経験の浅いレズリーが慣れない6マイルの長丁場を苦しみながらも走りきると、バトンは次のシェリーへ。昨日の第10区に次ぐ強烈なアップヒルをも淡々と走り抜ける恐るべきスタミナ女性のシェリーが皆をアッと言わせると、次は60歳を越えているにも関わらず昨日飄々と3区間走りつづけたスーパーシニアのジョンが登場。ジョンが35区を走り終えるといよいよ最終区、ビーチへ続く36区だ。
この日のサンタクルズは僕達のゴールを祝福するかのような快晴中の快晴だった。最終コーナーを8人で回り、最後の100mに入ると沿道に押しかけた人々からのものすごい声援、レース主催側のライブミュージック、レースとは関係無くビーチで遊ぶビキニギャル達、、、大勢のギャラリーが見守る中、チームアドビルはついにゴールラインを駆け抜けた。時刻は昼1時半。パーソンズ宅集合から実に30時間に及ぶレースのフィナーレだった。
映画が一本とれてしまいそうな波乱万丈の展開、感動、フィナーレ。この30時間は明らかに単に「走る」以上の何かがあった。自分にしてみれば会社の同僚であるロイ以外の10人はこのレースで初対面。にも関わらず、30時間を共にした今、全員が数年来の親友かのような錯覚さえ覚えた。
レース後、チームの誰かがふと口にしてた。地球上の全生物の中で、単に楽しみのためだけに10マイル以上の距離を走る生物は人と馬だけなんだそうだ。
BORN TO RUN。文明が極度に発達し、生活があらゆる面で豊かになった人間社会にあって、走ることとはもしかしたらヒトが自然に帰れる唯一のそしてもっともシンプルなコミュニケーションなのかもしれない。この一点において、日本人もアメリカ人もない。
ゴール後、ビーチで開いたパーティーのシャンパンとビールとラザニアの味は一生忘れることはないだろう。
The END
マイク パーソンズ
メリーロー パーソンズ
デイブ レスペック
DJ レスペック
シェリー ホン
レズリー グリフィス
ダン ハリス
ジョン シングルトン
リック ボイル
パット サソー
ロイ バウエル
エイジ ウサミ