Tsunami(Storm Serge)





 ここでは主にJ700のについて記述する。
 このマザーボードはAppleのPowerMacintosh9500などに用いられたTsunamiマザーボードの改良型である。Tsunamiの特徴として、
  •  PCI拡張スロット 6基
  •  オンボードRAM 16MB(インターリーブ)
  •  2系統SCSI (内蔵FAST SCSI-2、内外SCSI-1:53C94互換)
  •  内蔵Video無
  •  CPUはドータカード形式
  •  EtherNet 10Base-T,AAUI*1
  •  512KB SRAM Level2 cache(オンボード)
  •  2シリアルポート(GeoPort対応)
  •  サウンドin,out
  •  12 DIMM スロット*2
  •  PRAM保持用リチウムイオンバッテリ
  •  1 FDDコネクタ
がある。これに以下の改良をUMAXが加えたのがJ700やS900、Pulsar、MicroBook Power 604系に利用されているStorm Sergeである。ちなみに私のマザーボードはRev.Cなので、少なくとも3種類存在するようだ。
  •  PCI拡張スロット 6基、もしくは4基
  •  8 DIMM スロット*2
  •  セカンドCPUスロット(A.S.P.D.)*3
  •  2 ADBポート
  •  DEC 21052 PCI-PCI ブリッジコントローラ
  •  E100 UltraSCSI/100Base-T card用 1PCI拡張スロット
  •  フロントAudioジャック(in,out)
  •  シリアル、10Base-T,AAUIの通信ポートがカード形式*4
  •  セカンドCPUスロット。

     Storm Sergeの特徴としてセカンドCPUスロットがある*3。ここにA.S.P.D.対応のセカンドCPUカードを取り付けることによってマルチプロセッサになる。メインCPUカード上にジャンパピンのようなコネクタ*4があるが、これは、セカンドCPUスロットにもう一つの専用セカンドCPUカード*5をとりつけて、両方のコネクタ同士を専用ケーブルで繋げて使用するためのものである*6。したがって、市販されている通常のCPUカードを購入してセカンドCPUスロットに取り付けても動作しない。もちろん、セカンドCPUスロットだけにCPUカードを挿しても動作しない。ちなみに、メインCPUスロットには9600,8600用以外のCPUドータカードを取り付けて動作させることが可能である*7。また、メインCPUカードがMP Cardの場合はセカンドCPUカードが利用できないらしい。セカンドCPUカードを挿すと、空間的制限により、1番上*8のPCI拡張スロット('A')には6インチの長さのPCI Carしか挿すことができなくなる。
     セカンドCPUプロセッサにはメインCPUカードと動作周波数の異なったセカンドCPUカードを取り付けることができる。ただし、バス周波数はメインCPUカードで決まる。PLL設定はそれぞれのカード上のPLL抵抗の位置で決まるので、バスクロックに対するCPUクロックの倍率はそれぞれのカードの設定のままである。例えば、メインCPUカードのCPUクロックが233MHzでバスクロックが46.66MHz(46.66MHz×5)、セカンドCPUがCPUクロックが200MHzでバスクロックが50MHz(50MHz×4)の場合、バスクロックは46.66MHz、メインCPUクロックはそのまま233MHz、セカンドCPUクロックは倍率が4倍のままであるから、186.66MHzになる。
     セカンドCPUスロットの利点としては、マルチプロサッサにする際に挿し換えではないので、メインCPUスロットに元々あったCPUカードを無駄にしないでいいことがあげられる。*9

  •  DEC 21062 PCI-PCI ブリッジコントローラ。

     PCI2.1のところでも記述したが、Storm Serge系マザーボードはPCI 2.1規格でサポートしているPCI-PCIブリッジコントローラを搭載している。このコントローラのおかげで、PCI Card間のデータ転送が高速に行なえる。PCIコントローラ自体、CPUに依存せずにRAMやSCSIなどのバス同士のデータのやりとりを行うことができるのだが、上*82つのPCI拡張スロットを制御しているPCIコントローラはCPU、RAM、オンボードSCSIをはじめとするI/Fがぶらさがっていて、PCI Card-PCI Cardの転送だけに限れば、下側*84つのPCI拡張スロットだけを制御しているDEC 21062 PCI-PCIブリッジコントローラのほうが速い。動画取り込みに高速なI/Fを用いる場合などに性能を発揮するであろう。これに対してTsunamiマザーボードを用いた9500ではPCI-PCIブリッジコントローラではなく、Banditを2つ積んでいて、両方のPCIコントローラがCPUやI/O、PCI拡張スロットとやり取りを行う。
     J700はPCI 2.1規格に準拠している。従って、PCI 2.0対応のPCI Cardのうち正常に動作しないものもあるかもしれない。その場合の多くはDEC 21062 PCI-PCIブリッジコントローラを通さない、上*82つのPCI拡張スロットを用いると解決するかもしれない。
     Video Cardなど、CPUやRAMとデータのやり取りを頻繁に行うPCI Cardは上*82つのPCI 拡張スロットに挿すと若干高速(1.2倍程度)に動作するようだ
     PCIコントローラ関係図(152KB)

  •  E100 UltraSCSI/100Base-T card用 PCI拡張スロット。

     Storm Sergeの一番上*8のPCI 拡張スロット('A')は他のPCI 拡張スロットと異なり、AUX Connectorが横にあり、特殊なCard(E100 UltraSCSI/100Base-T card)が挿せるようになっている。E100 UltraSCSI/100Base-T cardはその名の通り、100Mbit Ehternet(100Base-T)とUltra-SCSI2のコンボカードである。この両方の機能は、物理的にはPCI Slotを共有しているが、信号はPCIバスを共有できないので、Ethernetの信号はAUX Connectorを利用するようになっている。
     もちろん、E100 cardを挿していない場合は通常のPCI Cardをこのスロットへ挿して使うことも可能である。

  •  Audio 入出力。

     Apple製のPowerMacintoshのほとんど(63xxや5xxxは除く)がAudio入出力を背面に備えている。したがって、ヘッドフォンを使う場合などは少し長めのコードのものを使う必要がある。ところが、Storm Serge系では前面にもAudio 入出力があり、ささやかなことではあるが、便利になっている。もちろん背面にもAudio 入出力があり、そちらも使えるようになっている。
     ただし、前面と背面のAudio入出力は同時に使うことができない。いままでのApple製Macintoshと同様、コネクタにジャックを差し込むとそこが優先される(他がcutされる)仕組みになっている。何も差し込まないと、出力では内蔵スピーカーが、入力では「切」かCD-ROMが選ばれるようになっている。

  •  8 DIMM スロット。

     8本あるDIMMスロットに128MB 168pin DIMM(5V)を挿すことによって最大1024MBまでのRAMをサポートしている。また、違う組(A or B)の同じ番号(1〜4)のスロットに同容量でかつDRAMの構成が同じもの(DRAM Chipの1個あたりの容量、アクセスタイムが同じ)をペアで挿すことによってインターリーブが利用できる。

  • *1:Tsunamiではオンボード。Storm Sergeではカード形式で、マザーボード上のスロットにそのカードを挿してある。
    *2:TsunamiはDIMM 12スロット。Storm Sergeでは8スロットに減っている。
    *3:PCI拡張スロットが6基ある後期型のみ。J700の4PCI拡張スロットモデルにはパターンのみある。
    *4:このコネクタのpinは3つほどショートしてある。これはメインCPUカードだけで使う際にはショートしておく必要がある。
    *5:専用セカンドCPUカードにも同じようなコネクタがある。
    *6;このときにはコネクタ上のジャンパ3つははずす必要がある。
    *7:しかし、コネクタのないメインCPUカードだと、当然セカンドCPUドータカードは使用できない。
    *8:ここで記述している上下とは、PCIスロットを横にして、電源側が上。 *9:しかし、専用のセカンドCPUカードを売っているのを見たことがない。


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