Windowsとのつき合い方



2001.6/21


 趣味ならともかく、仕事に使う場合は、UNIX使い達は、よほど恵まれた環境にいる人以外、 いやおうなくWindowsとつき合う必要があるのが普通でしょう。そこにはいろいろな意味や具体例があり、 例えばSAMBAを使う、などというのも含まれます。しかし、これなどは許せる気がするのですが、 一番多く、一番不快なのは、やはりWORDとかEXCELなどのファイルを参照しなければならないような場合では ないでしょうか。
 多くの方は、しぶしぶマルチブートでWindowsを立ち上げたり、Windows用にもう一台近くにマシンを準備したり、共用のWindows機に走ったりされているのではないかと思います。私はというと、vmwareを使っています。 このページを訪れる方にはご存知の方が多いと思いますが、Linux上でIBM互換機をエミューレーションできるソフトで、パッチを当てればFreeBSDでも使えます。一部機能の制約はありますが。少なくとも、マルチブートの煩わしさからは 解放されますし、例えばX-Windowでページャ機能を使えば、ページ切替えで瞬時にUNIX環境とWindows環境を行き来できるようになります(というか、同時並行で使えます)。
 さて、私はもう一年以上この環境でWindows、というよりWindowsアプリ用のファイルとつき合って来ましたが、 やはり基本的にはWindowsとつき合う不便さは付きまとっていることを認識せざるを得ませんでした。
 どういうことかというと、実機で動かした場合と同様、vmware上で使ったってやっぱりWindowsはWindows、 不安定な上に、だんだん腐って来るのです。腐って来る、というのはいうまでもなく、使うほどに性能が悪くなり、不安定になり、特にソフトをインストールしたりアンインストールしたりなんてことをすると、 それが一気に加速します。挙げ句の果てはHDDフォーマットレベルの再インストールを強いられるわけです。

 間抜けな話ですが、最近になって、vmwareで使うのに、なんでいちいちWinodwsをshutdownしているのだろう、 と自分の行為の無意味さに気づきました。shutdownというのはOSを安全に、また整合性を取って終了し、 次の起動に備えるものですが、Windowsに安全という言葉は一切当てはまりません。第一、 shutdownの途中であれだけ頻繁に固まってしまうOSに、shutdownというプロセスが存在すること自体、 ある意味とてもばかげています。
 と言って、バチンと電源を切れば、ますます不調になるのは確かですから、本来それは出来ません。 ただ、見方を変えて、もし、Windowsを、毎回、起動前の状況に戻せるとしたらどうでしょう。 使うほどに腐っていくWindowsですから、それができれば、少なくともあるレベルの安定を保つことが出来ることになります。

 で、実はvmwareは、それができるのです。vmwareのディスクモードには、『Persistent』『Undoable』『Nonpersistent』の三種があります。で、各モードの意味は次の通りです。
モード機能
Persistent通常のハードと同じ
Undoableハードディスクへの修正は差分ファイルに蓄積される。終了時、変更適用と破棄の選択を行える。
Nonpersistentハードディスクへの修正は反映されず、プログラム終了時すべて破棄される。
 つまり、Undoableを選択しておくと、終了時に、それまでの作業でのWindows用HDD(実際の物理的ディスクと、Linuxファイルシステム上の1ファイルを使用する仮想ディスクのいずれか)への変更を、 反映させるか、それとも破棄して起動前の状態に戻すか、を選択できるのです。
 通常は起動前の状態に戻すだけでOKです。そして、もし何らかのファイルを追加・変更、あるいは削除したとして、それを反映させて残したいとき、あるいは新しいソフトをインストールして次回以降も使いたい時には、 変更を適用すれば良いのです。試用版などの場合は、捨ててしまえば完璧であることはいうまでもありません。普通に使って普通に終るだけでもどんどん腐っていくWindowsとつき合うのには、実に合理的です。

 それでは、ファイルをエディットしたりしたとき困るではないか、と思われるかも知れませんが、これはLinux側にSAMBAサーバを立ち上げておき、そうした作業ファイルはすべてLinuxのファイルシステム上のファイルで行うようにすることで、まったく問題なく運用できます。次回Windowsを立ち上げたときは、 またそのファイルにアクセスすればいいわけです。
 それに、ファイルが起動前の状態に戻るわけですから、うっとおしいshutdownすらする必要がないのです。単にvmwareのメニューで、Power Offをクリックするだけ。これで終りです。急いで退社したいときなど、これはとてもありがたいです。なによりWindowsをshutdownするときに例外なく感じる、『次立ち上げたとき大丈夫だろうか』という不安を感じなくてすむだけでも精神衛生上うんと健康的です。それに、どんなに不安定な状態になり、あるいはOSがハングしても、電源を切って再起動さえすれば、最初の状態に戻るのですから、Windowsの保険としてふさわしいことこの上ありません。
 さらに、こうなればなんでもあり、例えば、メールに添付されて来たEXE形式のウィルスだかなんだか得体の知れないものでも、気にしないでダブルクリックしてみることができます。あ、ただし、メールをWindowsから送れるように設定している場合は、vmwareでネットワークを切り離しておいてからやった方がいいでしょう。

 インストールするにあたって、ちゃんとWindowsのライセンスを取らなければならないのが難点ではありますが、このようにvmwareでWindowsを使うということについては、非常に大きなメリットがあります。嫌いな人とつき合うのに、テレビ電話だけで会話をしてすませられるような、実にわがままで快適な生活をこのところ送っているのです。



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