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一千一秒物語

オススメ度:2
★★☆


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一千一秒物語

稲垣足穂
新潮文庫(い-12-1; 1914)、1969年12月25日発行
ISBN 4-10-108601-X C0193

星新一のショートショートよりも先に、しかも更に短い短編集を発表した人がいた。稲垣足穂、この人の本を書店で見つけた時は思わず「これは買わねば!」と興奮してしまった。この本には一千一秒物語として発表された作品群のうちの幾つかが収められている、らしい(なんせ数が多いので)。また他に足穂作品が8編収められている。

星と月による独自の世界観は、マネっこでは作り上げることが出来ないほどに独特で、引き付ける魅力があると思う。個人的にはその内容と同時に、タイトルのつけ方に感動を覚えたのだった。「月から出た人」に始まり、「突きとばされた話」「ガス燈とつかみ合いをした話」など奇抜なテーマが話を進める。時には「THE MOONRIDERS」のように英語のタイトルが現れる。作品が無限に広がる可能性が各々のタイトルから感じられるのである。

このほかのタルホ作品の多くは私小説となっていて、個人的には神戸・明石などが舞台となっていることが気に入った。

この本、案外難解ではある。さすがに発表年の古い作品だけあるのだろうか。それとも稲垣世界への敷居は思いのほかに高いのだろうか。しかし何れにせよ、じっくりと内容が取れなかっただけに、もう一度、読み返したい引力を感じる作品だった。

(2003.02.23)
内容
少年愛、数学、天体、ヒコーキ、妖怪……近代日本文学の陰湿な体質を拒否し、星の硬質な煌めきに似たニヒリスティクな幻想イメージによって、新しい文学空間を構築する《二十一世紀のダンディ》イナガキ・タルホのコスモロジー。表題作品のほか『黄漠奇聞』『チョコレット』『天体嗜好症』『星を売る店』『弥勒』『彼等』『美のはかなさ』『A感覚とV感覚』の全9編を収録する。

初出
『一千一秒物語』1923年1月、金星堂刊行
『黄漠奇聞』1923年2月、『中央公論』
『チョコレット』1922年2月、『婦人公論』
『天体嗜好症』1926年4月、『女性』
『星を売る店』1923年7月、『中央公論』
『弥勒』1940年11月、『新潮』
『彼等』1946年7月、『新潮』
『美のはかなさ』1952年8月、『作家』
『A感覚とV感覚』1954年7月−9月、『群像』



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