歩行者ITSは様々な機関で研究、実験されているようなのでまとめてみた。
特に、バリアフリー法の不足部分(交通機関以外でのバリアフリー、歩行補助)を補えそうかどうかについて注目してみた。
(勝手にリンク、画像を表示しています)
1.
日立福祉総合システム白杖+ICタグ、GPS+音声案内

(1) 位置検出:路面の視覚障害者誘導用ブロックにICタグを内蔵します。ユーザーは白杖に内蔵されたアンテナによりICタグの位置情報(ID)を取得します。
(2) 経路案内情報提供:位置情報と方向センサの方位情報を用い、ユーザーに適切な経路の案内を行います。情報は歩行者端末から音声で提供されるとともに地図表示なども可能です。
(3) その他の情報提供:危険個所(階段など)では警告を行います。公共交通の時刻表、公共施設のご案内など、さまざまな情報提供を行います。
(日立福祉総合システムより抜粋)
→(1)は視覚障害者向けだと思われるが、視覚障害者が誘導ブロックを歩行している限りは安心できる、が誘導ブロックが切れた場合は他に何らかの誘導システムが必要になる。
2.
国土交通省 国土技術政策総合研究所 道路研究部 道路空間高度化研究室歩行者へのアンケート結果を公開している。具体的な提案は無い。
3.
沖テクニカルレビュー 新免 修氏 2001年7月 第187号 Vol.68 No.3 (PDF)沖電気も国土交通省のITS共同研究に参加しているため、Bluetoothと白杖による歩行者支援システムを研究成果を公表している。歩行者ITSの概要から説明しているので、研究論文としてまとまっている。
→なぜ無線LANではなくBluetooth? 誘導ブロックにマーカー(ICタグ?)を埋め込むアイディアは日立と同じ
4.
国土交通省 歩行者ITSの公開実験について このページは実験の予告だけだが、歩行者ITSの現状の問題点を提示している。
統一されたシステムの必要性
これまでにも音声等の情報提供により身体障害者などの歩行を支援するシステムがいくつかの地域で導入されていますが、『他のまちに行くとシステムが使えなくなる』『一つの端末では限られたサービスしか受けられない』などの課題があり、どこでも同じ機器を用いて利用できる統一したシステムの開発・整備が強く求められてきました。(歩行者ITSの公開実験についてより抜粋)→この実験結果のページは見つけられなかった。
5.
国土交通省道路局 円滑な移動環境を提供する歩行者ITS社会実験名古屋市ITS推進協議会(WG1 歩行者ITS)が栄地区で5ヶ月間(平成15年10月頃~)実験予定。

青眼者へはPDAで、視覚障害者には白杖+ICタ+PDA音声情報で案内する。
今はまだ準備中のようなので、結果を見守りたい。できれば体験したい。
6.
NEC 研究者が語る先進技術への取り組み 雨宮 秀樹氏携帯電話+Bluetoothによる経路案内、周辺施設・店舗案内を提案している。

→携帯は多国籍対応としているが、画面ベースのシステムのようで、視覚障害者が利用できるかどうか。
7.
インターネットを利用した歩行者ナビゲーションシステムの構築 芝浦工業大学 平成14年度 学位論文 SHINOZAKI-LAB?インターネット+何かの端末+3D空間の経路案内。
ビル内の階数も含めた3D経路案内、という点では興味深い研究結果だ。ただ利用端末と視覚障害者への考慮が無かったのがちょっと残念。
8.
交通工学研究会 ITS研究委員会 座談会 No.13 (
一覧)
iTS Web Forum という組織の座談会。研究と言うよりは様々な有識者の座談会を公開している、が雑談と言えども最新の情報と適切な資格でレベルが高い。
そういう歩行者ナビをつくり上げなければならないとき、単にソフトを持ってきただけじゃだめなわけですね。商店街の人たちが自分たちで、この道路というのはどういう道路なんだということを見ていかなくてはならない。そこで自分たちの町のことに対して、いろいろ違った目で、視覚障害者の立場で見たり、車いすの人、あるいは外国人の立場で見ることになる。そういうところで、実は中心市街地活性化みたいなものにつながってくるかもしれない。だから、歩行者ITSは結構芽があると思っているんですよね。(座談会より抜粋)
地域が主体となって歩行者レベルの情報を集める必要がある、それが活性化につながる と言う意見は納得させられた。視覚障害者の意見も入れている。
ちなみにこのサイトの組織がよく分からなかったが、どうやら社団法人 交通工学研究会という団体らしい。
年5000円で正会員になり機関紙が届く。個人で参加している人は何名だろう。参加しようかなぁ...
[[[ 総括 ]]]
以上のサイトを見て気づいたことは、
1. 国土交通省の呼びかけに応じて全国各地で実証実験は進められている。が、実際に稼動を開始したという情報は見つけられなかった。
2. 青眼者と視覚障害者を別々の視点で考慮している研究者としていない研究者がいる。
3. 企業のシステムでは誘導パネルのICタグ+白杖システムの研究が多い。
4. システムの目的やユーザーを限定せずに、1つのシステムで全てのニーズに応えようとしているケースが多い。
5. カーナビとは違ってマクロなナビゲーションなので、地域密着度が高い。ただし、インターフェースは全地域で統一する必要があること。
もっと視覚障害者の意見をどんどん取り入れて研究を進めてみたらどうだろうか。
で、次回から具体的に自分で端末を提案してみる。