隙が無かった。そして、隙を狙い、『シャドーボール』を確実に当てていった。フライゴンの『岩石封じ』や『岩雪崩』も当たる気配が無く、フライゴンは力尽きた。

そしてブレイクタイムに入った。その歓声は凄まじいものだった。



「さすがね・・・ラグナ。」



ラグナの実力にヒカリも驚くばかりだった。



「ちなみにあのヌケニン、速いだけじゃなく、実は並の攻撃じゃ破れないのよ。」

「それはそうでしょ。ヌケニンの特性は『不思議な守り』なんだから。ユウナ、知らなかったの?」

「そうじゃないの。ラグナのヌケニンは『砂嵐』などの攻撃にも耐える上に並みの威力ならば弱点属性の攻撃もきかないのよ!」

「そんなのありなのか?」



黙って聞いていたハルキが聞いた。



「ポケモンマスターを目指していたんだから当然よ・・・。でも今の彼はそれが目標ではない・・・。」



その言葉にヒカリとハルキはうなずいた。



「ポケモンマスターになるためには、三大会連続でリーグ制覇しなければならない。でも彼は二大会連続で連覇してホクト大会に臨んだ。でもそのときに・・・」

「“ラグナの恨む女”が出てきたというわけね。」

「そうらしいわ。ホクト大会で知り合って、準決勝で当たることになって、そして、試合会場に行く途中・・・」

「確か、その女に呼び出されて、重症の目に会った・・・だったか?」

「うん。それがその女の仕掛けたトラップ・・・だったらしいわ。その女は実力でかなわないと知って、ただラグナをつぶす為に近づいたのよ。」

「しかも、恋人として。でしょ?」

「ええ、ラグナは大会であったときにその女の虜にされてしまった。だから、全く警戒心をもてなかった。そして、その事件が明るみに出ることはなかった。」

「確か、その女が、ポケモンリーグのなんかのお偉いさんだったんだろ?」

「ええ。だから、ラグナがポケモンリーグに何を言おうとも、取り合おうとしなかった。」

「全く、ラグナもラグナだが、悪い女って奴もいるものだな。」

「今ではその女を消すことしか頭に無い・・・というわけね・・・。(ラグナ・・・かわいそうね・・・。)」



ヒカリはラグナに同情していた。



「今では、目標を達成する為だけにしか、ポケモンバトルはできない体になっているのよ。彼は・・・。」



ユウナがしんみりと言ったところで、休憩が終った。

ラグナがヌケニン、リュウヤがリザードンで勝負に出た。ヌケニンは先ほどのスピードで移動するが、リザードンのスピードとレベルが違かった。『火炎放射』の一撃でヌケニンは沈んだ。再びラグナはピクシーを投入した。今度は攻撃を仕掛けずただじっとしていた。少なくても、ラグナとリュウヤ以外にはそう見えた。ピクシーの『瞑想』だ。そのことに気づいていたリュウヤはもの凄いスピードでピクシーに打撃攻撃を仕掛けた。だがそれが裏目に出た。次の瞬間、リザードンはダウンした。ピクシーの『カウンター』だ。『瞑想』をして、とくぼうを上げれば、打撃攻撃をしてくるという、心理を読み、攻撃に出た結果だった。そして、リュウヤは5対目のポケモンをつかみ投げようとしてやめた。

そして、審判に継げた。



「この勝負棄権する。」



ただ一言だ。審判は突然の申し出に驚いた。リュウヤの意見に従い、ラグナの勝利をコールした。

そして、もう次の瞬間にはリュウヤの姿は無かった。











@@@



そして、閉会式が行われたのだが、それは奇妙な閉会式だった。



「え〜・・・ラグナ選手もリュウヤ選手もいません・・・。トロフィー・・・どうしましょう・・・。」



司会者は困っていた。閉会式に二人とも出ていなかったのだ。



「そう言えば、マサトも出ていないわ・・・。私、ちょっと見に行ってくる!」



スタンドからハルカも急いで宿舎へと戻った。

結局トロフィーは仕方が無く保留されることになり、閉会式は幕を閉じた。











♭♭♭



閉会式が終った頃に丁度花火が上がった。それは、観客やトレーナーたちも見とれるほどきれいな物であった。シロガネ会場から離れたところで彼、リュウヤもその花火を見ていた。そして不適に笑った。



「ふん、この世界の者達の実力はこの程度か・・・。これなら、他の世界には影響が無いようだ・・・。」



謎の言葉を残しリュウヤは1匹のドラゴンポケモン、ラティアスを出し、一瞬のうちにどこかへ姿を消した。











★★★



一方、リュウヤがいた反対の場所でもある4人組がその花火を見ていた。



「綺麗ね・・・。」



ヒカリは花火を見て率直な感想を言った。



「結局、このジョウトリーグでの収穫はナシか・・・。」

「そのようだな。お前もヒカリもそして俺も誰一人見つけられなかったからな。」

「あれ?ハルキって、探している人でもいたの?」



ヒカリが聞くが、ハルキは口をつぐみ一切答えなかった。



「連絡が入ったわよ。」



そこにユウナが話に割り込んだ。



「これからチョウジュタウンにある“幹部ジミー”のところへ向かえって本部から連絡があったわ。」

「待ったく、めんどくせーな。」

「ま、しょうがないわね。行きましょうか。」

「・・・。」



ユウナ、ラグナ、ヒカリ、ハルキはそれぞれ同じようなコートを羽織った。その裏側には“R”という文字が縫われていた・・・。











@@@



ハルカが宿舎についた頃、そこにマサトの姿はなかった。しかも、宿舎の中は空っぽになっていて、マサトの荷物は一つも残っていなかった。

ハルカはふとテーブルの上に置手紙があるのに気づいた。そして、あけて読んでみるとそこには驚くべき内容が書かれていた・・・。





お姉ちゃんとユウキへ

僕はポケモントレーナーとしてもっと強くなるために一人で旅に出ます。だから、もう二人はついて来ないで下さい。もちろん探さないで下さい。僕が強くなった時必ずトウカシティに戻るのでそれまでは僕のことをほっといてください。・・・マサトより





ハルカは膝を落とした。ショックで精神的にダメージを受けた。



「(どうしてなの、マサト・・・?いったい何があったの・・・?)」



外では無常と花火の音がなり、音とともに花火は消えていった。











★★★



ジョウトリーグがはじまる少し前。ここはロケット団の本部。そこで重要な会議が開かれようとしていた。



「これから会議を始める!全員席に着け!」



ボスの右腕、マルクが厳しく命令する。



「ふぁ〜あ、まったく・・・。で、その3つの作戦はどうなったんだ?」

「口を慎め!バロン!」

「はいはい、分かりましたよっと。」



相変わらず幹部バロンの態度は悪い。



「まず結果報告。一つ目はコガネシティ、ラジオ塔の占領。幹部シード率いる鉄壁部隊が行くもジムリーダーと数人のトレーナーに邪魔され、作戦失敗。幹部シード以外はすべて逮捕された。」

「なんだ、シード、たいしたことないな!」

「うるさい!どっちにしろお前では120%無理な作戦なんだから口出しするな!」

「ああ!俺はそういう作戦は向いていなんでな!」

「やめなさいよ!バロンにシード!」



慌てて、レイラが止めに入った。そこで報告は続いた。



「二つ目は怒りの湖にあった基地のことだが、幹部ジミーによると順調のようだ。」

「まぁ、それはそうやろ!あいつの地道な仕事は本当に目立たへんからな!」

「お前は逆に大雑把過ぎて失敗するんだよな!」

「・・・。それをいうな!」



ジミーのことをなじったつもりのコガネ弁の男、幹部エドだったが逆にバロンになじられた。



「そして最後にホウエン地方、ファウンスでの眠りの繭奪還の話だが・・・。」

「ああ、ドミノがヘマやったやつだな。情けねえな!」

「だから黙って聞け!バロン!・・・バロンの言うとおり失敗した。幹部のドミノを含め、ロケット団全員が捕まった。」

「でも、全員捕まったのならどうやって連絡が入ったの?」



レイラが尋ねた。



「ナンジ博士についている、ヤマトとコサンジという2人組みもその作戦に加わっていて、そいつらだけ無事だったらしい。連絡まで時間がかかったらしいが。」



ナンジじゃない!ナンバじゃ!・・・という声がどこからか聞こえたそうな・・・。

マルクはその言葉を無視した。



「ともかく、コガネシティの占領の話は水に流す。コガネシティでは体勢が厳しくなっていると思うからな。ジミーの方は“ラッキークローバー”の4人がやることになった。」

「“ラッキークローバー”ね。あの可愛い4人のおこちゃまたち・・・。」

「ガキの中でも実力が高いあの4人か。」



レイラとバロンがそれぞれ口にする。



「そして、眠りの繭奪還だが、それはなんとしても成功させないと行かない!というわけで誰かに行ってもらおう!今度は幹部2人でな!」



するとざわめきが起こった。幹部2人での行動というのは滅多にないからだ。



「じゃあ、私が行きましょう・・・。」



一人の女の手が挙がった。彼女の名はココ。異名、『静寂のココ』と呼ばれる不気味な女である。その手が挙がった時、場が静まり返った。



「よし、じゃあ、もう一人はワイで決まりや!」

「いや、私が行こう!」



と、一気に二人の手が挙がった。さっきまでバロンになじられていたエドとダークポケモンの使い手といわれるビシャスである。



「どちらも汚名返上ってか?だよな!そうしないと幹部、首になっちまうもんな!」



バロンがまた口を入れてくる。ビシャスは最近、セレビィの捕獲に失敗していた。エドの方と言えば、アーシア島で伝説のポケモンの捕獲を失敗した人物であった。



「まぁいい。あっちには強いトレーナーがいるのかもしれない!3人でいって来い!」



ざわめく中、会議は幕を閉じた。











@@@



マサトはネイティオのテレポートを最大限まで引き出し、一気にコガネシティまで来ていた。彼はこれからリニアに乗るようだ。



「(僕は・・・僕は・・・もっと強くなる!!誰にも負けないトレーナーになってやる!もう誰にも頼らない・・・。そうすればきっと・・・パパみたいになれる・・・よね・・・?)」



マサトは誓いを胸にリニアへと乗り込んだ。

一人の決意を乗せ少年を運んでいく・・・。







『僕はもう誰にも負けたくない!!』







アトザ



エース:で?何で俺たちを呼んだわけ?



HIRO:ジョウトの人たちは何かと忙しいから、そういうわけ。



ナナコ:それで、私たちの活躍のメドは立ったんか?



HIRO:そりゃあもう、次の話に出てきますよ!この話と同様、凄い展開になりますよ!



ライト:それってどのくらい凄い展開?(私とエースが・・・)



(ライト赤面)



ヒロシ:僕が伝説のポケモンゲットするくらい?



ナナコ:エレブーズが世界一になるくらい!?



エース:・・・・・・。



HIRO:・・・まぁ、どの程度かは、ちょっと例えにくい・・・。



(ハルカ以下、ジョウトのメンバーが乱入しました。)



ハルカ:で!?マサトはどこへ行くの!?



ライト:HIRO・・・これっていいわけ?



HIRO:許容範囲だからOK!!



ユウキ:HIRO・・・マサトを何処へやった!?



HIRO:まぁ、次の話には分かるよ。そうせかすなって!







ヒカリ:わぁ!久しぶりに出られたわ!でも、私がロケット団ってどういうこと!?



ラグナ:そういうことなんじゃないか?



ユウナ:そういうことよね。



ハルキ:諦めるんだな。



HIRO:これからの話で重要な4人組だからね。まぁ、その経緯については後ほど外伝で・・・。



4人:今すぐ書け!!



HIRO:いや・・・まだ完全にネタがまとまっていないから無理・・・。(汗)



トキオ:それで、俺がまたベスト4というのは・・・



マサムネ:オラが簡単にやられるというのは・・・



トキオ&マサムネ:どういうことだ!?



HIRO:ハモるなって。それはリュウヤに当たったことを嘆くんだね。



マサムネ:それにしても、リュウヤって一体何者だ?



HIRO:ふふふ・・・聞いて驚くな!あいつは・・・



リュウヤ:そんなことしていいのか?HIRO。お前がそのことを言うと身を滅ぼすことになるとの知らせがきた。



HIRO:まじ・・・?



トキオ:なんでそんなこと知っているんだよ!



リュウヤ:それは教えられない。これが俺の定めだ。



HIRO:・・・。まぁ、大事なことは教えられないけど、大まかなプロフィールくらいなら大丈夫だろ・・・。そうだよな?リュウヤ・・・。



リュウヤ:・・・大丈夫のようだ。







リュウヤ・・・23歳

性別・・・♂

出身・・・不明

ポケモン・・・ボーマンダ フライゴン キングドラ リザードン カイリュー ラティオス (チルタリス) (ラティアス) (プテラ)注意:括弧になっているのは控え

好きなこと・・・占い

嫌いなこと・・・約束などを破ること

大切にしていること・・・戒律

服装・・・黒いマント、黒のズボン、灰色の半袖シャツ、両腕に描かれたドラゴンの刺青

性格・・・冷淡

一言メモ・・・今まで出たキャラの中で今のところ一番強いという設定(ただ、これ以上に強くなるキャラもいるが。)







トキオ:・・・お〜い、ラティオス、ラティアスってなんだよ!



ハルキ:あんた、そんなことも知らないのか?伝説のポケモンの2匹だろ?



トキオ:そんなこと知っている!なんでもっているのかを聞きたいんだよ!



HIRO:そのことは深く突っ込まないでくれ!奴の称号は『ドラゴンマスター』。すべてのドラゴンを操る男だ。まだ見ぬドラゴンポケモンも持っているかもしれない。



エース:それよりいいのか?結構長くなっているぞ。



HIRO:あ、本当だ。そろそろ締めますか。



ヒロシ:次回はいよいよ第二章クライマックス!!



ユウキ:皆さん期待していてください!



ラグナ:ちょっと待て!リュウヤの最後のポケモンってラティオスとカイリューだが、最後に出さなかったのは何でだ!?



ユウナ:それにまだ、ロケット団幹部の紹介が・・・(省略)





アトガキ+α



それはめんどくさいのでこっちで。(謎)

ロケット団幹部、今回もいろいろと出してみました。しかもほとんどがアニメからとっているという。(自然とそうなってしまった。)まぁ、ユウナとラグナもFFからとったとみられてもおかしくないですね。(笑)

新しく出たのは、エド、ココ。・・・ひとつは僕のお気に入りのコミック(第一話参照)の中から、もうひとつは・・・言わなくても分かりますね。まぁ、性格は全然違いますが。(ェ)

そして、リュウヤが最後まで戦わなかったわけというのは、決して、僕の手抜きではありません。彼がそう判断したからそうなったのです。(理由になっていない)

そして次回、第二章の主人公達は思わぬ展開に巻込まれていくのです・・・。どんな展開か、それはみてからのお楽しみに・・・。

いやぁ、それにしても、ジョウト編は一応タイトルにこってみました。でもよくよく考えると、<最終楽章(フィナーレ)>がない上に曲と関係していない・・・。(蹴)

 

[一言感想]

 エドとココ、どっちにも聞き覚えがある……。

 ヒカリ達ロケット団4人組は、どことなくうちのキャラであるコトキが親近感沸いてます(ぇ)。
 コトキも、ゴーゴー団に入ってましたからね(笑)。
 敵方の組織に入った者として、通じるものがあるんでしょう。
 BLEACH風に言うなら、
 「嬉しいんじゃないかな。僕達、同じ能力を持った人に会う事はまずないからね。家族ができたみたいなんだよ」
 ……です(待て)。
 この4人組、今後どのような形で物語のカギを握るのか、楽しみです。
 一方でマサトの方も、気持ちを落ち着かせてから再出発してほしいですね。

 

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