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テロリストのパラソル

オススメ度:3
★★★


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テロリストのパラソル

藤原伊織
講談社文庫(ふ-45-1)、1998年7月15日発行
ISBN 4-06-263817-7 C0193

本を開いて8ページ目で爆弾が破裂した。それほどこの話は展開が早いが中身は濃くて長い。「都会の、ど真ん中でテロ事件が起きる」なんて展開はまるでニューヨークでの911テロのような感じだが、舞台は日本の新宿。そしてヤクザが絡み、大学闘争が絡んでくる。

まぁ個人的には主人公のような「バーテンダー」という職に憧れみたいなものがあって、いつかの将来には自身の店を持って、そこで暮らすというようなことをやってみたいと思うのである。だがまぁ、島村にはここでバーテンダーとしてひっそり暮らしていかなければならない理由というものがあって、実はそれが縁でテロの主犯ではないかと疑われる。

現にこのストーリーにはその時代の出来事や人間関係が深く関わってきている。個人的には大学闘争などの時代にはまだカタチすら無かったのだが、その時代に生きた人間は今は立派な大人として生きている。中には起こした事件があまりに大きくなってしまったがためにそれを背負いつづけることになる連中も居る。

ただ、そうした連中の間に生れた連帯感・親近感は永遠に消えないものなのである。たとえ一時は世界に散らばることになったとしても、また一箇所に戻ってきてそのときの思い出を語り合うのである。きっと今生きている人生は、将来に旧友と再び出会うことへと向かうように作られているのだろうなぁと思った作品だった。

(2003.06.23)
内容
アル中バーテンダーの島村は、過去を隠し二十年以上もひっそり暮らしてきたが、新宿中央公園の爆弾テロに遭遇してから生活が急転する。ヤクザの浅井、爆発で死んだ昔の恋人の娘・塔子らが次々と店を訪れた。知らぬ間に巻き込まれ犯人を探すことになった男が見た真実とは……。史上初の乱歩賞&直木賞W受賞作。

初出など
本書は、1995年9月に講談社より出版された第41回江戸川乱歩賞作品で、翌年には第114回直木賞も受賞した作品です。



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