The wind of Yokohama


Though it is one day which is not here to be special, I want to get along in one glass of energy.

先輩を送る会

定年を迎える人の送別会が行われるということで、ある土曜日昼下がり、いつもの会社勤めの背広を脱ぎ捨てて、横浜に出かけることになった。ワイシャツと背広と革靴が制服になっている会社人間としては、普段の日に行うこうした集まりに何を着て行くかは本当に頭の痛いことで、しばらくサラリーマンをやったことのある者なら、大なり小なりこういう感想を持っているに違いない。背広以外での上下の洋服の組み合わせや、着るものの厚さや枚数といったことに普段如何に無頓着かということを思い知ることになる。 勿論、休みの日に何か着てはいるのだが、これは全くの普段着で、公けの席で衆目に晒すには一寸耐えられない代物である。

この日もあれこれとっかえひっかえ、やっと何とか格好がつくと、普段は見もしない鏡の前に立って、自分はどんな印象を人に与えるだろうかを点検することになる。「フーン、しばらく見ないうちに随分身体全体が丸くなったなあ」とか、「髪の毛が薄くなったなあ」とかいろんな感想が、浮かんで来て、「うん、やっぱりあのセーターの方がスマートかな」と決め込んで、着なおすことになる。それでも何とか自分で自信の持てる格好がつくと2階から降りて、妻の前で「これで、良いかな?」と同意を求める。ここで一発でOKが出れば、さあ、出発ということになるが、大抵は「今日は夜になると冷え込むそうよ。そんな薄着じゃ、寒いわよ」とコメントが付いて、結局は会社に来て行くいつものコートを羽織って行くことになる。
それではと玄関に降り立つと、 今度は履くものが無い。くたびれた革靴は腐るほどあるのだが、普段の外出という想定をしていないものだからである。しばらくあれこれ悩んで、結局、昨日も履いた通勤用の革靴を履いて家を後にする。

今年は庭の金柑にも甘夏にもたわわに実が付いている。空の青さが目にしみる。

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