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一億三千万人のための 小説教室

オススメ度:2
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一億三千万人のための 小説教室

高橋源一郎
岩波新書(新赤版786)、2002年6月20日発行
ISBN4-00-430786-4 C0295

きっとこの作品自体が小説、なんだろう。と言うのが率直な感想だし、著者が求めている感想でもあるんじゃないかと思う。小説を書きたいと言っている連中には、小難しい「小説の書き方」の類を読ませるより、これが(これさえも)小説だと示してやる方がむしろ効率的ではなかろうか。

舞台は小説教室。幾つかのレッスンを通して、先生が小説の書き方を教える。というよりも、多くの他の作品を引用し、コメントを加える。ポイントとなる事柄を挙げるが、それだけをピックアップすれば小説が書けるようになるというものでもないらしい。結局、小説を書くための究極の方法論は「小説を読む」ことである。読んだ数だけ書けるようになるみたいな。

そして、小説を真似ることも重要だ。といっても盗作という意味ではない。その作品を書いた著者になりきる、いわばプロになりきって書くということ。初めて小説を書くのに、プロの心理を持っているわけがない。だから、感動した小説を書いた人になりきって、プロになりきったつもりで書く。そうするうちにプロの考えが身に付いて、書けるようになる。

この小説教室には先生(著者)の心理みたいなものが存在する。が、それ以上に読むことで読者の心理が動かされる。このストーリーでは読者こそ主人公。読み終わった時には小説を書きたいと思うようになるかもしれない。物語は終わっても、主人公はまだスタート地点に立っているだけなのだ。

(2002.08.04)
内容
小説の書き方を教えます−−小説をはじめるまえにすることは何か、小説を「つかまえる」ために何をするのか。基礎篇・実践篇と段階を踏んでいくこの「教室」では、ユニークだからこそ役に立つ「鍵」も示される。小説が好きでたまらない著者ならではの眼で選ばれた豊富な文例と「遊んで」いくうちに、小説とは何か、が見えてくるだろう。



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