レース当日の早朝6時。パーソンズ夫妻の自宅前にメンバーが集結し、2台のバンでスタート地点のナパへ向かう。8区を走る僕はバン2号に乗りこんだ。わがチームアドビルの第一走者はレズリーという女性ランナーだ。午前9時半、大勢のランナーとギャラリーの見守る中、号砲とともにレズリーがスタートを切る。ついに始まった。
バン一号がレズリーのフォローに向かうとバン2号の6人は朝食にむかう。6時集合とはいえバン2号のメンバーが走り始めるのは午後1時すぎ。ゆっくり休息しておかないと長丁場は戦えない。ナパの洒落たコーヒーショップでレースの話をしながら和気藹々とメシを食う。このなかには最難関の10区を走るチーム最年少18歳で大学のクロスカントリーチームのDJもいた。チームのエースだ。この朝食時、メンバーは皆やる気で満ち溢れていた。数時間後におこる惨劇など誰一人予想していなかった。