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星新一のショートショートよりも先に、しかも更に短い短編集を発表した人がいた。稲垣足穂、この人の本を書店で見つけた時は思わず「これは買わねば!」と興奮してしまった。この本には一千一秒物語として発表された作品群のうちの幾つかが収められている、らしい(なんせ数が多いので)。また他に足穂作品が8編収められている。 星と月による独自の世界観は、マネっこでは作り上げることが出来ないほどに独特で、引き付ける魅力があると思う。個人的にはその内容と同時に、タイトルのつけ方に感動を覚えたのだった。「月から出た人」に始まり、「突きとばされた話」「ガス燈とつかみ合いをした話」など奇抜なテーマが話を進める。時には「THE MOONRIDERS」のように英語のタイトルが現れる。作品が無限に広がる可能性が各々のタイトルから感じられるのである。 このほかのタルホ作品の多くは私小説となっていて、個人的には神戸・明石などが舞台となっていることが気に入った。 この本、案外難解ではある。さすがに発表年の古い作品だけあるのだろうか。それとも稲垣世界への敷居は思いのほかに高いのだろうか。しかし何れにせよ、じっくりと内容が取れなかっただけに、もう一度、読み返したい引力を感じる作品だった。 (2003.02.23) 内容 |