バックアップとリストア

  
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 どのようなシステムを作るときでもシステムの要件定義とそれに対した設計は重要です.ただ,これはシステムばかリではなく,建物でも模型でも,何を作るときでも一緒だと思いますが.

通常,システムのデータは,障害から守るためにバックアップが行われます.
ただし,このバックアップというのは,ただデータのコピーをテープに取っておけば良い,というものではなく,必要なときに必要な形で復元できなければなりません.これが出来ないのであれば,バックアップをとっていても全く意味がありません.

もちろん,最初からそのようなバックアップをしているとは考えにくいのですが.
システムが拡張され,複雑な構成になっていくにしたがって,オリジナルの考え方から軌道を外れてしまうことがあるかと思います.
特に,このデータの取り扱いに関しては,”とりあえず取っておこう”という考え方でバックアップを取られてしまうと,バックアップのエリアもどんどん広がってしまい.テープ交換やバックアップのスケジューリングなどでシステム管理者の負担が増えるばかりです.

そうなる前に,バックアップに対する要件定義をしておきたいというわけです.

1.まず,何のためにどの領域のバックアップを行うのかを考えて見る必要があります.

 通常のバックアップは作成されたデータを守るために行うのだと思います.システムファイルをバックアップしていても,いざリカバリーする時にはシステムを立ち上げなければなりません.そのためには,システム領域が必要で,これは,バックアップをするというよりは,インストールCDから再インストールした方が良い場合が多いです.そんなケースではシステム領域はバックアップしてもあまり意味がありません.また,テンポラリーで使っている領域や,他のディスクのバックアップ領域として利用しているエリアなども,バックアップをとるための優先順位としてはあまり高くないと思います.


2.次は,いつどのようにバックアップを取るかです.

 可能な限り短い間隔で取るのが理想的ですが,実際には,テープやバックアップ速度によるので,なかなかうまくはいきません.また,バックアップデータの利用方法として,常に最新版のデータファイルが必要なのか.それとも,過去のある時点でのデータが必要なのかによっても,バックアップの仕方も変わってきます.常に最新版が必要なのであれば,大容量のハードディスクなどを使いデータをシンクロさせておけば良いでしょう.今日ではATAのHDの価格がかなり安くなっていますので,マシンをもう1台立ち上げて,それに大容量のATAのHDを付けて,それにバックアップをするといった手もあります.過去のバージョンも必要な場合には,定期的に,データをコピーするやり方が必要です.そうなると,日付ごとなのか,週ごとでよいのかも考える必要があります.

3.あとは,バックアップとリストアに許される時間です.

 バックアップは定期的に行われるので,記録する時間は気にしますが,リストアの時間も同様にテストしておく必要があります.バックアップと同様な時間だと思っていると,失敗します.実は,私がこの文章を書こうと思ったのはこの失敗から来ています.私は,ある,バックアップのソフトウェアを使っていたのですが,バックアップに比べ,リストアの時間が平均して3倍くらい余計にかかるそうです.これは,実際のトラブルの時にリストアをしていて,速度があまりにも遅いのでベンダーさん問い合わせたところそのような回答を得たことがあったからです.その時は後の祭りでした.予想の3倍以上も時間がかかったので,この間社内の業務にかなり影響を与えてしまいました.リストアがきちんとできて,さらに目的の時間以内にできるかどうかは大事です.特に,バックアップが日々増大している場合においては,注意しておく必要があります.

 要件定義といったらこれ以外にも,バックアップの規模は,許される価格は,どこまで自動化するのかなど,いろいろとありそうです.ただ,最低でもまず上の3つの要件を考えてみる必要がありそうです.

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Last Update:03/04/30 , Wasabi