チョッピリ昔は、C++って騒いでたケド、今はJAVAの時代なンです。そうしてそれは、トッテモトッテモ素敵な時代なンです。だから、この僕は、この僕の話を聞いて欲しいンです。貴方の耳をシッカリ僕の方に向けて、シッカリシッカリ聞いて欲しいンです。耳をカッポヂッテ聞いてほしいンです。今回は、キビシクすることに決めたンです。この僕は怒ると恐いンです。怒ったトキ、この僕のおバアちゃんの入れ歯を壊した事もあるンです。そうして、おバアちゃんを、おバアちゃんをウッカリ、泣かしたンです。泣かしチャッたンです。
あれは、この僕がまだ鶴岡にいた頃だったンで、高校生だったンじゃないかと思うンです。え、信じらンない?この僕だって、昔は高校生だったンです。この僕にだって、若いころというのは、あったンです。昔から、ふけているわけじゃないンです。この僕も、生まれたときは赤チャンだったンです。
あの頃、この僕が高校生だった頃は、本当にヒドイ時代だったンです。今思い返しても、ゾッとするンです。実は家庭内暴力なンです。家庭内暴力ばっかりなンです。テレビのスイッチをひねると、画面に映るのは、中学生が金属バットで親を殴り殺すような酷い事件ばかりだったンです。親がコドモから自分の身を守らなきゃならない、そんな時代だったンです。金属バットで殴られたら、人間は痛いンです。痛くって泣いて、そして死んでしまうンです。あの頃の親たちは、金属バットを所持するだけで罪になるようにする法律を真剣に望んでいたンです。それがあったから、スポーツ店でも、若者への金属バットの販売をジシュクしていたンです。
でも、世の中には、イヤなヒトがいるンです。それを逆手にとった関西の小さなスポーツ店が、金属バットを大々的に売り出したンです。そして金属バットは、ポケモンみたいに売れたンです。それから、ほんの2〜3ヶ月の間に、そこの店長はすっかりリッチマン、3階建てのビルを建てたンです。こんなことをしたら、ダメなンです。神様は、ちゃんと見ているンです。そのスポーツ店は結局、火事でマルヤケになっチャッたンです。
でも、それだけでは終わらなかったンです。イヤなヒトは、世の中にタクサンいるンです。同じようにして儲けた、金属バット成り金が、この僕の街でも、いばっていたンです。近所の浜野スポーツ店のオッサンが、いばりだしたのも、この頃からだったンです。それまでは、いつもジャージでうろうろしてたのに、急に、ダブルのスーツを着るようになったンです。そして、この僕のオトウサンは、ナゼか、このオッサンに何かとこきつかわれるようになったンです。そんなオトウサンがイヤでイヤで仕方がなかったんだけど、やっぱりこの僕も、そのオッサンが恐くて、何も言えなかったンです。でも、これはスポーツ店が売っているんで、まだいい方なンです。
そのうち、顔の恐い悪そうな人が、隠れて路地裏で売るようになったンです。これを昔、闇バットといっていたンです。この闇バットは普通の店の10倍以上の値段をつけていたンです。この僕も、闇バットを買いたいというツッパリクン、西山クンというんですが、お金をカツアゲされたンです。この僕の友達の良幸クンも、同じツッパリクンから、お金をカツアゲされていたらしいンです。金属バットの販売をジシュクしたおかげで、この僕たちがギセイになったンです。始めっから、ジシュクなんかしなければ、この僕たちがギセイにならずにすんだンです。ジシュクなんかしても、結局、隠れて金属バットは出回っていたンです。何の意味もなかったンです。売れ行きはますます上がってしまって、常に闇バットが不足するくらいだったらしいンです。そして、これは確かな事かどうかは保証できないけど、女性週刊誌で、若者の5人に1人は金属バットを所持していると書いてあったのを見たこともあったンです。
僕は、こう思うんです。若者は、特にツッパリクンは、ないものねだりをするンです。簡単に手に入らないとなると、余計に欲しくなると思うンです。スポーツ店がジシュクして、金属バットが簡単に手に入らなくなったので、あのツッパリクンは欲しくてたまらなくなって、この僕たちからカツアゲしたンです。こういう時、この僕がスポーツ店の人だったら、日本中のツッパリクンたちに金属バットを欲しいだけプレゼントするンです。そうしたら、あのツッパリクンは、この僕たちからカツアゲしないと思うンです。きっと、金属バットに興味がなくなって、欲しくなくなると思うンです。この僕だったら、絶対そうするンです。そうして、それがいいンです。
この僕のクラスでも、先生のいない時は、ツッパリクン達が金属バットのことをコソコソ話していたンです。学校のトイレの奥に金属バットが隠してあったこともあったンです。そして、それには張り紙がしてあって、「とったら、コロス」とマジックで書いてあったンです。この僕は、恐くて恐くて仕方がなかったンです。この僕が、ツッパリクン達の親でなくてよかったと、心の底から思ったンです。この僕が、あの金属バットで撲殺されると想像するだけで、舌が縮んで痺れてしまうンです。
金属バットの悪口ばっかりいってるけど、そんなこの僕がいい子チャンだったかというと決してそうじゃなかったンです。夕食のから揚げをつまみ食いしたり、妹の風呂場を覗いたりと、いっぱしのワルだったンです。そんな時期だからこそ、この事件が起こっチャッたンです。今思い出しても、ゾッとするンです。
その日は日曜日で、この僕は、いつものように昼に起きたンです。でも、家族の昼食は既に済んでいました。その頃は、この僕が休みの時は何時起きるかわからないので、昼食は僕を抜きにして先にとる習慣になっていたンです。作りおきの昼食を冷蔵庫に確認したこの僕は、いつものように電子レンジで食事を温めたンです。この日は確か、オカアサンがコロッケと呼んでいる、ジャガイモのすり身を丸めて焼いたものだったンです。
電子レンジでコロッケを温めていると、近所に遊びに行っていたオバアチャンが帰ってきたンです。オバアチャンも昼食を食べていなかったンで、コロッケを2人で分けて食べることにしたンです。この僕は4つあったコロッケをそれぞれ2個ずつに分けて皿に盛り付けたんだけど、オバアチャンは黙ってその内1個をこの僕の皿にのせたンです。それからテレビをつけて、2人で昼食を食べたンです。この僕は、休日の昼食が大好きなンです。なんだか気だるくって、でも心地いいンです。
昼食を食べ終えてからも、この雰囲気が心地よくって、ぼんやりテレビを見ていたンです。オバアチャンも、食事を終えた後は特にすることもないらしく、いつもにように入れ歯を湯飲みに入れた後、テレビに見入っていたンです。食事の後のおバアちゃんは、いつも入れ歯を洗うンです。お茶を飲んだ後の湯飲みに水を張り、その中に入れ歯をしばらくつけて置いて、それから台所で茶碗と一緒に洗うのが習慣になっているンです。オカアサンは、入れ歯を湯飲みに入れられるのが嫌いで、一時期は、きつくオバアチャンに注意していたんですが、何度言ってもきかないので、その後は諦めてしまったみたいなンです。
テレビでちょうど、芸能ニュースをやっていて、オバアチャンはこの僕に、しきりにその感想を言ってきかすンです。この僕は特に興味がなく、そして頭もぼんやりしていたので、適当に返事をしていたンです。
しばらく見ているうちにだんだん飽きたのか、オバアチャンはテレビのチャンネルを変えたンです。そこでは、何か、討論会みたいなものをやっていたンです。
それは、今話題の金属バットについてのテレビ討論会だったンです。
<後篇に続く>
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