著作権問題を考えよう
・MP3ファイルがネット上で違法に公開されていた1999年のこと、あるMP3サイト管理人が逮捕され、このニュースをきっかけにMP3サイトが次々と閉鎖されていきました。音楽CDや歌詞は著作権が認められ、ネット上で許可なく公開することは禁止されています。作者に代わって違法サイトに対して警告するなどの活動をして著作権を守っているのがJASRACです。今回は歌詞サイト「Single Chart Homepage」管理人のたろささんをゲストに招いて著作権について話し合ってみたいと思います。
---------------- 2001年3月のある日------------------tako@初級MP3ランド「こんにちは、たろささん。今日は出演ありがとうございます。」
たろささん「こんにちは、takoさん。こちらこそ御招待ありがとうございます。」
tako「実は、たろささんに聞いてみたいことがたくさんあります。」
たろささん「どうぞ、どうぞ、答えられる範囲で何でもお話しますよ。」
tako「歌詞もMP3と同じ著作権物なのでネット上での公開はダメなのかと思っていましたが、たろささんのHP(ホームページ)では歌詞ファイルを無料公開していますよね。」
たろささん「歌詞を載せてるサイトを探してみたら、ほとんど見つけられなかったんですよ。ある時たまたま見つけたサイトに著作権のことが書いてあって、どうやらJASRACの許可を取れば音楽著作権物の公開ができると分かりました。なので自分ではじめてみようとおもいたったんです。」
tako「Single Chart Homepageのトップページに次のメッセージがあります。これは何なのですか?」
------------------------ 引用 --------------------------
このサイトはJASRACへの届け出の上、後日配信開始時からの著作権手続きを行うことを条件に非営利・無料で著作物の配信を行っているサイトです。
--------------------------------------------------------たろささん「これはJASRACから指定されたメッセージで、許諾の条件としてかならずHPに記載が必要なんです。」
tako「歌詞の公開はスタートしているのに後日の配信開始時に著作権手続きを行なうとはどういうことでしょう?」
たろささん「あ、違います。後日になって、配信開始時にさかのぼって著作権手続き(著作物使用料の支払い)をするという意味です。」
tako「ん〜分りにくいですね。それはいいとして、やっぱりお金がかかるんですか。では将来的にHPは有料化されるのでしょうね。」
たろささん「いえいえ、JASRACから認可を受けたのはあくまで趣味の範囲(非営利・無料)での利用ですし有料化(商用化)の予定はないですよ。」
tako「でも、それではHPは赤字経営ですよね。」
たろささん「まあ、ホームページを持つのにもなにかとお金はかかってますからね。ちょっと高いプロバイダと契約しているな〜という感じですね。」
tako「著作権手続きを行なう「後日」とは、具体的にいつになる見通しでしょうか。」
たろささん「2001年7月からの予定です。当初は引用文通りHPの開設当時にさかのぼって徴収という条件だったのですが、過去分の徴収は免除されることになったようです。HPも予想以上に好評ですし、今後も今までと同様にページを継続していくつもりです。」
tako「大変そうですけど、応援してるので頑張って下さい。ところで初級MP3ランドではカラオケタイムタグ付き歌詞を作る時は自分で歌詞を入力するよう解説しましたが、たろささんのページから歌詞をコピーしてもOKでしょうか?」
たろささん「それがちょっと問題あるんです。音楽著作権物には@ストリーム形式、Aダウンロード形式、の2つがあります。ストリーム形式とは、例えば新幹線に乗った時に電子パネルに歌詞が表示されたような場合です。ダウンロード形式とは、例えばMP3ファイルをダウンロードした後に音楽を再生するような場合です。」
tako「その場限りで利用するか、一度パソコンに保存した後に利用するかの違いですね。」
たろささん「はい。この形式の違いでサイト管理人がJASRACに支払う著作権料が大きく異なり、ストリーム形式では歌詞ファイルの数に関係なく年額10000円、ダウンロード形式になると10曲につき年額10000円になります。」
tako「具体的な金額は初めて聞きました。歌詞をコピーすると何が問題なのでしょうか。」
たろささん「Single Chart Homepageではストリーム形式のみ許可を受けています。だから歌詞をコピーして保存するとダウンロード形式になるのでまずいのです。」
tako「え〜っ、でも考えてみて下さい、歌詞ファイルをダウンロードせずに画面に表示させたまま曲を聴く人なんていないでしょう?」
たろささん「そうですね、歌詞ファイルもダウンロード形式の著作権物と言われても仕方がないですよね。ただ、歌詞はMP3と違って音楽CDの売り上げの低下などという実害がないので大目に見られているということでしょう。」
tako「ラジオ局やテレビ局は著作権料を払ってるんでしょうか?」
たろささん「放送局は許可とってます。JASRACのHPの商用利用企業のページを見ると、音楽関係の会社がずらっと並んでました。」
tako「でも曲を流してもらえば宣伝になるので、むしろ著作権者はお金を払ってでも放送してもらいたいぐらいじゃないでしょうか。」
たろささん「具体的な契約内容はよく知りませんが、著作権料が高額で利用されないと著作権者にとってもデメリットでしょうね。」
tako「個人的に歌詞ファイルはカラオケ表示するのが楽しい使い方だと思ってるんですが、Single Chart Homepageではタイムタグ付き歌詞を置いてないですよね。」
たろささん「タイムタグ付き歌詞はダウンロード形式になるので置けないんです。」
tako「ストリーム型とダウンロード型をそれほど厳密に区別する必要がありますか?」
たろささん「歌詞に関しては区別する意味は小さいように思います。歌詞にタイムタグを付けたからといって著作権の利益を大きく阻害することにはならないと思います。」
tako「タイムタグのあるなしにかかわらず、歌詞は著作権フリーでいいんじゃないでしょうか。歌詞を無料化しても著作権者はほとんど損害はないと思います。」
たろささん「そうですね、賛成です。歌詞が普及して多くの人の目に触れるようになることも作詞家にとってうれしいことかもしれませんね。」
tako「著作権物だからといって歌詞をただ規制するのでは御役所仕事です。JASRACは音楽の普及というもっと大きな視点を持って考えてほしいです。歌詞を何のために規制しているのか理解できません。」
たろささん「JASRACには音楽業界・著作権者・個人にとってマイナスになるようなことを軽率に行なわないようにしっかりと考えた行動をとってほしいですね。ただ、歌詞が無料公開になったら個人の歌詞HPはほとんど用なしで、レコード会社やカラオケ関連企業などの法人市場になってしまうんでしょう。」
tako「そんな事ないと思います。タイムタグ付き歌詞サイトに生まれ変わると思います。」
たろささん「タイムタグ付けした歌詞を投稿してもらうサイトですね。」
tako「カラオケタグ付き歌詞がネットから無料で入手できるようになれば色々な可能性が広がると思います。例えばカラオケ歌詞表示できるパソコン用CDプレーヤが作られ、音楽CDでカラオケできるようになるかもしれません。更に、音楽CDでカラオケができればカラオケ目的でCDやパソコンを買う人が増えるかもしれません。歌詞の無料化は音楽界にとってプラスになる可能性は高いと思います。」
たろささん「でも著作権を守るという点から考えると歌詞の無料化は難しいでしょうね。」
tako「CD-Rが発売された時点で音楽CDの著作権は大きく侵害されています。パソコンを知らない近所のおばちゃんでもコピーした音楽CDをもらって聴いたりしてますから。ネット上の歌詞ファイルに規制をかけるなんてどうしようもなく小さな問題のはずです。」
たろささん「ところでMP3ファイルの著作権料はいくらだと思いますか?」
tako「う〜ん、歌詞の著作権料よりずっと高いんじゃないでしょうか。」
たろささん「ダウンロード形式の歌詞ファイルと同じで10曲ごとに年額10000円です。ただ、歌詞とMP3が同じではおかしいかなと思います。利用規定の欠陥ではないでしょうか。」
tako「10曲ごとに10000円なんて、個人ではとても払えないですよね。」
たろささん「有料MP3サイトでそれ以上の収入を得ないといけないことになりますからね。」
tako「これは単に違法MP3サイトを規制するための空虚の設定金額ではないでしょうか。」
たろささん「ただ、MP3の場合は歌詞と違って音楽CDの売り上げに直接ひびく可能性があるでしょうから、規制は仕方がないといったところでしょうね。」
tako「著作権を守るという観点から言えば、音楽業界やソフトメーカーはCD-Rの発売を全精力を使って阻止するべきだったでしょう。バックアップ専用のCD-Rというのは苦しい宣伝で、CD-Rが違法コピーに利用されるのは発売前から容易に予想できる事でしたから。」
たろささん「今後はコピーできないCDを作るなど新しい技術が必要かもしれませんね。」
tako「今日は色々な話をありがとうございました。」
たろささん「お邪魔しました。」
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