大阪学院大における携帯端末による情報開示

                私情協での発表後、全私学新聞の方がきて、取材依頼があった。(全私学新聞記事

                  

                  

 

 社会のあらゆる分野で情報ネットワーク化が進むとともに、IT(情報技術)革命が今後の日本を左右する重要なキーワードになってきている。また、ビジネス界はもとより、一般家庭に目を向けても、インターネットやEメールが情報入手やコミュニケーションの手段の一つとして不可欠な道具となりつつある。こうした状況にあって学校教育の現場でも学生の情報活用能力の養成、学内コミュニケーションの円滑化、学生へのサービス向上などを目的として従来掲示板や印刷物による連絡を主にしていた学内情報を、ITを活用したモバイル環境での開示と併用する試みが始まっている。九月十九日から三日間、東京・市ヶ谷の私学会館で開催された第十四回私情協大会でも「携帯端末による学内情報の開示」というテーマで二件の報告が行われた。その中から大阪学院大学の事例を当日の発表をもとに、プロジェクトの推進を担当した庶務課の高橋誠氏にうかがった。

 

 キャンパスの随所にパソコン 自由に利用可能な環境づくり

 ―携帯端末による学内情報開示システムを導入した背景はどのようなものでしょうか。  

 本学では、これまで情報教育のための環境整備に積極的に取り組んで来ました。パソコン実習室の充実(写真1)や学生ラウンジなどキャンパスの随所にパソコンを設置し(写真2)、パソコンを自由に利用できる環境づくりに努めています。また、「パソコンは初めて」という学生に対しては、「ワード」「エクセル」などの基礎からホームページ作成や音楽・ビデオ編集などのマルチメディアに関する講習会を毎日実施しており、学生は、授業の合間に受講できるようになっています。  このように、学生が情報収集やコミュニケーションのために、パソコンを使いこなせるよう、ハード、ソフトの両面からの支援を行っています。  また、ここ数年、携帯電話が若者だけでなく、幅広く普及し、最近では、インターネットへの接続やEメールの送受信といった情報端末としての機能を持つ携帯電話も多く使われるようになりました。  このようなITの進展を受けて、本学では掲示板による掲示・案内だけでなく、学内ネットワーク「OGUNET」(Osaka Gakuin NETwork〓オグネット)を介して、学生用ホームページおよび携帯端末で、学内情報を見ることができるシステムの開発を行うことになりました。

 

 民間の研究所と共同で開発体制  ―システムの開発に当たって留意した点はどのようなことですか。  

 情報端末としての携帯電話には、場所や時間を問わず、気軽に情報を入手できる利点があります。さらに、学生に役に立つ情報をEメールで発信したり、学生と先生のコミュニケーション等の双方向のやりとりができるなど、従来の掲示板を越える機能を模索しました。こうしたコンセプトから、学生にとって役に立つ情報について考えていくと、個々の学生に応じた情報をリアルタイムに発信するための運用体制が必要になってきます。  これまでの事務処理の多くは、週次・月次・年次での集計処理・統計処理であり、リアルタイムで情報を提供していくためには、職員側の意識を変える必要がありました。このような条件を満たすシステムを構築するために、株式会社日本総合研究所サイエンス事業本部と共同で開発を行うことにしました。 パソコン、携帯電話からアクセスが可能に 履修情報などを Eメールで教員に質問も 事務の効率化実現 即座に状況把握  ―システムおよびサービスの内容はどのようなものでしょうか。  このシステムは昨年十月から休講情報などを発信し始め、現在のような内容で本年四月から本格稼働をしています。

●提供サービスの概要  

携帯端末画面例

(1)学内情報サービス2000の全体図(「Web Phoenix」と「Pocket Phoenix」)  学内情報サービス2000は、「Web Phoenix」と「Pocket Phoenix」から構成されます。前者はパソコンから、後者は携帯電話からのアクセスを可能にするシステムです。  提供する情報は、データベース上で一元管理されており、伝達メディアの属性に適応した形式にフォーマット変換して情報を提示しています。一元管理することで、「Web Phoenix」と「Pocket Phoenix」で提供されるコンテンツは同期がとれています。「iモード」対応の携帯電話または「EZweb」対応の携帯電話を持っていて、学内情報サービス2000の利用申請を行った者は、だれでも「Pocket Phoenix」を通じて学内情報サービス2000にアクセスすることができます。  

(2)学生側からみた各サービス内容  学内情報サービス2000は、呼び出しメール通知、緊急情報連絡、個人スケジュール、学年暦表示、施設予約、休講情報、試験情報、履修情報、就職情報、教員検索、学内情報(落とし物情報、奨学金情報、一般掲示連絡)の十一サービスから構成されています。すべてのサービスは学内パソコンからも、携帯電話からも利用可能です。   

1)呼び出しメール通知  学内の各課(庶務課、教務課、学生課、就職センター、国際交流課、言語文化センター、エクステンションセンター、渉外係、図書館)から呼び出しEメールが通知されます。学生は、Eメールの内容を確認し、事務室に足を運ぶか、またはメールのリプライ機能を用いて返信することもできます。   

2)緊急情報連絡  緊急情報は、学生向けトップ画面(携帯、パソコンとも)に表示されます。緊急情報が登録されると同時にEメールも発信され、学生は緊急情報のあることが分かります。  

3)個人スケジュール  学生は、自分のスケジュールを登録・照会することができます。携帯電話のトップページに、“本日の予定”ボタンがあり、このボタンを押すとその日の予定がすべて分かります。学生が携帯電話の通話時間をできるだけ削減してスケジュールを参照できるように配慮しています。   

4)学年暦表示  学生は、大学区分(大学院・大学・短期大学)別の学年暦(行事予定)を照会することができます。   

5)施設予約  対象としている施設は、一般学生用に開放しているスポーツ施設とクラブ生用のクラブ施設です。一般学生は、施設・日付を指定して、一般開放されている施設の予約状況を照会したり、予約することができます。  クラブ生は、利用スケジュールがほぼ決まっているため、基本ローテーションをあらかじめ登録しておくことで、そのローテーションにしたがって、一括予約することもできます。また、自分の所属するクラブの予約状況の照会をすることができます。   

6)休講情報  学生は、自分に関係する休講情報のみを照会することができます。他に、学部・学科・日付を選択して休講情報を検索することも可能です。教務課(または、短期大学事務室、大学院事務室)が休講情報を登録する時に、その授業を履修している学生に自動的に休講通知Eメールが配信されます。   

7)試験情報  学生は、自分が履修している授業の試験情報(試験の有無、日程、試験の形態)を照会することができます。   

8)履修情報  学生は、自分の履修情報を照会することができます。画面から授業を選択し、その授業を担当している教員にEメールで、質問やコミュニケーションをすることも可能です。   

9)就職情報  学生は、企業情報・求人情報・会社説明会情報を照会することができます。進路希望条件に合致した求人情報が就職センターで登録されると、該当の学生にEメールで通知されます。学生は、この進路希望条件をパソコンから変更することができます。また、内定報告・進路決定報告・内定辞退報告の入力や求人情報の通知を希望するか、しないかの選択も、パソコンや携帯電話から設定することができます。   

10)教員情報  教員の曜日別・講時別の出講状況を照会することができます。その教員に対して、Eメールを使ってコミュニケーションすることができます。   

11)学内情報システム(落とし物情報、奨学金情報、一般掲示連絡)  学内情報(各課からの掲示情報と、学生課が登録する落とし物情報)を検索することができます。学生は、各課から掲示される情報に対して、Eメールを使ってコミュニケーションすることができます。

(3)事務システムとの連携(リアルタイムでの状況把握と管理上のメリット)  これまでは、紙ベースで管理していた情報が、学内情報サービス2000のデータベースに登録されることにより、職員はリアルタイムに状況を把握することができます。  登録された情報は、日々の管理帳票に出力したり、月次の統計帳票を出力するなどして、事務効率化も実現されました。学内情報サービス2000で登録された情報は、ホストシステムにアップロードするなど、入力データを有効活用し、データの二重登録作業が発生しないような配慮をしています。  また、マスター情報(学籍、教職員、時間割、配当学科、履修、企業情報など)は現行ホストシステムで管理されているので、定期的にホストからダウンロードしたデータを学内情報サービス2000に反映しています 。