Scean,49

タッタッタッタッ・・・。
赤い帽子に青いズボン、そしてリュックを背負った少年が、道を走っていた。急いでいると言うよりもどこか嬉しそうに走っていた。

「ピカチュウ!もう少しで家に着くぞ!ママの手料理がいっぱい食べられるぞ!」
「ピッカ♪」

少年はピカチュウと一緒に走っていた。そして、少年は家にたどり着いた様だ。

「ママ!ただいま!!」

少年は元気よく、ドアを開けた。中からは少年の母親が出てきた。

「あら、お帰り〜!ピカチュウ〜!」

母親は身をかがめて、ピカチュウを抱きしめた。少年はずっこけた。

「あら?サトシ、お帰り」
「た、ただいま・・・」

少年・・・サトシは気を取りなおして立ちあがったのだった。

 

 

 

第56話 マサラのトレーナー

 

 

 

「うん!やっぱりママの手料理は美味しい!」
「ピッカ♪」

サトシは勢いよく、母親、ハナコの作った料理を食べ尽くした。ピカチュウもポケモンフーズを食べておなかいっぱいのようだ。

「そう言えば、今、ハルカちゃんたちが来ているわよ」
「え!?ハルカたちが!?」
「マサト君がカントーのポケモンリーグに出る為にジムバッチを集めているんだって」
「そうか・・・マサトももうポケモンを持つ年になったんだ・・・」

サトシはジジ臭く言った。(ェ)

「じゃあ、マサトたちに会ってくる!研究所にいるんでしょ!?」
「ええ!行ってらっしゃい!」

ハナコは元気よく息子を見送った。またサトシはピカチュウと一緒に走り出した。

「ピカチュウ!もう少しでマサトたちに会えるぞ!」
「ピッカ♪」

ピカチュウも嬉しそうだった。だが、一歩踏み出したときに、地面が抜けてしまった。サトシとピカチュウは漫画の様にあっさりと穴に落ちてしまった。その名の通り落とし穴だ。

「いたたたた・・・。こんなことするのは・・・!まさか・・・またお前らか!?」
「またお前らか!?と声がする!」
「地平線の彼方から、」
「ビッグバンの彼方から、」
「我等を呼んでる声がする。」
「お待たせニャーン!」
「健気に咲いた悪の花・・・」
「ハードでスイートな敵役・・・」
「ムサシ!」
「コジロウ!」
「ニャースでにゃーす!」
「ロケット団のあるところ、」
「世界は、」
「宇宙は、」
「君を待っている!!!」
「ソーナンス!」
「チリーン!」
「マネネ!」
「やっぱりお前らか・・・」

サトシはあきれた様に言った。

「やっぱりお前らかと声がする・・・」
「地平線の彼方か・・・」
「こ〜ら!何度も言うニャ!台詞のムダニャ!」
「そうよね!作者が大変だもんね!」
「いや、その場合、コピーしてペーストするから楽なんじゃないか?」
「どうーでもいいニャ!」
「そうね!そんなことどうでもいいのよ!コジロウ!」
「俺のせいか!?」
「お前ら・・・ほんとにいつもいつも俺のピカチュウを狙っているよな!」
「そうよ!って!いつの間にあんた、出てるのよ!!」

そう、サトシはいつのまにか穴から出ていた。

「お前らがケンカしてる間に出たんだよ!ピカチュウ!『10万ボルト』だ!」

サトシの指示に従い、電撃を放った。電撃はあっけなくロケット団に命中し、爆発した。

「もー!なんなのよ!全然出番無いじゃない!」
「せっかくの36話以来の出番だったのに!」
「出ているのがわずか10分の1ニャンて・・・!」
「「「やな感じーーー!!!!」」」

こうして、いつも通りロケット団は3連星になった。

「ふう・・・。さて、行こうかピカチュウ!」
「ピッカ!」

再び、サトシとピカチュウは研究所に向かって走っていった。



Scean,50

「(ヒカリ・・・だと?)」
「(ヒカリって・・・確か)」
「(ハルキ?・・・まさか・・・)」

ヒロトとカレンは呆然と立ちつくした。ふとエースは言った。

「ああ、確かに俺らと同じくらいの年だったな。どうせポケモンを道具としか思っていない歪んだ連中だろう」

その時、何かが弾けた様にヒロトがエースに飛びついた。そして、エースに思いっきり殴りかかった。エースはその勢いでテーブルにぶつかって床に倒れた。

「キャッ!エースさん!」
「っ!なんだ?なんのつもりだ!?」

エースはヒロトを睨んだ。だが、それ以上にヒロトもエースを睨んでいた。

「ヒカリは・・・ヒカリはそんな奴じゃない!!」
「・・・。そう言うことか・・・。そのヒカリと言う奴と知り合いなのか・・・」
「悪いか!?」

エースはゆっくりと立ちあがった。

「(ヒカリさんってヒロトさんが探している人だったんだわ!でも・・・)ヒロトさん!ちょっと待って!同じ名前で別人ってこともあるかも!!」

ハルカは言った。

「いや、絶対そうさ!ライトの言った特徴がそのままそっくりだったからな」

ヒロトはエースを睨みながらも言った。エースは少しおかしそうに笑った。

「何がおかしいんだよ!」
「・・・いや、まさかな。ロケット団と知り合いになるような奴と今、俺はこの場にいるなんて思わなかったからな」
「なんだと!?」

ヒロトはさらにエースに殴りかかる。しかし、ヒロトは殴りに行った右ストレートをかわされて、右腕を捕まれて、その勢いで投げ飛ばされた。しかも、その方向はエースが投げ飛ばされたテーブルがあった。

「いつつ・・・。やるのか!?」

ヒロトは立ちあがった。

「何を怒っている?もう少し冷静になれ。ヒカリって女も自分の力欲しさにその組織に入って悪に染めたに決まっている」

ヒロトはエースの胸倉をつかんだ。

「お前に!お前にヒカリの何がわかる!!」
「じゃあ、逆に聞く。お前はヒカリの何を知っているって言うんだ?」
「ヒカリはな!!ヒカリは・・・。ヒカリは・・・」

ヒロトはそのあとにつづく言葉が続かなかった。

「俺が言っていることが真実じゃないという根拠はどこにある?」

そう言われると、ヒロトはエースを離した。

「ヒカリがお前の何かは深くは聞かない。だけど、1つ言っておく。淡い希望は時に自分をも滅ぼす。それが大きいほどにな。そんなリスクをあんたは背負えるのか?」
「エース!やめて!言い過ぎよ・・・」

ずっと黙っていたライトが口に出した。

「とりあえず、作戦会議は一度終わりだな。ヒロトの情報が入った時にまた会議を開こう」

そう言うと、エースは部屋を出て行った。ライトもエースを追って出て行った。

「畜生!!」

ヒロトは倒れているテーブルを思いっきりやつあたりで蹴った。エースやヒロトがぶつかった際に倒れたテーブルだ。もうほとんど壊れていて使い物にならなかった。
そして、ヒロトは部屋を出て行った。

「ヒロトさん!」
「ハルカ、待った!今は一人にしておいた方がいいんじゃないか?」

ユウキはハルカをとめた。

「でも!」

ハルカはユウキを押しのけようとした。

「私・・・決めた」

ハルカとユウキは同時に彼女のほうを見た。正確には部屋にいる全員が彼女を見た。

「私、ロケット団と戦います!必ずロケット団を倒します」

そう言うと、カレンも部屋を出て行った。

「なんだか、めちゃくちゃな会議になっちゃったね」
「これから大丈夫かなぁ?」

マサトとナナコはこれからに少々不安を覚えたのだった。



Scean,51

「エース!ヒロトに対して少し言い過ぎじゃないの?」

ライトはエースの後ろを歩きながら言った。

「私だって、エースが、今エースが言ったみたいに言われたら、怒るわよ!どうしたの!?エースらしくないわよ!!」
「俺らしくないか・・・。確かに俺らしくなかった。だが、あいつと面と向かっているとどうしても文句を言いたくなる。どうしてかな?」
「仲直りしようよ!これから一緒にロケット団と戦って行くんでしょ!?」
「さぁ、それはどうかな?」
「え?」

エースは足を止めた。それにつられてライトも足を止めた。

「ロケット団と戦うかどうかはあいつ次第だ。ちなみに俺は仲直りする気はない」
「エ〜ス!!」

ライトは何度も言うが、結局、エースの結論は覆らなかった。
一方、ヒロトはベッドに横になっていた。そして、エースの言葉を思い出していた。

―――「じゃあ、逆に聞く。お前はヒカリの何を知っているって言うんだ?」―――
「(俺は・・・ヒカリのことを知っている。小さい頃からずっと、ずっと一緒にいたんだ。旅立つあの日まで・・・)」

ヒロトは思い出していた。旅をはじめる為の買出しへヒカリと一緒に行ったあの日を。

「(あの日はいよいよ旅立つと言う期待と不安でいっぱいだった。そこへヒカリが言ったんだよな・・・)」
―――「私と一緒に旅しない?」―――
「(でも、俺は断った。自分に自信がなかった。いっしょに旅をして行く自信がなかったからだ。でも、今考えるともう1つ理由があった。それは、俺はヒカリが好きでそれがヒカリに知られるのが怖かったんだ。あの時はそれが本当に怖かったんだ。今思えば、それは杞憂だったが。ヒカリが俺の事が好きだったとしても、仲のいい友達と見ていたとしても、旅をして行けたんだと思う。それが俺の最初のあやまち・・・)」

ヒロトはベッドから置きあがり窓の外を見た。

「(そして、俺が知っているのは、ノースト大会で準決勝でヒカリと戦ったときまで。あれ以降はヒカリの姿を見ていない。それから今まで6年間。俺はヒカリのことを何も知らない・・・)」

ヒロトは何気なくボールからシオンを出した。シオンは出たとき、ヒロトの頭に飛び乗った。やはりそこがいつものシオンの定位置らしい。

「でも、今は知ることが出来る。ロケット団を倒して、その真実を知ることが出来る!ヒカリに合う為にも俺はロケット団と戦う!シオン!協力してくれ!」

シオンは鳴き声を上げて、ヒロトに協力を誓った。
さらに隣の部屋でも、窓から空をぼんやり眺める者がいた。

「ハルキ・・・ついに見つけたわよ・・・!今度こそ・・・」

カレンは決意を新たにするのだった。



Scean,52

オーキド研究所のドアが開いた。そして、玄関から大きな声が響いた。

「こんにちは〜!」
「ピッピカチュ〜!」

声の主はもちろんサトシとピカチュウだ。
そして、真っ先に玄関に現れたのは、博士でもマサトでもハルカでもなかった。

「あ、サトシ!」
「サトシはん!」
「あれ?ヒロシにナナコ!?どうしてここに!?」

サトシはハルカとマサトがいることは知っていたが、ヒロシたちのことは知らなかった様だった。

「どうしてって・・・話すと長いんだけど・・・」
「そうそう、話すととても長くなるんや」
「実は・・・」

ヒロシが説明しようとすると、そこへ、一つの飛行物体が飛んできた。その物体はメガネを持って飛びまわっていた。しかも、サトシはその物体に見覚えがあった。

「うわ!ジラーチ!なんでジラーチがここにいるんだ!?」
「待ってよ!ジラーチ!」

と、マサトはジラーチに飛びついて捕まえた。

「あ、サトシ!」
「ラルゥ!」
「マサト!それに・・・ラルトス?」
「あ!このラルトスはね、ホウエン地方のときにあったラルトスなんだよ!」
「ラルゥ♪」

ラルトスは何かとマサトの真似をした。

「あ、そんなことより、なんでジラーチがいるんだ!?千年の眠りについているはずだろ!?」
「実はね…」

と、マサトが説明をはじめようとすると、ライトが現れた。

「そろそろ作戦会議をはじめるわよ!・・・あれ?あの人は?」

ライトはピカチュウを連れたサトシを指す。

「俺はサトシです。こいつがピカチュウ。あ!もしかしてその帽子!」
「ん?あ、この帽子、知ってるの?」

ライトは帽子を取って見せた。そう言えば、ライトが帽子を取っているのって、寝る前と寝ているときしかないな。(何)

「それって、ポケモン公認キャップだよな!?」
「よく知ってるわね!」
「俺も持ってますよ!今はこの帽子を被っているけど」

サトシが被っている帽子とは、アニメのAG版の帽子です。

「あ!僕、知ってるよ!確か限定100個の帽子だって!僕も出したんだけど、外れたんだよね・・・」

とマサトは言った。

「俺はハガキ千枚出して当てたんだ!」
「そこまでしてその帽子を欲しかったの?」

マサトは何気なく突っ込んだ。

「あら!私も彼と同じよ!ハガキ千枚出してやっと当てたのよ!」

ライトは帽子を被りなおして、サトシを見た。

「どうやらあなたとは気が合いそうね。私の名前はライト。よろしく!」
「はい!」
「(どうやら、ライトさんとサトシってどこか通じる所があるのかな?)」

ヒロシは内心そう思っていた。

「そう言えば、さっきライトが言っていた作戦会議ってなんのことですか?」
「あっ!行けない!みんな急いで!」

そう言ってライトたちは会議室(と言うより応接間)に向かった。



Scean,53

「それでロケット団の基地に着いて情報が入った。それはここ、マサラタウンの南、グレンタウンの北にあるフォッグス島といわれる場所らしい」
「フォッグス島?」
「聞いたことないわね・・・」

ヒロシとライトは首をかしげた。

「霧で隠れている上に凄く小さな島らしい。だから、確認できないのかもしれない。しかも、普通の船ではなぜか近づけないらしい」
「普通の船では近づけないと言うことは、ポケモンで行くしかないって事ね」
「おのずとそう言うことになるだろうな」

カレンの問いにヒロトがそのまま答えた。

「だが、そんな島がロケット団の本拠地とは思えないが?」

と、エースが聞いた。ちなみにエースとヒロトの間隔は誰よりも離れていた。やはり、仲直りをしていないらしい。

「支部だけでも見つけ出せれば、本拠地の場所、ボスの正体とかが割り出せるってわけですね」
「そう言うことさ、ヒロシ。・・・少し考えれば解ることだろ?バンダナ君」

と、ヒロトはエースに皮肉っぽく言った。エースは何も言わず黙っていた。

「それで、本題。行くメンバーについてなんだけど・・・」
「それなら、全員で行けばいいんやないの?」

ナナコはそう言った。

「確かに。それがいいかもな」

ヒロトは賛成した。

「俺はマサラに残るグループと基地に侵入するグループの2つに分けた方がいいと考える」

と、ヒロトと正反対の意見を言ったのはエースだった。

「まず、マサトは残ったほうがいい」
「え!?なんで!?僕もロケット団と戦う!!」
「お前はジラーチを守るんだろ?守りながら戦う事なんて出来るわけがない。ましてや、他の人の助けなんか当てに出来ないぞ?」
「・・・でも」
「ジラーチを守るのはお前の役目だ。解ったな?」
「・・・はい」

マサトはしぶしぶと受け入れた。

「じゃあ、マサトが残るなら私も残るかも!」

ハルカはそう言った。

「残るんならあんたも残っていいんだぞ?腰抜け君」
「だ、誰が腰抜けだと?」

ヒロトが思いっきり反応した。

「だってそうだろ?近くにいながら"彼女"について何も知ろうとはしなかった腰抜けだろ?」
「少なくても、腰抜けじゃない!・・・行くに決まってるだろ!」

ヒロトは怒鳴っていった。

「私は絶対行きます!」

カレンも立候補した。

「もちろん俺も行く」
「エースが行くところが私の行くところよ♪」

と、ライトはエースに抱きつく。ラブラブ度は健在だった。

「見てるだけで暑いわ〜」
「本当だね」
「ところで、ヒロシとナナコは残ってくれないか?」
「「え?」」

エースの突然の言葉に驚いた。

「マサトとハルカだけじゃ、複数に対抗できない」
「わかった」
「まかせてーな!」
「ところで、そのフォッグス島に行くにはポケモンで行くんですよね?それはもういるんですか?」
「それなら・・・」
「あ!俺に任せてください!俺にいい案があります!」

ヒロトはユウキの疑問に答えようとした。だが、サトシが割ってきた。

「そう言えば、あんたは?」
「俺はサトシ。俺も協力するよ!ロケット団と戦うのに!」
「・・・」

エースは黙り込んだ。

「やめといた方がいい!」

そう言ったのは、ヒロトだった。

「ロケット団とかかわるとろくなことにならない!まず、第一にロケット団の強さをわかっているのか?」
「それなら・・・ヒロトさん!俺とバトルしてください!」
「・・・。わかった。それで決めよう」

ヒロトは複雑な顔をして言った。でもそれはサトシのロケット団と戦うという思いに複雑だったのではない。サトシと戦うことになったという夢が現実になったことに複雑になったのだ。
そして、場所を庭に移した。

「ルールは2対2のシングルバトル」
「いいぜ!」

ヒロトはマッシュを出した。

「(草系…それなら!)マグマラシ!君に決めた!」

ボールとともに現れたのは、あくびをしたマグマラシだった。あのヒノアラシの進化系だ。

「そちらからいいぜ!」

ヒロトはサトシに先手を譲った。

「行くぜ!マグマラシ!『電光石火』!!」

素早い動きでマグマラシはマッシュに接近する。そして、体当たりをかます。そのまま攻撃はマッシュに命中する。マッシュはちょっと後退した。
そして、マグマラシは一度サトシの元に戻る。

「もう一回『電光石火』!!」

サトシは連続で攻撃を仕掛ける。

「マッシュ!ジャブで受け止めろ!」

マッシュはマグマラシの二回目の攻撃を見切っていた。電光石火のタイミングに合わせて、軽くジャブをマグマラシの額にかました。マグマラシは少し飛ばされた。

「マグマラシ!」
「そのまま、ラッシュだ!」

マグマラシを飛んだのと同じスピードでマッシュは接近し、ジャブの嵐を繰り出す。そのスピードは最初の比にならなかった。

「マグマラシ!かわせ!」

そのジャブをマグマラシはなんとかかわして行く。しかし、それは100発目までだった。101発目がマグマラシの腹に命中して、吹っ飛ばされた。ちなみにマッシュは1秒間に20発ジャブを放っている。

「接近しろ!『マッハパンチ』!」
「マグマラシ!『煙幕』で撹乱だ!」

マッシュの攻撃が決まる前にマグマラシの煙幕がたちまち広まって行った。マッシュは攻撃をとめた。

「(このまま攻撃をするぜ!)」
「マッシュ、『ソーラーパンチ』を地面にかませ!」

サトシが決断するのよりヒロトは速かった。マッシュは太陽の力と風の力を集めた拳を地面にふるった。すると、強烈な風が発生して一気に煙幕は晴れていった。マグマラシが丸見えになった。

「(それでも攻撃だ!)マグマラシ!『火炎放射』!!」
「マッシュ、突っ込んで『爆裂パンチ』!!」

マッシュは炎攻撃にもかかわらず、マグマラシに突っ込んで行った。

「無茶苦茶だよ!草に炎は弱いんだよ!」

マサトは見ていて言った。

「そんなことは常識だ。だが、奴のキノガッサは違う」
「え?」

エースは言った。

「あいつのキノガッサは氷攻撃も炎攻撃も通用しない。なにせ、俺のハクリューの冷凍ビームが効かなかったんだからな」

エースの言ったことは現実となった。マッシュは炎を浴びながらも接近して行き、パンチを命中させた。サトシとヒロトの中心で戦っていたはずなのに、マグマラシはサトシの遥か後ろまで吹っ飛ばされた。

「マグマラシ!」

サトシはマグマラシに近づく。しかし、マグマラシはまだやられていなかった。

「(くっ!でもダメージが大きい!一体どうすれば・・・?火炎放射以上の攻撃と言ったら・・・・・・あれしかない!)」
「マッシュ!『マッハパンチ』!!」

追い討ちをかけるように、マッシュは接近した。

「マグマラシ、地面に向かって『火炎放射』!!」
「一体何をするつもり!?」
「・・・。(なるほど・・・)」

ハルカは疑問に思った。それとは逆にカレンはサトシの行動の理由を理解している様だ。
火炎放射でマグマラシは一気に空へと舞いあがった。

「そのまま『火炎車』でキノガッサに突っ込め!!」

マグマラシは炎を纏って、落下体制に入った。

「そうか!火炎放射で飛ぶことで、動けなくても攻撃できると言うわけだ!」
「それに重力の影響で威力は上がる!」

マサトとヒロシが順々に説明した。

「でも、避けられたら終わりやない?」
「攻撃の後には必ず隙が出るものさ!だから、サトシの攻撃は当たるはずさ!・・・あれ!?キノガッサがいない!?」

ヒロシがナナコに説明している間に、マッシュは消えていた。いや、マッシュの攻撃がマグマラシに命中していた。

「え!?」

マグマラシは空中で攻撃を受けてそのまま地面へたたきつけられた。マッシュは余裕で着地した。

「『マッハパンチ』の後に『スカイアッパー』だって!?そんなに攻撃を切りかえることが出来る物なのか!?」

ヒロシは驚いた。

「・・・。今のは予想していたんじゃないの!?サトシが今のような攻撃に出るということを」

ライトはそう思っていた。

「マグマラシ!戻れ!」

サトシはマグマラシをボールに戻そうとする。その時、サトシの目の前にマッシュが接近してきた。そして、拳を振りかざす。

「うわっ!」

サトシは驚いて腰を引いた。

「ピッカッ!!」

サトシのピカチュウがサトシの肩から降りて臨時体制を取った。

「何をするんだ!」

サトシは当然怒った。

「今のは、威嚇のつもりでやっただけさ!要するにロケット団と戦っているときはポケモンを戻すだけでも隙になるということさ!」
「!!」
「ところで、そっちの二匹目はそのピカチュウでいいのか?」
「はい!ピカチュウ!頼んだぜ!」
「それなら・・・シオン!」

ヒロトはマッシュをボールに戻した。それと同時にシオンがヒロトの頭から飛び降りた。影が薄い様ですが、フォッグス島ついて話しているときからずっとシオンはヒロトの頭にいました。ついでにサトシのピカチュウは肩に。

「ピカチュウ対決ね・・・。見た感じはどちらも強そうね」

カレンは同時に実家にいるローガンのピカチュウを思い出していた。

「サトシのピカチュウも強いけど、ヒロトさんのピカチュウは尋常じゃない強さだからな…」
「ああ。ヒロトさんのピカチュウは強い…」

マサトとユウキがそれぞれに言う。

「ヒロシはんはどちらが勝つと思いますか?」
「う〜ん。わからないな。見た感じはヒロトさんのピカチュウのほうがなんとなく、大きい感じはするけど・・・」

そして、バトルが始まった。

「「電光石火!」」

最初は同じ技だった。同じスピード、同じ威力の攻撃がぶつかって交錯した。

「シオン、『電撃波』!!」
「ピカチュウ、『10万ボルト』!!」

両者、ともに電撃技を指示する。電撃波は絶対命中を誇る攻撃技。10万ボルトは電気系の中で最もポピュラーかつ手ごろな技である。

「なっ!」

ヒロトが予想もしていなかったことが起きた。シオンの電撃波を押し切って、サトシのピカチュウの10万ボルトが打ち勝ったのだ。
そして、爆発が起きて、シオンは少し後ろへ飛ばされた。

「畳み掛けろ!『かみなり』!!」
「シオン!『10万ボルト』!!」

かみなり…それは電気系最強の技である。
しかし、今度は10万ボルトとかみなりが爆発し、相殺で終わった。

「サトシのピカチュウの『かみなり』とヒロトさんのピカチュウの『10万ボルト』が同じ威力!?」
「明らかに僕のレオンの電気技よりも強いぞ・・・」

ユウキとヒロシがそれぞれ言った。

「(普通に電気攻撃すると、確実に防がれる・・・。それならば、スピードで勝負だ!)」
「シオン!スピードスター!」
「ピカチュウ、『高速移動』!!」

シオンは毛玉を毟って、飛ばして攻撃する。一応必中技なのだが、サトシのピカチュウのスピードはそれを上回っていた。

「そのまま回避しながら接近しろ!」
「それなら、シオン!『電撃波』!!」

このシオンの収束した電撃を飛ばす攻撃は鍛えることでいつのまにか音速をも超えていた。見てから避けるのはほぼ不可能であった。
無論、ピカチュウに攻撃は命中した。

「ピカチュウ!・・・なんて攻撃の速さだ!」
「決めろ!『10万ボルト』!!」

続いて強力な電気を放つ。

「(懐に飛びこむなら今だ!)ピカチュウ!『電光石火』!」

10万ボルトへと向かっていき、それをぎりぎりまでひきつけてかわした。そして、そのままシオンへとタックルする。

「行っけーーーー!!!!」
「シオン、今だ!『サマーソルト』!!」

シオンはバック宙の要領で後ろへ飛び尻尾を突き出した。そのまま、向かってくるピカチュウに尻尾をぶつけた。そして、真上へぶっ飛ばした。その高さ、30メートル。

「ピカチュウーーーー!!」
「まさか・・・電光石火の威力を利用して、その力の向きを変えたのか!」
「でも、それでも、あんなに飛ばすのは不可能や!」

ヒロシとナナコは驚いた。

「(いや、これを利用する!)ピカチュウ!そのまま『アイアンテール』だ!!」

サトシは再び落下の勢いを利用すると事を思いついていた。

「シオン!こっちも『アイアンテール』で向かい打て!」

サトシのピカチュウが落ちてくるタイミングで、シオンは飛びあがった。ピカチュウのアイアンテールが上から下に振り下ろすのに対してシオンは横に当てる物だった。どう考えてもサトシのピカチュウが有利だった。しかし結果は違っていた。インパクト後、ピカチュウはヒロトの方向へシオンはサトシの方向へ吹っ飛び、不時着した。ダメージの量は同等だった。

「シオン、『充電』!!」
「え!?」
「なんでそんな隙のあることを?」
「・・・」

ヒロシとマサトは口を挟んだ。それとは逆にエースは冷静に見ていた。

「(今、しかない!)ピカチュウ!『ボルテッカー』!!!!」

ピカチュウしか使えない最強の技。しかし、反動が加わるリスクのある技である。
ピカチュウは電気を纏って、シオンに向かって地面を駆けて行った。

「シオン、尻尾に全ての力をこめろ!『エレキテール』!!」

尻尾が電気を纏って、光り輝いていた。強力な電気が尻尾に流れていることは明白だった。そして、二匹のピカチュウの攻撃が激突した。

「ピカチュウ!」
「シオン!」

結果はどっちもダウンしていた。サトシとヒロトはそれぞれピカチュウを抱き上げた。

「ご苦労様ピカチュウ・・・。ゆっくり休んでくれ」

サトシはヒロトを見た。ヒロトはちょうどシオンをボールに戻したところだった。

「君の強さはわかった。実力は充分にある様だし、ついていってもいいけど・・・なんでロケット団と戦うんだ?なにか理由でもあるのか?」
「作戦会議が始まる前にロケット団の騒動があったことを聞きました。仲間が困っているのに助けないわけにはいかないでしょ!」
「そうか・・・。いいよな?ライト」
「(なんで私に振るの・・・?)いいよね?エース?」
「好きにしたらいい」

そして、サトシもロケット団の基地潜入作戦に加わった。

「そう言えば、サトシが言っていたいい案っていうのは?」

ヒロシが聞いた。

「水ポケモンでいけばいいじゃないか!俺の知り合いに水ポケモンのジムリーダーがいるです!彼女の力を借りれば行けますよ!」
「と言うことは、もう一人増えると言うわけか…」
「でもジムリーダーならいいんじゃない?肩書きは十分でしょ?」
「そうだな」

エースとライトはサトシが推した人物も加えることにした。

「じゃあ、俺連絡とってきます!」

そう言って、サトシは部屋へ入っていった。

「ケンジは残るって言っていたから、残っているのはユウキだけだが…」
「俺は・・・行きます!」
「え!?ユウキ!?」

ハルカは驚いた。

「何が出来るかわからないけれど、俺も行く!あ、もしかしてハルカ、俺のこと心配している♪」
「なんでユウキ嬉しそうなの?」

マサトは何気なく突っ込んだ。

「ユウキだけじゃなくて、みんな心配よ!ヒロトさんもエースさんも・・・」
「大丈夫さ!そんなに簡単にロケット団なんかに負けなさ!」
「そうよ!私だっているんだから!」

ヒロトとライトは前向きに言った。
こうして、フォッグス島へ行くメンバーが決まったのだった。



つづく



@THE

HIRO:マサラタウン編これにて終了!次回からはフォッグス島編となります!

カレン:私、アトザ初登場ね!

HIRO:違うよ!@THEだよ!

ライト:どっちも同じでしょ!

ヒロシ:今回の展開から行くと、僕とナナコちゃんと、ハルカちゃんとマサトは休みなの?

HIRO:はい!長期休暇に入ります!

ハルカ:暇かも!

マサト:それにしても、フォッグス島ってどこ?

HIRO:それは次回のお楽しみ!

ライト:ところで、なんでエースとヒロトの仲を悪くしちゃったのよ!どうしてこんな設定になっちゃったのよ!

HIRO:なんとなく。ノリだよ!

ユウキ:HIROって、困ったときはノリやテンション、調子で片付けること多いな…。

HIRO:というわけで今回は、カレンのプロフィールを下に置いとくことにします!

カレン:突然ね。



ヒロト:ところで、このWWS以外にも小説を書いているって本当か?

HIRO:一応書く予定はあるんだけど。掲載予定はETとMOADかな?ETの方はもう投稿しているけど。珍しくWWSに関係ない話です。

ヒロト:それじゃあ、他の話しは関係するんだ?

HIRO:今のところその予定はないけど…(汗)

ヒロト:怪しいな…!

エース:とりあえず、締めるぞ。

ヒロト:かってに締めるな!バンダナ!

エース:なんだ?腰抜け。

HIRO:このケンカを止めるのは一体誰か!?以下次回に続く!

カレン:冗談は止めてよ!



カレン・・・14歳
性別・・・♀
出身・・・アゲトビレッジ
ポケモン…メガニウム カメックス ブーバー オオスバメ アリアドス メタグロス
好きなこと・・・ショッピング、お金集め、フリーマーケット(売るのも買うのも)
嫌いなこと・・・自分勝手なトレーナー?
大切にしていること・・・ポケモンとのコミュニケーション
服装・・・ポケモンコロシアムのミレイ参照
性格・・・自由気まま、大胆
一言メモ・・・オーレ地方のトレーナー。ダークポケモンと普通のポケモンを見分ける力が備わっている。しかもポケモンに懐かれやすい。トレーナーとしての力もかなり強い。



ほとんど、二人のスナッチャーの引用(蹴)



技データ

サマーソルト・・・ヒロトのシオンの技。以前にも出ているけど補足で、実は以前野球ボールを尻尾で打ち返したら、150メートル出たという記録がある。それほど、シオンの尻尾の威力は強い。

 

[一言感想]

 サトシ……強くなったなぁ(そこか)。
 ヒロトとサトシは互角のバトルでしたが、これならロケット団相手でも引けを取らないでしょう。
 たぶん。
 エースはヒロトにどこか冷たい態度を取るようですが、そちらの心の内も気になります。

 

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