待機電力・数マイクロワット〜の回路
本文は、雑誌「電子技術」(日刊工業新聞社発行)2003年10月号に掲載の「MOSFETを用いた待機電力回路の新提案」を、さらに詳細に記述した内容です。 現在世界で発表されている待機電力回路では、この回路が待機電力を最も小さくできる待機電力回路ではないかと考えています。
1.はしがき
●地球温暖化ガス排出の現状
1998年に開催された地球温暖化防止会議の京都議定書を、日本は2002年に批准しました。その内容は、CO2をはじめとする温暖化ガスの排出を、2008~2012年の平均で1990年の値より6%の削減が義務付けられています。しかし、2000年の温暖化ガスの排出状況を見ると、削減どころか7.9%の増加です。ちなみに、EUは8%削減目標に対し2000年には3.7%減の実績です。このままでは温暖化ガスの排出の目標達成は不可能なので、わが国も抜本的な対策を実施する必要があります。温暖化ガスの排出に大きな割合を占めているのは電力であり、電力のうち大きな割合を占めているのは待機電力(待機時消費電力=スタンバイ電力=Standby
Electricity 以下、待機電力とする)です。ここに待機電力を大幅に省電力化可能な「MOSFETを用いた電源」を補助電源にした「新待機電力回路」を実験して非常に優れた数値が得られたので報告します。
●待機電力の現状
待機電力回路の採用は、家庭生活の利便化と産業界の自動化で益々増加傾向にあります。一般家庭の全電力に対する待機電力の割合は10%とも言われ、金額では1家庭で年間1万円にもなり、日本の原子力発電所の2~3コ分に相当します。財団法人・省エネルギ-センターや東京電力或は各家電メーカーは家電製品の機器毎の待機電力を調査していますが、その一部を記すと表1のような数値です。待機電力は、家庭生活の利便化と産業界の自動化のためにはある程度は必要ですが、温暖化ガスの排出防止と電力の安定供給のために、待機電力を可能な限り削減する必要があります。「新待機電力回路」は、家庭生活の利便化や産業界の自動化等と温暖化ガスの排出削減との両立が可能な回路です。
〈表1〉商品別の待機電力(各社平均)
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出典 http://www.panasonic.co.jp/japan/css/eco/wait_ene.html
●「新待機電力回路」は数μW~が可能
「新待機電力回路」は、基本的には「アイドル電流はゼロ」で「定電圧電源」である「MOSFETを用いた電源」を補助電源にしています。そのため、「自己待機電力」は[数μW](ラインオペレート電源回路使用時)~[数十μW](トランス使用回路で、待機時は間欠動作)が期待でき、「待機時待機電力」は[数十mW](トランスとリモコン使用回路で、待機時はトランス1次側は間欠動作)が期待できます。何れの数値も従来品より2桁~6桁程度、小さい待機電力になります。
「新待機電力回路」と従来回路を電力と電力料金で比較したのが表2です。待機電力は商品毎、各社毎、年度毎で異なるので一括比較は出来ませんが、従来のリモコン使用商品を含めて纏めて平均3Wとし、「新待機電力回路」は纏めて30mWとしました。仮定事項が多いので全商品にそのままは適用はできませんが、1つの目安にはなります。
(「自己待機電力」と「待機時待機電力」の定義は、3の用語の項目に記載)
〈表2〉新待機電力回路と従来回路の待機時待機電力の比較
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多少問題点もありますが、下記のような纏めかたをしました
(*1)交流電源回路で、制御回路電力=5V×2mA=10mWを想定
(*2)〈表1〉の待機電力を、纏めて平均3Wにした(電熱商品は除く)
(*3)1KWh=23円で1mWを1年で0.2円とした
2.従来の待機電力回路
従来の主な待機電力回路を簡単に説明します。
■回路構成
●一電源方式
図1- aの構成で、電源容量が100W以下のセットに使用されることが多い回路です。部品数が少なく、コスト、スペースでは有利ですが、待機時の効率は悪い回路です。最近は間欠動作等の採用で、待機時の効率も良い回路も発表されています。
●二電源方式
図1- bの構成で、電源容量が50W以上のセットに使用されることが多い回路です。主電源は主負荷に最適な効率にし、補助電源は制御回路に最適な効率にして、補助電源で動作している制御回路出力によりリレー等を動作させて主電源をオン/オフさせます。この回路は、部品数が多く、コスト、スペースでは不利ですが、待機時の効率は良くなります。

■動作方式
●スイッチング電源回路
スイッチング電源回路は現在主流になっている電源回路で、基本回路を図2に示します。交流電源をフィルタ回路(図2では、コンデンサC、Cの放電抵抗器R、トランス1等を含む)を介して整流・平滑した直流電圧を、FETQと制御回路とトランス2を使用して数10KHz~数100KHzの高周波でオン/オフし、トランス2の2次側に発生した高周波電圧を整流・平滑して直流電圧にし、負荷に供給する回路です。この回路は、トランス2の1次と2次間はフォトカップラで情報授受を行い、負荷の大きさで発振のデューティ比をある程度は変えます。この回路は下記特徴を有しています。
@ 図2のように、回路は非常に複雑になります。
A 高周波で動作するため、使用するトランスやコンデンサは小型になります。
B 電源電流にスイッチングノイズである高調波成分が重畳されるので、高調波成分除去用のフィルタ回路を必要とし、フィルタ回路に使用するコンデンサの放電抵抗器により待機電力も増加します。重畳される高調波成分には、注意を要す回路です。
C 複雑な回路であり、専用ICを使用した方が便利です。
D この回路をそのまま使用すれば、待機電力は数Wと大きくなります。

●商用トランス電源回路
特に回路は記載しませんが、商用電源をそのままの周波数でトランスに接続します。トランスは商用電源で動作するためスイッチング電源回路に比較して大きくなり、常時励磁電流が流れるので励磁電流による待機電力の増加で省電力化に限界があります。待機時の間欠動作等の新提案はありますが、待機電力は大きい回路です。
3.「新待機電力回路」について
つぎに、「新待機電力回路」について説明します。
「新待機電力回路」の構成は、「MOSFETを用いた電源」を「補助電源」にします。その「補助電源」で「制御回路」を動作させ、「制御回路」出力のハイ/ロウで「主電源スイッチ回路」はオン/オフします。
■本文で使用する用語
動作を説明する前に、本文で使用する一部の用語について説明します。
●補助電源
制御回路の電源ですが、センサ回路等にも使用されます。
●制御回路
センサー等の入力に基づいて信号処理し、ハイ/ロウの信号を出力して主電源スイッチ回路をオン/オフさせる回路です。
●主電源スイッチ回路(素子)
制御回路の出力のハイ/ロウにより、負荷回路をオン/オフさせるスイッチ回路ですが、素子のことが多い。図3では、FETQ2がこの素子です。
●待機電力
待機電力は、仮に「自己待機電力」と「待機時待機電力」と「セット待機電力」に分類します。ここでは、「自己待機電力」と「待機時待機電力」について論じます。なお、電源接続時のコンデンサC1への初期充電電力や制御回路出力反転時の電力等は除きます。
▲「自己待機電力」
制御回路電流がゼロ(補助電源の負荷がゼロ)のときの入力電力です。待機電力回路の問題点を論じるときは「自己待機電力」で論じるのが一番良いと思います。
▲「待機時待機電力」
前記、補助電源に制御回路が接続されて制御回路電流が流れているときの入力電力です。センサ回路の電力は除きます。
▲「セット待機電力」
前記、「待機時待機電力」にセンサ等を接続して、セットとして動作しているときの入力電力です。セットとして論じるときは「セット待機電力」が一番良いと思います。
●「アイドル電流」
例えば、トランスの2次側から電圧を取り出すためには、トランス1次側には常時励磁電流を流しておく必要があります。「アイドル電流」はトランスの励磁電流のように、ある出力(ここではトランス2次側の電圧)を取り出すために常時流しておく電流です。「抵抗器+ツェナーダイオード」の直列回路に常時電流を流して電圧を取り出す回路も、常時流しておく電流は「アイドル電流」です。
●0点について
説明文の中の各端子の電圧は各回路の「0点」を基準にします。「0点」はスイッチ素子であるFETのソースです。
■半導体素子について
実施例に示すMOSFETはFETと記します。FETは特に説明がない限りNチャンネルMOSFETですが、簡単な回路変更でPチャンネルMOSFETも使用可能です。FETに代えてIGBTも使用可能ですが、IGBTに変更時は、FETのドレインとソースとゲートは各々IGBTのコレクタとエミッタとゲートに置き換え、必要に応じてFETの寄生ダイオードに相当するダイオードをIGBTのコレクタとエミッタに接続する必要があります。
4.「新待機電力回路」の基本回路
「新待機電力回路」は、補助電源に「MOSFETを用いた電源」を用いています。「MOSFETを用いた電源」の大きな特徴は「アイドル電流がゼロ」でしかも「定電圧電源」です。「新待機電力回路」の基本回路は、「直流電源用回路」および「交流電源用回路1」と「交流電源用回路2」があります。「MOSFETを用いた電源」の基本的な動作は、「直流電源用回路」で説明します。
■直流電源用回路の動作
図3は、直流電源Eを用いた「新待機電力回路」の基本回路で、点線内が「MOSFETを用いた電源部」で、補助電源EHになります。直流電源Eは電池でも交流電源を整流・平滑した電源でも動作しますが、ここでは電池で説明します。
図3の回路で動作を説明します。電源が接続されれば電流は、直流電源E-抵抗器R1-FETQ1-コンデンサC1-直流電源E、と流れてC1を充電しますが、C1の電圧は「C1の電圧≒Bの電圧-Q1のしきい値電圧」になり、補助電源EHになります。補助電源EHは制御回路SGの電源になり、SGを動作させます。制御回路SGの出力がハイになればFETQ2はオンになり、負荷回路RLに電流が流れます。その時の負荷電流は、直流電源E-負荷回路RL-FETQ2-直流電源E、と流れてRLは動作します。制御回路SG出力がロウになればFETQ2はオフになるので負荷回路RLは動作せず、待機状態になります。この回路は、直流電源Eの負端子とコンデンサC1の負端子とFETQ2のソースを接続した点が「0点」として各電圧の基準点になります。この回路は、例えば蛍光灯と保安球のように複数の負荷と複数のFETの直列回路を、複数の制御回路出力で制御できます。

■「MOSFETを用いた電源」の動作と特徴
「新待機電力回路」の最も重要な回路で、補助電源になる「MOSFETを用いた電源」の動作と特徴を中心に説明します。
●「MOSFETを用いた電源」の動作
図3のFETQ1とコンデンサC1と電池Bの部分が、「MOSFETを用いた電源部」で、コンデンサC1が補助電源になり「C1の電圧≒Bの電圧-Q1のしきい値電圧」になりますが、この式が成立する理由は専門書にも記載されていませんので、FETQ1に2SK3109(NEC)を使用したときの例で説明します。

▲「しきい値電圧」と「ゲートカットオフ電圧」
図4に、FETQ1として使用した2SK3109のゲート・ソース間電圧とドレイン電流の関係である「伝達特性のグラフ」の低電流部分を示します。図4のドレイン電流が1mA以上はNECのデータブックよりの転写で、1mA以下は実測です。
NECのデータブックによれば、2SK3109の電気特性の欄では「ゲートカットオフ電圧」の規格は2.5V~4.5V(ドレイン電流=1mA)と記載されていますが、図4のグラフのドレイン電流が1mAのときのゲート・ソース間電圧が「ゲートカットオフ電圧」であり、この電圧が「しきい値電圧」です。
▲コンデンサC1の電圧と伝達特性との関係
図3の回路でFETQ1のドレイン電流(安定状態では、制御回路電流とドレイン電流は同じ電流なる)が1mAとすると、図4のグラフよりゲート・ソース間電圧は3.7Vになります。図3の回路で電池Bの電圧=9.5VでFETQ1のドレイン電流=1mAであれば、FETQ1のゲート・ソース間電圧は3.7Vです。FETQ1のゲート・ソース間電圧が3.7Vになるためには、コンデンサC1の電圧は9.5Vと3.7Vの差の5.8Vでなければなりません。即ち、ドレイン電流が1mAのときの「コンデンサC1の電圧=9.5V-3.7V=5.8V」になります。同じように、ドレイン電流=10mAであればゲート・ソース間電圧は4.0Vなので、「コンデンサC1の電圧=9.5V-4.0=5.5V」です。同じ手法で纏めると、ドレイン電流が0.01~0.1~1~10mAでのコンデンサC1の電圧は、6.1~6.0~5.8~5.5Vです。ドレイン電流が完全にゼロの時のコンデンサC1の電圧は測定器の内部抵抗の関係で測定は非常に難しいが、ドレイン電流が更に低い時のデータやグラフからドレイン電流が0.01mAの時と同じ6.1Vと推定されます。この電圧は電池Bの電圧が9.5Vの時ですが、Bの電圧が変化すればコンデンサC1の電圧も同じ電圧だけ変化します。また、図4のグラフはドレイン電圧が10Vの時ですが、ドレイン電圧が多少変化してもドレイン電流に変化はありません。以上のことから、「コンデンサC1の電圧≒電池Bの電圧~FETQ1のしきい値電圧」になります。
▲「MOSFETを用いた電源」は定電圧電源
2SK3109の図4のグラフでは、ドレイン電流が0.01~0.1~1~10mAでのコンデンサC1の電圧は、6.1~6.0~5.8~5.5Vになります。通常の回路の待機状態の電流は2mA以下としますとコンデンサC1の電圧は、6.1~5.7V程度になります。この電圧は完全な定電圧電源ではありませんが、補助電源として使用するには充分な定電圧電源ですし、FETを選択すればC1の電圧はさらに定電圧に近づけることができます。このことより、「MOSFETを用いた電源」は「定電圧電源」と言えます。
▲アイドル電流はゼロ
「MOSFETを用いた電源」を補助電源にした時の最大の特徴は、「アイドル電流はゼロ」です。図3で制御回路電流は、直流電源E-抵抗器R1-FETQ1-制御回路SG-直流電源E、と流れて待機電力になります。制御回路電流がゼロなら、リーク電流を除けば電源からの電流はゼロなので、待機電力(この時の入力電力)はゼロになります。言い方を変えれば「アイドル電流はゼロ」なので、制御回路に電流が流れればその電流分だけ電流が流入して待機電力になります。
図8と図10のように交流電源回路でトランスを使用し、トランス2次側の電圧を整流・平滑した直流電源を「MOSFETを用いた電源」にする時は、トランス2次側の直流回路部分は「アイドル電流はゼロ」になります。しかし、交流電源回路でトランス1次側部分がオン時には励磁電流が流れるので、間欠動作にして励磁電流の影響を極力小さい回路にしています。なお、図7のようにラインオペレート回路では、センサ部を除けば「アイドル電流はゼロ」です。
▲抵抗器R1の役目
抵抗器R1は電源投入時の突入電流を抑える抵抗器で、FETQ1等が耐えられればR1は必ずしも接続の必要はありません。なお、直流電源回路で制御回路電流が同じであれば、抵抗器R1の抵抗値による待機電力の変化ありません。
▲コンデンサC1の役目
コンデンサC1の容量は、制御回路の瞬時電流に対応する容量が必要です。交流電源ACの回路では半波整流回路を使用しているので、コンデンサC1の容量は制御回路の瞬時電流への対応と同時にリップルについても考慮した容量にする必要があります。
▲電池Bについて
FETQ1のゲート・ソース間は電気的には絶縁されているので、電池Bの電流はゼロで寿命は自然放電時と同じと考えられます。電池Bに代えて、「抵抗器+ツェナーダイオード」の直列回路でゲート電圧にできます。その時は数百Mオームの高抵抗の抵抗器も使用可能ですが、待機電力として加算する必要があります。
▲3端子レギュレータ使用回路との比較
従来の補助電源回路は、3端子レギュレータと言われる電源用ICの使用が通常でした。このICの使用時は、待機時でも数mAの回路動作電流と称するバイアス電流(前記用語を使用すれば、バイアス電流もアイドル電流です)を常時流しておく必要があります。例えば、入力電圧が12Vでバイアス電流が3mAであれば、バイアス電流による待機電力の単純計算のみでも36mWになり、36mWを発生させるためのトランス1次側の入力電力は、36mWの数倍になります。「MOSFETを用いた電源」では、36mWに相当する電力はμWオーダですみ、「MOSFETを用いた電源」を使用時の待機電力の少なさは明白です。
■交流電源用回路1
図5は、交流電源AC用の待機電力回路です。この回路の主電源スイッチ回路のスイッチ素子はFETQ3とQ4で、ダイオードD3とD4はQ3とQ4の寄生ダイオード(ボディダイオード)です。

動作は、この状態で電源が接続されて交流電源ACの黒点側が正であれば電流は、交流電源AC-ダイオードD1-抵抗器R1-FETQ1-コンデンサC1-ダイオードD3-交流電源AC、と流れてC1を充電し、その電圧は「コンデンサC1の電圧≒電池Bの電圧-FETQ1のしきい値電圧」になり、補助電源EHになります。補助電源EHは制御回路SGの電源になり、SGを動作させます。電源が交流電源であるためダイオードD1で半波整流しており、コンデンサC1は半波で充電されます。補助電源EHが制御回路SGに印加されてSGが動作すれば、SG出力はFETQ3とQ4のゲートに同時に印加されるので、SG出力のハイ/ロウによりQ3とQ4は同時にオン/オフします。FETQ3とQ4がオンでACの黒点側が正であれば負荷回路RLを流れる電流は、交流電源AC-負荷回路RL-FETQ4-ダイオードD3-交流電源ACと流れ、非黒点側が正のときの電流は、交流電源AC-FETQ3-ダイオードD4-負荷回路RL-交流電源ACと流れてRLは動作します。制御回路SG出力がロウになればFETQ3とQ4は同時にオフになるので負荷回路RLは動作しません。負荷回路RLは単独の負荷でも良く、2次側に負荷を接続したトランスの1次側でも動作します。
▲寄生ダイオードの役目
この回路での寄生ダイオードは、次のような動作をしています。
@ コンデンサC1への充電時には、FETQ3の寄生ダイオードD3を経由してコンデンサC1への充電電流が流れます。
A FETは、チャンネル部と寄生ダイオードの並列回路になります。FETQ3とQ4がオンのときの負荷電流はQ3とQ4の寄生ダイオードであるD3とD4を流れると説明しましたが、FETがオンのときのダイオードD3とD4の電流は、先ずチャンネル部を「ソース→ドレイン」に流れ、そのオン電圧が寄生ダイオードの立ち上がり電圧以上になった時点で寄生ダイオードにも電流が流れます。
B FETQ3とQ4をIGBTに変更可能ですが、寄生ダイオードD3とD4に相当するダイオードを接続する必要があります。
■交流電源用回路2
図6は交流電源AC用の、図5とは別の待機電力回路です。図5のスイッチ素子のFETQ3とQ4に代えて、FETQ5とブリッジ整流回路等で用いる4コ組のダイオード1コ(ダイオードD5~D8)を使用しています。

動作は、この状態で電源が接続されて交流電源ACの黒点側が正になれば電流は、交流電源AC-ダイオードD1-抵抗器R1-FETQ1-コンデンサC1-ダイオードD6-交流電源AC、と流れてC1を充電し、その電圧は「コンデンサC1の電圧≒電池Bの電圧-FETQ1のしきい値電圧」になり、補助電源EHになります。補助電源EHの電圧は制御回路SGの電源になり、SGを動作させます。補助電源EHを制御回路SGに印加してSGが動作すれば、SG出力はFETQ5のゲートに印加されるので、SG出力のハイ/ロウによりQ5はオン/オフします。FETQ5のオンでACの黒点側が正であれば負荷回路RLを流れる電流は、交流電源AC-負荷回路RL-ダイオードD7-FETQ5-ダイオードD6-交流電源AC、と流れ、非黒点側が正のときの電流は、交流電源AC-ダイオードD5-FETQ5-ダイオードD8-負荷回路RL-交流電源AC、と流れてRLは動作します。制御回路SG出力がロウならばFETQ5はオフになるので負荷回路RLは動作しません。
▲図5と図6の比較
図5と図6は同じ交流電源用ですが、下記のように多少の違いがあります。
@ 図5と図6の待機時の特性はほぼ同じです。ただし、動作時の負荷電流による電圧降下は、図5ではトランス1次側のFET2コ分ですが、図6ではダイオード2コ分である1.4V程度とFET1コ分の電圧降下になります。一般的には、図5は図6より電圧降下は少ない回路になります。
A 部品価格は、図5のFET2コの価格と、図6のFET1コとダイオードブリッジ整流回路1コの価格の比較になります。
B 図6では、直流電源用回路と同じように、複数の負荷を制御できます。
C FETをIGBTに変更する時は、図5のFETQ3とQ4はFETの寄生ダイオードに相当するダイオードを接続する必要がありますが、図6では寄生ダイオードに相当するダイオードを接続する必要はありません。
5.「新待機電力回路」の動作確認用試作例
「新待機電力回路」の基本回路を使用し、動作確認用に図7、図8、図10の回路を試作しました。試作回路は、あくまでも「MOSFETを用いた電源」を補助電源とする「新待機電力回路」としての動作確認用で、商品としての動作確認を目的にしたものではありません。リモコンを意識した制御回路でも、「MOSFETを用いた電源」を補助電源にし、リモコン回路で必要と思われる「補助電源電圧≒5V」と「制御回路電流≒2mA」を想定したダミー抵抗器を使用して、「MOSFETを用いた電源」が異常なく動作するかの確認用試作回路であります。そのため、リモコン受光ICやリモコン受光回路の特性や機能には言及していません。なお、試作に使用した部品は手持ちの部品を使用した関係で、必ずしも最適の部品の使用とは限りません。
■ラインオペレート回路用待機電力回路
写真1は試作した自動点滅回路で負荷は白熱電球であり、回路は図7です。

●動 作
図5の回路にセンサ部を追加して制御回路にシュミット回路を用いたラインオペレート回路です。受光素子の周囲が明るくなれば、受光素子と抵抗器R2の分圧電圧は低くなり、シュミット回路SH2の出力はロウになるのでFETQ3とQ4はオフになって照明器具は消灯します。受光素子の周囲が暗くなれば、シュミット回路SH2の出力はハイになってFETQ3とQ4はオンになり、照明器具は点灯します。即ち、受光素子周囲の明/暗により、照明器具はオフ/オンします。抵抗器R2の抵抗の値により、感度が決まります。照明器具は、蛍光ランプや白熱電球等が使用可能ですが、蛍光ランプの安定器はインダクタンスを使用することが多いので点滅時のサージ電圧には注意が必要であり、白熱電球は点灯時の突入電流に注意を要します。この回路は、光電スイッチ等にも応用可能です。
特に説明を要すると思われる箇所のみ説明します。
▲積分回路
蛍光ランプのような放電管を商用電源で点灯すると、電源周波数の2倍の周波数で点滅します。受光素子がそのような光を受光すれば、放電管の点滅に合わせて負荷はオフ/オン(チャッタリング)します。シュミット回路SH1とSH2の間の抵抗器とコンデンサの積分回路は、チャッタリング防止用です。
▲電池B
電池Bに代えて「抵抗器+ツェナーダイオード」の直列回路も使用可能です。
●待機電力
▲「自己待機電力」=「待機時待機電力」であり、コンデンサC1の初期充電等を除けば、基本的には待機電力はゼロです。実際は使用部品のリーク電流のみの[数μW]でした。
▲「セット待機電力」は、「自己待機電力」に「受光素子と抵抗器R2の直列回路」で発生する電力が加算されるので、[数百μW]になります。
■トランス使用回路1(トランスの1次と2次の0点を接続)
写真2は、試作したセットです。具体的なセットではありませんが、回路は図8に示します。非常に幅広いセットに応用可能な回路です。
基本的な設計方針を記します。

@ 待機時は、トランス2次側に充電された平滑コンデンサ電圧が制御回路の電源になります。平滑コンデンサ電圧が低くなればトランス1次側をオンにし、コンデンサ電圧が高くなればトランス1次側をオフにする、間欠動作をします。
A 正常動作時は、トランス1次側は連続動作をします。
B 充電部に人体が接触する可能性の無い回路を想定し、トランスの1次と2次の「0点」を接続しています。
●動 作
負荷は「白色LED」です。負荷がオンのときは、トランス1次側を常時オンにし、トランス2次側のコンデンサ4700μFの電圧は約15Vになります。待機時は、4700μFのコンデンサ電圧の低/高によりトランス1次側はオン/オフする間欠動作をします。
下記に、特に説明を要すると思われる箇所のみ説明します。
▲トランス1次と2次の接続
トランスの1次側は図5の変形回路を、トランスの2次側は図3の変形回路を使用しました。トランス1次側と2次側の「0点」は接続しているため「制御回路」「直流電圧検出回路」「波形整形回路」等には、同一ICの使用が可能になります。
▲補助電源EH用のコンデンサの容量
FETQ1のドレインには、交流電源ACとトランス2次側の両回路から充電します。電源接続時のコンデンサC1への充電は交流電源ACから抵抗器2Mオームを介した回路が担い、安定動作時の制御回路電流はトランス2次側から10オームを介した回路が担っています。抵抗器R1=2Mオームを低抵抗にして制御回路全電流をR1経由のみにすることも可能ですが、補助電源電流が多いときはR1での電力損が大きくなり、さらに補助電源EHでのリップルが多くなるのでコンデンサC1の容量も大きくする必要があります。容量を大きくすると初期充電の時定数が長くなるという問題が生じるので、このような定数にしました。
▲コンセントを電源に接続時
コンセントを電源に接続した当初は抵抗器R1を経由した電流でコンデンサC1を充電し、補助電源EHとしてシュミット回路を動作させてFETQ3とQ4をオンにします。そのときFETQ6と2.4Kオーム(リモコン回路の受光ICを想定したダミー抵抗器)に電流が流れれば、C1は補助電源EHとして必要な電圧まで充電出来なくなります。コンデンサC1が4V程度に上昇するまでは2.4Kオームに電流が流れないようにFETQ6を接続しました。なお、外部抵抗器接続用クリップは、図9-a~図9-dのデータ取得用端子です。
▲MOSFETを用いた電源としての動作
既成のリモコン送信器の光を受光素子PH310に照射して操作していますが、リモコンの変調は利用せず光の有無として動作させています。シュミット回路SH1の入力部の0.1μFのコンデンサとSH1とSH2間の積分回路は、リモコン送信器の変調を光の有無として動作させるためです。
受光素子PH310は光を受光する度にFETQ2は、オン→オフ→オンを繰返し、セットとしては、動作→待機→動作を繰返します。オンのときの負荷は白色LED2本の直列回路で、約20mAの電流が流れます。
▲待機時の直流電源電圧の検出回路
待機時はFETQ2はオフになるので直流電源の電圧検出は、FETQ2のドレインに接続されたツェナーダイオードRD5.6Eと抵抗器3Mオームで行っています。「白色LED」に並列接続の120Kオームは、FETQ2がオフ時(待機時)にRD5.6Eと3Mオームを経由する電流が「白色LED」を経由しないようにしています。
▲待機時の直流電源Eのオン/オフの電圧
トランス1次側は、正常動作時は連続動作です。待機時は、コンデンサC1の電圧が約6Vに降下でトランス1次側をオンにし約10Vに上昇でオフになる、間欠動作です。シュミット回路SH3のロウレベルしきい値電圧とハイレベルしきい値電圧をそのままの電圧でオン/オフさせることも可能ですが、制御回路に2mA程度の電流を流せばオン/オフのインターバル時間は1S程度と短かくなるので、SH3とSH4間に積分回路を設けてインターバル時間を長くしました。
▲サージ吸収用MOV
トランス1次巻線端子に接続したMOV1(金属酸化物バリスタ)は、トランス1次電流オフ時のサージ電圧吸収用です。FETQ3とQ4のドレインに接続したMOV2は、FETQ3とQ4の保護用です。吸収するパルス電圧の大きさと使用するFETの耐圧で、MOV接続の必要性と特性が決まります。
▲トランス動作時の表示
トランス2次側に接続の「橙色LED」は、トランス1次側がオン時の動作確認用です。セットでは必要はありません。
●待機電力
図8の回路で補助電源EHの電圧が5Vのときの補助電源EH電流による「待機時待機電力」(入力電力)を測定しました。

▲補助電源電流とインターバル時間
図9-aの波形は、電源電圧ACが100Vで補助電源電流が5mAの時の間欠動作を表す入力電流です。このときのオン/オフは17mS/5.6Sで、インターバルは5.6Sになります(図9-cは、オン時の電流波形の例です)。
図9-bのグラフは、トランス1次側は100V端子を使用し、電源電圧を90V、100V、110Vに変化させて、外部抵抗器接続用クリップを使用して補助電源電流を0.2mA~20mAに変化させた時の間欠通電時のインターバル時間の変化です。補助電源電流が更に小さいときのインターバル時間はこの直線の延長線になりますが、使用部品のリーク電流による影響が大きくなります。なお、理論的には制御回路電流がゼロのときが「自己待機電力」になります。
▲オン時の電源電圧と入力電流と入力電力
図9-cの波形は、電源電圧が100Vで補助電源電流が1mAの時の、オン時の電源電圧と入力電流と入力電力(待機時待機電力)です。
電源電圧:
商用電源100V50Hz(1Hzが20mS)
入力電流:
間欠動作がオン時の入力電流(オン時間は約17mS)
入力電力:
間欠動作がオン時の入力電力(入力電力=電源電圧×入力電流)
▲「補助電源電流(電力)」と「待機時待機電力」の関係
図9-dは、制御回路電力と前記入力電力の瞬時値の積分と図9-bのインターバル時間より計算した平均入力電力のグラフです。この平均入力電力が「待機時待機電力」です。このことより、この回路では次のことが分かります。
@ このセットでは「制御回路電力」の約3倍が「待機時待機電力」になります。
A トランスの励磁電流の影響で「制御回路電力」と「待機時待機電力」の比は、電源電圧が高くなれば比も高くなり、電源電圧が低くなれば比も低くなります。
B トランスの励磁電流と使用部品のリーク電流の影響で「制御回路電力」と「待機時待機電力」の比は、制御回路電流が大きくなれば比は小さくなり、制御回路電流が小さくなれば比は大きくなります。
▲「待機時待機電力」と「自己待機電力」
図8回路の「待機時待機電力」の測定値と「自己待機電力」の推定値を記します。この数値は、使用するトランスの損失(銅損と鉄損)や半導体の損失(FETやダイオードのオン電圧等による)の特性等により多少は異なってきます。
@ リモコン使用を想定した回路で制御回路電力が10mW(5V、2mA)であれば、図9-dより「待機時待機電力」は約30mWになります。なお、制御回路電力が10mW以外であれば、図9-dのグラフより推定できます。
A 「自己待機電力」は図9-dの制御回路電力がゼロの時ですが、インターバル時間も数十分になり、[数十μW]と推定されます。
光電スイッチのように光の有無で動作するスイッチ回路等では、「待機時待機電力」≒「自己待機電力」になります。
■トランス使用回路2(トランスの1次と2次は絶縁)
図10の回路によります。この回路の基本的な考えはトランス使用回路1と同じですが、トランスの1次側と2次側には必要とする回路を各々に設けてトランス1次と2次間の情報の授受はフォトカップラを使用しています。この回路も、具体的なセットではありませんが、非常に幅広いセットに応用可能な回路です。

●動 作
基本的な考え方は図8に準じますが、図8と異なる部分のみ説明します。
▲「0点」について
トランス1次側の0点は「01」とし、2次側の0点は「02」としました。
▲補助電源と制御回路
トランス1次側と2次側は絶縁されているので、補助電源と制御回路は別々に設けました。トランス1次側は、図5に準じた回路で制御回路は2入力NANDシュミット回路を使用しました。トランス2次側は図3に準じた回路です。
▲コンセントを電源に接続した当初の動作
コンセントを電源に接続した当初は、交流電源ACの黒点側が正になれば電源電圧がツェナーダイオードRD91Eのツェナー電圧より高くなった時点でFETQ1のソースに接続されたコンデンサ6.8μFの電圧が約9.5Vに充電されます。その時点ではシュミット回路SH4の入力端子bはハイなので、トランス1次側の補助電源電圧が上昇中に、シュミット回路SH4の入力端子aが「ロウ」→「ハイ」になれば、SH4の出力は「ハイ」→「ロウ」になり、トランス2次側のコンデンサ4700μFは初期充電されます。シュミット回路SH4の入力端子aの「RD4.7J+3Mオーム」は、そのような定数です。待機時は、フォトカップラPCの受光素子が受光すれば、SH4の入力端子bがロウになるのでSH4の出力端子はハイになります。なお、交流電源ACがある電圧以上でなければトランス1次側を動作させないために、ツェナーダイオードRD91Eを接続しました。
▲フォトカップラPCの使用
待機時はトランス2次側の平滑コンデンサの電圧を検出してトランス1次側をオン/オフさせます。待機時は、「待機時待機電力」を小さくするために、フォトカップラPCの発光部の「発光」でトランス1次側が「オン」する回路にしました。
●待機電力
この回路での「待機時待機電力」と「自己待機電力」は、回路や動作から見て図8と同程度と推定されます。
6.結 論
以上述べたように、「MOSFETを用いた電源回路」を補助電源に使用した「新待機電力回路」は、下記のように非常に優れた待機電力回路になります。
@ 「MOSFETを用いた電源回路」は、基本的には「アイドル電流がゼロ」で、制御回路電流がゼロなら待機電力もゼロになり、しかも「定電圧電源」です。
A 図7、図8、図10を参考に、ラインオペレート回路でもトランス使用回路でも、回路設計者の要望に応じた電源回路の設計が可能です。
B 基本回路は単純で、使用部品は非常に少なくしかも全て汎用部品であり、専用ICは不要です。
C 「自己待機電力」は[数μW](ラインオペレート電源回路)~[数十μW](トランス使用回路で、待機時は間欠動作)になります。
「待機時待機電力」は、直流電源と交流電源で次の値が期待できます。
●直流電源では、[制御回路電流]と[電源電圧]の積の電力になります。
●交流電源(トランス使用回路で、待機時は間欠動作)で制御回路電力が[数十mW以下]であれば、制御回路電力の3倍程度です。制御回路電力が[μWオーダ]であれば、使用部品のリーク電流の影響が大きくなります。
何れの数値も従来品より2桁~6桁程度、低い待機電力です。
現在、家庭用電力の10%は待機電力であり、大型発電所の2~3コ分に相当する電力です。また、地球環境破壊をもたらす地球温暖化の相当部分は待機電力によると言はれています。しかし、世界各国の電気機器メーカーで待機電力を根本的に解決できる回路を開発したとの情報には未だ接していません。或は、この回路がこの問題の1つの回答回路になるのではと考えています。
国際的な温暖化防止の具体策を定めた「京都議定書」を日本政府は2002年6月に批准した。また、待機電力回路については一部の製品についてはトップランナー方式が採用されます。本発明回路の「MOSFETを用いた電源回路」を補助電源にした「新待機電力回路」は、製造メーカーやセット購入者に大きなメリットをもたらすと同時に、CO2の排出の削減による地球環境破壊防止に大きく貢献できる回路であると考えています。
7.関連事項
●特許について
本回路はPCT(特許協力条約)に基づいて国際出願中ですが、国際予備審査で、新規性、進歩性、産業上の利用可能性、の何れの項目も「有」との認定です。
●謝 辞
「MOSFETを用いた電源回路」を補助電源にした「新待機電力回路」の開発に関し、小電力である待機電力の測定については神奈川県産業技術総合研究所の井上 崇様、半導体の特性および回路については日本電気OBの時田元昭様をはじめ、多くの方々の助言を頂きました。ここに、厚く御礼申し上げます。
●引用文献
(1)鈴木 健;MOSFETを用いた待機電力回路の新提案,PP.80~83,電子技術,2003年10月号,日刊工業新聞社
●参考文献
(1)田淵 勝美;各種法令・規制と電子機器の省エネ化の動向,PP.2~7,電子技術,1998年3月号,日刊工業新聞社
(2)佐藤 守男;待機電力の低減に向けた省エネ型電源技術,PP.15~19,電子技術,1998年3月号,日刊工業新聞社
(3)中川 伸;待機時の省電力化を実現する電源技術,PP.32~36,電子技術,1998年4月号,日刊工業新聞社
(4)白土 敬治;自己損失2mWのスタンバイ用電源回路,PP.32~35,電子技術,2001年4月号,日刊工業新聞社
(5)中川 伸;家電製品の待機電力の低減化の小研究,PP.365~371,トランジスタ技術1997年9月号,CQ出版
(6)山岸 邦男;商用トランス用待機電力低減IC,PP.263~266,トランジスタ技術,2001年3月号,CQ出版
(7)馬場 清太郎;低待機電力電源の基礎と制御IC,PP.257~269,トランジスタ技術,2002年5月号,CQ出版
●本回路の問い合わせ先
〒230-0074
横浜市鶴見区北寺尾7-29-3
鈴木 健
TEL/FAX 045-573-6245
e-mail:
harumi@mvg.biglobe.ne.jp