SCSIボードを変えたいだけなのに・・・
1999.5/26
なにごとも、思惑通りにはなかなかいかないもの、会社で使用している個人マシンの、
SCSIボードを交換するだけのために、えらいめにあってしまった。
SCSIボードを交換するわけ
コトの発端は、FreeBSDのメジャーリリース3に安定版が出たため、現在使用
している2.2.7Rを3.1Rにアップグレードしようと考えたところから始まる。
それはいいのだが、今度のリリースでは、それまでサポートされていたかなりの
数のSCSIボードが、対象外となってしまっている。よもやと思っていたが、
私の使っていたアダプテックのAHA-1520も、対象外リストに加えられている。
多少古いとはいえ、これほどメジャーなカードをなぜ外すのか分からないが、
それなりの理由があるに違いない。また、自作パソコンショップなどでは、現在
もっとも幅を利かせているといっていいTekramのモデルも軒並み除外された。
ともかく、内蔵SCSI−HDDと外付MOドライブを使用している現在の環境では、
SCSIが使えなければ話にならないし、遅かれ早かれリリース3への移行は
行うことになるのだから、やむなく日本橋に出かけ、自腹でAHA-2920Cを購入した。
Turbo Linuxが立ち上がらない!
ボードを交換してまず試みたのは、Turbo Linuxの立ち上げである。
IDEのHDDにインストールしたルートはいいとして、/usrパーティションは
SCSIのHDD上にある。問題が出るであろうことは、予測はしていた。
FreeBSDならインストールしたままのGENERICカーネルであれば、主なドライバは
スタティックにリンクされているから、たいてい問題はないが、Linuxカーネルは、
ブート時に必要なドライバモジュールを選択してロードするようになっている。
このため、現在の環境では、AHA-1520のドライバであるaha152xモジュールは
ロードされていても、新しいAHA-2920Cのドライバaic7xxxはロードされない
と思われたからだ。
結果は予想どおり、fsck(ファイルシステムのエラーチェック)の前で
停止。しかし、何の不安も感じることなく、メンテナンスモードから一旦起動して、
ブート時にロードさせるSCSIドライバを差し替える作業を始めた。
ところが、この設定ファイルがどうにも見つからない。
/etc/conf.modulesというファイルがあり、ここに起動時にロードするモジュール
を指定するが、そのロード以前に停止する。また、ここに確かに元のボードの
aha152xモジュールが指定されてはいるが、これを削除しても、やはりブート時には
Loading module aha152x.oとかいうメッセージが出て、なにか別のものを参照
しながらモジュールロードを行っている様子である。
いずれにしてもLinuxは理解を深めておく必要がある。結構つっこんで調べたのだが、
少なくともテキストの設定ファイルで設定できるようにはなっていないようである。
とりあえず、手動でメンテナンスモードに入り、そこから通常のマルチユーザモード
まで立ち上げる方法はすぐわかったが、このままではいちいち起動に手作業が必要で、
不便である。特に、自宅から電話で会社の人に電源を入れてもらって立ち上げ、
リモートログインして、作業終了後に電源を落とす、という方法がとれなくなる。
残る手は再インストールかカーネルの再構築だが、ここで、Turbo Linuxの設定
環境の不自由さを改めて思い出した。
これは、ユーザ、特に初心者の利便性を考慮してのことだろうが、
Turbo Linuxは、本来のUNIXの環境から考えると、GUIツールなどの
利用が不可欠となっている部分が多い。例えば、プリンタの追加にしても、
通常、UNIXでは、/etc/printcapにテキストエディタで追加し、せいぜいが
lpcコマンドでスタートアップしてやるくらいで、完了する。
ところが、Turbo Linuxでは、GUIツールで設定する必要があり、
一応printcapを参照する形式はとっているが、それ以外の何らかの
設定が必要なようで、printcapへの追加だけでは全く認識してくれない。
他のUNIXシステムでは、GUIによる設定ツールが提供されている場合でも、従来のテキスト
設定環境にかぶせる形で実装されていることが多く、キャラクタ端末などによる
従来型の設定も可能なように作られている。それが、Turbo Linuxでは必ずしも
そうなっていないのである。しかも、Turbo Linuxでは、そうしたアドミニストレーションに関する情報が
非常に得にくい。仮に、同様の作業がテキストのコマンドラインツールで
可能であるとしても、添付のマニュアルは元より、各種オンラインマニュアル
や設定ファイルのコメントをたどっても、関連情報がまったく見当たらない。
これは、すべてのLinuxがそうであるとは考えにくいので、このディストリビュ
ーション固有の問題ではないかと考えている。それを検証するためと、
一般的なLinuxのアドミニストレーションをマスターするために、
別のLinuxへの乗り換えの検討を始めた。キャラクタの環境でもリモートメンテナンス
が可能であること、大抵の情報はファイルやオンラインマニュアルを調べていけば、
比較的短時間で取得することが出来るという、UNIXの重要な特性が、この
配布では欠落しているからである。
実際問題として、商用ではあるが、Turbo Linuxでなければ困る、という
部分は、これまで半年ほど使い続けてみて、特に見当たらない。Applixwareは
正直期待外れだったし、wnn6はおそらく別のパッケージでも動くだろう。
それで、これまで構築した環境のFreeBSD3.1Rへの移行が完了した時点で、
今注目されていて、ちょうど1.0のリリースの始まったVineを試してみようと
考えているところである。
Win95もだめ
Windows95の状況はさらにひどかった。周辺デバイスが使えるとかどうとか
いう前に、ボードを入れ替えたら、safe mode以外では立ち上がらなく
なってしまったのだ。どういうわけか、黒画面のまま途中で完全にハングする。
仕方なくいったん、旧カードに戻してみたが、今度はそのカードを認識しなく
なった。
もともと、Win95など、会社では1%も使っていない。なくてもほとんど
困らないのであるが、しかしたまに送られてきたWORDの文章を読む必要に迫られる
ことはあるし、インターネットの調査でどうしてもWindows用アプリを試用
してみなければならないこともある。必要に迫られてから慌てて対応しても
間に合わないと困るので、とりあえず復旧することにした。
上記のような状況に陥ってしまえば、出来の悪いブラックボックスであるWin95の場合は、
再インストールが最短の解決法であることは誰もが認めるところ。さっそく取り掛かった。
私のマシンは自作でなく、メーカー品なので、リカバリCDを使用して復旧する。
一応、一通り終わる。ところが、その後、再起動してデバイスを認識し始めると、
MIDIポート・JOYスティックのデバイス検出のところで、エラーが発生し、
そこでブートシーケンスが止まる。どうも、再インストール前も、同じところ
でハングしていた疑いが濃厚だ。今回は幸いにしてエラーメッセージが画面上に
現れたので特定できたが。
とりあえず会社では、サウンドそのものを使っていないので、この二つのデバイスを、
safe modeで立ち上げ、使用のチェックを外す。それでも、ドライバ自体は
組み込まれるようで、やはりエラーとなる。
あんまりやりたくないが、相手がWin95だから仕方ない、問題のデバイス
ドライバファイルを、リネームして実質削除、これで初めて起動に成功した。
それにしても、音声ボードは、マザーにオンボードのメーカー標準品である。
SCSIにしても、天下のアダプテック製である。その組み合わせで、
ハードの相性としか言い様のないこのトラブルはどうしたことだ。
幸いにして、というべきだろう、多くのアプリは、復旧対象のC:ドライブ
以外にインストールしてあり、大半はショートカットを作成するだけで
動くようだ。ディスプレイ・カードは、標準のものと差し替えてあり、
それ用のドライバを持ってこないと、1024x768の256色に甘んじなければならないが、
もうこれ以上Win95環境を整備しても得るものがない。この際、
このままでいくことにした。
ああ、時間の浪費・・・
そんなこんなで、結局のところ、業務山積で一分も惜しいこの時期に、なんと
丸二日分の貴重な時間を浪費してしまったのである。
たかがSCSIボードの交換に、これほど難儀するとは、夢にも思っていなかった。
しかし、これも人生、そして、必要な業務の一部である。