Voodoo History
私がVoodooGraphicsチップを搭載した「Diamond Monster3D」を購入したのが1997年の半ばごろだった
と思います。
QUAKEをより高速に、そして美しく描画できる3Dデバイスはなにかを模索していた時のことです。
3Dアクセラレートカードといえば S3 ViRGE という時代ですから MATROX Mystique や nVIDIA NV1 や
3D Labs Permedia2 も候補に上がっていました。
より、3D系のパフォーマンスを引き上げたチップもあり NEC PowerVR や Rendition Verite V1000L や
TriTech Pyramid3D そして「3Dfx VoodooGraphics」もそのひとつでした。
NEC PowerVRはGraphicsWorkstationなどで利用される業務用ボードを手がけていることもあり
期待が大きいものでした。
Add-on方式で既存のビデオカードと組み合わせて利用することや実質販売価格が安いなど注目される商品でした。
販売された製品にはSEGAの「バーチャロン」が添付され、人気商品となりました。
PowerVRに対応した既存のゲーム用パッチも多く、いまだこのボードを愛用している人も多いと思います。
nVIDIA NV1は早い段階で製品化されDiamond Multimedia「EDGE 3D」という商品がリリースされました。
これはSEGAの人気ゲーム「バーチャファイター」が添付されており、このボードは国内で人気が出ました。
しかし、このボードは高価であったにもかかわらず対応OSが限られ、さらにPowerVRのようなファンなサポートは無く
「裏切られた」と感じるユーザがほとんどでした。
私がnVIDIA嫌いなのはこの時の状況を良く知っていたからかもしれません。
Rendition Verite V1000Lはもっとも私の目的に合っていました。
それまで3D Labs Permedia2のOpenGLネイティブカードを購入しようと考えていましたが、添付ゲームが「QUAKE」で
あること、640x480で30fps Overのうたい文句、Canopus製というキーワードから「Total 3D」の購入はほとんど
決まりかけていました。
実際、このV1000Lに対応する既存ゲームパッチはPowerVRと同様、とても多く存在していました。
TriTech Pyramid3Dは驚くほど精密なレンダリングとライティング効果を持つチップでしたが、製品化された様子は
無く、エンドユーザには「そういう高性能なチップがあった」という印象しか残りませんでした。
この「本格的3Dアクセラレータ」製品群の中に3Dfx InteractiveのVoodooGraphicsがありました。
他のカードよりも複雑な実装(2つのコントロールチップと1つのDAC)やパススルー形式で出力されることや
16bppでフルスクリーン表示のみといった制限が目立ち、あまり妙味をそそるものではありませんでした。
気になるのは各社がネイティブな専用3D APIを示すなかで、実際に対応したソフトウェアが存在している
「Glide」の存在でした。
実際の製品としてはDiamond Multimedia Monster3Dが有名ですが、最初に製品化されたのがこのボードだった
からではないかと思います。
どのカードを選択するか?既にソフトウェアレンダリングによるQUAKEのフレームレート向上は難しいと感じて
いた私は次の情報を目にしました。
id SoftwareのGL-QUAKE開発メンバへのインタビューで「開発ボードは3Dfx VoodooGraphicsだ」の
ひとことでV-QUAKEに対応していたVerite V1000L搭載の「Canopus Total3D」の購入を止めて
「Diamond Monster3D」を購入しました。
VoodooGraphicsでQUAKEを楽しむには「GL-QUAKE」を入手する必要がありました。
こういった情報は海外の「3Dfx Maniacs」(現3D FILES COM)がメインでした。
id Softwareのftp siteにあるGL-QUAKEのファイルアーカイブに記述された情報を元に設定・実行を
行うと驚くほど滑らかにそして美しくレンダリングされた世界が飛び込んできました。
若干気に入らない効果(ロケットラウンチャの弾の光効果など)もGL-QUAKEのコンフィグレーションを
調整することで回避できましたし、影の表示、水面の透過効果、反射効果など設定を弄ることで
かなりの表示能力を生み出すことが可能でした。
これらの情報の多くも海外サイトで見つけ出すわけですが、このころから国内サイトと海外サイトの
質の違いを感じています。
国内サイトに興味を失っていたところ「Voodoo Japan」を発見することができました。
コアゲーマー御用達となったVoodooGraphicsとGlideAPIに関する情報が毎日のように更新されており、
海外サイトからのピックアップ情報とはいえ、とても便利に利用していました。
今は更新が止まりその存在意味の薄くなってしまった「Voodoo Japan」もこのいささかマニアック
なカードについて情報交換するのに最適な場所でした。
このサイトが公開していたBBS「Voodoo Japan BBS」通称「VJ BBS」は海外で得たマニアックな
VoodooGraphicsに関する情報やGlideパッチの情報、あるいはユーザ自身による情報などが投稿
され、情報の宝庫でした。
私も「QUAKER」のハンドルで投稿していましたが、サイトのBBSアクセスに対するサーバ負荷が
問題になり、BBSだけ閉鎖されてしまいました。
4ヶ月ほどたったでしょうか、PlayOnlineのサーバにBBSを置くことができるという状況が発生し、再び
コアゲーマー達が集まることになりました。
私もハンドルを「PENTIUM 666MHz」に変更し、情報交換の場に参加していました。
また、VoodooMLの発足が投稿され同様に参加していました。
Voodoo2が発表されると、SLIと呼ばれる技術を中心に多くの情報交換が行われました。
私自身は情報をハードウェア中心にまとめる意味を含めて「Voodoo Power」というサイトを
立ち上げました。
QUAKE IIがVoodooGraphicsでは快適性に欠けていたことがVoodoo2の購入に繋がるのですが、
SLI化するにはVoodooMLでのSLIの感想が影響しています。
SLI時のパフォーマンスは他のカードを圧倒し、1024x768という解像度でのゲームを約束してくれる
唯一の存在でもありました。

上から「VoodooGraphics搭載 Diamond Monster3D」、「Voodoo2搭載 Diamond Monster3D II」、
「Voodoo3搭載 3dfx Voodoo3 3000 AGP」、「VSA-100搭載 3dfx Voodoo5 5500 AGP」。
初代VoodooGraphics搭載ボードは以外と大きかったことがわかります。
また、最新のVoodoo5 5500 AGPがとても大きなカードであることもわかります。
全てのボードに「放熱対策」を施してきた為、ヒートシンク付きになっています。
これはこのVoodooシリーズが大変大きな発熱を伴うことを示します。
written by pentium