彼女達の42.195km
大阪国際女子
マラソン
2000.2.4
私はマラソンが好きだ。あのなんとも言えない辛気臭い、抜きつ抜かれつの争いがたまらない。
今年の大阪国際女子マラソンはリディア・シモンの3連覇という形で幕を閉じた。2位はラスト500mで抜かれた弘山晴美。
この結果は日本陸連が作った悲劇であると私は思う。世界選手権2位の市橋有里が選考レース前に内定。そして東京国際で山口衛里が日本歴代2位の2時間22分12秒をマーク。弘山は優勝とタイムの両方を狙わなければならなかったのである。優勝だけではおそらく五輪には出られない。おそらくというのは日本陸連の選考基準がはっきりしないからだ。記録を狙う弘山は38km付近でスパート。勝負だけならこんなことはしなかっただろう。トラック勝負に持ち込んでラスト勝負となったはずだ。相手は世界最強といわれるシモンである。勝つだけでも十分だったはずだ。しかし選考基準の不透明さからこんな悲劇が起こったと思われる。しかし日本歴代3位の2時間22分56秒の記録は立派である。
このレースには五輪を目指して多くの選手が出場している。世界選手権組からは「今までの最高の出来」強気の発言の浅利純子、「粘り」の小幡佳代子。3回連続出場を狙う有森裕子。「これが最後の挑戦」という安部友恵。
レースは予想通りの超ハイペース。先頭集団には有力選手は全ていた。しかし5kmを過ぎた頃、さらにペースが上がる。ここで浅利、安部が集団から外れる。浅利は15km付近で無念のリタイア。両ももがつった状態だった。状態が良かっただけに練習のし過ぎで疲労が残っていたのかもとの監督のコメント。
さらにレースは進む。15km付近で有森が遅れる。またペースが上がったのである。もともとスピードのない有森はオーバーペース覚悟で走っていたのだろう。状態も良くなかった。貧血、そして腰痛、ランナーとしては致命傷である。それでも棄権せずに走った。その後、後方から追い込んできた安部(6位完走)に抜かれ、9位。また頑張ってほしい。
私の心を打ったのは世界選手権8位の小幡である。この選手もスピードがない。何度も何度も先頭集団から離されかけたが、必死にくらいついた。苦痛の表情をうかべながらの根性での走り。「五輪へ行きたい」この強い気持ちだけで走っていたのだろう。でも33km手前で離されて5位。しかし自己ベストである。
弘山はこれで五輪候補に名乗りをあげた。次の選考レースである名古屋国際には日本最高記録を持つ高橋尚子が出場、浅利も出てくる可能性がある。残る切符は2枚。代表は誰になるのか?JOCではマラソン代表を6人選考し、レースには調子の良い選手を出すという案まで飛び出している。3月に全ての結果が出る。果たしてどうなるのか?日本陸連よ、今回はちゃんとやれよ。