WMV9 V.S DivX5.0.3


2003/02/07  BoB


多くの雑誌などに"DVD―>DivXの変換で「CD-R」にDVD相当の高画質"とありますが、DivXも完璧ではありません。
厳密に言えばDVDにはかなわない訳です。

DivXの能力とは一定のサイズ以下でそれなりの画質をキープ出来るだけのもので
決して"MPEG2"に匹敵しそれを駆逐する類のものではない訳です。
DivXそのものも決してそれを目指したものではありません。

一方、正式にDVDと同等以上の画質を、より高圧縮でを謳うのが、Microsoftが発表した
WindowsMediaVideo9(以下、WMV9)です。
なんでも1.5MbpsでDVDーVideo並の画質と言っているではありませんか!

WMV9は最新の「Windowsメディアエンコーダー9」を使うことで作成できます。
ただ、ダウンロードセンターではかなりいい加減な扱いで、「Windows Media Player 9 シリーズおよび」
などというタイトルで表記されており、概要説明もWindowsMediaPlayerと共通なものです。
やる気があるんだか無いんだかさっぱり分かりません。
ダウンロードファイルが「WMEncoder.exe」であることを必ず確認してからダウンロードして下さい。


前作同様、あくまでエンコーダーですから、編集済みのファイルが必要になります。
今回はMPEG2ファイルでも取り込むことが出来るようですが、なにやら非常に重いので
huffyuvにて作成されたaviファイルにしました。

WMV9がWMV8から明らかに進歩した点として、MPEG2でおなじみVBRを搭載したことがあります。
ビットレートの必要な部分では高いビットレートで、いらない部分では低ビットレートでエンコードする事で
容量を少なく、高画質に、音楽なら高音質にといった両得になり、そこだけでも期待できます。
反面、映像と音楽の同期をとるのが難しいのです。

そのため、DivXの音楽部分として使われるMP3ではCBRにて使われるのが普通ですが
あえて今回は映像・音楽ともVBRとしてみました。
とりあえず比較対照としてDivX 5.0.3+MP3を選びます。

つまり、
WMV9(1Mbps(MAX3Mbps).VBR)+WMA(64Kbps。VBR)
DivX(1Mbps(MAX3Mbps).1-pass)+MP3(128Kbps・CBR)
の比較としました。

本来ならDivXは2-passでの比較が正解なのでしょうが、5.0.3で1-passでのVBRが追加されたようですので、こちらを使用します。



さて、とりあえず作ってみたファイルは1分30秒の某アニメのオープニング(基本ですね)を
640×480、29.97fpsにて作成したものすが、ファイルサイズは以下のようになりました。

WMV9 12372196バイト
DivX  12094782バイト

ほぼ互角です。正直、相変わらずWMV9のビットレート比によるファイルサイズはイマイチなのでしょうか?
肝心の画質ですが、圧倒的にWMV9に歩があります。 前作のWMV8など、正直比較対照にすらなりません。
念のため、ビットレートを落として実験してみたのですが、WMV9は600Kbpsですらそこそこ使い物になるほどでした。
WMV8は800Kbpsでは全面モザイクの話にならない画質でしたから、隔世の感があります。

一方、DivX5.0,3ですが、なにやら画質がよろしくありません。 特に、赤色部分で著しいブロックノイズが見られます。
ただし、動画のサイズを見たところ、DivX5.0.3は5.0.2と同じ感覚で扱って良いコーデックでは無い感があります。

有名な話ですが、DivX5.0〜5.0.2では設定したビットレートを守らないというバグがありました。
そのため、予定していたサイズよりも大きくなりやすい性質があったのですが、5.0.3ではそれがかなり正確に守られているようです。
(注) 2003/02/07現在、DivX5.0.3のDecoder PropertyでQuality Levelが保存されないという現象が発生しています。
そのため、5.0.2での1Mbpsは1.1Mbps程度は見ておかなければならないようです。
と言う事は、WMV9の圧縮率はDivXをかなり上回っている と見て良いようです。




画質・圧縮率ともDivXを引き離したWMV9ではありますが、決して完全無欠ではありません。
わずかですが、DivX同様 赤色に弱いようです。
特に、赤と黒が境となるような画像の場合その部分にかなりはっきりとしたノイズが見られます。
この欠点はビットレートをかなり上げないと解消出来ませんでした。
現実では赤・青・緑の三原色の内、最も使用頻度の低い色と言われているため
わざと赤を軽視することで圧縮率を向上させたのでしょうか。

逆を言えば、赤が強く出るソース・・・アニメや爆発シーンの頻繁に起こる特撮などには、やや不向きなようです。
これは未だに「パソコンで使われる動画=DVカメラで撮影された記録映像」の幻想を引きずっているためなのかも知れません。
もうひとつ、もっと巨大なソース(18GBほど)のAVIファイルをWMV9に変換してみたところ、
動きの激しいシーンでのコマ落ちが見られることがありました。
元動画の内、その前後部分のみ切り出して再変換してみたところ、同じ現象は再現されませんでした。
恐らく、エンコーダーが完全では無いものと思われます。

また、AviUtlやTMPGEnc.で直接出力出来るDivXに対し、一度別のAVI形式で出力しない限りWMV9に変換出来る唯一のソフトである
Windowsメディアエンコーダーで可能なのはせいぜいインターレースの解除程度であり、
ノイズ取りなどの加工が行えないこと、エンコーダーの変換速度がきわめて遅いことなど、
中堅クラスのユーザーを取り込むには環境の整備が不十分過ぎると言えます。
フィルタ処理の行えるエンコーダーが出ない限り、テレビ番組用のコーデックとしてはこれからも主役になり得る事は無いと想います。
ただ、それを考慮に入れても画質は高いため、時間と容量に余裕のあるヘビーユーザーならば、むしろ積極的に使うべきでしょう。







WMV9用エンコーダーの設定
相変わらず一度ウィザードを立ち上げないとダメな方式のため、細かい設定が面倒になっています。
もっとも、ウィザードを完了させてもすぐにエンコードが始まるわけでもないので、いちいちやってもさほど手間にはならないでしょう。

それなりにファイルサイズの低いファイルを作成したい場合、ウィザード画面で
・「ファイルの変換」 「次へ」―>「ダウンロード ファイル」 「次へ」―>「ビデオ(DVD) 品質ビデオ(1Mbps) オーディオ(CD) 品質オーディオ(VBR)」「完了」 「圧縮」―>「編集」
とクリックし、オーディオ・ビデオとも 「ビットレート VBR」を選択。
その後、画面下の「対象ビット レート」項目中の数字(「1073Kbps」などとかかれた部分) 「編集」
を選べば、その項目でほぼ思い通りのビットレートを選ぶことが出来ます。
準備が出来たら
「プロパティ」―>「エンコードの開始」 で、エンコードを行うだけです。



DivX再生ロゴの消し方
スタートメニューから
・「DivX」―>「DivX Pro Codec」―>「Decoder configulation」と選択
・「Quality Settings」を選択―>「Disable Logo」をチェック これでロゴは消えます。

この項目の中に「Quality Lebel」があり、変更したいところですがバグのため変更しても保存出来ません。
保存するには
・\Program Files\Windows Media Player\mplayer2.exe(要するに、メディアプレイヤー6.4)を起動した後
適当なDivX圧縮AVIファイルを起動―>「ファイル」―>プロパティ―>「詳細設定」
「DivX Decoder Filter」「プロパティ」
ここから変更すると、なぜか保存されます。