核分裂反応


 1905年、アインシュタインは「物体の慣性(質量)はそのエネルギーに依存するのか」という論文を提出した。
 この中で彼は、

  1.物体が光のエネルギーを放射すれば、その質量は減少する
  2.質量とエネルギーは同じものであり、物体の質量はそのエネルギーの尺度である

 と主張した。
 私はこの論文を読んだことがないので正確なことは知らないが、簡単にいうと「エネルギーと質量は同じ」で、「エネルギーは質量と光速度の自乗の積に等しい」ということである。

 では、問題の核分裂反応について考えてみることにする。
 ウラン235という原子は不安定で、中性子をぶつけるとウラン原子核はほぼ半分の二つの原子核(バリウムとクリプトン)に分裂し、二、三個の中性子が飛び出す。この時、分裂前のウラン原子核と中性子の質量の和と分裂後の二つの原子核と飛び出す中性子の質量の和を比べると、分裂によって質量が減少しているのである。

 この欠損した質量は分裂後の運動エネルギーや、電磁波(γ線など)のかたちで放射される。
 ところで、何故、原子核は通常の状態ではバラバラにならないのであろうか?
 これは、核力と呼ばれる力が存在していて、核力が原子核がバラバラになるのを防いでいるのである。
 失われた質量は核力であり、今までのことを別のいい方にすると、「核分裂は核力を解放すること」である。


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