ネットワーク管理のドキュメント

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 私は,社内のLANの管理もしています.社内の人事異動や,組織変更,会社規模の増加などによって,LANではさまざまな変更が行われることがあります.ここでは,私が社内LANを管理している上で必要となった管理のドキュメントを紹介します.

1.バックボーンのケーブルや機器の配置図

 まず,LANの物理的な配置図が必要になります.昔ならイエローケーブルやブリッジということになると思います.今では,光ファイバーやネットワーク・スイッチ,ルータなどになると思います.これらの重要な機器が物理的にどこにどのように配置されているのか記録しておきます.光ケーブルなら,どこのビルからどこのビルに何回線設置されているか,実際に利用しているかどうかに関わり無く,物理的に利用可能なもの全てを記録します.この図は立体地図のようなものになると思います.

2.バックボーンの物理的な接続図

 1.の物理的なケーブルやスイッチを利用して,物理的にどのように接続されているのかを記録します.1.では使っていないものも記録しましたが,ここでは,使っているものがどのようにつながっているのかを記録します.光ケーブルの何番目の線が,スイッチの何番ポートに接続されているとかまで記録しておくと良いと思います.

3.バックボーンの論理的な配置図(IPネットワーク・アドレスの配置図)

 同じ物理的なケーブルを使っても,論理的に複数のサブネットを通していたり,逆にIPを使っていなかったりすることがあるかと思われます.そのために論理的な配置図も記録します.2.は物理的な場所に制約されるような図になるのに対して,これは,場所には関わりなくネットワークの主要機器がどのように論理的に接続しているのかを記録します.IPのネットワーク・アドレスの配置図に主要機器を書いておく,といった配置図になるかもしれません.この配置図は,最も良く利用されるものになると思います.

4.IPアドレスのテーブル(hostsファイル)

 言うまでもなく,hostsファイルの管理です.ExcelやAccessなどをうまく利用すると管理がしやすくなると思います.これらのソフトからマクロを利用して,hostsファイルのフォーマットを作り出すこともさほど難しくはないと思います.また,このファイルはネットワーク上での機器の追加,変更や削除など全てのイベントにおいて変更が必要になるでしょう.

5.ネットワークの変更記録

 ネットワークの変更に伴い,いつどのような目的でどのような変更を行ってきたのか,行うのか,ドキュメントを作ると思います.これらのフォーマットを統一してネットワーク変更記録として,保管しておきます.オフィスの席替えや引越しの時にはネットワークの配線変えも行ったりしますが,このときにかかったコストなども記録しておくと,次回に行う時のコストの見積もりに役立ちます.

6.ネットワークのトラブルの記録

 過去のトラブルの履歴です.これもフォーマットを統一して記録します.過去に起きた大きなトラブルなどの経験から,将来にトラブルを起こさないようなノウハウが得られることかと思います.

 これら管理図やドキュメントを管理していく上でもっとも注意しなければならないことは,過去の図,現状の図,将来のプランの図とをきちんと管理することです.いわゆる,管理図のバージョンコントロールです.ネットワークを変更したら,実際の管理図も速やかに変更する必要があります.おきやすいミスは,ネットワークを変更して管理図も速やかに変更したが,その後にその変更個所のトラブルが発生し,急遽,元に戻すか一時的な変更を施した場合です.この場合も管理図は一時的にでも現状に合わせて変更しておく必要があります.変更しておかないと,この状態の時にまたトラブルが起きた場合に,復旧が遅れるなど,問題を大きくしてしまうことになります.

 また,運用に関しては,さまざまなルール決めも必要になります.すぐ思いつくものとしては,

IPアドレスの設定ルール:ホストにつけるIPアドレスのつけ方のルール.たとえばIPアドレスの最後の桁の数は,10番台をサーバ,90番台はプリンタ,100番台はクライアント,200番台はネットワーク機器といったように,アドレスに応じた機器の種類分けをすると良いと思います.デフォルトゲートウェイは必ず最後の数を200にする,などと決めておくと覚えやすくなります.

ホスト名のつけ方のルール:ホストの名前の付け方のルール.たとえば,パソコンなら利用者のメールIDをつけるとか,サーバならその機能名をつける,プリンタなら,置き場所の名前をつけるなど.

場所の呼び方のルール:ホスト名をつけるときに,実際にその機器がおいてある場所の名前をつけると分かりやすいことがあります.これは,たとえば,ネットワークHUBやスイッチ,プリンタなど同じ型番の物が数多く存在する場合などに役立ちます.このときに必要になるのが,場所の呼び名です.要するに物理的に機器が置かれている場所ができる限りせまい範囲で分かるような記号のようなものです.東京のA町オフィスのB階の東から柱C本目のブロックとか,茨城のD工場のE棟のF階のGエリアなど,これらが分かる記号のルールを作っておくと良いと思います.

クライアントの設定ルール:クライアントのデフォルトゲートウェイのアドレスや,DNSアドレス,WINSアドレスなど,クライアントを設定する上で必要になるアドレスやサブネットマスクを決めます.この情報をパソコンの担当者に配っておけば,質問されることも少なくなるでしょう.

 このように,ネットワークを管理していく上では,適切な管理図やルール決めが必要になります.

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Last Update:03/06/07 , Wasabi