Compact HTMLとは
■ Compact HTMLとは
NTTドコモの、携帯電話でインターネット上の情報を見られる「iモード」というサービスがあります。既にiモード用のホームページを作ったことがある方はご存知かもしれませんが、このiモード用のページでは「iモード用HTML」という言語が使われていて、たとえばホームページ編集ソフトなどでページデータを作ると、このiモード用HTML形式のデータとしてパソコンのハードディスクにページのデータが書かれますね。
この「iモード用HTML」という形式は、「Compact HTML」という形式を元に作られています。というか、ほぼ完全にそっくりと言ってもさしつかえないくらい、そのまま「Compact HTML」の規格が使われています。ですので、厳密には、Compact HTMLはW3Cという世界のインターネットの標準規格を作る組織で決められた規格、iモード用HTMLはNTTドコモの規格という違いはあるのですが、おおざっぱには以下のような理解で問題ないでしょう。
■ そもそもHTMLとは何だ
さて、この「Compact HTML」とは何なのか、なのですが、それを説明するために、まず、そもそも「HTMLとは何か」という説明しましょう。
インターネットはいろいろな使われ方をしていますが、一番メジャーな使い方は、やはりWWW(ワールドワイドウェブ)です。最近はいわゆる「インターネット」の「ホームページ」と言ってしまったほうが通りがいいかもしれませんが。このWWWの大きな特徴は次の3つを使っていることです。
・URIs(URL・いわゆるアドレス)
・HTTPプロトコル
・HTML
たとえば、読者の方は、このページをブラウザで見られていると思いますが、このブラウザを思い浮かべてください。インターネット上には、サーバー(サービスを提供するコンピュータ)が非常にたくさんあります。そのたくさんあるうちのどのサーバーのどこからサービスを受けるのかを決めます。たとえばインプレスのケータイwatchサーバーからサービスを受けたいときには「http://k-tai.impress.co.jp/」と書きます。これがURIです(一般にはURLやアドレス、と言ったほうが通りがいいですね)。
それから、HTTPというのは、簡単にいうと、サーバーからあなたの使っているPCまでのデータを運ぶ方法です。そして、HTMLというのはホームページを作る、データの形式のことです。
ほとんどすべてのホームページデータは、この「HTML」という形式でかかれています。このケータイwatchにしてもそうです。InternetExplorerをお使いの方であれば「表示」-「ソース」メニューを選ぶと、新しく開いたウィンドウに以下のようなテキストが表示されるはずです。
<HTML>
<HEAD><TITLE>ケータイWatch ケータイ用語の基礎知識</TITLE>
<META content="text/html; charset=Shift_JIS" http-equiv=Content-Type>
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これがケータイWatchの記事を作っているHTMLデータなのです。
さて、このHTMLがWWWに使われるのには理由があります。それは、WWWというのは、ワールドワイドウェブ、つまり世界中をくもの巣のようにいろいろなページとページがつながっていて、そこをクリックひとつで次のページに飛ぶことができるようになっているわけですが、この「ハイパーリンク」という仕組みを簡単に作ることができるように作られたデータ形式がこの「HTML」だからなのです。
■ Compact HTMLの特徴
Compact HTMLの特徴は、簡単に言うならば、「小型情報機器用に非常に小さくまとめられたHTML」です。
「URI」、「HTTP」、「HTML」の3つの仕組みを使えるようにすればWWW(ホームページ)を見られる機械が作れるわけですが、この仕組み、パソコンのような大きくて能力の大きな機械で作るのは比較的楽なのですが、携帯電話のように小さな機械では、多少問題が出てきます。特に問題となるのは「HTML」の部分です。というのも、それまでのHTMLは主にパソコン上で便利なように改良されてしまったので、そのままでは画面の小さく、マウスもない携帯電話ではとても見づらく、操作しづらいものになってしまうのです。そこで、この「HTML」の仕様を決めている「W3C」という組織で、「HTML」を小さな携帯電話にあわせて改良したバージョンを作ってしまおう、ということになりました。そうしてできたのが、この「Compact HTML」なのです。
このCompact HTMLの特徴はいくつかあります。まず、「携帯機器に便利」である、ということ。
たとえば、携帯電話にはハイパーリンクはあって、マウスなどがないので、リンクがたくさんあると、そのうちから飛びたいリンクを選んでジャンプ、などすると操作が面倒になりかねません。そこで、Compact HTMLではHTML4.0でもあまりパソコンのブラウザではサポートされていない「アクセスキー」という仕組みを取り入れていたりします。これは、あるハイパーリンクがあるとしましょう。そこに「1」というアクセスキーを設定しておくと、そのページが表示されているときに電話機の「1」のキーを押すと、そのリンクを選択してくれる、というような機能です。
あるいは「リンク」のとび先をURLだけでなく、「電話番号」を指定して、リンクを選ぶと自動的に電話をかける、などということをすることもできるようになっています。
それから、もうひとつの大きな特徴としては、このCompact HTMLが「HTMLそのものである」ということです。これはEZWebなどで採用されているWAP規格が「HDML」というHTMLとは根本的に違う言語を採用したり、あるいはH"の「オープンネットコンテンツ」が基本的にテキストのみであったりするのとは、大きく違います。
このCompact HTMLは(策定当時に現役の規格だった)HTML規格のHTML2.0、HTML3.2、HTML4.0から基本的な文法はそのままで、タグなどに携帯機器に使いやすそうな部分を抜粋して抜き出して作られました。そのため、基本的な文法的は、ほぼHTMLそのものです。
iモードでは、iモード対応のソフト、たとえば、ホームページ作成ソフトなどがすぐ、数多く発売されるようになりましたが、それも、コンパクトHTMLは文法などがHTMLそのものですので、ソフトハウスも新たに作り直さなくてはならない部分が小さかった、などの利点が作用したのでしょう。
Webページ編集ソフトには、iモード用HTMLも編集できるものがいくつかある。このようなソフトが存在することも、iモード用HTMLが従来のHTMLと基本構造が変わっていない、ということが大きい。(画面はデービーソフト「iホタル・パーソナル」)
■ Compact HTMLはどのように使われているか
最初に述べたように、iモードで採用されているiモード用HTMLはほぼCompact HTMLに完全互換です。iモードというサービスは携帯電話でインターネット上のいろいろな情報をアクセスできるサービスですが、WWWの仕組みをそのまま使える「Compact HTML」と「HTTP」「URL」という仕組みは都合がよかったのでしょう。
iモード電話機以外では、たとえば、ツーカーセルラー東京のメール端末 「Cara」もCompact HTML対応ブラウザを搭載しています。つまり、このCaraでもiモード用ページを見ることができるわけです。ちなみに、このCaraで使われているのはアクセスという会社の開発した「CompactNetFront」が採用されています。iモード携帯電話の電話機組み込みブラウザにもNetFrontを元にしたブラウザが多く採用されているそうです。
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