平成14年1月19日購入
新品をオークションで購入した。かなり安くなったと思ったが、まだ相場は下がっているようだ。やはり、Palm m100の4,980円、Palm m105の9,800円が効いている。Palmは全体的に値段が低く、高機能、高価格のPocketPCに対して日本でも善戦している。私はPalmを以前はあまり評価していなかった。どちらかというとWindowsCEに興味があり、カシオペアA-55Vなどを購入している。欲しいと思わなかった最大の理由は解像度が160×160ドットと漢字を表示するには低すぎると思っていたからだ。また、Graffitiにもなじめそうになかったこともある。この手のPDAの利用方法として私がもっとも多いのはテキストファイルなどの閲覧で、そのことに徹した製品としてSONYのInfoCarryがあり、私も所有している。こちらのほうが解像度も高く、ジョグダイアルによる操作性もよく、電池の持ちも良いなど使い勝手にも問題はありませんでした。そのため、これで十分だという考えていました。しかし、所詮InfoCarryはビューアーにしかすぎず、Palmの豊富なソフトウエアに魅力を感じるようになりました。やはり、パソコンのように使えるPalmと、ワープロ専用機のようにソフトウエアを自由にインストールできないコンピューターと同じInfoCarryとではPalmが欲しくなるのも時間の問題だったのかも知れません。
(1)スペック
・CPU Motorola DragonBall-EZ 20Mhz
・メモリ 8MB
・画面 160×160 モノクロ16階調
・インターフェース シリアルポート、赤外線(IrDA1.1)
・サイズ 11.6cm×7.9cm×1.1cm 119g
・リチウムイオン充電池
・2000年4月発売
(2)インプレッション
購入してからまず、ソフトウエアのインストールをするためにPalm DesktopをThinkPad600Eにインストールしました。WorkPadc3のクレードルはシリアル接続ですが、シリアル端子のあるノートパソコンは3台所有しており、どれにインストールしてもよかったのですが、結局メインに使ってるThinkPad600Eにしました。WindowsCEの場合、コンパクトフラッシュなどのメモリーカードが使えるので、これをノートパソコンからソフトウエアをインストールすることができましたが、Palmの場合PalmDesktopなどのシンクロソフト経由でないとインストールできないようです。私はスケジュールや住所録などのデータをシンクロする必要性はなかったので、WindowsCEの場合はシンクロソフトを一度使いましたが、その後ほとんど使わずじまいでした。WorkPadc3は外部記憶装置を繋ぐことができない。ソニーのCLEOはメモリースティック、Visorならスプリングボードモジュールによるメモリ増設などできるため、容量をとるデータ(プログラムを直接実行させることはできないようです。疑似的に行うソフトはあります)をそちらに入れておくことができる。特に辞書は容量が大きいので、メモリのかなりを占有することになる。
クレードルに乗せてシンクロさせるのは簡単かつ便利なもので、Palmの特徴の一つになっている。ただ、私はメーラーにフリーのEdmaxを使っているので、簡単にはこのデータをシンクロできないのが残念です。このためだけにメーラーを乗り換えてもよいのかも知れませんが、今のところそこまでして、WorkPadc3でメールを読むこともないので、乗り換えていません。
画面はモノクロにしてはきれいで、表示の遅さも気になりません。しかし、やはり解像度(160*160dot)の低さは致命的なレベルの一歩手前という感じでしょうか。画数の多い漢字はつぶれて前後の文章から推測することでかろうじて読める。フォントは12ドットのもののようで、やはり漢字は16ドットは欲しい。この部分に関してはアルファベットが読めればよいアメリカ生まれのPDAという気がする。もちろん文字を大きくすることは多くのソフトで可能なので、読めない漢字があればそうすればよいが、当然1画面に表示される情報量は少なくなり、別の意味で読みにくいものになる。液晶画面の価格が高かったころは、製品価格を下げるためにこういう割り切った作りというのもしかたなかったのかもしれませんが、漢字が使えないといけない日本では割り切り過ぎているというところでしょうか。ただ、既にSONYからは320*320のPalm(Clie)が発売され、HandEraからも320*320dotの製品が出ているため、この点は改善されているといっていいと思う。なぜか、本家Palmからは高解像度のものが出ていない。本家はアメリカ中心ということだろうか。
画面は先に述べたようにモノクロにしては見やすいが、見やすい角度が狭い。手に持って使うときには気にならないが、あまりないかもしれないが、机に置いて見るときに、見えにくいときがある。
全面の下に上下のカーソルキーとアプリケーションを起動するキーがある。どれも少し固く押しにくい。これは電源が入っていない状態でもアプリケーションキーを押すことで、電源も入る仕様となっているため、不用意に電源が入らないようにしているためだと思われるが、電源は電源キー以外では入らないようにして、アプリケーションキーはもう少し押しやすい軽いものにしてはどうだろうか。実際の使い方ではアプリケーションキーをアプリケーションそれぞれで色々な機能を割り当てられるようにしている場合もあり、その場合押しやすいものの方が使いやすい。上下キーも特に下のキーが筐体の形状のせいもあり、押しにくい。文書の閲覧などでもっともよく使うキーのため、残念だ。
Palmの特徴の一つにGraffitiによる入力がある。これは使う側に我慢をしてもらいコンピューター側の負担を減らすことにより、早い認識スピードと高い認識率を達成している。人間側の我慢というのはアルファベットと数字とで書く場所を変えていることと、一部書き方が異なる文字があることです。また、日本語の入力ということでは、ひらがなさえ認識せず、アルファベットしか認識しないということも我慢と言えるかもしれない。これらを長所に変えるためには少しばかり練習が必要になる。書くこつをつかめば手書き入力としてはかなり早い入力ができるようになるが、所詮キーボードによる入力にはまったくかなわない。長文を入力する気にはならないだろうし、またそのようなことは元々考えられていないと思う。最近、ザウルスやCLIEにキーボードの付いたモデルが出てきた。小さなキーボードで入力しやすいとは言えないが、手書き入力よりはましだということだと思う。Palmを使い込んでいる人の中にはGraffitiでかなり早く入力できると言う人もいるが、このレベルに達するまでには練習が必要だろう。もちろんキーボードもブラインドタッチができるようになるには練習が必要だが、同じ文字の入力という作業に2度目の練習を強いられるのを嫌う人のほうが多いように思う。また、GraffitiはPalmだけの機能であり、他のPDAを使う場合には使えないという汎用性に欠けることもわざわざ練習しようという意欲をそいでいるかもしれない。私の場合、Palmで入力することは少なく、いまだに記号の入力を覚えられないでいる。Graffiti自体はアルファベットを入力する方法としては優れた入力方法だと思うが、日本語を入力する方法としては直接漢字も入力できる手書き入力の方が多くの人にとって使いやすいもののように思う。
メモリの容量は8MBあり、これはPalmの標準的な容量のようである。雑誌の記事にメモリは2MBでも使い方によっては十分な容量であるというような意味のことが書いてあった。これはWorkPadc3の最初のモデルがメモリ2MBだったため、その紹介記事だったように思う。私もその意見に賛成だが、かなり使い方に制限が付くように思う。Palm本来の使い方、つまり、標準アプリケーションにあるような機能を使う限りは十分なメモリ容量だと思う。しかし、辞書を入れようとすると途端に足りなくなる。また、ATOKを入れるのも困難になる。私の使い方にとっても2MBは全く足りない容量でしかない。Palmのアプリケーションは小さなものが多かったが、最近は本格的なアプリケーションが出てきており、例えば大戦略forPalmなど1MBを越えるものもある。また、先に言ったように辞書を複数入れようと思うと8MBでも少ないようになってきた。CLIEなどのようにメモリーカードを使える機種であれば、辞書などをそちらに移して使うといったことが可能であるが、残念ながらWorkPadc3はそのようなことができないため、いくつかの機能を諦めるしかなくなっている。または、現実的でないかもしれないが、使うたびにアプリケーションを入れ替えることになる。今後Palmもメモリは16MBが標準になっていくと思われるが、増設の手段がないことは欠点だろう。
CPUはDragonBallという名前が付いているが、中身は68000である。68000と聞いても今では知らない人もいるかもしれないが、マッキントッシュのCPUがPowerPCになる前のものがこの系列で、初期にはこの68000が使われていた。また、シャープのX68000というパソコンにも使われている。インテルのCPUよりもアーキテクチャーがきれいで、マニア受けするCPUだった。しかし、インテルとの競争に破れ、パソコンのCPUの主流にはなれなかった。また、これは意見が分かれるかもしれないが、68000は16ビットのCPUである。この後継CPUの68020,30が32ビットのCPUである。つまり、性能的にはPentiumにもかなり劣るということになり、80286,80386あたりの性能だと思う。クロックはPalmの機種にもよるが、16Mhzから66Mhzの機種が出てきている。WindowsCEマシンでいえば初期のころのものと同等と言える。なのに、Palmの方がはるかにきびきびと動くのは機能を取捨選択していることによると思う。多機能化せず、必要なものだけを搭載しているという感じであろうか。それが成功している。このCPUでよくこれほどのものをと言いたくなるものもあるが、PocketPCにあるようなマルチメディア機能ではかなり劣ることになる。PocketPCとはCPUの性能に違いがありすぎるので、仕方ないかもしれないし、潔く切り捨てているところにPalmの良さもあると思う。ただ、私にとってはHTMLファイルを直接見ることができないのが残念です。