自作PCへの覚醒

予算は?

ケースの研究1

ケースの研究2

マザーボード談義

日本橋遠征1

迷い道

ケース冷却問題

グラフィックボード

モニター&机

理想のHDD

モニターレビュー

部品調達

組み立て編

システム構成
各種ベンチ結果
整備記録

 

番外編

ヘルプウィンドウの嵐

自己満足に浸る

はじめてのBIOS更新

春モデルパソコンを斬る

自作パソコンの適正

HDDクラッシュ!!

過剰装備

2002年夏モデルレビュー

2002年秋モデルレビュー

マイマシン大手術

・さらばFX5700

 

11/3 自作PCへの道 番外編その11『さらばFX5700』

故障の発覚

 2日前の11月1日、手持ちの3Dゲーム『SIMS2 ホットナイトデータセット』で遊んでいた最中に突然画面が固まったまま動かなくなった為、アプリの強制終了をかけようとALT+TABキーでデスクトップ画面に変更しようとしたところモニター画面が暗転、全く操作が効かなくなりました。やむを得ずリセットボタンを押してPCの再起動をかけたところ、WindowsはおろかPOSTやBIOS画面すら拝めなく(※前面のHDDアクセスランプは点灯するものの、真っ暗な画面の左上隅にカーソルが点滅するのみ)なってしまった。

 M/B上の通電ランプは点灯しており、CPUファン、GPUファン、システムファンも動いていたので、最初はHDDの破損を疑り、システムドライブを外して電源投入してみたが症状変わらず。続いて全てのHDD、光学ドライブ、FDDを外して電源投入してみたところ、ディスクへのアクセスランプは点灯しなくなったが相変わらず画面は真っ暗なままだった。

 この状態から一度CMOSクリアしてもう一度電源投入してみたが変化が見られなかった為、ビデオカードを外してCPUとメモリだけにして電源投入してみたところ、ビデオカード絡みのビープ音(長音1回、短音3回)が鳴った。次にメモリを外してCPUとビデオカードだけで電源投入してみたところ、メモリ絡みのビープ音(長音の連続)が鳴った。モニターの故障も考えられたので、手持ちの古いノートPCにアナログで接続してみたところ、しっかり画面が出力された。BIOSは生きている(っぽい)、画面の出力だけが上手くいってないという事は、ビデオカードの故障が一番疑わしいという結論を導き出したのだった。

修理依頼・新品カードの調達

 というわけで、休日を利用してビデオカードの購入店に故障の疑いのある現物を持ち込む事にした。お店で検査して貰ったところ、画面に縦線が入り、BIOS画面の表示が乱れていたとの事。ウチで確認できた症状よりやや緩かったのが気になったが、保証期間も残っておりハードウェアの故障という事でメーカーに無償修理して貰うこととなった。

 修理には最低2週間はかかると告げられ、この場で同等品と交換してくれないか交渉してみたが断られた為、仕方なく代わりのビデオカードを物色する事に。当初から同等品かそれより少し性能の良いAGPカードを探すつもりだったんですが、先ほどの修理受付を担当してくださったお店のスタッフ曰く、「同時にM/Bの故障も考えられる」と告げられたので、いっその事PCI-Express対応のAthlon64(若しくはモバイル版のTurion64)に移行しようかと少しの間悩むことに。結局予算の関係と昨年購入したばかりのCPUを無駄にするのは勿体ないという根っからの貧乏性から、AGPカードを探すことに決めたのだった。

 2005年11月現在の自作市場では主力がPCI-Expressカードに切り替わっており、AGPカードを探すのには少々苦労した。狙い所としては1.5万円〜2万円程のメインストリームクラス、即ちnVIDIAで言えばGeForce6600シリーズ、ATiで言えばRADEON X700シリーズという事になるが、先頃発売されたメインストリームよりやや上位版の「GeForce6800 XT」「RADEON X800 GT」というのに興味が湧いていた。両者に共通して言えるのは、ハイエンドクラスの廉価版という位置づけで上位版からピクセルパイプラインを削ってあるという点。分かり易く言い換えれば、メモリーインターフェースだけハイエンド(128bit→256bit)のメインストリームクラスのGPUという事になるか。「GeForce6800 XT」はすぐに見つけることが出来たが、「RADEON X800 GT」はなかなかお目に掛かれないか、価格がやや高い(2万円ちょっと。無印のGeForce6800が買えるぐらい)のがネックだった。

 というわけで心の中では「GeForce 6800 XT」にほぼ決定し、あとは一番価格が安いお店でGetするのみ、とあちこち見て回っていた中でコイツを見つけてしまった。ASUSの「V9999/TD/128M」だ。モノは無印のGeForce6800みたいだが、ASUSの公式サイトにはそれらしき型版が見あたらない。パッケージだけ見ると同じASUSの「N6800 XT(GeForce 6800 XT)」とソックリ、型番だけ異なる同じ商品なように思えたが、お店のPOPには「無印6800のお買い得品!最後のAGPカードとしてどうぞ」というような件が書かれてあった。「XT」との価格差は2千円の19720円。在庫処分セールに突入しつつある「GeForce6600 GT」とほぼ同価格であった。う〜ん、これはもう突撃するしか無い!?

 暫く考えた後、お宝発掘した気分で「V9999/TD/128M」を手にレジに向かっていた。箱書きにあった「3年保証」という文字に惹かれたのもあったが、 保証が無くてもハイエンドに属するビデオカードを2万円以内で手に入れられる方に興奮を覚えたのだった。ついでに予備のM/Bも探してみたが、既に製品寿命が尽きてしまったSocketA対応製品はAGPカードを探すより困難であり、このお店でも3〜4種類しか置いてなかったのと、探していたBIOSTARの「M7NCG 400 rev.7.2」が無かった為にビデオカードのみ購入した。

最後のSocketA

 お店を後にして、SocketAのM/Bだけ探す旅が始まった。ビデオカードを探す旅のついでにM/Bは見て回っていたので、まだ見て回ってないお店に「確認」がてら立ち寄るだけだった。日本橋に無ければネットで注文すればいいやと諦め掛けていたその時、ヤツ=「M7NCG 400 rev.7.2」は人もまばらな某店舗の2Fにひっそりと横たわっていた。このM/B、チップセットはnForce2 IGP+MCPでFSB 400Mhz対応版のMicro-ATX規格。S-ATA以外のオンボードインターフェースは大体備わっており、何よりCPU電圧が1.3V付近まで下げられる(手持ちのCPU、Mobile AthlonXP-M 2600+の定格電圧は1.45Vだが限界として1.35V程度まで下げられるらしい)のが最大の魅力。Micro ATXのM/Bをわざわざ選んだのは「CPU電圧を下げられるのはそれしか選択肢がなかった」というのと、「あわよくば弟の牛パソコン筐体(ミニタワー型)にも使い回せる=払い下げられる」というあざとさからだった。まあ、あくまで手持ちのM/Bが壊れていたときの予備パーツだ。S-ATAが無いのは残念だが、必要なら後からS-ATAボードだけ増設しても構わないだろう。

M7NCG400 rev.7.2 ちなみに、私が購入した「M7NCG 400 rev7.2」に搭載されたコンデンサは、CPU周りのみ日ケミのKZGで、残りは全てOSTのRLGという黒地に文字色が金色のモノ(最近よく見かける台湾製で廉価版のM/Bには多く搭載されているらしい)。ノースブリッジにはご覧のように金色のヒートシンクが装着(※初期のrev7.2にはヒートシンクが無い)されている。BIOSは最新版の0916 BF4が搭載されているようです。付属品は4カ国語(英語、スペイン語、フランス語、ドイツ語)のセットアップマニュアルとIDEケーブル、FDDケーブル、そしてドライバCD-ROMのみという簡素さ。S/PDIFヘッダは備わっているものの、コネクタケーブルは付いてないので必要ならば別途用意せねばならない。しかも背面パネル側のピンヘッダは省略されているので、取り付けるには前面側しか無いという、便利なんだか不便なんだか分からない仕様となっている。そうそう、バックパネルも付属していませんでしたが、形状はまあまあ標準的な形なのでケース付属のもので代用が利くかもしれません。ちなみに、バックパネルを購入するならこれこれこれなどが適合します。

 このM/B購入後に調べて分かったことですが、ABITの『VA-20』ならS-ATAも備わっており、もちろんCPUコア電圧が下げられるオンボードデバイスてんこ盛りのMicro-ATXボードのようで。チップセットもサウスブリッジが現在使用中のA7V600と一緒だし、チップセットドライバが同じなのでOS再セットアップの手間が省けたかもしれない事を考えれば、こっちにしておけば良かったかな…と、ちと後悔。追記:後日、この製品も予備で買い足すつもりで展示品を確かめてみたら…OSTコンデンサてんこ盛り(あろう事か電源部までも)でした。もちろん、その時点で購買意欲が萎えたのは言うまでもない。

故障より厄介だったもの

 さて、これらのパーツを買いそろえて家に着いたのが午後3時過ぎ。真っ先に新しいビデオカードを取り付け、祈るような気持ちで電源投入してみた所、昨日までは全く映らなかったBIOSメニューが映ってるではないか。当たり前っちゃそうなんだが、M/Bも壊れているかもという不安が拭いきれなかったので、例え予備に買ってきたM/Bが不要になろうとも、これはこれで素直に嬉しいと思える結果だった。

 画面が表示される事を確認したので一旦電源を落として、外していたHDDと光学ドライブを取り付け本格的にシステムの復旧作業に取りかかる事にした。電源を投入し、HDDが壊れてない(BIOSで認識されている)のを確認したら、日付や起動ドライブの設定を変更し、ついでにCPU倍率とFSBの設定も変更してからBIOSを抜け出し、F8キーを押してセーフモードでWindowsを起動する事にした。

 ハードウェアモニターエラー(ファンの回転数エラー)で3回起動に失敗したが、BIOSでモニタリングを強制的に切った所、あっさりとセーフモードでWindowsが起ち上がった。セーフモードから既存のVGAドライバを削除し再起動、もう一度セーフモードから付属CD-ROMに収録されたVGAドライバをインストールしようと考えていたが、どうやらセーフモードからではインストール出来ないようだったので、「途中で起動がこけないように」と祈りながら通常モードでWindowsを起動する。

 Windowsは起動したが、案の定「致命的なエラーから回復しました」というメッセージダイアログがポップされた。とりあえずHDDのエラーチェックは後回しにして、まずはVGAドライバをインストールする事に。CD-ROMを起ち上げると、収録されているドライバが何種類(VGAドライバ、拡張ドライバ、AGPドライバなど)かあった。その中のASUS VGA Driverをインストールしたわけだが、結論から言うとこのドライバはバージョンが古すぎ(FW61.21?)て不具合を抱えているものだった。まあその不具合が判明したのはずっと後の話なのだが…。

 とりあえずVGAドライバもインストールした事だし、HDDのチェックに取りかかる事にした。この辺の作業は慣れているのでいつも通り「マイコンピュータ」から接続されている全てのHDDをそれぞれ選択、右クリックしてから「ツール」「チェック」を選び、クラスタエラーを修復するオプションにチェックをつけてコンピュータを再起動した。

 その後約5時間、HDDのエラーチェックが続く。全てのHDDを一気にチェックしようとしたのが間違いだったようだ。今度からは面倒でも一つ一つチェックした方が時間が掛からなくて済むかもしれない、と肝に銘じる私であった。HDDのエラーチェックが済んだ後一旦電源を切り、外していたサウンドカード、PCカードアダプタ(無線LANカード)を取り付け、元通りのシステム構成で異常が見られない事を確認する。

早くも不具合発生!?

 続いて3Dグラフィックの耐久テストも兼ねて各種ベンチマークソフトを走らせる。スコア的に倍以上になったものもあれば、あまり変わらないものもあった。この辺はそのベンチマークがCPUに依存しているか或いはGPUに依存しているかの違いなので、今の段階ではあまり気にする必要は無かった。しかしベンチマークソフトの次に手持ちの3Dサッカーゲーム「FIFA 2005」を起動したときに不具合が見つかったのだった。

 その不具合とは…起動にやたらと時間が掛かる、ゲーム内でのメニュー画面がやたらと重い、ゲームのローディングにやたらと時間が掛かるというものだった。一旦ゲームを離れ、確かこれドライバ特有の問題だったなぁと、ドライバのバージョンを確認しようとデスクトップ画面で右クリックした時に致命的な不具合に遭遇してしまった。エクスプローラー(シェル)が暴走したままコントロール不能になってしまったのだ。暴走と言ってもCPU負荷が100%に達するとか、そういう事は無いんだが、とにかくマウスをクリックしても反応が無いのだ。カーソルは動かせるが「スタート」ボタンをクリックしても無反応な為、やむなく「ALT+CTRL+Delete」キーでWindowsタスクマネージャーを起動してから、「シャットダウン」「再起動」を試みる羽目となった。

 リセットスイッチによる物理的な強制終了とは異なり、OS上からコントロールした再起動の為、OS終了する際にエクスプローラーを強制終了させて何事もなく再起動は完了した。その後ネットに接続し、ASUSの公式サイトにあるVGAドライバ「バージョン78.01」を落としてくる。某掲示板の情報によれば、GeForce6800に最適なドライバは78.03だか78.05らしいが、nVIDIA公式にも見つけられなかったので、とりあえずバージョンの近い78.01で代用しておく事にした。どうしても必要なら、後でguru3d.comに行って落としてくればいいだろう。で、例によって旧ドライバをコンパネからアンインストール後、セーフモードから起動してDriverCleanerでゴミを根こそぎ削除、再起動して78.01のセットアップを開始する。ASUSから落としたドライバだったので、てっきりASUS独自のチューンナップドライバかと思いきや、何て事はない、nVIDIA公式にある78.01と同じ物であった。普通にインストールを終えて、幾つか3Dのベンチマークソフトを走らせた所で眠気に襲われ、この日のチェックは終了する事にした。

緊張の『SIMS2』起動テスト

 翌日の晩。いよいよ核心である「SIMS2 ホットナイトデータセット」の起動テストをする事にした。時期的にビデオカードが故障しやすい夏場だったらそれほど悩ましい問題でもないのだが、今は気温も低くくなった晩秋、しかも今回の故障がもしかしたらゲーム中の不具合によって引き起こされたものだとしたら…などと考えると少しばかり躊躇われた。以前HDDが壊れた際も、その後は恐くて故障発生時に遊んでいた「シムピープル」に手が付けられなかった程。私にとって、SIMSシリーズは鬼門になりつつあったのだ。四の五の言っても始まらないし、わざわざちょっと高めのビデオカードを買ったのもSIMS2を遊ぶ為だ、ここは意を決してテストに挑むしかあるまい。そんなテストの結果、問題が生じたのと同じ様なシーンでも全く固まる気配もなく、ビデオカードがグレードアップした分、グラフィックオプションを引き上げてもそれなりに遊べるようになった。

『V9999/TD』の使用感

v9999/td さて、このカードの使用感ですが…真っ先に気になったのがファンの騒音であった。私のパソコンは、ビデオカード交換以前ですら静音PCとは呼べない程の小うるささでしたが、このビデオカード単体で全体の騒音値を更に引き上げてしまった印象だ。ただ、製品付属のCD-ROMに収録されていたアプリケーション「ASUS SmartDoctor」を用いれば、状況に応じた細かいファンコントロールも可能。一番静かな設定にすれば、ファンの騒音問題もそこそこ解消される事を付け加えておきます。

 騒音と並んで気になったのが発熱だ。ビデオカード単体の発熱はアイドル時で50〜55度程度、負荷時で55〜60度程度と世間で言われている値とさほど変わらなかったわけですが、排気された熱がケース内に停留し、システム全体の温度を2〜3度引き上げてしまった。これら熱問題に加え、先の騒音問題も気になる人は、別途ZAV02-NV5 rev.2A(及びrev.3)やZalman VF700シリーズなどの大型の静音GPUファンを買い求めて装着した方がいいでしょう。※追記、ASUSのV9999/TDに備わっているファン電源コネクタが特殊な形状&シンクと干渉する為、ZAV02-NV5シリーズはそのままでは取り付け不可らしい。

 それともう一つ。カードの性能には直接関係ない話なんですが、パッケージに印刷された「3年保証」というのがクセモノ。実際は1年間に限り無償修理保証がついて、残りの2年は「サポート料金」が無料という事らしい。結局は2年間無償修理保証がついたメーカー(ELSA、MSI、Leadtek)よりは1年保証が少ない、という事になるでしょう。

 肝心の体感速度ですが、手持ちの3Dゲーム『FIFA2005』をやる分にはあまり変わりませんでした。DirectX9.0c必須の『SIMS2』でやっとその違いに気づく程度。基本的な画質は以前までとほとんど変わりません(※Bumpマップ[=テクスチャに施す陰影]の処理がより深く、リアリスティックになったっぽい)が、グラフィックオプションを最高設定にしても「そこそこ」プレイできるのは良い。ただし元々重たいLot(住居や公共区画の事)で人(シム)が増えてくると、急激に処理が重たくなる。これはGPUの性能不足というより、おそらくCPUがボトルネックになっている所為と推測される。同じAthlonでもAthlon64ユーザーからはこのような報告があがっているのを聞いたことがないので、SSE2(及びSSE3)の有無が明暗を分けているものと思われる。

メモリ上にヒートシンクは被さってない。コンデンサはOS-CONでは無く、日本製のアルミ電解コンデンサが搭載されている 先にも少し触れましたが、基盤デザインはV9999の初期ロットとは異なり廉価版のV9999 LE/TDN6800 XT/TDと同じ物のように見えます。使われているコンデンサは日本製(茶色いのがルビコン、黄色いのは三洋製?)。メモリはhynix製の「HY5DU 283222A F-28(2.86ns/定格350Mhz@DDR 700Mhz)」がカード表面に8枚実装されている。ボードリビジョンは貼り付けられたシールによると「1.01」となっている(拡大画像)。Everest HOMEなどのハードウェア情報表示ソフトで確認すると、コア325Mhz、メモリDDR 128MB/700Mhz、ピクセルパイプライン12本、バーテックスシェーダーユニット5基、device IDは0x0041となっており、それらのスペック情報からも無印のGeForce6800と判断して間違いないようです。付属品は、マルチリンガルの簡易マニュアル、ドライバ&ユーティリティCD-ROM、多言語マニュアルCD-ROM、ゲーム(Battle Engine aqunia、GUNMETAL WAR Transformed、Deus EX Invisible Warなどの3DガンシューティングやFPS系?興味が無いのでインストールすらしてまへん ^^;)や各種アプリケーション(Medi@Show SE v2.0、ASUS DVD XP v4.0)などが収められたCD-ROMケース(オレンジ)、S-VIDEOケーブル、DVI-VGA変換アダプタと必要最低限度のものしか無い。特に紙のマニュアルは簡素な取り付け方説明しかなく(※詳細なマニュアルはPDF形式でマニュアルCD-ROMの中に収録されている)、初めてビデオカードを取り付ける人にはドライバのインストール手順や付属ユーティリティの扱い方などが記載されておらず厄介かも。

 動画が高画質TV並に綺麗になるという触れ込みの「Splendid」テクノロジーですが、ウチの環境下に於いては違いが分かりませんでした。もっとも、視聴テストしたBOOWYのDVD「Last GIGS」が高画質でなかったのかもしれませんが。一応DVDに限らず、Windows Media VideoでもSplendidが有効になったのを補足しておきます。追記:違いが分からないと書きましたが、視聴した際に用いたDVD再生ソフト『Power DVD』の画質補正機能(CLEV)を有効にしたままでした。これを切って再度テストしてみたところ、確かに画質が向上しているのが分かりました。『PowerDVD』のCLEVとどちらが高画質かと問われれば、各人の好み次第といった感じでしょうか。ただしCLEVを用いた場合多少CPU使用率が上昇する事や、画質設定のきめ細かさでSplendidに軍配が挙がるかもしれません。

 

今回の出費
ASUS V9999/TD/N/128M/A 19720円
BIOSTAR M7NCG 400 rev.7.2 6980円
合計 26700円

 2年前にM/Bとビデオカードを一新した当初は「あと3年はこのままで」と考えていましたが、思いの外ビデオカードが早く故障したためにその計画も大きくずれてしまいました。今回同時購入した予備のM/Bも壊れたら、ビデオカードがまだ使える状態であったとしても、潔くOSを含めてシステムを一新する予定。SocketA&AGPシステムへの投資は今回で最後という事で。

 

追記:GeForce6800 GT化に挑戦

 後付GPUファンの情報を探しに某掲示板のGeForce6800スレッドを覗いてみると、無印GeForce6800をGeForce6800 GT相当スペックに引き上げるのが巷では流行っているらしい。どうも「RivaTuner」と「16パイプ化」がキーワードのようだ。「RivaTuner」とは、パワーユーザー御用達のビデオカードチューニングツールの事ですが、「16パイプ化」というのは既存のピクセルシェーダーを12本から16本に、更にバーテックスシェーダーを5基から6基に増やすという事のようです。

 どうしてそういう事が可能なのかと言うと、簡単に言えば上位版(GT/Ultra)のチップと同じウェハーから製造されており、その中でクロック耐性が低かったチップを廉価版向けとして出荷し、それを搭載した廉価版のボードはBIOSで一部のピクセルシェーダーとバーテックスシェーダーを使えなくしてある。それを「RivaTuner」を用いてソフトウェア的に復活させた、という事のようだ。ちなみにPCI-Express版のGeForce6800では出来ない(コアが異なるからと言われていますが、詳細な理由は不明。単なる推測ですが、改造されるのを防ぐために製造段階で物理的に切り離してるか元々存在しないから?)そうな。

 無印GeForce6800を上位版のGT相当スペックに引き上げるにはもう一つ超えなければならない壁がある。コアクロックとメモリクロックを大幅(325Mhz/700Mhz→350Mhz/1000Mhz)に引き上げないとならないわけですが、こっちは搭載されているメモリチップ(GDDR3搭載必須)や基板(GT/Ultra共通の電源部強化型)なども重要で、下手すると過電流や過熱でチップや周りの部品を損傷してしまう可能性がある為今回は見送る事にしました。某掲示板の情報によると、無印6800でもGT相当のパーツを用いている製品(ASUS V9999/TD/N/256MやV9999GE/TD/N/256M。どちらも製造終了)だと理論的には可能らしい。どうしてもオーバークロックに挑戦されたい方は、コアクロックやメモリクロックを昇圧したうえで定格クロックの5%〜7%upに留めておくのが無難かも。もちろん、安定動作を望むならば上昇する消費電力(の確保及びコア電圧のup)と冷却にも気を配らないとなりませんが…。

 話が少し逸れましたが、「GeForce6800 GTもどき」がどれ程のものなのか興味が湧き、早速RivaTunerをDLしてきて設定変更してみました。これがその設定変更後のメイン画面。赤線で引っ張ってある部分が「16ピクセルパイプライン/6バーテックスパイプライン」の証。カスタマイズするにはこれの右にある「Customize...」の△ボタンを押し、「Low Level System Settings」アイコンをクリック、更に「NVStrap Driver」タブをクリックし、一番下にある「Graphics processor configuration」の「Allow enabling hardware masked units」にチェック、「Active pixel/vertex units configuration」を「detemined by VGA BIOS」から「custom」に変更し、それから「Customize」ボタンを押して設定画面に入る。設定画面では「State」が「disabled」、「HW masked」が「yes」になっている行の「bit xx」にチェック(左端をクリック)を入れる。設定変更を終えたら「OK」ボタンを押してメイン画面に戻るとPCの再起動を促されるので、指示に従うままPCを再起動する。参考までに、設定変更後PCを再起動した後にキャプチャした設定画面がこれ。ウチの環境ではbit 03とbit 11に変更を加えましたが、製品によってマスクされている箇所が異なる可能性がありますので注意したいポイント。

 と、ここまではある程度Windowsアプリケーションの操作にこなれている方なら誰にでも出来る。問題はここから。先にも触れましたが、モノによってはクロック耐性が低すぎる為、パイプラインを増やしたことによってコアに負荷がかかりすぎて画面にノイズが走ったり、テクスチャが乱れたりするそうだ。そうした製品の場合、無理して使い続けると故障の一因に繋がりかねないので、RivaTunerによるカスタマイズ後は3Dベンチマークなどを用いて負荷テストと描画テストをするのが推奨されている。前出の某掲示板によれば、「ATi TOOL」というATi製ビデオカード用に作られたユーティリティの「Scan for Artifacts」で10分以上テスト(エラーが出ると勝手に終了らしい。当然、エラーが出ればその製品は使えないという事に)する事が望ましいとされている。ウチのカードでは食事中(およそ30分間)ずっと回しっぱなしにしてましたがノーエラーでした。無論、コアやメモリをオーバークロックしていたら結果は全く違って残念なものになっていたかもしれませんが…。

 3Dベンチマークも何も問題なく全て完走出来た。当たり前のようにスコアがアップしたモノがある中、全くスコアが変わらなかったものや逆に落ちたものもあり、また体感上も「速くなった」とは思いませんでした。参考までにノーマル時と16パイプライン後に計測した主要なベンチマークのスコアを掲載しておきます。

3DMark 05:ノーマル 3334/16pipe 3689

3DMark 03:ノーマル 8394/16pipe 9155

FinalFantasy XI Official Benchmark 3(high):ノーマル 4285/16pipe 4250

Aquamark3(AA:off Aniso:4X Detail:V.High):ノーマル 42.831/16pipe 45.459

※全て解像度1024*768で計測。ドライバはForceWare78.01を使用。その他スペックはこちら

 ご覧の通り、CPU依存度が高いと言われるFFベンチだけスコアが伸びませんでした。ここには載せてませんが、同様に「Universal Century.net Benchmark」通称"ガンダムベンチ"もノーマル時(2829)と16パイプライン後のスコア(2876)が変わりませんでした。両者に共通してるのは、ベンチマーク計測中にBGMが流れている点。フレームレートが極端に落ちる場所もサウンド再生に引っかかってる感じがするので、もしかするとサウンドカードかPCIバスの問題かもしれません。

 ベンチマークを計測した後、肝心の3Dゲームではどういう影響があるのか確かめてみました。結論から言うと、体感上はノーマルの12パイプラインもチューニング後の16パイプラインもさほど大きな違いは感じられませんでした。「SIMS2」を例に挙げると、人が増えると動作が重たかったLot(大学の寮や大きな公共区画など)も以前と変わらず重たいまま。もっとも、CPUがボトルネックになっている可能性は否めず、またウチの環境特有の問題を抱えている可能性もあるわけですが、ここが一番改善して欲しかったポイントだっただけに残念でなりません。

 16パイプライン後の発熱に関してですが、ビデオカード付属のユーティリティ「ASUS SmartDoctor」で計測する限りでは微増かあまり変わらない程度でした。3Dゲーム(「SIMS2 ホットナイトデータセット」)を起動し、重たい公共区画にシムを9〜13人(店員なども含む)入れた状態で2〜3時間ほど放置した後温度を計測したところ、GPUコア53度、メモリ51度でした。この日は午前中少し寒かったので、室温はおそらく20度〜23度程度。計測した温度条件が一定でないので参考になりませんが、チューニング前より1度〜2度高い程度でした。ちなみに直後に計測したCPUコア温度は44度、ケース内温度は41度で、こちらも特に温度上昇が激しかった、という程のものではありませんでした。

 

 モデリングされたキャラクターを動かす処理を受け持つVertex Shaderが1つ増えた事で少しはスムーズに描画されるかと期待していたんですが、結果はチューニング前とほとんど変わらなかった事に肩すかしを食った感じです。ただ、一部のベンチマーク結果に見られるように、どこかで描画速度が改善(※Everest Homeによるとテクセルフィルレートは5184M tex/s。ノーマル6800では3.9G tex/s)されているのは間違いなさそう。気のせいかもしれませんが、Pixel Shader Pipeline増によるレンダリング時間短縮でテクスチャの質感が以前より増したような…。発熱増も僅かだし、(16パイプ化が成功すれば)コアやメモリをクロックアップするよりお手軽かつ経済的なパワーアップ方法かもしれません。

追記

 S3スタンバイから復帰すると16PP/6VPが一時的に12PP/5VPに戻されてしまいます。そのままパソコンを再起動すれば元通り16PP/6VPになりますが、二度手間になってしまうのでS3スタンバイは極力使わない方が吉かも。某掲示板の情報によると、BIOS書き換えでこのトラブルから脱却出来るようですが、それなりにリスクが伴うのでご注意を。

-----
ベル&しん

  [Home|Next|Back]