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三度、インド

バンガロールといえば、世界のソフト開発の主要企業がこぞって進出し、今まさに懸命にソフウエアの開発を競っているところである。 今回はここを訪問することになった。出張の目的はともかく、インド南部のMadras(なんとなく懐かしい名前である)という地から、国内航空で1時間程北に入ったところにある。インドの軽井沢と呼ばれるそうで、海抜1,500メートル程の高原地帯に存在するハイテクも街ということになる。

深夜、シンガポール航空でマドラスに着いた。今夜はここに一泊し、翌朝バンガロールに入る段取りである。空港前には深夜というものの、大勢の人たちが集まっている。デリーでもこんな光景を見ることがあったが、これほどまでに大勢の人が何をしに空港にいるのか、赴任者に聞いても明確な答えが帰って来ない。飛行場からホテルまでタクシーに乗る。今でもロンドンを走っている、大型の旧式のタクシーがエンジン音をバタバタ言わせ、クラクションを不必要と思われるほどブーブー鳴らしながら走り行く様をもうこれで三度、経験したことになる。15分程でTrident Hotelに到着。疲れのためかぐっすりと眠った。

翌日は日本の秋のような美しい空だった。青空に中を飛ぶ飛行機の中から見るインドは、畑らしきものがきれいな緑に覆われていたり、白く続く道の途中と地位に集落が見えそのオレンジ色の屋根が印象的である。 空港から迎えの車でBangaloreに向かう。市内を通り抜ける時には流石にものすごい排気ガスに見舞われた。デリーのように、テントの家が全く見られない。ここの人たちの生活水準はデリーより良いに違いないと思ったものである。人口は10年間で3倍程の500万人に膨れ上がっているようである。 街外れのTechnology Centerは今まさに開発中のある。周には木々が豊富で、建物自体も私の見立てではインド一すばらしいのではないかと思う。 近くにはこの地に勤務する者のアパート(と言っても日本流にいえばマンション)が建設途上で、僅か6ヶ月程で10階程度のビルが姿をあらわしており、日本人達はその建設スピードにいたく感心している。 このように街の表面は激しく変化しているが、もう止めて欲しいと思うほどひっきりなしに鳴るクラクションの音、排気ガス、そして何より、辻辻にあふれる貧困、といったものを彼らはこれから、どのように克服してゆくのだろう。


飛行機がシンガポールに向けて再びMadrasを飛び立ったとき、今回もまた、これら一切のものから一足飛びに脱出したような気分を味わいながら、すぐさま深い眠りについていた。

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c 1997 fusan


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