癌でなくなった妻が死ぬ間際に言った、きっと生まれ変わるから、という言葉が忘れられなくて、インドに旅行する。このツアーには様々な想いを持った人たちが参加しており、インドへの旅を通じて、それぞれが自分の人生を見詰め直す。美津子の場合もその一人である。学生時代の要領の悪いしかし、気になる青年の中がいう「玉ねぎ」とは一体何だろう。自分とは全く違う人生を歩むこの彼を探してツアーに参加した。
妻の生まれ変わりはここにいるという占い師が書いてくれた場所の紙を握って、広瀬はインドのごみごみした街をさまよう。信じたい気持ち、こんなばかな行動をしている自分、「妻はどこに居るのか?きっと生まれ変わるからという彼女の言葉はうそなのか」。遂に生まれ変わりとしての妻を見つけることは出来ない。
美津子が又学生時代にからかって捨てたその人は何とガンジスのほとりで死体運びをやっているということを突き止めた。再開のその時にも彼のその小さな努力をわらった彼女、そして彼女の目の前で、喧嘩に巻き込まれて死んだ彼の中に「玉ねぎ」が死んでいないことを知る。神とい言わなくても玉ねぎと呼んでも良いのさ。と言った学生時代の彼。ガンジスのほとり、ウ”ァーナースティのその街で沐浴をした彼女だった。深い河 は何もなかった様に静かに大らかにすべてを包んで流れてゆく。
c 1997 fusan