VSA-100について


1999年11月15日に発表のあった新しいVoodooソリューション「VSA-100」を 利用するカード「Voodoo4 & Voodoo5」はその形態からかなりの大掛かりな システムであることがわかります。
製品を入手するは2000年の3月あたりまで待つことになりますので、ここでは 3dfx社が公開した情報を元に「机上考察」してみたいと思います。
なお、内容は極めて個人的な想像を含んでおり誤った解釈などもあると思います。
参考にした情報は3dfx社で広報されているものに限定しています。

Voodoo4及びVoodoo5はVSA-100と呼ばれるコントローラによって実現されるシステムの名称です。
VSA-100は次のような機能を持っています。

	AGP(x4)バス及びPCIバスへ接続して利用

	64メガバイトのメモリ空間を制御

	32bit/pixelの出力と24bitのZバッファ及びダブルバッファ、
	8bitのステンシルレンダリング

	32bit/pixelで最大2048x2048pixelのテクスチャ制御

	350MHzのドットクロックをもつRAMDACを内蔵

	166MHzから183MHzの動作クロック

	333Mpixelから367Mpixelの処理能力

	0.25uプロセスルールによる6層メタル、14Mのトランジスタ回路

ゲーマーにはこのような数値の情報はどうでも良いでしょう。
ゲームが快適ならどうでもいいような内容ばかりです。
詳しく知りたい場合は公開されている3dfx社のドキュメントに目を通すと良いと思います。

Voodoo4及びVoodoo5のシステム構成は3dfx社のコンテンツにすべて掲載されていますので
ここでは割愛します。
私が注目しているカードは「Voodoo5 6000 AGP」という製品です。
このカードをベースに考察してみます。

Voodoo5 6000 AGPでは QUAD SLI つまり VSA-100 x 4 となり、さらに1つの VSA-100 が(恐らく)
32M のVideoMemory空間を与えられることになります。
これは 1600x1200x32bpp の解像度でも1つの VSA-100 には 16M以上のテクスチャ空間が割り当て
可能ということがわかります。
AGP x4に対応することでこのテクスチャ情報を全ての VSA-100 に送り込みあとはボード上で
すべて完結することによりバスの飽和を避けているようです。
既に1つのコントローラで高速化させることにはバスの飽和が問題になりVoodoo2 SLIのような
技術の延長となる 4 SLI は極めて現実的なアプローチだと考えています。

SLI技術は1つの VSA-100 にかかる負担を小さくすることでより大きな描画範囲での性能低下を
防ぐ効果が期待できます。
例えば 1600x1200 のピクセル空間に対して、1つのVSA-100が担当すべき範囲は 800x600 と
同等であることがわかります。
これを4倍すれば1600x1200と同じピクセル数になります。

しかしながら、これらはVoodoo2 SLIと同様にシステムの一部が冗長な構成であることに
変わりがありません。
これはコストアップに繋がるだけでなく装置の複雑化からくる品質に影響を与えます。
また、極めて古めかしい印象を与えるのは、基本技術がQuantum3D社の古いプロダクトである
「Obsidian 100SB」からなにも進化していからであると考えます。
このObsidian 100SBはVoodoo Graphicsチップを多重ユニット接続し、当時としては衝撃的な
ゲームパフォーマンスを示すビデオカードでした。
VSA-100では、せめてテクスチャメモリ空間の冗長な保持を共有(シェアリング)するくらいの
進化があってしかるべきではないかと考えます。
ソフトウェアの世界では共有できる要素はシェアリングして効率を高めるのは極あたりまえに
行われています。

ジオメトリエンジンやハードウェア T&Lへの対応は、その効果がよくわかりません。
プロ用OpenGLカードでジオメトリエンジンを積んだカードは大抵Voodoo2 SLIより
ゲーム(QUAKE ENGINE)での性能は小さいことを思い出して下さい。
ハードウェア T&Lはそれがあるとどんなアドバンテージがあるのか現在では不明です。
おそらくより多くのポリゴンを速度低下を押えて処理できると思います。
ポリゴン数が増えればより滑らかな形状を実現できますが、これらモデル作成にかかる
デザイナー側の負担も考慮すべきかもしれません。
もっと多くのゲームベンダがポリゴン数を増やしてデザインする時期になればこの技術が
評価されるようになると考えます。
但し、現在のCPUより十分に高速な計算能力がないと実装の意味が薄れることに
注意しなければなりません。
中途半端なDSPは足かせになることを理解すべきでしょう。

VSA-100では以下のような魅力的な機能を提供します。

	ハードウェアリアルタイムアンチエリアシング
		-> ジャギーと呼ばれるギザギザをハードウェア処理で滑らかにする技術

	フィールドフォーカス
		-> 任意の描画された最終画面に前面や後面にぼかし効果を与える技術
	
	モーションブラー
		-> 高速に動く物体に残像効果を与え、ダイナミックな表現を与える技術

	ソフトウェアリフレクション&シャドウ
		-> 鏡面反射をAPIレベルでサポートする技術

	シングルパス、シングルサイクルで以下のような処理を実現
	「マルチテクスチャリング」「バンプマッピング」「トライリニアミップマッピング」
		-> より高度なレンダリングを高速に実現

	1ピクセル単位のミップマッピング及びアルファブレンディング処理を行える
		-> より精密なレンダリングを実現

	ダイナミック環境マッピング
		-> 環境マッピング処理は動的に処理し、あらかじめ計算された結果を
		   表示する形式よりもリアルな表現を実現する

	圧縮テクスチャのサポート
		-> より精密なテクスチャリング表現を実現

これらはゲームユーザにおいてはとても歓迎すべき機能であることをプロダクトスペックシート
から読み取れます。
ゲームベンダにとってもこれらのサポートによりより高い表現力を持つ出力結果を実装して
いくことが可能です。
もちろんゲーマーさらにエキサイティングな出力結果に酔いしれることができます。
これらのメソッド群のいくつかは、現在リリースされているゲームタイトルでもその効果を期待できる
ことも重要です。
すでにプレイ寿命を終えたゲームも、このVoodoo5で再度プレイすれば新鮮なグラフィックスと
快適な速度を得られることでしょう。

ビデオカード側の高速化に合わせてCPU側の性能にどの程度依存するかや、どの程度を
必要とするかを心配するのは Voodoo Graphics や Voodoo2 SLI ユーザなら気になるところです。
これは実際に入手してから議論すべきことで空論であれこれかたるのはどうかと考えます。
むしろ最大の問題は Glide / OpenGL の互換性と考えます。
QUAKE系エンジンは大丈夫だと思いますがUNREAL系エンジンやその他Glide対応ゲームでは
パッチなどの対応が必須になることが容易に予想されます。
これは過去のゲームベンダの対応状況を考えれば、それほど神経質になるほどでもないでしょう。

SLI化しVoodoo5としたのはGeForceやMAXXの影響であることは間違いないと思います。
VSA-100単体での性能(つまりVoodoo4)では太刀打ちできないと考え多重SLI化を急務とし
Voodoo5というソリューションを先出ししたと考えます。
あるいは3dfxマニアであればご存知のあるジンクスが影響しているとしたら面白いですね。

  Voodoo Graphics	=> 成功
  Voodoo Rush		=> 失敗
  Voodoo2(SLI)		=> 大成功
  Voodoo Banshee	=> 失敗
  Voodoo3		=> やや成功
  Vodooo4		=> 失敗?
  Vodooo5		=> 成功?

私はVoodoo Graphics,Voodoo2 SLI,Voodoo3 3000 AGPを所有していますがいずれも購入の価値
があったデバイスであることを付け加えておきます。

このVoodoo5がどうなるかは3月まで待たねばなりません。
「想像」は想像以上での以下でもないからです。

本内容は不定期に更新・修正・追加していく予定です。


written by pentium