デビの獣医さん

せっかく、オタワから、このヒントンにやって来て、テレビゲームは ないので、出来るだけ、自分がオタワでは、出来ない事をこちらで しようと思いました。で、そのうちの一つがここのママさんのデビとの 話をする事でした。

いくら、ヒントンが小さな5000人の町と言っても、デビほど人の事や ヒントンの事を知っている人は、いないと思う。しかも、彼女は、 とても、話好きなので、話していても全く飽きる事なく、面白い 話題を話してくれます。で、ある時、デビが「今日は、シェパードの 小犬に予防注射したのよ。」と教えてくれました。

これを聞いたときは、「えっ」と思いました。だって、犬とはいえ、 注射するんですから、ある程度その手の経験がなければ、まず無理だと 思っていたからです。で、「なんで、そんな事知ってるの?」なんて、 聞くと、「だって、獣医さんのお手伝いをした事があるのよ。」と 教えてくれました。「犬でも予防注射は、無料ではなく、獣医に 行くと思った以上にお金がかかったりするから、こっちの方が 安くつくから中々節約できるよ。」と言っていました。

まあ、そんな事から、「へぇー意外な経験持っているんだねぇ」と 言いました。なんでも、デビは、その獣医のお手伝いを 8ヶ月のバイトでしていたみたいです。で、色々と教えてくれた 中で、今でも印象に残っているのは、二つ。「自分のペットと別れる時の 辛さ」と「犬は、痛みを表現出来ない。」という事です。

自分も犬を日本の実家で飼っていますが、先代の犬と死別する事に 直面する事なく自分がカナダにいる間に死んでしまいました。でも、 もし、自分が飼っている犬が老いてもう、最後という時の事を考えると、 自分に犬を飼えるのかなぁーと思ってしまいます。

デビの所でも昨年、スパーキーという大型犬いましたが、もう、年で、 なんとも、衰えが見えてきたので、これは、仕方ないという事で、 死別する事を決めたそうです。自分も留学した当時は、そのスパーキー と遊んでましたから、良く覚えています。でも、この時期をデビは、 分かっていながら、どうしても、出来ないという事が3回あったんだそうです。

決めて、今日こそは、と思うけどそれを三度も止めたのは、それだけ、 スパーキーに愛着があったのだからと思います。当の夫のマーベンも その事を理解して、同意をしたものの、本当にそれを実行するのは、 デビの役目だったそうです。それで、やっと決心して、連れていった時に、 そこの18歳のお手伝いさんが「本当にいいんですね?」と聞かれた時は、 本当に頭に来たそうです。というのも、大型犬は、小型犬に比べて年の 取り方がはやいので、12年といえば、かなり長生きした方です。 それで、自分がそれだけ迷いに迷って、連れてきたのに、もし、犬の 寿命を知っていれば、そんな事は、聞けないはずだと言っていました。

デビもバイトしていた時は、そういった事を知っていれば、聞く事は なかったし、あったとしても、「違う飼い主を探してあげましょうか?」 の提案程度にとどめるようにしていたそうです。だから、その一言を 聞いた時は、本当に逆上したらしいです。そのスパーキーの事は、 少しは、良くなってきたらしいですが、未だに辛いと言ってました。

それから、犬の痛みですが、そのバイト当時にたくさんの交通事故の 犬を見たそうです。そういった犬は、もう既に背骨を折っていて、 大変な痛みに見回れるそうです。でも、外見では、全く変わらないので、 飼い主が大丈夫か?と思って近づくと、「がぶっ」と思いっきり噛み付かれる そうです。そんな例の一つに、ある人が犬を自分と一緒に屋根に登ったそうです。 その犬は、きちんと躾されたとても、良い犬で、飼い主も誇りに思って いたそうです。でも、不幸な事に、その犬は、屋根から落ちて、背骨を 折ってしまって身動きも出来なかったらしいです。それは、大変と 飼い主が見に行って、大丈夫か?と手を差し伸べると、親指を 食いちぎられました。

なんか、変だと思いながらも飼い主は、 デビのいた獣医の所に電話をして、デビと獣医は、しっかり、 クチワをして、病院へ運び込んだそうです。飼い主は、病院で、 その食いちぎられた親指を治療していたそうです。でも、飼い主 としては、出来るだけ延命させたいとデビに言ってきましたが、 なにせ、打ち所が悪くて長生きしていても、かわいそうなので、 これは、ここで、終わらせた方が一番と言って、飼い主を説得 して、薬で永遠に眠らせたそうです。

デビが「凄い痛みにある犬は、自分がどれくらい可愛がっても、 犬がどれだけ従順でも、絶対に噛む」だから、クチワは、絶対に しないといけない。と言っていました。本当に、必死になると、 周りが見えなくなるのは、何でも同じなんだなぁーと思えました。


こちらからメニュー又は ホームに戻ります。

Copy right by Shunsuke Morinishi (森西 俊介)1998

このホームページのホストは、です。無料ホームページ をどうぞ