●MP3エンコーダ(コーデック)

<Fraunhofer>

MP3ENC (Fraunhofer IIS-A)

MP3のコマンドラインエンコーダ。 
L3ENCの後継エンコーダです。なんと言ってもMP3フォーマット開発元のエンコーダだけあって、音質はいいです。 
1994年2月に最初のMP3ソフトウェアエンコーダとしてL3ENCベータ版を発表。その後、94年7月にL3ENC正式版を発表した。DOS/Windows3.1時代にDOSで動いていました。しかし、当時の環境を考えるとものすごーーく時間がかかったんじゃないでしょうか。1995年2月にVer1.5にアップして、MPEG2の低ビットレートに対応しました。1995年9月にVer2.0、1996年4月にVer2.5にアップしました。そして、Ver2.6でFraunhoferが独自で決めた「MPEG2.5」をサポートした。 
そして、Ver3.0で32bit化したものを「MP3ENC」としてロングファイルネームにも対応。しかしそれ以降ほとんどバージョンアップせず、現在のバージョンは3.1で止まっている。また、-bwオプションで最大バンド幅を設定できる。 
そして、FastEncが普及し、役目を終え販売が終了になりました。

-qualオプションのエンコード時間
-qual MS Stereo Full huffman serch Speed(*1) Mode(*2)
0 ON OFF 1.00x 高速
1 ON OFF 1.00x 高速
2 ON OFF 1.00x 高速
3 ON OFF 0.78x 標準
4 ON OFF 0.78x 標準
5 ON OFF 0.78x 標準
6 ON OFF 0.78x 標準
7 ON OFF 0.21x 高音質
8 ON ON 0.20x 高音質
9 ON ON 0.20x 高音質
 
(*1)-qual 0 を1.00倍としたときの値。数字が小さいほど時間がかかる。例えば、-qual 9 は -qual 0 の5倍もエンコード時間がかかることがわかる。
(*2)このサイトが勝手に付けたモードです。まあ、FastEncにある3段階のモードみたいな感じで付けました。

ステレオモードのビットレート依存関係
ビットレート ステレオモード
8〜18kbps モノラルのみ
18〜96kbps MS/IS ステレオ
96〜192kbps MSステレオ
192〜256kbps ステレオ

●シェアウェア[販売終了]
●MP3エンコードエンジン:Fraunhofer (MP3Enc) 
●ビットレート:CBR(8〜256kbps)
●販売元:OPTICOM 

.mp3 Producer  (OPTICOM)

Fraunhofer IISの初期エンジンを採用しているGUI型エンコーダ。前バージョンのMPEG Layer-3 Producerをバージョンアップしたときに、今の名前になりました。しかし、このバージョンから当時常識だったACM(オーディオ圧縮CODEC)を外部ソフトウェアから利用してエンコードをするといったことができなくなりました。 
というのも、当時非常に高価だったこのソフトののプロコーデックを勝手に組み込んでエンコードする違法ソフトが出て問題になりました。たぶんそういったことで、バージョンアップとともに外部コーデックを利用しなくなりました。音質はさすがMP3開発元だけあってよいです。そして、FastEncが普及したため、販売を終了しました。

●シェアウェア[販売終了]
●MP3エンコードエンジン:Fraunhofer (ACM)
●ビットレート:Pro:CBR(8〜256kbps) Advance:CBR(8〜128kbps)
●品質:標準、高音質

Audioactive Production Studio (Audioactive)

Fraunhofer IISの初期エンジンを採用しているGUI型エンコーダ。Fraunhoferと共同開発し、.mp3 Producerより設定が多く使いやすい。バッチモードなどもついていてまとめてエンコードができ、進捗状況も細かく表示されどちらを使うかと言ったらこっちを選択する。しかし、Ver2.04になって欲が出てきたのかリッパーやらCDDBやらに対応した。しかし、リッパーがくせ者でちまたに出回っているCDドライブの.cdaを.wavにしてリッピングするcdfs.vxdを組み込んでいる。これを入れると、システムが不安定になり、最悪の場合再起不能になってしまうというもの。どうせ対応するなら、もっときちっとしたものを作れよ!と思ってしまう。
日本語のサイトもできたが遅すぎで、いまだに日本語版がない!!Opticomが旧コーデックベースのエンコーダを販売終了したのに、ここはまだ販売しています。

●シェアウェア:Professional \19800, Lite \4800
●MP3エンコードエンジン:Fraunhofer (ACM)
●ビットレート:CBR(Pro:8〜256kbps,Lite:8〜128kbps)
●音質:高速、高音質(Proのみ)
●体験版:あり(Lite版)
●CDデータベース:FreeDB
●コメント:そろそろ販売終了か?
 
FastEnc (Fraunhofer IIS-A)

FraunhoferがOEM向けに開発したエンコーダ。名前の如く、エンコード処理速度を重視して開発された。Xingよりも高速。しかし、音質で定評があった時代のProducerやAAPSとは別物になっている。一概に「FastEnc」といってもそれには2種類のアルゴリズム(Codec)が採用されています。FastCodecは各OEMソフトの高速モードで使われ、Altenate Codecはそれ以上の音質、たとえば、標準、高音質などに使われます。また、VBRはFastCodecエンジンのみを使用します。
このコーデックは初めてバンドルしたneroから一気に広まっていき、今はシェアNo.1になっている。XingもRealに買収されたので、今更ジョイントステレオにバグがあるXingをわざと使うメーカーもいないようです。変換速度のオプションは「高速モード(Fast Codec)」「標準(Altenate Codec-Medium)」が最適で、「高音質(Altenate Codec-High)」ではやけに処理時間がかかってしまい音質もさほど変わらない。またFraunhofer初のVBRにも対応して、こちらのおすすめオプションは、「160kpbs以上」で、パソコンのスピーカで聞くぶんには十分だ。これで不満があればLAMEのマニアックなオプションをおすすめする。
MusicmatchJukebox5以降(Free版)にバンドルされたFastEncはビットレート制限をなくし、エンコードスピードを少し落とす制限ぐらいで、広まっていった。何せフリーでFraunhoferのMP3エンコーダがついてくるということで多少ファイルサイズが大きくてもダウンロードした人もいるだろう。それ以降、大抵のパッケージ販売物はこのエンジンが同梱されている。しかし、このエンコーダもバージョン(ビルド)表記がないので指定はできないが一部のリリース分には稀にドロップアウトが発生するバグがあり注意が必要です。また、簡易な設定しかできないソフト(VBR音質設定が5段階ぐらいのもの)は最大バンド幅(LPF)の設定ができなく、いくらビットレート(音質)を上げても16kHzぐらいで固定されているのでいまいち評判は良くない。詳しい設定ができるソフトを探すのが難しい。またMusicmatchJukeboxのレコーダの「詳細設定」で設定した最大バンド幅設定はレコーダでエンコードした時以外は反映されず、「ファイル変換」機能では16khzぐらいでカットされるので注意が必要です。
こういった設定は「Cool Edit 2000」みたいに最適値を自動的に設定してほしいものです。

[例]Cool Edit 2000 v1.1のFastEncコーデック(CBR)
Fast Codec (High Quality) Fast Codecは符号化するために極めて高速なアルゴリズムを採用しています。また高周波成分の細部を符号化する事もでき、低いビットレートでもいい音で符号化できます。
Altenate Codec (Medium) Alternate Codecは、FastCodecより異なるアルゴリズムを使用します。160kbps以上のビットレートでより原音に近い音になります。
Altenate Codec (High) 高音質のAitenate Codecは、符号化するのに遙かに時間がかかります。しかしMedum設定より高音質です。

[例]Cool Edit 2000 v1.1のFastEnc(CBR)初期設定-ステレオソース、FastCodec
ビットレート 標本化周波数 最大バンド幅 MPEG
20kbps 11025Hz 3850Hz 2.5
24kbps 11025Hz 4300Hz 2.5
32kbps 11025Hz 5175Hz 2.5
40kbps 22050Hz 6032Hz 2
48kbps 22050Hz 7471Hz 2
56kbps 22050Hz 8910Hz 2
64kbps 22050Hz 10349Hz 2
80kbps 22050Hz 11025Hz 2
96kbps 44100Hz 11480Hz 1
112kbps 44100Hz 13642Hz 1
128kbps 44100Hz 15804Hz 1
160kbps 44100Hz 20129Hz 1
192kbps 44100Hz 22050Hz 1
224kbps 44100Hz 22050Hz 1
256kbps 44100Hz 22050Hz 1
320kbps 44100Hz 22050Hz 1

[例]Cool Edit 2000 v1.1のFastEnc(VBR)初期設定
q値 音質説明 平均ビットレート 最大バンド幅
10 Lowest Quality 80kbps-95kbps 15210Hz
20 Lowest Quality 85kbps-100kbps 15750Hz
30 Low Quality 90kbps-115kbps 16330Hz
40 Low Quality 100kbps-125kbps 16960Hz
50 Average 105kbps-140kbps 17640Hz
60 Average 110kbps-150kbps 18380Hz
70 High Quality 125kbps-175kbps 19170Hz
80 High Quality 135kbps-195kbps 20050Hz
90 Higher Quality 145kbps-220kbps 21000Hz
100 Highest Quality 150kbps-240kbps 22050Hz

●市販ソフトにOEM供給[単独販売はなし]
●MP3エンコードエンジン:Fraunhofer (FastEnc)

mp3PRO(Thomson ,Coding Technologies)

トムソンとCoding Technologiesが共同でMP3の拡張フォーマットを作成した。mp3PROはMP3ファイルの半分のサイズで同程度の音質が得られると宣伝しているが、デモ版のプレーヤでエンコードした64kbpsファイルは、到底普通のMP3(128kbps)ファイルと同程度の音質とは言い難い。やはり誇大広告のようだ。2001年秋のリリースで最高ビットレート96kbpsまでサポートされるが、これ以上のビットレートも開発予定だ。早く高ビットレートのエンコーダを発表してほしいところだ。製品としては、FastEnc同様nero(5.5.4.0以降)が最初だった。この流れで次はMusicmatchとなりその後パッケージ販売ソフトへと流れていった。
また、「mp3PROだけ」のコーデックはなく、FastEncベースのmp3(PROでない)コーデックにmp3PROでもエンコードできる設定になっている。
ライセンス料がMP3の倍という高額なため、どれほど普及するかは不透明だ。
また、Cool Edit Pro 2.1に付属のPRO付きコーデックが最新版で高音質モードが改良されています。3つのモードに分かれていて、FastEncのFastCodec以外が新しく設定されました。



FastCodec(High Quality) Fast設定は速度重視の場合、役に立ちます。音質は、High Quality設定よりもわずかに劣っています。可能なら、High Quality設定を使って下さい。
Medium Codec(Average Quality) Medium設定は、平均的な処理速度と音質の設定です。
High Quality Codec(Slowest) High Quality設定は、エンコードするのに時間がかかるが、一般により高音質です。

PRO部分では「Low Complexity Stereo」の設定できます。これは32kbpsから56kbpsまでのビットレートで使用可能です。まあ、ちょこっと試したところエンコード時間はおおよそHigh Quality CodecでFastCodecの2倍ぐらい、Medium Codecで1.6倍です。これで使い物になりそうです。また、VBRでもHigh Quality、Mediumが有効です。

●市販ソフトにOEM供給[単独販売はなし]
●MP3エンコードエンジン:Fraunhofer mp3PRO
●TextUpdate:2003年05月29日

☆FhGのコーデックに関する詳しい情報はff123.net(英文)にあります。
☆MP3のライセンス(特許問題)情報はmp3licensing.com(英文)にあります。



<メーカーオリジナル系>


Xing 昔のパッケージソフトのMP3エンコードエンジンとして使われていました。
InterVideo WinRIP、MP3 XPack(WMP9プラグイン)に使用されています。
NEC NEC社の「スマートジュークボックス」に使用されていました。
ケンウッド・ジオビット TDK社の「AudioMagicシリーズ」に使用されています。
DM-OCX 昔のシェアウェアによく使用されていました。
303tek(インターナル) ランドポート社の「MP3 Studio Unreal」シリーズに使用されています。
M3SE(m3eの商用版) アンリアル社の「M3SE Pro.」などに使用されていました。
Real(Xing改良版) RealJukeboxRealONEで採用されています。RealがXingを買収したので事実上Realエンジンといえるでしょう。
CyberLink MP3 PowerEncoder(WMP9プラグイン)に使用されています。
しかし、「CLMP3Enc.ACM Ver1.0.0.919」でエンコードした曲をEncSpotで調べると「Lame UUU」と表示されます。これっていったい・・・?
QCodec MVPに使用されていました。
Apple iTunes fow Windowsに使用されています。元々はCasady&Green社のSoundJam MP(Mac)開発者が作ったコードです。

Xing MP3 Encoder

MPEG規格設立メンバーの一つXingがつくったエンコーダ。といっても、Xing MPEG EncoderからAudio部分だけとってつけたようなエンコーダであらかじめ、いくらかの設定を書き込んだプロファイルというものがある。TOMPG.EXEがもっとの古いエンジンで、VBRなどを付けたエンジンがx3enc.exeです。元祖「高速エンコーダ」だったが、今やFraunhoferのFastEncよりも遅い。Ver1.5から新エンジンにして、16kHzでカットしていた高周波成分を20kHzまでのばしたもの。またこのバージョンから当時珍しかったVBRを本格採用してその名を高めた。音質については、最新のLameを使った方がよっぽどいいです。
この当時、本家Fraunhoferが2万円以上していたMP3エンコーダの値段が、XingではUS$19.95とあって何となく買ってしまった方もいらっしゃるかも。
このソフトには「x3enc.exe」というコマンドラインエンコーダも付いていますので、CDexなどから外部コマンドラインエンコーダとして呼び出すことが出来ます。
また、MPEG(動画)エンコーダの「XingMPEG Encoder」でもMP3のエンコードが出来ますが、このMP3エンコーダはかなり古いエンジン(tompg)を使っています。おそらく、「XingMP3 Encoder Ver1.5」より音質が悪いでしょう。

x3enc.exeの主なオプション
オプション 説明
-b <bitrate> CBRビットレート
-v <scale> VBR値(1,30,50,75,100)
-l  高域成分をエンコードしない
-r エンコーダが最適なサンプリングレートを選ぶ
VBR値は、1が平均96kbps、30が112kbps、50が128kbps、75が160kbps、100が192kbpsになるようにしています。

●商用ソフトウェア:US$19.95(XingMP3 Encoder)
●MP3エンコードエンジン:Xing
●ビットレート:CBR,VBR
●コメント:Realに買収されていったんサイトは消えたけど復活して細々と販売しているみたい。時代遅れです。

InterVideo MP3 XPack

WindowsXPのWindows Media PlayerでMP3形式でリッピングできるプラグインです。
コーデック自体はWinrip2とほぼ同じ。
違いはジョイントステレオを無効にできる事とVBRでエンコードができる。
しかし、VBRにしてもCBRとたいして違いがないというか、ほぼ指定ビットレートに割り当てられ意味がない。ということで、このコーデックはVBRは使わない方がいいです
また、MP3録音時のサンプリングレートを調整しビットレートが128Kbps以下の場合の音質を改善する「SRO(サンプリング・レート・オプティマイズ)」機能があります。

CBR設定の特徴
ビットレート サンプリング周波数 ステレオモード 最大バンド幅
64kbps 32kHz JointStereo 約1kHz
80kbps 32kHz JointStereo 約1kHz
96kbps 32kHz JointStereo 約1.5kHz
112kbps 44.1kHz JointStereo 約16kHz
128kbps 44.1kHz JointStereo 約16kHz
160kbps 44.1kHz Stereo 約16kHz
192kbps 44.1kHz Stereo 約16kHz
224kbps 44.1kHz Stereo 約16kHz
256kbps 44.1kHz Stereo 約16kHz
320kbps 44.1kHz Stereo 約16kHz

このコーデックはACMとして登録されるがCDexで利用すると変なファイルができる。EACではエラーがでて使えない。使えるソフトと使えないソフトが存在しています。
また、DVDデコーダを付け足した「MP3+DVD XPack」というパッケージでも販売されています。オンライン販売がいやな人や「箱派(?)」におすすめです。
また1980円シリーズでおなじみのソースネクストからもパッケージ版が販売されています。こちらは本家よりやすい1980円なのでサポートがあまり必要のない人はこちらの方がお得です。

●商用ソフト:ダウンロード版はUS$9.95、パッケージ版MP3+DVD XPackは3,480円、
         ソースネクストのパッケージは1980円
MP3エンコードエンジン:インタービデオオリジナル
●TextUpdate:2003年11月12日

CyberLink MP3PowerEncoder

WindowsXPのWindows Media PlayerでMP3形式でリッピングできるプラグインです。設定は「WindowsMediaPlayerコンフィギュレーション」で行い、プレーヤの「音楽の録音」タブでコンフィギュレーションで設定したビットレートを指定します。このソフトもVBRがちょっと変で最高ビットレート値がしっかり指定されビットレートを抑えるようで、音質はよくありません。しかし、CBRでエンコードした曲をEncSpotで調べると「Lame UUU」と表示され、中身はLAMEかもしれません。また、このコーデックもACMとして登録されるので、外部ソフトウェアで利用できます。

CBR設定の特徴
ビットレート ステレオモード カットオフ周波数 リサンプリング
64kbps Joint 4.5kHz 22.05kHz
96kbps Joint 12kHz 32kHz
112kbps Joint 14kHz なし
128kbps Joint 15.5kHz なし
160kbps Joint 18kHz なし
192kbps Stereo 19kHz なし
224kbps Stereo 19.5kHz なし
256kbps Stereo なし なし
320kbps Stereo なし なし

VBR設定

スライダー位置 割当ビットレート 平均ビットレート ステレオモード カットオフ周波数
64kbps 最大レートが64kbps 60kbpsぐらい Joint 16kHz
96kbps 最大レートが96kbps 90kbpsぐらい Joint 16kHz
112kbps 最大レートが112kbps 105kbpsぐらい Joint 16kHz
128kbps 最大レートが128kbps 120kbpsぐらい Joint 16kHz
160〜256kbps 最多割当が160kbps 140kbpsぐらい Joint 16kHz
320kbps CBR320kbps CBR Stereo なし


●商用ソフトウェア:\1,980(なぜかVectorのみ\2,180)
              ソースネクストのパッケージ版は\1980
●MP3エンコードエンジン:サイバーリンクオリジナル
●TextUpdate:2004年4月17日


<LAME系>

LAME

現在、もっとも多くの人たちに使われ、開発も熱心なエンコーダです。開発当時は、「8Hz-mp3」のソースを改良していたのですが、Ver.2からISOコードを元に修正して、音質を良くし、処理速度を速めました。また、GPLライセンスの元で、多数の開発者が参加して今の水準まで高められました。VBRの処理速度はやや遅めですが、音質重視の設計ですから仕方ありません。また、新たにABRという前もって平均ビットレートを指定してエンコードするオプションが加わり、CBRと同等のスピードで処理してくれます。元々はISOソースに修正(パッチ)部分を加え、プログラム学習用という建前で進んでいきましたが、今ではISOコードもなくなり、まさにオリジナルのMp3 Encoderになりました。
バイナリーはリンク先のサイトから入手可能ですが、パテント関係が絡んできますので何ともいえません。あくまで「グレーゾーン」です。また、今の配布体型は安定したStable版や、やや安定したベータ版、日々アップしているアルファ版など用途にあった物をダウンロードできます。また。ACMも用意されているので.infファイルからインストールすることができます。
Ver.3.70以来長らくベータ版だったが、2001年12月に正式版のVer3.90Ver3.91が次々公開されて久々の正式版アップになりました。そのイントロダクションには、ビットレート対音質の表で、16kbpsで短波ラジオ並み、32kbpsでAMラジオ並み、96kbpsでFMラジオ並み、128kbpsでCDに近い音質、160〜180kbps(VBR)で知覚的にクリアなもの、256kbpsでレコーディングスタジオの音質ということです。ということで、おすすめは160〜180kbpsあたりのVBRかABRになるでしょうね。ちなみに下の表は、大まかなVBRのクオリティに対する平均ビットレート値です。(音源によって誤差があります)

オプショ
圧縮率 平均ビットレー
最多割当ビッ
トレート
LPF周波数 ステレオ
モード
-V0 約1/5.7 260Kbpsぐらい 320Kbps 19383-19916Hz LR
-V1 約1/6.6 240kbpsぐらい 320Kbps 19383-19916Hz LR
-V2 約1/7.4 215kbpsぐらい 256Kbps 18671-19205Hz LR
-V3 約1/8.2 175kbpsぐらい 192Kbps 18671-19205Hz M/S
-V4(デフォルト時) 約1/9.2 155kbpsぐらい 160Kbps 17960-18492Hz M/S
-V5 約1/10 140kbpsぐらい 160Kbps 16538-17071Hz M/S
-V6 約1/11 125kbpsぐらい 160Kbps 15115-15648Hz M/S
-V7 約1/12 120kbpsぐらい 128Kbps 12981-13515Hz M/S
-V8 約1/13 115kbpsぐらい 128Kbps 12981-13515Hz M/S
-V9 約1/14 95kbpsぐらい 112Kbps 12270-12803Hz M/S
--r3mix 約1/6.6 >205kbpsぐらい 19383-19916Hz

この表から、-V3オプションあたりがいいセンをいっています。デフォルトの-V4でもぎりぎりセーフというところでしょうか。この辺は個人の好みで使ってみてください。また、-bオプションや-Bオプションでビットレートの割当範囲を指定するとよりおもしろくなります。また --alt-preset[プリセット名] や --r3mix というオプションも正式に採用されています。また、VBRのアルゴリズムが3.90から新しいものに変わりました。下の表は、新たに追加された高音質プリセット--alt-presetの大まかな説明です。原則としてVBRでエンコードされますが、--alt-presetの後に数値を指定するとABRでエンコードします。2002年11月にリリースしたVer3.93から--altなしで利用できます。ということで、代理ではないpresetになりました。また、presetにmediumなどが追加されています。

オプション 説明 ビットレート
--preset standard ほとんどの音楽で最適で、音質も高
音質です。
約220kbpsぐらい
--preset extreme 優れたステレオセットを持っていれ
ば、「standard」よりもわずかに高音質
なのがわかるぐらいの音質です。
約260kbpsぐらい
--preset insane mp3ではこれ以上ない最高音質です。
しかしファイルサイズは最大になりま
す。
CBR320kbps
--preset fast standard --preset standardより速くエンコードし
ます。しかし音質が少し低下します。
またビットレートが大きくなるかもしれ
ません。
--preset standardより大きい
--preset fast extreme --preset extremeより速くエンコードし
ます。しかし音質が少し低下します。
またビットレートが大きくなるかもしれ
ません。
--preset extremeより大きい
--preset medium standardより、ビットレートを落とします。(処理に時間がかかります) 約150kbpsぐらい
--preset fast medium --preset mediumより速くエンコードします。 --preset mediumよりおおきい
--preset <kbps> 指定されたビットレートを平均になるよ
うに高音質でエンコードされます。しか
し、VBRより音質は低下します。
ABR指定値
--preset cbr <kbps> 強制的にCBRにエンコードします。 た
だし、<kbps>値が80, 96, 112, 128, 
160, 192, 224, 256, 320のみ有効で
す。
CBR指定値
とまあこういった感じです。

そのほかのプリセット(CBR時)は、
プリセット リサンプル周波数 LPF周波数 ビットレート その他のオプション
--preset phone 8kHz 3.4kHz 16kbps -mm
--preset voice 24kHz 12kHz 56kbps -mm
--preset fm 32kHz 15kHz 112kbps -mj -q3
--preset radio しない 15kHz 128kbps -mj -q3
--preset tape しない 18kHz 128kbps -mj -q3
--preset hifi しない 18kHz 160kbps -mj -h
--preset cd しない LPFなし 192kbps -ms -h
--preset studio しない LPFなし 256kbps -ms
-vを併用して付けるとVBRでエンコードします。

しかし、Ver3.93はプリセットなど評判がいまいちわるく、2002年12月に改良版のVer.3.93.1がリリースされました。そして、2003年11に3.94βがリリース、このバージョンから以前の-q2が-q3にシフトされ高音質の設定が増えました。また、標準のCBR/ABR/VBRの音質が--presetの音質になり、一段と音質が向上しました。そしてすぐ安定版の3.95がリリースされたがvbr-new使用時のバグが報告され、2004年1月の3.95.1がリリースされました。そして3.96β2が元になって、2004年4月3.96(安定版)がリリースされました。があるサンプルでドロップアウトするバグがあり、このバグフィックス版が出るまで3.95.1のまま使用するのが良さそうです。アルファ版はバージョン3.97になっています。
また、Takehiro氏のブランチ4.xxではVBRがびっくりするほど早くなっています。ベータ、安定版が楽しみですね。
唯一、進化し続けるMP3エンコーダです。

●作者:Mark Taylorほか多数
●フリーウェア(LGPL)[ソースコードのみ配布]
●MP3エンコードエンジン:LAME(ISOを改良)
●バイナリー配布サイト:自己責任でお願いします)
 mitiok.cjb.net
 www.hot.ee/smpman
 RareWaresmp3

●関連ソフトウェア:
 RazorLame (フロントエンド)
 winLAME(ウィザード型LAMEエンコーダ)
 lameENCdropXPd(D&D型エンコーダ・デコーダ)
  Lame Ivy Frontend Encoder(日本語フロントエンド)
  dBpowerAMP Music Converter(コンバータ)
 ALL2LAME(フロントエンド)

TextUpdate:2004年3月18日

午後のこ〜だ
 
世界最速エンコーダとして、世界中に知れ渡っています。国内でも充分知名度もありわざわざ紹介する必要がないほどです。また、GUI版ではMP3ファイルを誰でも簡単に作れる簡単さから、一気にMP3界にはまった方もたくさんいるでしょう。ベースはVer.2よりLAME 3.29beta(一部3.55beta)を元に、これでもかと言うほどすさまじく最適化されています。また、3D Now!, SSE等最新のCPU命令やマルチCPUに対応していて、これもまた、これでもかと言うほどCPUを熱くさせてくれます(^_^;)。
最近のVer.3では、LAME 3.88をベースにして、また新たに最適化の真っ最中です。しかし、特許関係で2001年からはソースコードのみの配布となり、初心者には敷居がだいぶ高くなりました。しかし、これからもどれだけ速く処理できるか期待がもてます。
まあ、特許問題でゴタゴタしていますが、日本や世界でこれまでMP3というフォーマットがここまで広まったのは、こういった優秀なフリーウェアが大いに貢献した感があります。高価なFraunhoferのエンコーダやXingだけではここまで広まらなかったと思うと複雑な思いです。Fraunhoferも研究開発の特許でもっているみたいだし、なんだか持ちつ持たれつなんだけどねぇ・・・
Ver.3のコマンドラインオプションは、以下の通りです。(Ver3.10)

オプション 説明
-b ビットレート
-m {s/m/j}  エンコードモード(Stereo/Mono/Joint-stereo)
-v [0-9] VBR品質
-nopsy 高速エンコード
※ 午後のこ〜だVer.2の心理音響解析とは違います
※ 午後のこ〜だVer.2の-nopsyオプションを付けない音質と似ています。
-q 音質(0:高音質 9:低音質、高速処理)
-a ABRエンコード
-silent 処理中にメッセージを出さない
 
そして、Ver3.10β2(GUI版)より、待望のバイナリが配布が再開されました。Ver.3.10β3(GUI版)からはアーカイブのファイルサイズが一気に3MB近くになり何が入っているんだろうと思ったら、インストール時にコンパイルする仕掛けになっていました。これで特許問題うんぬんは一応片を付けたようですね。
作者さん達は最適化のデータ集めが主な目的でバイナリや「コンパイルキット付き」ソースを配布して頂いたのでベンチの結果ぐらいは協力してあげましょう。

●作者: 午後のこ〜だ開発チーム
     (PEN@MarineCat and Supported By Herumi, Sakai, Ururi, and Kei.)
●フリーウェア(LGPL2)[ソースコードとコンパイラー付きセットアップ型フロントエンド(GUI)配布]
●エンコードエンジン:午後のこ〜だ


<ISO系>

mpeg Encoder

たぶん一番古いISOベースのエンコーダだと思います。当時はコマンドラインが当たり前だったMP3エンコーダだったが、これはGUIでコマンドラインを知らない人でも使えた。しかし、初期のISOエンコーダで処理時間がとっても遅いので、あまり好まれなかった。当時の環境で1曲1時間ぐらいかかるので、真夜中にエンコードをして、朝MP3ファイルができるというのが当時の常識だった。
しかし、それだけ時間をかけてエンコードしても、音はよれよれです。でも、当時はそれでよかったんですねぇ。

●フリーウェア
●作者:SoloH氏
●MP3エンコードエンジン:ISO

8Hz-mp3

ISOソースを改良したコマンドライン型エンコーダ。MP3黎明期にフリーウェアとして広まった。「ISOdist10」をベースにして、当時は、L3ENCやProducerよりも処理速度が若干速かったのと、やっぱりフリーで配布されていたので結構重宝された。これは当時、高価なシェアウェアしかなかったMP3で画期的だった。しかし、特許問題が発生し、Fraunhoferからのメールが来て、膨大な特許料を払う気がないので開発は終了した。
また、 染川氏がローカライズした04Jバージョンも発表され、こちらのバージョンの方が本家8Hzのバグが修正され、処理速度もオリジナルより高速だった。 
また、L3ENC互換コマンドを採用しており、L3ENCのフロントエンドが利用できたので、組み合わせて使うと楽々MP3エンコード環境が整うことになる。 しかし、これ以降バージョンアップはしていない。
21世紀になってこのソフトの存在も忘れ去れようとしている今、当時のMP3の音質にふれてみるのもいいもんだなぁ。この音質が今のLAMEまで発展していくと思うとすごいの一言です。

●フリーウェア[本家の8Hzのサイトは配布終了]
●MP3エンコードエンジン:ISOを改良

BladeEnc

mpeg EncoderでMP3のすばらしさを知ったTord Janssonが、ISOコードを元に改良したのがこのエンコーダ。コマンドライン型だがDLLもあり、海外でLameが普及する前まではかなり使われていた。作者のポリシーとして、JointStereoなどの小細工はいっさい採用していない。また、VBRにも対応していない。
Ver0.50からL3ENC互換コマンドが使えるようになり、L3ENCのフロントエンドも使うことができる。LAMEがメジャーになる前はかなりこのエンコーダが関連ソフトに組み込まれたりもして、Fraunhoferからの直々に作者にメールで特許料を請求され、今はソースコードのみでバイナリーはリンク先で入手可能になっている。
しかし、OggVorbisも正式版がリリースされ、ついに2002年8月11日、作者が開発を中止しました。といっても、Bladeを使っていたソフトはもうLAMEに乗り換えしてしまっているし、ついにというかやっとというか開発を残念したのはよくわかります。作者さん、どうもお疲れさまでした。

●フリーウェア(LGPL)[ソースコードのみ配布、開発終了]
●作者:Tord Jansson氏
●MP3エンコードエンジン:ISOを改良(Blade)

Plugger+

これも、ISOソースを元に開発されたエンコーダ。音質は、8Hz-mp3より劣っていたのであまり使われなかった。v0.4で+がついて、ISOと違ったエンジンを採用と当時言っていたが、ISOをやや改良した程度のものでした。
このエンコーダもFraunhoferからの特許に関するメールで、速攻サイトを閉めました。

●フリーウェア[サイト閉鎖]
●作者:Alberto Demichelis氏
●MP3エンコードエンジン:ISOを改良(Plugger+) 

SCMPX

プレーヤがついたISOベースのGUIエンコーダ。といっても、エンコーダよりプレーヤとして紹介してもよかったんですが、やっぱりこのソフトはMP3エンコーダに注目が集まった。発表当時から頻繁にバージョンアップを繰り返し、音質と処理速度を改善していき、ISOベースながらVBRにも対応している。MP1,MP2もエンコード可能で、デコード機能も便利です。ヘルプも親切で、これでMP3を身近に感じた方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。
最近は開発をストップしているみたいですが、特許関係でエンコード機能だけはずしたバージョンにはしてほしくないです、マジで。

●フリーウェア
●作者:S.Chiba氏
●MP3エンコードエンジン:ISOを改良(SCMPX)

M3E

日本人が開発したISOベースのGUI型エンコーダ。なんと言ってもVBRで音質が良く、オプションも豊富です。また、コマンドラインで動作するm3ec.exeも同梱されていてCD2WAVからでも快適に操作できました。作者さんのお薦め設定は以下の通りです。

普通に使う場合 128K, 可変ビットレート レベル3、ビット節約モード 
  レベル3、音質優先、ジョイントステレオ
サイズを小さくしたいとき 112K, 可変ビットレート レベル1 または レベル3、ビット節約モード、レベル4、音質優先、ジョイントステレオ
最高音質 320K, 可変ビットレート レベル4、速度優先 または、音質優先、ビット節約モード OFF, ジョイントステレオ

また、心理聴覚モデルでは「速度優先の場合のみ OFF でほかの場合には、ON です。 可変ビットレートを指定する場合には、新聴覚モデルを ON にしたほうがファイルサイズは小さくなります。ただし、時間マスキングはどちらの場合でも有効です。適応ブロック長切り替えは、音質優先でのみONです。(他のモードでは LONG ブロックになります。)」ということ。
さすがに、これほど高性能だと人気がでますね。しかし、例によって特許関係でサイトごと無くなりました。その後は、アンリアル社によって、販売用にM3SEが作られました。しかし、かなりのコードが書き換えられ、ちょっと音質にも微妙に影響したので、それに違和感を持つM3EユーザーはいまだにこのM3Eを愛用しています。

●フリーウェア[配布終了]
●エンコードエンジン:ISOを改良(M3E)


<クラック系>

Radium MP3 codec

RadiumがFraunhoferのコーデックをクラックしたコーデック。主な使用用途は、DivXのMP3音声圧縮に使われます。このほかこれと言っていいACMがないものでクラック品でも結構重宝されています。最近は雑誌の付録CDにも勝手に入っていたりして、「いいんかいな」と思ったりもします。さすがにやばいと思ったのか、入ってない場合は入手先を小さく書いていたりして。まあ、MP3が流行り始めたときは重宝されたみたいですが今となってはどうでもいいです。っていうか、FraunhoferもあれほどMP3のライセンスにうるさくいっていたのにこれは放っておくんでしょうか。DivXで音声部分をMP3にしたいという考えは伺えますねぇ。頑張れOgg Vorbisというところでしょうか・・・

●クラックソフト
●MP3エンコードエンジン:Radium codec

fastencc.exe

FraunhoferのFastEncのコマンドライン版。今となっては、FastEnc自体がフリーみたいな感じになったのであまり使い道がない・・・。

●クラックソフト
●MP3エンコードエンジン:Fraunhofer FastEnc
●fastencc.exe使用ソフトウェア:DietMP3


それ以外のコーデック情報やバイナリーファイルは、2003年12月にオープンしたRoberto Amorim氏のReallyRareWares(英文)で入手できます。かなり古いCannal3enc、あのM3Eなどがあります。
しかし日本では「WAREZ」扱いのソフト(Xingエンジンを流用したものなど)がアップされているので注意が必要です。