偶然と呼ぶには出来すぎた事象がこの世に存在することは、 これまでの歴史を振り返れば火を見るよりも明らかである。 それでは2001年のとある時間軸から零れ落ちた一つの物語をここに記し、 これをバルカン超特急氏及び彼のパピコンに捧げる(お
*2001/01/14【17:00pm】恵比寿町駅に着いた頃には、もう夕方の5時を回っていた。 切り裂いたような寒さを若干和らげていた太陽はとうに沈み、 濃紺色に彩られた闇が辺り一面を染め上げている。 ネオンと車道を走る車のライトが重なり合い、境筋を微妙な色合いでもって照らし出していた。 その日私が日本橋に赴いたのは、バルカン氏の買い物に付き合う為であった。 というのも、彼はかねてから新しいマシンを切望していたからだ。彼はすでに東芝のブレッツァというマシンを所有しているのだが、どうやらこのマシンでは にっちもさっちも行かないらしい。彼のブレッツァはPentium166MhzのCPU、2GBのハードディスク、 48MBのメモリを搭載。現時点では速度的にも不満があるし、何よりHDDが2GBでは頼りない。 とどのつまり、エロゲー1本走らせるにしろ頼りないスペックだったわけである。 またブレッツァをパワーアップさせるより、むしろ新しいマシンを購入したほうが安くすむであろう という彼の予測もあり、こうやって新型マシンを購入することとあいなったわけである。 当初はTMR、J・ジャッキーの両氏も来ることになっていたのだが、TMRはバイト、ジャッキーは ファンキーかつアグレッシブな葉鍵系同人誌を買いに行く急用が出来たため、参加を見合わせた。
私がバルカン氏を見かけたのは、懐から携帯電話を取り出そうとした時だった。 改札口を出て地上階に出たところの踊り場で、ふと顔を見上げると人ごみの中を よく見知った顔が通り過ぎていくではないか。 私は携帯を片手に持ったまま、慌てて彼を呼び止めた。 ふいに呼び止められたため、彼もいくぶんか驚いた様子だった。どうやら、様々な店をあちこち 渡り歩いていた最中らしい。彼に何か目当てのマシンでもあったかと尋ねたところ、何やら バスアンドタグテクノオフォスが発売しているショップブランドのマシンが欲しいとのことだ。 ここで説明しておくと、バスアンドタグ(以下バスタグ)というのは中古パソコンを主に扱うお店である。 店員さんも比較的親切な人が多く、商品も程度の良いものが多いため、私自身利用することが多い。 ところが最近このお店も、中古以外にも商売の範囲を広げ始めた。その戦略の一環として発売されたのが、 「BT-TOWER」「BT-Desktop」など、店の名を冠するショップブランドの自作マシンである。 中でもバルカン氏の欲しがっていたのは、Celeron700Mhzを搭載したタワー型のマシンだった。 ココ☆アイス「あれ、拡張スロット1基しか空きがないらしいけど、いいの?」 バルカン超特急「うーん、あんまり増設とかしないだろうからいいや。」 ココ☆アイス「OS付いてないけど、自前で用意できるのか?」 バルカン超特急「家にあるから大丈夫。」 そんな会話をしたかどうかはわからないが、とにかくバスアンドタグへと向かうことになった。 もうすでに2号店は見て回ったらしいので、私達は本店へと向かったのである。![]()
【バスアンドタグ本店】バスアンドタグ本店は、ソフマップ4号店むかえの雑居ビルの4階にある。 ギシギシと音を立てて軋む、恐ろしくも古い年代もののエレベーターに乗りこみボタンを押すと、 軽快なベルの音が到着を告げるのだった。 明るい蛍光燈で照らし出される店内には、購買意欲をそそる様々なマシンが陳列されている。 8,800円の、縦に突っ込まれているCompaqのノート。ノートでは珍しい白の本体が素敵だ。 他にも3万円で販売されているPowerBook550c、DEC HinoteUltraはPentium100Mhzのモデルで2万なのか。 あ、Hinote用のCD-ROMベースが売ってる〜とか喜びながら店内を見て回る。 おっと、当初の目的を忘れていた。バルカン超特急の買い物の手助けをしなくてはならない。 「AT互換機・デスクトップ」とラベルの貼られた棚を見渡すと、あるわあるわDELL、IBMマシンの数々。 いずれも企業向けモデルなのか、無骨で愛想のない外見がハードボイルドな雰囲気を醸し出している。 またそれらのマシンは、簡単に初期出荷状態にリカバリー出来るCD-ROMが付属で付いているため、 あまりハードウェアに詳しくない人間でも、OSが落ちた時などの再セットアップが楽なのである。 よって私はそれらのマシンはどうだろうかと薦めてみたところ、それらよりBT-TOWERの方がよいらしい。 そうと決まれば、善は急げである。早速レジに直行するバルカン氏。 「えっと、BT-TOWERください。」 「はい、畏まりました。OSは付属していませんが、これでよろしいですか?」 「はい、大丈夫です。」 「BT-TOWER」は2号店のほうに置いてあり、ここで待っていれば梱包して持ってきてくれるらしい。 10数分の間中古マシンを見ながら喋っていると、巨大なダンボールの箱が到着した。 バルカン氏は日本橋の駐車場に車を停めておりこのまま車まで運んでも良かったのだが、 増設用のメモリも欲しかったし時計を見るとまだ時間があったので、とりあえず閉店の7時までに 取りに来ることを店員さんに伝えると、私とバルカン氏は日本橋を回ることにした。