買うべきかMK32

1998.6/12


話の概要

 MK32とは、正式にはMC−MK32、これは、DOS版モバイルギアの最新かつ 最上位モデルです。
 「メモリが足りない」でも触れましたが、 MK32の実買価格は、高止まりしています。 しかし、その高い金を払っても、この機種は買うだけの値打ちを有し ています。特にDOS化して使うときには。

 ここでは、MK32のメリットと、それを買うべきかどうか迷っている私の ドタバタについて書いてあります。


○DOS版モバイルギアの宿命

 DOS版モバイルギアには、一つの宿命がある。それは、PCカードスロットが 一つしかないということだ。これが、実のところ、DOS化モバイラにとっては、 とてつもなく大きな制約を生む。
 私の使っているK1のように、内蔵のユーザメモリが640Kバイトしかないモデル では、もともとついている、PDAとしての住所録やスケジューラ機能を殺さない ようにするとすれば、本体にはDOSモード切り替えのためのUniExitShellなど、 最低限のソフトを登録するのが精一杯だ。それ以上のものは、原則としてすべて スロットに差し込むメモリカードにインストールするより他ない。
 しかし、モバイルコンピューティングの重要な要素に、携帯電話やPHSでの データ通信がある。これらを実現するには、スロットのメモリを抜いて、代わりに モデムカードを差し込むしかない。つまりは、K1では、モデムカードやLAN カードをDOSモードで使うということは、現実的にはあきらめざるを得ないこと になる。
 せめてCE版のように、ミニフラッシュ用のスロットが付いていればとつくづく 思う。こういうのを無い物ねだりというのだろうが・・・。

○MK32ならできること、K1でもできること

 すでに触れたように、MK32では、内蔵メモリが6Mある。それ以前の、現在 は生産中止になったらしい中間モデル、MK22などでは2Mであった。
 内蔵メモリ6Mというのは、ちょっと前まで私が使っていたフラッシュメモリの サイズと同じである。これだけあれば、かなりのところまでDOS環境が構築 できる。
 具体的に見てみると、
  • ppp
  • Web ブラウザ
  • LAN環境
  • ターミナルソフト
  • ftp,telnet,インターネットメーラなどのネットワークツール
などが、6Mの内蔵メモリなら通信カードとの組み合わせで実現できる。ここで、 ターミナルソフトは、スクリーン制御の機能付きの通信ソフトで、会社などの マシンに電話回線経由でログインしたとき、viなどのスクリーンエディタや、mnews、 pineなどの画面制御付きメーラ・ニュースリーダが、そのまま利用できる。 WTERMなどの代表的な通信ソフトの多くは、このスクリーン制御機能を有して いない。
 一方、幸いなことに、モバイルギアには14,400bpsのモデムが内蔵されている。 有志の努力のたまもので、DOSモードでこれが使えるため、上記のうち、LANを 除くすべては、一応、このモデム経由であれば、使用することはできる。
 しかし、モデムを使うということは、アナログのモジュラージャックが必要だと いうことだ。外出先なら、ISDN公衆電話がなければならない。これはまあいい。 だが、例えば出張先のビジネスホテルなどでは、モジュラージャックの使用できない ところもあるし、また使えたとしても、ホテル内からだと一通話ごとにばかになら ないチャージを請求される。さらに、客先の工場や実験室に缶詰になってテストする ような場合、電話はあっても大抵デジタルPBXだから、まずこのモデムは使えない。
 そうしたことを考えると、カードモデムが使えないことが、かなり痛いことが分かる。

○K1+モデムカードでの生きる道

 K1ではモデムカードは使えないのかというと、そんなことはない。例えば、DOS モードでない、標準付属の通信ソフトとの組合わせで使うことはできるのだ。 では具体的に、何ができないのか。まとめると次のようになる。
  • LAN。K1は、それ以降のバージョンと異り、ツールを買ってもLAN接続はできない。
  • スクリーン制御。ログイン自体はできる。
  • ppp。したがって、telnet、ftp、ネットサーフィン、インターネットメールなども不可。
 逆に言えば、上記以外のことは、DOSモードに固執しなければ、できるわけだ。
 しかし、ここであきらめるのも芸がない。なんとか打開の策がないか考えてみる。それが できず、わがモバイルライフに致命的な欠陥を生ずるなら、真剣にMK32の購入を 考える必要があろう。

 まず、LANについては、モバイルギアを接続する必要性は、私の場合は全くないので除く。

 次に、スクリーン制御ができない点について。これは、具体的には既述のようにスクリーンエディタや メーラ・ニュースリーダが使えない点が問題だ。
 まず、エディタについてはあきらめる。モバイルギアのエディタで作成し、アップロードするという 手でいこう。

 次に、画面制御つきメーラが使えないという点、これは確かに痛い。だが、スクリーン制御を伴わない mailコマンドを使うか、mailのスプールファイル、私の場合、/var/mail/doiを、SJISのフィルタ経由で ダンプする手がある。流れてしまって見えないかも知れないが、ログに収集しておけば問題ない。
 それからニュースリーダ。これは、社内のイントラネットの一部として、広報や議事録の掲載などに 使用されているから、見られないと業務上不便だ。これについてはちょっと苦しいが、画面が壊れるのを 我慢して、目的の新着記事まで到達したら、セーブコマンドでファイルに一旦吐出してやる。そして、 メール同様SJISフィルタでダンプすれば、何とかなる。
 実のところ、ターミナル環境が使えれば、会社のホストマシンにリモートログインしたのと同じ環境で 作業できるので、これは大変に大きなメリットだ。現在、ターミナルソフトはhtermを使っているが、 これとカードのCOMポートイネーブラ等最低限のものを含めると、百数十KB。多少窮屈になるが、それを 我慢してこれらを内蔵メモリにインストールすれば、ターミナル環境については究極の解決策となる。 また、この程度のことなら、内蔵メモリ2Mのモデルでも問題ないので、この機種が安く出ればそれで 間に合わせるということもできる。

 インターネットメールについては、まず会社のものは、遠隔ログインした状態で見るから問題ない。
 個人では、プロバイダはNIFTYだから、パソコン通信でログインして取出せる。もちろん送信も 同様だ。
 このほか、内外のジオシティーにメールアカウントをもらっているが、これはNIFTYに転送設定して いるから、これも問題はない。

 ネットサーフィンについては、まあ今のところppp自体実装していない状態だから、PHS経由で 使えなければならないという状況ではない。

 一番問題なのはftp。例えば、モバイルギアで作ったhtmlファイルをWebサーバに転送できない。 ところがそうでもなかった。まだ試していないが、NIFTYのftpサービスは、今ではアップロードも できるらしく、ここから転送ができるのだ。

 何のことはない、いずれも何とか逃げ道があるから、客先の実験室に閉じ込められても、 モジュラージャックのないホテルに泊っても、なにも問題がないのだ。

 やっぱり高い金払ってMK32を買うことはなさそうだ。そもそも、よく 考えてみれば、私はまだPHSに加入するかどうかすら決めていないのだ。 会社のPHSを出張で使ってみて具合いがよかったものだから、つい その気になっていた。当分、今のK1でいこう。


メール neyubacca@yahoo.co.jp

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