新製品の記事で「BOD」という用語をよく見かけます。ISDNルーターの記事中に出てくるので,通信関係の用語だと思うのですが,どんなことにかかわる機能でしょうか?
複数の回線を利用する機能です
マックを公衆回線網に接続して利用するなら,高速で通信できるISDNが断然お薦めです。既に,ターミナル・アダプター(TA)を使ってISDN回線を利用しているユーザーも多いでしょう。NTT地域会社が提供しているISDN回線の「INSネット64」は,同時に2回線まで使用できます。おたずねのBODは通信に2回線を利用するための技術です。
2本の回線を束ねて利用
ISDNルーターの便利さは,多機能さによって実現されています。その分だけ,カタログなどには分かりにくい通信関連の専門用語や略語が並んでいます。2回線利用できるというISDN回線のメリットを生かすためのISDNルーター選びのチェック・ポイントを見てみましょう。
重たいホームページを表示したり,1度に大量の電子メールをダウンロードするために,ISDNルーターを利用するユーザーは,2回線をまとめて128kbps通信する機能,つまり「MP」,BODをサポートしているかが重要です。
MPはMultilink PPPの略で,複数の通信チャネル(INSネット64サービスなら2本)で接続するプロトコル(通信上の約束事)です。64kbpsの回線を2本利用するので128kbpsで通信できます。ただし,これに対応したISDNルーターを用意しても,利用しているインターネット・サービス・プロバイダー(ISP)が,2回線で同時に接続できるアクセス・ポイントやサービスを提供していなければなりません。
通信回線数を調整するBOD
もし,ISPに2回線で接続できることが分かったならば,BOD(Bandwidth On Demand)対応かどうかも確認しましょう。スループットBOD機能に対応していれば,1回線で接続した後,通信量に応じて自動的に2回線に増やしたり,1回線に戻してくれます。あなたが,大きなファイルを添付したメールを送ったり,閲覧しようとしているホームページがあるWebサーバーから1度にたくさんのデータが送られてきたときには,2回線での接続に変わります。無駄に2回線で接続し続けないので,通信料金をセーブできます。
さらに,リソースBOD機能にも対応していれば,2回線を利用してISPに接続しているときでも,自由に電話が利用できます。あなたが電話を掛けようとしたり,逆にかかってきたことをISDNルーターが感知して,1回線切り離して電話用に開けてくれるのです。この機能を利用するには,NTT地域会社へ通信中着信通知サービス(無料)を申し込む必要があります。
INSネット64にはDチャネルもある
INSネット64には,これまで紹介した通信や電話での通話に利用する2本の「Bチャネル」のほかに,もう1本「Dチャネル」という回線があります。これは,通信速度16kbpsの制御用信号チャネルです。つまり,回線をつないだり切断したりするコントロール信号を送るものです。ほかには,電話料金を通知するためにも使用されます。先の通信中着信通知サービスの信号もDチャネルを使用します。
あなたが,Bチャネルを2回線使って通信しているときに,だれかが電話を掛けてきた場合,Dチャネル経由でISDNルーターに信号が届きます。そこで,通信に使用していた回線のうち1本を解放して,電話が着信するように準備します。
2回線を使った通信中に,あなたから電話を掛ける場合は,受話器を上げた状態をISDNルーターが感知して,電話のための1回線を確保するために,解放します。これがリソースBODの仕組みです。
最後になりましたが,「ファームウエア」(機能を司るソフト)のアップデート機能も重要なポイントです。最近の例で言えば,「i・ナンバー」サービスなど,NTT地域会社は新しいサービスの開発,提供を行っています。ISDNルーターのメーカーは,不具合解消や,新サービスに対応するために,新しいファームウエアを提供します。ファームウエアを更新することで,ISDNルーターに新機能が加わります。
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