私には出来ない...

 皆さんは“ハンセン病”をご存知でしょうか?先日、某TV局で放送されてました
ので見られた方も多数いらっしゃるかと思いますが、簡単に“ハンセン病”について
記しておきますね。
 “ハンセン病”というのは“leplal(レプラ)”“癩(かったい)”“癩(らい)病”とも
呼ばれる病気で癩菌の発見者であるノルウェーのA.G.Hansenの名前から
つけられたそうです。
 癩病は癩菌(桿菌の一種)によって引き起こされる慢性の感染症で知覚麻痺と
皮膚に赤色斑が生じる類結核型(斑紋癩)と結節癩とも呼ばれる癩腫型があります。
 癩腫型は顔や四股に癩腫(結節)が生じて特異な容姿に変貌し粘液や神経も
犯すそうです。
 TVで見られた方も多いと思いますが、癩病患者の容姿は非常に特異で頭髪も
眉毛も薄くなり鼻梁は潰れ口元近辺も変貌して(所謂、獅子顔ですね)手の指も
親指の痕跡が僅かに見られる程度にまで変形しています。
 それに加えて伝染性の病気であるため非常に人々から恐れられ癩病患者は
隔離され酷い差別を受けていました。
 ハンセン病の特効薬が出来たのが1944年(確か...)日本で使用されたのが
1947年だったと思います。
 今では発病する事は非常に稀で、早い時期に治療すれば後遺症は殆ど残らない
とのことです。
 それにも拘らず、この国では1996年まで癩病患者は特別病棟に隔離されて
いました。
 この事実には哀しみを感ぜずにはいられませんが、国だけを責める訳には
いかないのではないでしょうか?
 そうさせたのは私たち一人一人の責任ですよね?
 しかし、私はそれを責めるつもりもありませんし、そんな資格も当然、ありません。
 と言うのも、もし自分が癩病に感染した時の事を想像すると“出来ることなら
近寄りたくない”それが本音だからです。
 多分、皆さんも口にはしなくても、それが本音ではないでしょうか?

 現在においても癩病患者への差別は根強く残っているそうです。
 治療法が見つかる以前は当然の事として(患者本人だけでなく、その身内家族も
含めて差別〔迫害?〕されたそうです。家族に癩病患者がいるというだけ〔?〕で
婚約が破棄されたりしたようです。ですから身内から癩病患者が出ると只管隠した
みたいですね)それ以後も差別が続いてしまったのは、癩病の恐ろしさ故だと思う
のですが...。
 誰でも(特に容姿に自信のある女性の皆さん)自分の容姿が変貌してゆく事に
恐怖にも似た感情を抱くと思います。(癩病を患った方のの写真を是非一度見て
下さい。私の言いたい事がわかると思います)
“癩の瘡うらみ”という言葉を知ってますか?癩病患者が梅毒患者を羨むことで、
転じて自分よりも少しでも良いものを羨む事の喩えとして使われます。
 梅毒といえばご存知の通り性病の一種で、菌の侵入した場所に初期硬結、
無痛性横痃を生じさせ、全身に発疹ができ、次いで皮膚だけでなく、内臓、骨、
筋肉にまでゴム腫が生じて、最終的には麻痺性痴呆症、脊髄癆に至るといった
恐ろしい病気です。
 この言葉からもわかると思いますけど、それ程、癩病は恐ろしい病気です。
 個人的な意見を言わせてもらうとAIDSよりも怖いです。AIDSなら死ねるから...。
(HIV感染者の皆さん、ごめんなさい)梅毒なら狂えるから。
 自信の容姿が変貌して行きながらも狂うことも死ぬ事も出来ないのは、非常に
辛いことだと思うのです。
 多分、私なら“自殺”を考えるでしょう(癩病患者の方も、そう言ってました)
 他の人々から受ける差別にもきっと耐えられないから...。健康な人達を恨みながら
死ぬのでしょうが、だからと言って、今“癩病患者の方々と健康な人達と分け隔て
なく接する事が出来るか?”と訊かれれば、表面上は繕う事が出来たとしても
本当の意味では出来ないとも思います。
 皆さんも本音を言えば同じではないですか?“そんなことはない”って胸を張って
言える人がどれだけいるのでしょうか?

 私達に出来る事?この国がいつもやるように“お金”を出す事くらいしかないの
かもしれませんね。
 

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