はじめに
 私は今まで自作にAMD製のCPUしか使用してこなかった。別にIntelが嫌いという訳ではなくて、
単に値段が高かったというのが本音である。20世紀末期、Pentium4がこの世にはじめて出現し、
店頭に並んだころ(1.3〜1.5GHz時代)はあまりにも値段が高くとても手の出せるシロモノではな
かった。しかも、そのころ主力だったDirectRDRAMは激高で、“Intel製=高い”という固定観念を
植え付けられた自作ユーザーはおそらく私だけではあるまい。
 しかし、そのIntel製CPUも幾度となく価格改定があり、ようやくマトモな値段で店頭に並ぶように
なった。実をいうとIntel製のCPUを使った自作は初めてであり、購入の際さすがの私も勉強せざる
をえなかった。Intel製CPUってどんなカンジだろう、たまには作ってみるか。というのがキッカケだっ
た。まぁ時期がよかったというのも理由の1つであったのだが。(2003年6月現在)
 今回Intel製のCPUを使用した自作において、購入の際重要なのは実はCPUのクロック数では
なくマザーボード選びであることを思い知らされた。Pentium4を使用するマザー&チップセットは数
多く存在し、試行錯誤のすえi875Pを搭載したGigabyte製のマザーを購入した。AMD時代使用し
ていたATX電源は使用できないので、(Pen4専用コネクタなし)電源も一緒に買い換えることにした。
またメモリはi875Pを最大限のパフォーマンスで利用するために、samsung製 DDR400 CL=2.
5 256MB×4 (19週製造)を購入。
 さて、現在はひととおり完成し、仮動作させているがいくつかパフォーマンスアップするにおいて気
づいた点があったので報告しておくことにする。ちなみにOSはWindows2000を使用している。

 レポート1:ハンパなオーバークロックはパフォーマンスダウン!
 i875Pを搭載したマザーはPATなるパフォーマンスアップの機能を備えており、 FSB800MHz、
DDR400でDual Channelの時のみ機能するシビアなものだ。したがって、BIOS上でFSBを
クロックアップさせるとこの機能は自動的に無効になってしまうとのことだ。しかし実際は10MHzま
でのクロックアップではPATは無効にならないことが判明した。(Gigabyte製のマザーで検証)
PATが無効になったi875Pマザーは他のFSB800MHz対応マザー(i865シリーズ)などとほとんど
同じになってしまう。これではもったいない!
 当然のことながらPen4はAMD製CPUと違って倍率変更はできず、オーバークロックはFSBの
変更しか手段がない。ちなみにPen4の3GHz版は200MHz×15倍で動作しており、ほとんどの
マザーはこの200MHzの部分が変更できるようになっているようだ。たとえば200を210に変更
すると、CPUは210×15=3.15GHz、 FSBは210×4=840MHz、 またメモリは 210×2
=420MHzとなり、パフォーマンスはアップする。たしかにここまではいいのだが、これより1MHz
でもアップさせようとするとパフォーマンスは大幅にダウンしてしまう。つまり210MHzより1MHz
でも上げようとするとPATは無効になりトータルパフォーマンスはガクッと下がる。
 実際、ベース210MHzの場合と212MHzの場合をベンチマークsuperπとEP82改/かず氏作の
「HDBENCH Ver3.40 beta6」を使用して実験してみた。superπは普通104万桁がベンチとしてよく
使われるがここではトータルパフォーマンスと安定度を考慮して3355万桁を使用した。
 結果は驚くべきものだった。superπは212MHz時のほうが210MHz時より約3分遅くなり、HD
BENCHはメモリのすべての項目で約20%近くパフォーマンスがダウンした。HDBENCHを見る
限り、確かにCPUそのものの処理速度はアップしているがトータルパフォーマンスを考えるとかなり
イタイ。PATをあまく見てはいけないのだ。ちなみにGigabyteのマザーはEasyTune4なるツールが
添付されている。これはWindows上でクロックアップするツールで比較的安全でかつ簡単に“遊ぶ”
ことができる。Windows上でのオーバークロックなのでPATは有効のまま210MHz以上のクロッ
クアップが楽しめる。
 さらにこんな実験もしてみた。PC−3200メモリを使用した場合BIOS上でベースを215MHz以上
クロックアップするのは不可能だった。そこでBIOSでベース212MHzにし、PATを無効にした状態
でEasyTune4を使ってベースを上げてみたところ、223MHzほどでPAT有効時の最大パフォーマン
ス(210MHz時)にやっと追いついたというかんじだ。つまりi875P搭載マザーはBIOSでベースを変
更した場合211〜222MHzは210MHz時に比べてパフォーマンスが低いということである。まぁ、
もっともメモリーのグレードを下げてまで(DDR333設定)クロックアップしようとは思わないが...
 結果としてBIOSでベース210MHz、EasyTune4で220MHzの組み合わせがベストである。
 ちなみにEasyTune4ではベースを235MHzまで上げることができたが、ありとあらゆるソフトで検
証した結果220MHzが安定度とパフォーマンスの関係から限界と判断した。
 さて、EasyTune4は安全でかつ簡単と述べたが、ヘビーユーザー向けにアドバンスモードが用意
されており、各種チップの電圧変更が可能であるためむやみに上げるとハードウェアが逝ってしまう
危険性がある。電圧変更はヘビーユーザーでも最後の手段なのだ。またイージーモードでもFSBを
過度に上げるのは危険である。くれぐれもほどほどに。
また、ベンチマークの種類によっては(Sandra2003など)EasyTune4の設定を無視するものがあ
るのでご了承を。


 レポート2:大容量のメモリを載せるほどスピードはアップする!
 メモリ購入の基本は1モジュールあたりなるべく大容量のものを選ぶことである。なぜならメモリス
ロットは“資源”だからである。しかし私は店頭に512MBモジュールがあったにもかかわらず、256
MBモジュール2枚を購入した。理由は単なる資金不足だったからだ。(samsung製メモリは割高な
のだ)
 Dual Channelを利用するには2枚もしくは4枚のモジュールを購入する必要がある。私はあとか
ら資金を補充し、256MB×2を買い足したというかんじだ。まぁそれでもまだ2スロット空いているの
でよしとしよう。しかしおかげで意外な発見をした。買い足したメモリを取り付け、起動し何気なくHDB
ENCHを走らせてみたところ、メモリの全ての項目で約10%程スコアがアップしているではないか!
 たしかに考えてみればわかる。例えば100人収容の部屋と200人収容の部屋があってそれぞれ
に50人ほど人がばらばらに入っているとしてあとから10ほど人が出入りするとしたらどちらが出入り
しやすいか。当然200人収容の部屋である。(私的理論)
 また、superπの3355万桁でも1〜2分速くなり、性能向上が確認された。こうなるともうあと1GB
ほど増設してみたくなる。私のマシンはCPUはそこそこだがメモリは爆速状態となった。
 あと、Cas Latency設定を2.5にすることも忘れずにやっておくか...


 レポート3:ECCメモリは信頼度は高いがアクセスが遅くなる!
 私が購入したメモリはNon−ECCメモリである。しかし、ECC対応マザーなのでちょっと使ってみ
たいというのもあった。そのとき偶然にもECCメモリを拝借する機会があったのでさっそく実験してみ
ることにした。その結果HDBENCHでわずかなスコアダウンが確認された。そもそもサーバ用途の
メモリでエラーチェックが入るのでしかたないのだが許せる範囲である。結論として通常の使用では
高価なECCメモリよりもNon−ECCメモリで充分ということだ。
 そういえば昔BIOSの項目にCPUキャッシュのECC−ON/OFF設定があって、ONにするとパフ
ォーマンスが落ちるなどと聞いたことがあったが、最近その項目見かけないなぁ..



                Caution!!
※オーバークロックはCPU、マザーボード及びその他パーツに重大な影響を与えることも考えられま
す。オーバークロックに関して筆者および関係者は責任を負いません。自己責任でお願いします。
 なお結果は筆者の環境下でのものであり、必ずしもこのような結果になるとは限りません。またこ
のような結果はオーバークロック動作を保証するものではありません。


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