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2つのIDEインタフェイス
GA-8SQ800 UltraにはチップセットのサウスブリッジであるSIS963と、基板上に実装されたIDE-RAIDチップのITE製IT8212の2つのATA/133対応インタフェイスが搭載されています。メモリをデュアルチャンネルにして高速化した次はRAID-0によるハードディスクの高速化を行います。
ハードディスクがCPUとデータをやり取りするスピードは他のデバイスと比較すれば、かなり低速な部類です。それだけに、ハードディスクのパフォーマンスが向上すれば、システム全体のパフォーマンスについても大きな効果が現れることが期待できます。
今回はRAID用としてHITACHI(旧IBM)のIC35L060AVER07-1を2本用意しました。7200rpm/120GB/2MBキャッシュという仕様です。7200rpmの120GBのHDDの中で最も安価だったのでこれにしました。
このマザーにはSerial
ATAも搭載してありますが、HDDの価格が通常のIDEの製品に比べて割高なので、こちらのほうはもう少し安くなってから試すこととします。
テスト環境
テストはHDD1本のときと2本でRAID-0を組んだときの2回行い、RAID-0の効果を検証します。システムの起動はMAXTOR 6Y120L0から行い、テスト用HDDは2台目として動作させます。RAID-0ではどちらのHDDもMASTERの設定にして、IDE3とIDE4にそれぞれ接続しています。(このマザーではIT8212のポートはIDE3、IDE4に割り当てられている)
テストプログラムはWINBENCH99のDisk Inspection
TESTおよびDISK WinMarks、そしてHDBENCH330のDISKテストを行います。
| CPU |
Celeron1.7GHz |
| マザーボード |
GA-8SQ800 Ultra |
| メモリ |
256MB DDR333CL2.5 × 2 |
| HDD-1 |
MAXTOR 6Y120L0 (120GB/7200rpm) |
| HDD-2 |
HITACHI IC35L120AVV207-0 (120GB/7200rpm) |
| HDD-3 |
HITACHI IC35L120AVV207-0 (120GB/7200rpm) |
| ビデオカード |
RADEON 7000VE 32MB |
| 光学ドライブ |
MATSHITA DVD-RAM LF-D310
ATAPI CD-R/RW 16X10 |
| OS |
Windows XP Professional |
テスト結果
テスト1:Disk Inspection Tests
| |
HDD×1 |
RAID-0 |
単位 |
| ボリューム |
NTFS |
NTFS |
|
| サイズ |
123518MB |
247038 |
MB |
| Overall transfer rate |
455042 |
59280 |
KB |
| Overall CPU Utilization |
18.47 |
95.29 |
percent |
| Beginning transfer rate |
56597 |
60181 |
KB |
| Ending transfer rate |
30991 |
58332 |
KB |
Disk Inspection Testsの測定グラフ
HITACHI IC35L120AVV207-0×1
HITACHI IC35L120AVV207-0-RAID0
HDD1台の時はディスクの外周部で56MB/sですが、内周に行くに従ってそのパフォーマンスは低下し、最終的には30MB/sまで落ち込みます。
一方、RAID-0ではそのようなパフォーマンス低下が見られず、ディスクの全域で安定して60MB/s前後のデータ転送を行っています。ただ、CPUの負荷が18%から95%に上がってしまっているのが気になります。CPUに頼ったディスクの制御を行っているということでしょう。(ソフトウエアRAID?)
テスト2:DISK WinMarks
| |
HDD×1 |
RAID-0 |
単位 |
| Business Disk WinMark99 |
9150 |
10600 |
KB |
| High-End Disk WinMark99 |
25400 |
29000 |
KB |
| Disk Access Time |
12.9 |
13.1 |
ms |
| Disk CPU Utilization |
14.7 |
71 |
percent |
| Bus:Overall |
9150 |
10600 |
KB |
| HE:AVS/Express3.4 |
25600 |
27200 |
KB |
| HE:FrontPage 98 |
68600 |
72700 |
KB |
| HE:MicroStation SE |
25400 |
32900 |
KB |
| HE:Overall |
25400 |
29000 |
KB |
| HE:Photoshop 4.0 |
13800 |
16800 |
KB |
| HE:Premiere 4.2 |
17500 |
18500 |
KB |
| HE:Sound Forg4.0 |
52700 |
52900 |
KB |
| HE:Visual C++5.0 |
29500 |
35800 |
KB |
| Disk Transfer Rate:Beginning |
56600 |
60200 |
KB |
| Disk Transfer Rate:End |
31000 |
58300 |
KB |
こちらのテストでもやはりCPU負荷のテストではRAIDを組まないほうが有利です。あとは、アクセスタイムはほぼ同等でその他のテストではRAID-0の方が良好な結果です。アプリケーションについては全体的に見渡して十数パーセントのパフォーマンス向上となりそうです。
テスト3:HDBENCHの結果
| |
HDD×1 |
RAID-0 |
| Read |
53696 |
61760 |
| Write |
42000 |
40943 |
| Copy |
19148 |
20903 |
HDBENCHではWinBenchほどのパフォーマンス向上は見られません。Writeの性能はむしろRAID-0にしたことで落ちています。データ書込み時はオーバーヘッドが大きくなって、かえって性能が低下しているのかもしれません。ドライバの改善やCPUをもっと高速なものに交換するなどすれば改善するかもしれません。
総評
RAID-0を構築することで、PCのパフォーマンスは大きく向上しますが、OSなどはノーマルのディスクでも再外周部にインストールされると考えられるので、体感速度はそれほど速くなった気はしません。パーティションを切ったときに内周側に作成される(Dドライブなどの)領域ではパフォーマンス向上が期待できます。
あと、RAID-0をしばらく使ってみて、動作が不安定になったと感じます。別のディスクをIDE1のポートに接続して大きめのファイル(1GB程度)をRAID-0の領域にコピーすると、ほぼ確実にリセットがかかります。また、別のディスクをつながない状態でも、Divxへのエンコードなどの高負荷で連続アクセスするようなアプリを走らせるとリセットしました。この点はもう少し様子を見てみないと、本当の原因がわかりません。
RAID-0にすることで、領域が故障する確率も高くなります。そのため、重要なデータはバックアップを取る必要があります。私の場合、ワードやEXCELで作った文書や家族の写真、メールデータなどは40GBのUSB2.0接続のディスクに、永久保存したいTV録画ファイルなどはDVD/Rなどにバックアップするようにしています。膨大な量の家族の写真なども無くなってしまうと大変ですからね。
ということで、200GB以上の領域を自由に使えてパフォーマンスも向上するRAID-0ですが、ディスク性能重視なら挑戦する価値はあります。しかし、CPU性能や安定性を重視するなら十分検討してから導入したほうがいいと思います。
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