よく周辺機器などが、組み合わせによっては相性が悪くて動かないなんてことを聞きますが、人間でもないのに、性格の不一致なんてことがあるんでしょうか。単なる不具合なんじゃないかと、疑ってしまうのですが・・・
はい。はっきり申し上げて、単なる不具合です。CPUの性能がいかに上がっても、電子部品が性格を持つに至ったケースはまだ報告されていません。性格を持たない部品同士が、(たとえそれを製造した会社同士が犬猿の仲だったとしても)感情的な行き違いから協力を拒んで動かない、ということはありえません。
ただし、不具合は不具合でも、ちょっと特殊な不具合です。トラブルが特定の相手とだけ組み合わせたときに起きるのです。他の組み合わせだと問題がないのに。
こうした不思議なトラブルが起きる原因としては、電子部品のハード的、ソフト的な「ぶれ」が考えられます。
例えば、ある2つの部品を組み合わせる場合に、接点のずれが2mm未満なら問題ないとしましょう。Aという部品は、設計上の都合で接点が1mmほど右にずれています。接点のずれがないBという部品や、接点が0.5mmやはり右にずれている部品Cと組み合わせれば、接点のずれは2mmを越えないので問題なく動きます。ところが、接点が1mm左にずれている部品Dと組み合わせると、接点のずれが2mmを越えてしまい、動かないのです。
こうしたことは、部品の形状だけでなく、電圧や、信号の形式や、通信速度や、データの量や、いろいろな要素で起こり得ます。電子部品やソフトウエアは、多かれ少なかれなんらかの「規格」に従って作られていますが、規格の解釈の違いや、製造上の誤差などで、多少のブレは珍しくありません。このブレが組み合わせによって増幅してしまい、トラブルになって現れたのが「相性」問題です。
というわけで、「相性」は決して超自然現象でもなければ、予測不能な感情問題でもありません。必ず明確な理由があります。とはいえ、特定の組み合わせでしか発生しないため、出荷前テストでは見つからないことも多く、その結果、パソコン業界では「相性が悪くて・・・」という言葉が免罪符のように使われるのです。
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