SC-3000にするの?
SC-3000は当時のパソコンとしては、定価\29,800と言う破格値で発売された。その当時業務用テレビゲームに陶酔しきっていた私は、迷わず親を拝み倒して購入資金を手に入れることに成功した。
この時点での選択肢はもう1つあった。それは「ぴゅーた」。同じ価格帯で日本語BASICを装備していた。日本語BASICと言ってもN88日本語BASICとはわけが違う。日本語によってプログラムが組めるというシロモノだ。
「おっ、なんか簡単そうじゃん」と思わせる裏には、ただ単に「IF」を「モシ」、「THEN」を「ナラバ」と文法が置き換わるだけという、今にして思えばよけいわかりづらい仕様となっていた。
そんな「ぴゅーた」ではあったが、なによりもほとんどSC-3000を買うことを決めていた私の心を深く揺り動かしたのが、BASICマガジン誌に掲載された「ぴゅーた」の野球拳ゲームであった。この衝撃は当時清き高校生であった私に宮田くんのカウンターパンチのように深く突き刺さったのだった。
SC-3000にするか「ぴゅーた」にするか、その時私は自分の頭をZ80CPU程のスピードでフル回転させ、以下の方程式を完成させたのだった。
家庭用パソコン → パソコンをテレビにつなぐ → 家のテレビは茶の間と台所の2台 → 茶の間のテレビにつなぐ → 野球拳は出来ない = SC-3000を買う
後日、この方程式を「家庭の事情式」と名付け、SC-3000を買うことを決心したのであった。
SC-3000を買ったもののなんかおかしいぞ?
そんなわけで、私はSC-3000を当時わが町唯一のスーパーマーケットにて購入すると、愛車ブリジストンのロードマンにまたがり、8MHzのサイクルでペダルをこぎつつ家路を急いだ。
家につくと取るものもとりあえず、さっそくテレビとの接続を始めた。SC-3000にはビデオのコンポジット出力端子がついていたが、家にあるテレビはどれもコンポジット端子を持っていなかったため、RFコンバータを介してアンテナ端子に接続することになる。このことが、当時2.0あった私の視力を2年後に0.7そして今現在に至っては0.3まで落としめるとは、この時は知るよしもなかった。
接続完了!確かに何もかもが怖いくらいうまく行きすぎていた。そう電源を入れるまでは.....
今まさに、我が家に初めて来たパソコンの画面が我が家の茶の間のテレビに映し出されようとしいてた。今日から僕もプログラマーさ。沸き上がる興奮を押さえつつ、震える指先で電源スイッチを静かに押した。
いでよSC-3000の画面んー。
.....???画面が出ない。
アンテナの接触が悪いのかといじって見るが、いっこうにして画面のでる気配すらない。
これは何かおかしい。もしかして初めから故障していてのか?(当時、初期不良と言う言葉は私のボキャブラリーには存在していなかった)
よくよく説明書をひっくり返してみる。と、BASICの文法書がついていないことに気づく。そしてトドメはBASICを使用するには別売のカートリッジが必要だと.....必要だとー?
だまされた...
だまされたわけではない。単に調査不足。しかし、カタログもない、ましてや「君きみーSC-3000は別売のBASICカートリッジがないとプログラマーになることはできないよ。」と教えてくれる手練れのパソコンオヤジがいるわけでもないこんな田舎町では、いたしかたのない事ではあった。
で結局プラス\15,000を追加投入してBASICカードリッジLevel3Aを購入することになったのだった。
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