フリーウェイを降り、ロスに詳しいフミトがジョーと運転を代わる。ジョーが後ろに座ったが、体がデカイためかなり窮屈そうだ。しょうがないのでマサが後ろに移動することになった。 マサが後ろに行ったのを契機にフミが騒ぎはじめた。
「気安くオレに触るなっていってるだろ!」
カーブのたびに、マサに寄りかかってくるフミにマサの地獄付きが炸裂していた。
ディズニーランドはいけなくなったが、ロサンジェルスに行くこと自体がうれしいのだろうか。フミは懲りることなくカーブのたびにマサへ寄りかかっていた。
徐々に車内には活気があふれはじめる。4人は初めてフミの存在価値に気がついた。なんだかんだ言ってもフミがこの旅行を一番盛り上げていたのだ。
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ロスにはいると辺りが暗くなってきたので宿を探すことにした。しかし異常に安かったり高かったりとちょうどいいモーテルがない。やっと見つけたモーテルも部屋がなくフロントで他のモーテルの場所を聞く。紹介された宿はモーテルと言うよりホテルだった。
「あれほど手頃なモーテルを紹介してくれといったのに」
フミトが小言で言う
「おい、日本人がいっぱいいるよ。こりゃ高いぜ」
マサも心配そうにいったが、フロントに聞いてみると破格の値段だった。
日本人がいっぱいいると高いというのは間違いで、日本人はガイドブックなどで穴場のホテルをたくさん知っているのだ。経済大国と言われる日本も国民は結構セコイ。
フロントの前までいきマサはフミを見た。さっきまでユーヤと一緒の部屋になることをひどく嫌がっていたのだ。実際、フミはマサをじっとにらんでいる。マサはそれを無視していたのだが内心はどきどきしていた。今夜トラブルが起きるともう解決するチャンスはないのだ。このホテルには3人部屋があったので、マサは三人部屋と二人部屋を頼んだ。もちろん二人部屋にはフミとユーヤが入れるつもりなのだが。
いよいよ部屋の前まで来てしまった。男たちの部屋は奥なのでマサたちが向かうとなんとフミまでついてくる。やっぱりここでもトラブルが起きるのか。マサが慌てふためきながらフミに何か言おうとすると
「はい、これ」
フミはマサが車に忘れてきたバッグを渡すと何事もなかったようにユーヤのいる部屋に入っていった。向こうの方がウワテだった。マサは完全に振り回されている。