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・予算は? ・迷い道 ・部品調達
番外編 ・過剰装備
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番外編3 『はじめてのBIOS更新』 BIOSの更新というものに挑戦してみた。BIOSというのは、Basic Input Output Systemの略語で、簡単に言うとハードウェアとOSとの橋渡し役みたいな働きを担ってます。だからBIOSが無ければパソコンは動かないし、BIOSが壊れる=コンピューターが壊れるのと同等なのです。その大切なBIOSを“ちょっと新しくしてみるか”と思い立ったというわけです。 一口に更新と言いましても、HPの更新と違って非常に厄介な仕事だったりします(人によってはHPの更新も厄介だという話もありますが ^^;)。先にも書きましたが、BIOSが壊れる事は即ちコンピューターが起動しなくなる事を意味します。このBIOS、普段は滅多な事では壊れないよう出来ているんですが、BIOSが壊れる一番の原因はBIOSが書き込まれているFlash ROMへの書き込み失敗がそのほとんどだそうです。つまりBIOSの更新に失敗する事は、コンピューターを一発で起動不能に陥れてしまうという、大変危険な作業なのだ。 もちろんこの事はパソコンを組み上げた時に多少勉強していたので、BIOSの取り扱いにはなるべくタッチしないでおこう、何て最初は考えてました。触るときは必要に迫られた時か、目に見えて分かるパフォーマンスアップが見込める場合に留めておこうと思ってました。実際「現在の構成で問題なく稼動しているならBIOSには触るな」が鉄則なのだそうです。自己責任が原則である自作PCの世界でも、BIOSはその最も厳しいセクションに置かれていると言っても過言ではない。 くどいようだがその厳しくもあり、恐くもあり、近寄りがたい雰囲気のあるBIOS更新に手を染めようと言うのだ。安定動作しているにも関わらず、です。下手すると何事も経験という次元では済まされないし、自分で言うのも何ですが、もうこりゃ魔が差したとしか言いようが無いっすね。 そんなこんながありまして、まずは素人にも簡単に出来そうな方法で「BIOS更新」に挑戦してみる事にした。MSI製のマザーボード(だけに限りませんが)には、「LiveBIOS」というWindowsのGUI上から更新する方法が用意されているのだ。簡単に説明すると、そのプログラムをスタートメニューから起動するとブラウザが起動してMSIのサイトに繋がる。そこから「LiveBIOS」を選び、後は指示に従ってモジュールをダウンロードしつつ更新する、という手順らしいです。 「らしいです」というのも、実はこの方法ではうまく更新出来なかったんですよね。LiveBIOSのバージョンが古いので最新版にアップデートしろ、何てページが表示されたので言われるままダウンロード(正確にはインストール・シェル・ウィザードをサーバー上で実行)している最中で止まってしまうのだ。何度やり直しても途中でひっかかるため、この方法での更新は諦めざるをえなかった。 普通ならここでやめときますよね、不吉な予兆とも取れますし。しか〜し、ここで逆に火がついてしまったのが私なのだ。よせばいいのに、起動ディスクを用いる素人には敷居の高そうな方法に挑戦する事にしたのだ。 まず用意するのは起動ディスク1枚。Windows XPの場合、FDをセットしマイコンピュータからフォーマットへと進み、フォーマットオプションにある「MS-DOSの起動ディスクを作成する」を選ぶ。するとFDはシステムファイル付きでフォーマットされ、その中から「COMMAND.COM」「MSDOS.SYS」「IO.SYS」の3つだけ残して後は削除する。これを「ピュアDOS起動ディスク」と言うそうだ。 次にマザーボードメーカーのサイトに行き、最新版(場合によっては最新で無くても良い)のBIOSユーティリティをダウンロードしてくる。ちゃんとマザーボードの形番にあったものをダウンロードしなくてはならない。MSIの場合、圧縮ファイルで配布されているので、ダウンロードしてきたら解凍する。その中にある、.txtファイル以外のファイルを全てコピーして、先ほど作っておいた「ピュアDOS起動ディスク」にペーストする。これで、BIOS更新用の起動ディスクは完成だ。 ここまでなら、自作初心者でもパソコン操作に慣れていれば誰だって出来る。問題はこの後…書き換え作業に移る前の下準備にあったのだ。 話は少し飛ぶが、今回のBIOS更新でメモリ周りの仕様が変更されるそうだ。メモリアクセス速度が改善されれば良いのだが、そっちの仕様というより例の「DIMM1とDIMM3ソケットに挿す」という特殊な仕様が、通常の「DIMM1、DIMM2ソケットに挿す」という仕様に変更されるだけに留まるようです。もう少し詳しくお話すると、BIOSを更新するとDIMM1とDIMM3ソケットにメモリを挿したままの状態ではパフォーマンスが大幅に落ちる(IGPが128bitで作動しない)、という事らしいです。そうです、BIOS更新するためにわざわざメモリを挿し変えねばならんのです。 ま、どっちみちケースを開けてCMOSをクリア(※BIOS設定情報を初期状態に戻す作業。BIOS更新前には必須作業)しようと思っていたので、そのついでにやれば済む事だ。これがCPUを取り付けなおせ、なんて言われたら間違いなく後込みしていた所ですが。 I/Oパネルから電源などのケーブル類を外して、ケースをおもむろに開ける。「うわぁ、相変わらずごちゃごちゃしたケース内やな、さすが持ち主の性格をよう現しとる」と自分の工作に自らケチをつけつつ(※アブナイ独り言ではありません、心のつぶやきです ^^;)、ピンセットでCMOSジャンパーピンを外す…っと。ん?マニュアルとは逆向き(3本のピンがあるうち、2.3ピンショート。マニュアルでは1.2ピンショートとなっている)に挿さってるやん、ゲゲッ!今まで挿してたピンは「Clear CMOS」の方やんか。よう動いとったなぁ、なんて暢気な事言うてられへんわ。という事は、一回こっちに挿して、もう一回「Keep CMOS(1.2ピンショート)」に挿し直すと。 ここのジャンパーピンはいじった記憶が無かったので、工場出荷の段階から「クリアー」になってたって事なのだろうか。私が聞いていた話によると、「クリアー」状態で電源を入れるとシステムが起動しないって事だったんですけどね…。若干腑に落ちなかったが、マニュアルには従ったほうが良いだろう。 次にメモリをDIMM3スロットから抜いて、ゴリゴリとDIMM2スロットに挿し直してやる。相変わらず硬い…マザーボードをケースに取り付けたまま作業を行ったため、ボードがキシキシと音を言わせながら軋んでいる。こ、こわ〜〜。「ペキッ」とやったら一環のお終いやな、などと縁起でもないことを想像しながら慎重にメモリを差し込むのであった。 何とか下準備も済み、電源ケーブル類をケースに取り付けるとおもむろにメインスイッチを入れる。うわあ、いつやっても緊張するなぁ。しかし「ポチン」というスイッチを押下した音のあとは画面は真っ黒、ビープ音すらしないではないか。しばしの沈黙の後、頭の中を緊急警報が走り回りスグ様電源を消した。 「や、やってしもたかもしれへん!」パソコンを組み立て、ここまで順調に歩んできたのに「ポチっとな」の一発でパソコンをぶっ壊してしまったかもしれない。古いネタだけど、タイムボカンシリーズのオチみたいな展開やん。あぁ、冗談こいてる場合と違うで。落ち着け自分、まずは冷静に状況を検分するのだ(ラジャー!)。 この段階ですぐに頭に思い浮かんだのが「例のCMOSジャンパースイッチ」だ。今まで動いていたのだから、今までどおりのジャンパーに挿してみてはどうだろうか?いや待てよ、メモリもいじったからメモリのエラーという事も考えられないか?いやいや、それは無い。仮にそうだとしても1枚は正常に作動するはずだから、少なくてもPOSTコードだけは映し出されるはずだ。ここはやはりジャンパースイッチが怪しいだろう…。 まだBIOSの更新すら行ってないのに前途多難だ。心臓が早鐘を打ち、震える手を必死で制御しながらCMOSジャンパーを挿しかえてやる。マニュアルの記述に従えば、こちらが「クリアー」なのだが…。一か八かだけど、やってみるしかないでしょう。 そして再度電源投入、するとどうだろう、今度は無事POSTコードが表示されたでは無いか。ホッとする間もなくすかさずDELキーを押し、BIOSセットアップメニューを呼び出す。FDから起動できるよう、BIOSを設定しなおさなくてはならないからだ。 BIOS設定メニューを色々見ると、どうやらデフォルトの状態(つまり情報がクリアされていたという事)だった。FDブートにもなっていのたで、そのまま保存しないでBIOS設定メニューを抜け出す。おっと忘れるところだった、ここで先ほど作っておいた「ピュアDOS起動ディスク(Flashユーティリティ入り)」を挿入しておかなくては…。 POST画面に戻り、指示に従ってF1キーを押してFDを読み取らせる。「AUTOEXEC.BAT」も一緒にコピーしておいたので、Flash書き換えは画面を見ているだけでほぼ全自動で行ってくれた。1分ほどだろうか、ドキドキしながら画面を眺めていると勝手に再起動されてしまった。危ない危ない、FDを抜いておかねば。 FDを抜いた次の瞬間、HDD(OS)の読み取りが始まるかと思いきやFDにアクセスしたまま画面が動かなかった。え?えぇ〜〜!!何だかよく分からないが、まだ書き換えが完了してなかったのかと思い、慌ててFDを本体に再挿入しようとしたらWindwsXPが起動し始めるでは無いか。な、何やねん、この人をおちょくる絶妙な間は。 OS起動画面の途中でハングアップするのではないかと心配しながらも、ただボンヤリと画面を眺めるしか出来なかった。やがて起動完了すると、ある異変に気がついたのであった(またかよ ^^;)。 時計が0:00分になってるやん。そ、そうか、さっきBIOSを書き換えた時(というよりクリアーした時でしょうね)にCMOS情報も書き換わって時刻もデフォルトに戻ったのだろう。という事は、バスクロックもデフォルト(FSB100Mhz)に戻されているはず。このままでもOS上から時計を直せばそのまま動かせるが、後で再起動してBIOSの設定を直しておかねば。おっと、メモリはどうだ?デバイスマネージャーで確認してみると、ちゃんと480MB(ビデオチップに32MB分シェアしてる為)正常に認識されていた。 ふぅ、久しぶりに緊張したせいかクタクタになってしまった。再起動して、BIOSの設定を書き換え、無事にWindowsが起動された事を確認したら、一息つこうとMP3プレーヤーを起動してしばし音楽をかける事にした。心をリラックスさせるため、マンガの本をパラパラとめくり、BGMには心地よい音楽が流れていた…。暫くの間マンガに夢中になっていると、突然BGMが鳴り止んだ。画面を見ると真っ暗になってるやん!う、うわぁ〜〜!今度こそやってしもったかも…と一瞬たじろいだが、よくよく考えてみればモニターの省電力が働いただけなのだ。何だよ、ビックリさせやがって。 後でベンチマークを行った結果、数値上のパフォーマンスアップもダウンもほとんど無かった(※測定誤差の範囲内)。一応、BIOS設定メニューには変化が見られたが、これが私にとってどう恩恵があるのかは分からなかった。だが確実にいえるのは、今日1日で寿命が3年は縮んだであろう事だ。得るものに乏しく、寿命だけ持っていかれたのでは何だか損したような気分だが、とりあえずBIOSの更新を経験したという自信だけは得られたような気がする。それよりハッキリした事は、私がいかに小心者であるかという事でしょう。ま、経験談としては面白いから良しとしよう。 ---- |
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