Antec Trueシリーズの特長
・独立安定化出力
Antec Trueシリーズは、+3.3V、+5V、+12Vの主要三系統のトランス巻線を独立させ、それらすべてを安定化している。
Antec Trueシリーズの場合
+12V: トランス+12V専用巻線、制御チップによる安定化
+5V: トランス+5V専用巻線、マグアンプによる安定化
+3.3V: トランス+3.3V専用巻線、マグアンプによる安定化
Antec SLシリーズに代表される一般的なATX電源の場合
+12V: トランス+12V用巻線、非安定化
+5V: トランス+5V用巻線、制御チップによる安定化
+3.3V: トランス+5V用巻線からマグアンプによる降圧安定化
一般的なATX電源には、3.3V+5Vの合計出力制限がある場合が多い。
この制限は、トランスの5V用巻線を、3.3Vと5Vで共用しているために生じる。
Trueシリーズは、主要三系統がすべて独立しているため、この制限がない。
・電圧フィードバック
Antec Trueシリーズは、ATXコネクタの位置から、フィードバックにより電圧制御しているので、
出力ケーブルによる電圧降下の影響がほとんどない。
+5V出力の場合、一般的なATX電源では、+5Vに電圧制御しているのは、
電源内のプリント基板上であり、これは、出力ケーブルの根元にあたる。
大電流出力時には、出力ケーブルの抵抗の影響で電圧降下が生じ、マザーボードに
届く頃には、たとえば、4.9Vなどに電圧が下がり、電圧変動が生じる。
Antec Trueシリーズでは、ATXコネクタの位置で電圧検出しているので、この場合、
電源出力を自動的に5.1Vに上げて、マザーボード上では5V一定になるように自動制御される。
Antec SLシリーズに代表される一般的なATX電源の場合
ATX+12V: フィードバック無
ATX+5V: フィードバック無
ATX+3.3V: フィードバック有
CPU+12V: フィードバック無
Antec Trueシリーズの場合
ATX+12V: フィードバック有
ATX+5V: フィードバック有
ATX+3.3V: フィードバック有
CPU+12V: フィードバック無(ATX+12Vと共通)
ついでに、Minebeaのサーバー用EPS電源の場合
EPS+12V: フィードバック有
EPS+5V: フィードバック有
EPS+3.3V: フィードバック有
CPU+12V: フィードバック有
+12Vが二系統あるため、EPS+12VとCPU+12Vを独立制御できる。
・高精度出力電圧
ATX仕様や一般的なATX電源では、出力電圧の精度は、±5%である。
Antec Trueシリーズでは、前述の「独立安定化出力」方式や「電圧フィードバック」
方式を採用することにより、±3%という高精度を実現している。
ATX仕様、Antec SLシリーズに代表される一般的なATX電源の場合
+12V: ±5%
+5V: ±5%
+3.3V: ±5%
Antec Trueシリーズの場合
+12V: ±3%
+5V: ±3%
+3.3V: ±3%
・低クロスレギュレーション
クロスレギュレーションは、ひとつのトランスから複数の出力を取り出す
マルチ出力スイッチング電源につきものの現象である。
一般的なATX電源の場合、その構成から、+5V出力の負荷変動の影響が
+12Vの出力電圧変動に現れるのがわかりやすい。
+5Vの負荷が重くなると、+12Vの電圧が勝手に上昇する。
+5Vの負荷が軽くなると、+12Vの電圧が勝手に低下する。
ニプロンの場合の実測例が、
http://www.nipron.co.jp/pdf/pcsa300px2v_data.pdf
の本文p19にある。
この例では、+12Vが5A一定負荷の条件で、+5Vの負荷が5A→30Aに変化すると、
+12Vの電圧が11.642V→12.388Vに上昇していることがわかる。
Antec Trueシリーズでは、「独立安定化出力」方式ため、クロスレギュレーションは、
ほとんど生じない。
Antec SLシリーズでは、このようなクロスレギュレーションが生じる。
このクロスレギュレーションの程度は、有名なてらさんのグラフがわかりやすい。