プロローグ




ナパバレーの奥地からサンタクルズのビーチまで全199マイルを12人で走るアメリカ版駅伝リレー。全区間が36セクションに分かれており、一人3区間走る(連続ではない)。12人のメンバーが6人づつ2台のバンに乗りこみ、最初のバンの6人が第1区〜第6区を走っている間にもう一台のバンの6人は食事、睡眠、休息をとる。次に7区〜12区をバン2号が引き継ぎ、バン1号は休憩に入る。これを3回繰り返すわけだ。トータル25〜30時間かかるリレーなため、全員が全ランナーを応援することは残念ながら不可能なのだ。

このクレイジーなリレーに僕が誘われたのはレースの3週間前だった。学生時代は通算6〜7年陸上競技スプリントでならした足とはいえ、ロードの長距離は全くの畑違い。同じ”走る”ことに変わりは無いが、それは全く別の運動といえる。 平均すれば2日間で一人約6マイルを3回走る計算になるわけだが、各区間は均等にはされていない。9マイル近い区間もあれば3マイルの区間もある。また短くても強烈な上り坂コースもある。過酷さはまた走る時間帯にも大きく左右される、、、、

レースの2週間前、チームの中心メンバーであるパーソンズ夫妻宅でミーティングをおこない各自の走る区間を決める。協議の末、僕の区間が決まった。第8区、第20区、第32区の合計18マイルだ。もっとも困難が予想されるのは最初の第8区。7.4マイルという距離に加え、ナパバレーのもっとも暑い時間、2時半〜3時半頃順番が回ってくる。しかも強烈な上り坂が2回、、、 僕にこれが走れるのだろうか。しかし弱音をはくわけにはいかない。この日よりかつてを髣髴とさせるトレーニングが始まった。


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