コラボレーションシステムの模索

 現代は、会社組織の中で働くのが一般的となっています。しかし、40,50年ほど昔、地方では豆腐屋、魚屋、肉屋、下駄屋、荒物屋、酒屋、桶屋、染物屋などの自営業か大工、左官など手に職を持つ人が大半で、会社の中で働いているという人はあまりいませんでした。
 今の時代に、もう昔の職業どおりの形態には戻れないと思いますが、デフレと価格競争で壁に突き当たっていると思われる最近の情勢を見ると今までとは違う組織形態というものも考えられる時代になってきたのではないかと思います。

 この頃、よくコラボレーションという言葉を耳にします。インターネットが普及してきたからこそ、このような組織が出現する状況になってきたと思います。インターネットを利用した、さまざまなコラボレーション組織が見られますが、ほとんどがアイデア商品の募集という面が主になっているようです。斬新で画期的なアイデアを広くインターネットで募集するというのはインターネットの良い利用方法だと思います。でもそれだけに止まらず、そのアイデアを実際に形にして世の中に送り出すまでの過程もコラボできないものでしょうか。
 このような試みを実際にやっている所もあるようです。しかし、実際にものづくりまでをコラボした場合、様々な問題も起きるようです。

 ・発案者と実現プロジェクトが違っていて、必ずしもアイデア通りのものができない。
 ・発案者がプロジェクトリーダーの場合、プロジェクト内の情報共有、知的所有権問題、経費負担、試作など多岐にわたる対応が困難となり、プロジェクトが停滞することが多い。
 ・漠然としたアイデアだと参加者毎に製作するものに対するイメージが違ってきて、まとめるのがたいへん。
 ・参加者の経験や技術レベルに差があり、コラボが難しい。

 上のような問題を解決するコラボレーションシステムの一つの形として次のようなシステムを考えてみました。

【コラボレーションシステムの案】

 《用語》
 ★コラボレーションシステム
   本当にやりたい事を、本当にやりたい人がやる新しいコラボレーションの形態
 ★コラボ
   コラボレーションの略
 ★コラボ体
   一つのコラボレーション体を言う
 ★生産コラボ体
  コラボ体が進歩して商品の生産(販売)まで成長したとき、コラボ体を生産コラボ体と言う
 ★NS(Next Step)コラボ体 (仮称です)
   コラボ体が進歩し、生産コラボ体になったり他の企業や他の生産コラボ体に開発商品の生産を委託したりして収益が得られるようになったコラボ体を言う
 ★コラボリーダー
   通常、コラボ体の発案者がコラボリーダーとなる。ただし発案者の希望により、他の人がコラボリーダーとなってもよい
 ★コラボメンバー
   コラボリーダーを除くコラボ体の参加者を言う
 ★コラボサーバー
   コラボ体の情報連絡などに使用するインターネットサーバーを言う
 ★コラボレーションシステム運用機構
   コラボサーバーを運用し、コラボ体の活動基盤になる運用機構を言う

〈コラボ掲示板〉
 ・まず、コラボとして考えられる分野を分類する。これはYahooなどで提供されている"掲示板"と同じようなものというイメージです。誰でも自由に、このコラボ掲示板を閲覧することができます。
 ・発案者が自分のアイデア(やりたい事・作りたいもの)の分野を探し、そこにアイデアのタイトルと概要を掲載します。そしてさらに詳しいアイデアの内容ページにリンクしておきます。
 ・リンク先のページには、発案者ができる範囲でプロジェクトを進め、その経過などの説明や試作品などの紹介も行います。ここも自由に閲覧できるようにしておきます。

〈コラボリーダー〉
 ・原則的に発案者がコラボリーダーとなります。あくまでも発案者がコラボ体の主体となります。ただし発案者本人の希望により、他の人がコラボリーダーになることができます。

〈コラボメンバー〉
 ・コラボ掲示板を見て、あるコラボプロジェクトに参加したいと考えた人は、リンク先のページにある参加申請ボタンを押して申請します。もし、必要なら資格確認や契約などを交わすこともできます。この資格確認や契約などは、各プロジェクトにより様々なレベルのものになります。
 ・コラボリーダーは必要と考える分野のコラボメンバーを募集することができます。必要な作業の内容や条件などを提示して募集します。
 ・コラボリーダーは所属するコラボ体への参加申請またはメンバー募集を中止することができます。
 ・コラボリーダーは公開してある規定に従って、不適と認めたコラボメンバーをメンバーから除外することができます。
 ・コラボメンバーは各々の自由意志により、いつでも所属しているコラボ体のメンバーを辞めることができます。

〈コラボ体の解散〉
 ・コラボリーダーは自由意志により、いつでもコラボ体を解散することができます。

〈コラボ体の引継ぎ〉
 ・コラボ体が解散された場合、所属するコラボメンバーはコラボ体のコラボリーダーとなって活動を引き継ぐことができます。この場合、コラボリーダーを希望する人が複数いる時は、所属するコラボメンバーの中で多数決によりコラボリーダーを選任します。

〈開発技術およびノウハウの扱い〉
 ・コラボ体で開発された技術等については必要により、コラボリーダーまたはコラボメンバーが特許を出願するなどしてコラボ体自体で自己防衛に努めます。
 ・コラボ体内で蓄積されたノウハウなどは、その流出によりコラボ体が不利益を被らないようコラボリーダーおよびコラボメンバーがノウハウ流出防止に努めることとしますが、このコラボレーションシステムが本質的に流動的な性格を持っているということから、その種のノウハウ防衛を完全に果たすことはできないものと考える必要があります。どうしてもノウハウを守りたい場合には、そのノウハウの特許化を考えるかブラックボックス化できるよう対策を立てることとします。このコラボレーションシステムでは、ノウハウ防衛という閉鎖的な対応による個々のコラボ体が享受するメリットより、オープンで流動的であることによるコラボレーションシステム全体のメリットを重視することにします。このコラボレーションシステムに参加するすべての人は、この事をよく理解して参加する必要があります。

〈活動資金〉
 ・活動に必要な費用は、原則的にプロジェクト内の担当する人が自己負担します。しかし、試作品の製作などで自己負担を超えると思われる費用が必要な場合、協議してコラボ体のその他の構成員で負担するか第三者から資金の提供を受けて費用をまかないます。
 ・第三者から資金の提供を受ける場合でも、コラボ体またはコラボ構成員は提供された資金の返済義務を負いません。ただし契約により、このコラボが成功し、商品などが開発されその販売等で収益が得られるようになった場合に、その収益から優先的(収益の最低50%以上を返還原資とします)に提供資金の2倍〜5倍くらいまでを上限として資金提供者へ収益が還元されます。この返還条件は資金提供を求めるコラボ体のホームページ上に明記します。ただし次に定めるように知的所有権の実施や開発商品の製造・販売に伴う契約を行った場合は、契約の内容により提供された資金を資金提供者に返済しなくともよいことにします。
 ・資金の提供者は、資金を提供したコラボ体で開発された知的所有権を実施する権利を得ます。また開発商品の製造・販売をする権利を得ます。なお資金提供時に知的所有権の実施や開発商品の製造・販売に伴う契約を行うこととします。
 ・コラボ体が解散したり、最終的に収益が得られなかった場合は、提供された資金の返済は不可能となります。この場合、コラボ体に所属するコラボリーダーおよびコラボメンバーは提供資金の返済義務を負いません。ただし提供資金により購入され資産として残った資材や機械は競売等により資金提供者への返済に当てることとします。
 ・第三者からの資金提供が必要と思われる場合は、コラボサーバーの"資金募集コーナー"を使い広く一般の人から資金を募集できます。
 ・提供を受けた資金は、資材や機械の購入費用に充てることとし、給料や賃金に充当することはできません。また必ず使用明細をコラボレーションシステム運用機構に連絡提示し、使途を明確にする義務があります。
 ・資金を提供する人は、上記条件をよく理解して資金を提供するものとします。

〈コラボ体の成長〉
 ・試作や試作品の評価などある程度、コラボプロジェクトが進んで、生産へ移行したいという状態になったとき、さらにコラボ体の構成員で資本を投入したり第三者からの提供資金を投入して、生産コラボ体として継続して活動してもよいし、また生産を担う別の提携先(企業や他のコラボ体)をコラボ掲示板で募集することもできます。このような状態まで成長進歩した場合、発足時のコラボ体は当初の役目を終えたことになります。(このように成長したコラボ体をNSコラボ体(仮称)と言います)

〈コラボ体の収益還元〉
 ・コラボ体が成長して収益を上げるNSコラボ体となった場合、収益を規定の定めにより、次の者へ還元します。
  1.第三者としての資金提供者
  2.コラボ体で協議して負担したコラボ体参加者内の資金提供者
  3.コラボ体参加者

〈コラボ体の参加者に対する収益分配〉
 ・コラボ体が収益を上げた際のコラボ体参加者の収益分配方法および割合は、コラボリーダーが決定します。ただしコラボメンバーと協議して決定してもよい。
 ・NSコラボ体に成長した以後、コラボ体を他の者に移譲したりした場合の収益は、移譲時の収益分配割合で合理的に分配割合を決定することとします。
 ・次の条件は各コラボ体のホームページで明記公開することとします。明記公開した事項については遵守する義務を負います。
  1.第三者としての資金提供者への収益分配方法および割合
  2.コラボリーダーの収益分配方法および割合
  3.コラボメンバーの収益分配方法および割合
  4.その他、必要と思われる収益分配についての条件・方法

〈コラボサーバー〉
 コラボ体の活動を提供する場となるインターネットサーバーは、コラボ体にとって非常に重要な役割を果たします。主として次のような役割を担います。
 ・コラボ掲示板やコラボ内でのメーリングリストなどの便利なツールの提供
 ・資金募集コーナーの掲載
 ・コラボ参加者のための知的所有権センタページの掲載
 ・その他コラボ参加者にとって有用と考えられる様々な施策の遂行

〈コラボレーションシステム運用機構〉
 ・コラボサーバーを運用し、コラボレーションシステムが一層発展するよう、またコラボレーションシステム参加者の利便がてきるだけ図されるよう努力します。
 ・各コラボ体への第三者からの提供資金の入出金を管理します。また使途を正確に把握し、使途の正当性を保証するために領収書などをコラボ参加者から送ってもらい、資金の収支を整理し、それをインターネット掲載し、資金提供者が閲覧できるようにします。また領収書を必要な期間、保管します。
 ・このようなコラボレーション組織で、問題となる知的所有権に絡む問題に対応するため、掲示板やメールでコラボ体参加者の問い合わせに答える知的所有権センタを設置します。知的所有権センタは、知的所有権に絡むFAQ掲示板などを設置します。また弁理士等と契約し必要な回答が早く得られるような体制を整えます。またコラボ体で特許や商標などの取得が必要な場合にその対応と処理を行える体制を整えます。
 ・商品試作などを安価で請合うSOHOや中小企業などのリンク紹介を行います。工作精度はそれほど高くなくてもできるだけ安い代金で試作したいという要望にも応えられるように個人アルバイトなども対象とします。
 ・コラボリーダーは、このようなコラボレーションシステムの運営経費を負担するため、参加費(個人で負担できる額とします)をコラボレーションシステム運用機構に支払います。

 以上

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