1月30日、マイクロソフト本社で、Xbox説明会「Xboxプレスセミナー」が開催された。セミナーでは、マイクロソフトでゲームデベロッパー向けサポート事業を行う「アドバンスドテクノロジーグループ」(ATG)によるXboxハードウェアの説明会が行われた。これによると、従来Xchipと呼ばれていたメモリコントローラ+ビデオチップは「XGPU」称され、1GB/秒のメモリバスで64MBのDDR SDRAMに接続されている。メモリバスは128bit幅で、バスクロックは400MHz(200×2MHz)となる。これは、PCのメモリバスの2〜4倍の速さとなる。
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Xboxで中心となるのはビデオチップ兼メモリコントローラのXGPU(Xchip)だ。 グラフィックエンジンにnVIDIA社の「NV2A」を搭載したその構造は、Intel810 のようなグラフィック機能内臓チップによく似ている。 ただしパフォーマンスはけた違いだ。 I/Oプロセッサに当たる「MCPX」には、サウンド機能とHDD/DVDインターフ ェース(ATA)、EthernetコントローラとUSB1.1のコントローラが集積される。 XGPUとMCPXは共にnVIDIA社が設計を担当する。 ビデオチップ専業だった同社が、このように複雑な複合機能プロセッサを 設計したことはなく、一部には開発の遅れも不安視されている。 HDDはWestern Degital社が供給する、シングルプラッタ(ディスクが1枚)の 8GB HDD「WD Protege」を使う。なお、同社のHDDはWebTVにも採用 されている。 |
Xboxのハードウェア概念図には、面白い記述があった。それは、XGPUにつながっている「MCPX」は、サウンド機能(APU)やHDD/DVDインターフェースなどを集積したチップであるということだ。このMCPXとXGPUを結ぶバスは、それぞれが400MB/秒のバンド幅を持つ全二重のバスだという。全二重のバスならば、XGPUからMCPXにデータを送っている最中でも、MCPXからXGPUにデータを送れる。例えば、APUがサウンド再生のために大量のデータを受信している最中でも、HDDやEthernetからメモリへの読み込みは滞りなくできるというわけだ。
Xboxのグラフィック表現力は、ポリゴン数の競争ではなく、より深みのある絵作りへの転換を狙っているものと思われる。事実、デモでは、ぼかし(視点から遠いところに描画されるオブジェクトをぼやけたように表現する)の表現や影の生成をリアルタイムで実現させていた。
既存のゲーム機では困難、あるいは簡略化されていたぼかしや影をリアルタイムゲームで実用的に使えるようになるなら、Xboxはより自然な3Dグラフィックを活用したゲームを作れることになる。この機能をPS2ができないかというとそうでもないが、処理速度などが影響し、実用的な速度が得られない可能性が高い。
また日本では始めて、独立系デベロッパへの開発支援として「Xbox Incubator Program」と「Independent Developer Program」が提供されると発表された。これらのデベロッパ支援策が功を奏せば、Xboxには魅力的なゲームが登場してくることになるだろう。また、このような支援策が、マイクロソフトXboxの成功のカギを握ることにもなるだろう。
PC用ソフトウェアの雄、マイクロソフトが満を持して市場に投入するコンシューマゲーム機「Xbox」
Xboxにかけるマイクロソフトの市場戦略
2001年1月6日、アメリカ、ラスベガスで開催されたConsumer Electronics Show(CES)で、Xboxの筐体デザインが公開された。昨年の開発発表の際にシンボル的に用意された、X字型のメタリックな巨大なオブジェの印象から、最終案に期待がかかったが、意外にも特徴の無い外観でガッカリした。この案に至るまでに十数種類の案があったことが明らかとなったが、意外にもマイクロソフトのデザイン部門は大した事ないということがわかったのでまあヨシとしよう。
マイクロソフトが、コンシューマ向けゲーム機市場への参入プロジェクトをスタートさせたのは、1999年3月のことといわれる。もちろんこれは後日明かされたもので、公の場にXboxが始めて登場することになるのは、2000年3月10日に日米欧で同時に開催された記者発表でのことだ(同日とはいえ、時差および日本市場を重視して日本での発表が最初となったようだ)。
それまで半年あまりもうわさの的となっていた、マイクロソフトによるゲーム専用プラットホームが公式に明らかとなった瞬間である。このプロジェクトに最終的なGo!サインが出されたのは2000年2月14日と伝えられている。日本におけるPlayStation 2発売を約1ヵ月後に控えた時点だ。
この日公開された「X」をモチーフにした銀色のプロトタイプは、Xboxの象徴的なイメージとして、5月に開催されたE3(Electronic Entertainment Expo)におけるマイクロソフトブースのデザインにも利用された。ロンドンで9月に開催されたECTS(European Computer Trade Show)では、欧州での展開を図るとともに、マイクロソフトブランドでゲームを開発するファーストパーティを発表、その後日本での「東京ゲームショウ 2000秋」開催に合わせたタイミングでXboxを正式名称とするなど、ゲーム関連のイベント開催をキーに、次々と情報が明らかにされていった。
一方でハードウェアに関するデータは小出しにされ、当初600MHz相当とアナウンスされていたCPUに、インテル製のPentiumV-733MHzの採用が決定するなど大きな動きもあったが、それ以外のほとんどはXboxを構成するHDDやメモリなど、パーツサプライヤーとの契約から情報が伝わるという状況が続いた。
さらに12月にはXboxの製造体制を整え始めるとともに、当初の計画どおりに2001年秋に日米市場へ潤沢な供給を行うため、欧州市場へは2002年度に投入することが発表されている。そして2001年1月6日。ラスベガスで開催された2001 International CES(Consumer Electronics Show)を舞台にして、Xboxの最終デザインをビル・ゲイツ自らが披露したわけである。
Xboxはこれから2001年秋のラウンチに向けて、3月の「Microsoft Game Stock」と「東京ゲームショウ 2001春」での主力タイトル公開、5月のE3での価格と発売日発表と、スケジュールを進めていくことになる。
セミナーで姿を見せたXbox用のソフトウェア開発キット「Xbox Development Kit Alpha2」(XDK)。
XDKを中心に、Xboxでのソフトウェア開発やデベロッパ支援の仕組み、Xboxの可能性。
Xboxの開発機材は基本的にはXboxに極めて近い内容をもっている。現在提供されているXDK Alpha2では、CPUはPentium3-733MHzを搭載し、「Xox GPU Alpha2」(XGPU)と呼ばれるビデオチップが搭載されたビデオカードが装着されている。PCと大きく異なるのはソフトウェアで、WindowsではなくXbox専用のOSである「Xbox System Software」(XSS)と呼ばれるOSが実装されている。XDKは今後もアップデートが行われ、春頃にはXbox最終実機に相当するXDK Bataが提供される予定だ。
また、Xbox Alpha2ではまだ普通のPC用マザーボードを使っている。最終実機では筐体デザインも変わり、PC用マザーボードにあるシリアルポートはなくなることになる。ホストPCはWindows2000ベースのものでマイクロソフトが提供しているコンパイラ類もすべてWindows用である。
XDK上でアプリケーションを実行させた場合のパフォーマンスは、現在のApha2では最終実機ほどは出ない。これは、ビデオチップの仕様そのものは最終版に近いものとなっているが、フルスペックではないためで、最終的なパフォーマンス、ポリゴンやピクセルの描画については数10%に留まっている。Alpha2のアーキテクチャはパソコンベースなので、XGPUもAGPを使っているが、最終実機ではこれがUMAになり、データ転送のメモリバンド幅は大きく改善されることになる。なお、XDKは今春Bataにアップグレードされる予定だ。
Xboxでは実績のないデベロッパが規格を提出しても、規格内容によっては開発をされてもらえるので、他のプラットホームよりも開発の敷居は低い。また、日本では実働していないデベロッパ向けの2つの支援プログラムも用意されている。1つは、「Xbox Incubator Program」、もう1つは、「Independent Developer Program」である。
Incubatorの仕組みは、まず企画書をマイクロソフトに提出し、マイクロソフトがその内容を審査する。そしてそれがXbox向けのタイトルとしてお互いに利益があると判断された場合に、XDKが6ヶ月の期限付きで優勝で提供される。通常のサードパーティとのライセンス契約と何が違うのかというと、Incubatorでは提示した規格を自ら販売する必要がないことである。入手したXDKを使ってデモリールを作り、それを他のパブリッシャーにアピールして、ビジネスに結び付けて行くという構想なのである。
もうひとつのIndependentだが、こちらはPC上のツールキットを提供するプログラムである。DirectX8を中心にXboxのある程度の技術情報を無料で提供する。その際にはもちろん守秘義務契約は結ぶ必要がある。具体的には、ツールキットを使って開発したデモを「これをXboxで作ってみませんか」とデベロッパに売り込む、というようなプログラムである。
マイクロソフト コーポレーション(Microsoft(R)
Corporation、本社:米国ワシントン州レドモンド)は、米国時間9月20日、全世界で150社を越える世界有数のゲームデベロッパー及びゲームパブリシャーが、マイクロソフトが発売する次世代ゲーム専用機であるXbox向けのゲームの開発及び販売に踏み切る意向であることを表明しました。Xboxを発売の1年前から支持すると宣言した企業の中には、アクトビジョン、インフォグラムス、ミッドウェイ、コナミ、カプコン、ナムコ、バンダイ、ハドソン、アイドス、THQなど業界トップクラスの企業が名を連ねています。マイクロソフトは、これは業界内におけるXboxに対する期待感の高まりを示していると表明しています。
(当資料は、2000年9月20日に米国で発表されたニュースリリースの参考訳です。)
Xbox ディベロッパーリスト(9月20日現在)
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