映画業界によるコンテンツ流通システム
映画業界による映画業界のためのパラダイム・シフトシステム構成要素
1.パラダイムの発行
まず、ファイル共有プロバイダ・パラダイム銀を設置する。映画配給会社
パラダイム社は原資1億円につき100億パラダイムを発行、会員制P2Pソフト
WinOZを提供する。入会希望者には、映像共有結社OZ会に入会すると月会費\1,000で
毎月50,000パラダイムが提供されるほか、映画館へ1回足を運んでも50,000パラダ
イム/回が還流される。
またファイル共有会員ダウン中毒(パラダイムID=D1)君は、直接パラダイムの
購入(100パラダイム=\1)、売却(110パラダイム=\1)をする事も可能。
ただし、売却は月に1回しかできない。この交換レートはOZ回の運営に連動して
一定期間毎に変動する。メディアを買う時にもDVD1枚につき1000パラダイムが
付いてくる。
>> (喜捨により、生鮮食品以外、コメ、衣服、石鹸・シャンプー・ガソリン
も備蓄、住宅・株・プレミアム商品・IT通信権などが原資としてプールされ
ることもある。。)
パラダイム社(A1)は、旧作・新作映画(特典映像・TVCM・PVも)をエンコードし、 自社サーバーに一定量のファイルを共有する。コピーはフリーだが、DRMのためシフト されないと再生・編集することはできない。WinOZが転送時にDOWN側パラダイムID をコンテンツ中に埋め込み、解除コーデックがスクランブルデコードする。 スクランブル解除済み映像がOZ会以外に流出するのを防ぐ手段はないので、 P2P流通をOZネットワークが寡占することで、流出量を誤差範囲内に抑止するか、 時間かせぎにする、ぐらいが対抗策。流出具合によっては市場を閉鎖せざるを得ない。 (OZ会とOZ会以外との差別化は、、品揃えと信用と品質。。。) コンテンツ・シフト方法には、期間シフト・優待シフト・制作者シフト・フリーシフトの 4種類を設定し、10年以上前の旧作に関してはフリーシフトとするが、 有害コンテンツなどノーシフト品は流通不可とする。不良コンテンツは シフトをしない事でも排除するが、流通自体を制限する手段はない。シフトする・しない の判断はシフト業者が判断する。
2.シフト(シフト権)を販売する
制作者本人(プロダクション)、もしくは委託を受けたパラダイム社は、ま ず配布希望者に対し作品毎にシフト(シフト権=配布権=シフト業者ID)を売り出す。 シフト業者デバラ青年(C1)は100万パラダイムでシフト業者IDを購入する。 ダウン中毒(D1〜Dn)君はダウンロードしたコンテンツを見るために、 デバラ君に10,000パラダイム/本を払い、シフトしてもらう(パ ラダイムシフト…)。デバラ君は110人以上をシフトすると儲かるが、それ 以下だとボランティア。シフト購入者は、別途製作者本人から元素材を 取り寄せて、そのコンテンツの編集、改変、利用、別エンコ品製造ができ るものとし、別コンテンツとして流通させることができる。一方、シフト されたコンテンツ(パラダイムID埋め込み済み)をダウン中毒君が編集、改 変、利用、再エンコすることも可能ではあるが、ノーシフト品となり、 OZ内での流通は不可。(いかなる方法であれ、オリジナルと比べれば加工品は ある程度品質も劣化する。 自分の首をしめるので、シフト業者(C1〜Cn)が素材を素材のままOZ会の外へ 流出させる事、無制限に不特定多数シフトを行う事は考えない。
3.シフトする
最新の映画作品「OZの魔法使い」の視聴希望者ダウン中毒君(D1)は、WinOZ の「シフト」機能を使って見たいタイトルを検索し、無料コンテンツの品 揃えと愛想の良さそうなシフト業者デバラ君(C1)を探し出す。おもむろに デバラ君をクリックすると、ただちにシフトIDが転送されてきて、視聴可 能となる(「シフト」される)。同時に10,000パラダイムがパラ銀から引 き落とされ、デバラ君に転送される。 ……有料コンテンツだと1月平均5本しか見られないのだが。 (1年に1本も見ないユーザーを惹きつける、とすればオッケーかも)
ついでにIMを打って、別の映画作品「OZポエムへの招待〜アダルトバージョン〜」 はありませんかねえ、などと尋ね、入手できたら連絡をしてくれるように お願いしてみる。デバラ君は良さげなコンテンツだったり要望が多くて儲かり そうなコンテンツだったら、その配布権を購入するか、別の人にシフトの購入を依 頼しD1君に紹介する。コンテンツは極力入手してあげる。……面倒だなあ。
4.コンテンツの作者
新しいコンテンツを制作するプロダクション(Bn)(およびエンコ職人)は優遇されな くてはならない。コンテンツ提供者はコンテンツ制作後、コンテンツをパラダイム社に 登録し、1時間後に自身のパラダイムIDを使って生成して発行される、コンテンツIDを エンコードした作品に埋め込む(登録は自由で無料だが、シフト権販売・シフト開始に はある審査がかかる。面倒だなあ)。ばらまく。シフト権を販売する。シフトする。 シフト業者IDが100万パラダイムで500人以上に売れればまずまずの成功。 大作メーカーが1シフト業者ID=1億パラダイム(\100万)でしか売らないと いったとしたも、シフト業者が儲かるかどうかとは直接関係がなく、メーカー自身が 自前でユーザ(Dn)を囲い込みシフトする事もできる(直販)。が、1シフト10,000パラ ダイムの場合、ほぼ同等収益には5万人以上のシフトが必要。20人をかかえたプロ ダクションであれば100万人/年オーダーでシフトすることが求められる(\1億)。 (原則売切だから?現在のように\100億レベルの収益をあげるのは難しい?)
プロバイダ(An)・パラ銀はある程度のコンテンツは保持するが、シフトは行わない。 シフト権販売も仲介するだけで、その主業務はコンテンツIDとシフトID販売権の 管理である。例えば、シフト業者(Cn)が製造した別エンコ品・改変素材コンテンツ の登録可否(基本的に可)はAnが判断し、シフト販売・シフトは(Cn)が行うが、 同時にシフト販売・シフトは、元素材の提供メーカー(Bn)も行う事ができるようにする。 (コンテンツID=BnとCnの共有パラダイムIDまたはコミュニティIDを埋め込む)。 シフト業者(Cn)による無断登録などのルール違反があれば、(An)は(Cn)のパラ ダイムIDを凍結し、(Bn)と(Cn)の間で調整を行う。
5.さらにその将来
現段階では作成前に出資金を募る手段は用意しないが、 コンテンツ制作前にプレミアム社(A2)にコミットメント登録をすることで、 プレシフト(プレシフト業者ID)を発行してもらう事はできる。プレシフト 業者IDとシフト業者IDに直接関係はなく、公開後にプレシフト業者IDを プレ銀(A2)に提示すると、シフト業者ID(配布権)と交換してくれる。 一種の手形。これは、システムに組み込まなくても手作業(別途料金)で可能なので却下。
さらに将来的にはプレシフトそのもの(=視聴利用権予約、前売券)も 検討可能たが、コンテンツがない状態ではシフトIDが発行できないのでこの システムの範疇外とする。というより、パラダイムの行く末が見えない不安定 なこのバージョンでやり取りすると、利用の対価としての「パラダイム」の信用に不安を与えて 悪影響があるので、パラダイムでは決済させられない。(シフト業者が手作業で やる分には問題ないが、これは効率が悪すぎて非現実的。)
6.デジ株との違い
「シフト」(シフト業者ID)は転売不可。この点は株と違う。レート変動で 「パラダイム」購入の差益・差損のリスクがあり、必ずしも現金(生活用品)と 交換可能とも限らないし、パラダイム社が潰れるかもしれないので、このシステム でも結構リスキーだと思える。このシステムの「パラダイム」に魅力が乏しい事は 認めるので、(…全国のパラダイム商店で石鹸と交換されても、、うれしくないしなあ) 確かに小生も期待はするものの、キャピタルゲインを狙うストックギャンブルは、 パラダイムシフト安定後に期待すべきなのではなかろうか。
「パラダイム」もある種電子マネーのようなもの(というか商品券か?)なので、 会員間で自由に交換させても良さそうなものだが、この流通は特別に限定する。 許すと、証跡を残すとかセキュリティを厳にする必要があるとか、いろいろ処理破綻の 危険があり、そもそも何かの法律に触れそう……だから。何でもそうだが、やってみないと どこにネックがあるのかよく分からない。
もっとも根本的な違いは、このシステムが作品の所有ではなく、利用(ライセンス)を 元にしている、という事のような気がする。
上記のようなシステム(プログラム)を作ってしまえば、(セキュリティまで 考慮した資金移動付きの)P2P仮想マーケット・ゲームは可能だと思っている。 実際にはパラ銀がなくても機能するので、配給会社がパラ銀化しなけ れば、無制限シフト可能な(アングラ)ネットワークに発展しかねない…?。 さらに、パラ銀は闇会社=地下銀行でもありうる(生協だったりして)ので危険でもある。
7.おわりに
いいわけしておくと、 DRMや登録制が排除的で嫌だと言われると身も蓋もなく、詰めもどうもいまいちだすが、 小生はその点については楽観視している。情報の本質はON/OFFだと思うし、そのON/OFFの スイッチとなるDRMの認証方式等々が特定企業に知的財産として占有される方がむしろ 不安だ。
そういう意味では、所詮ツールはツールで、ツールはコンテンツ内容の好悪・善悪を 判断しない。小生はこのシステムが個人の情報フィルタのような役目を果たすツール になって欲しいと思っており、批評空間の形成を支援するシステム機能もあり得るが、 それはBBSではなく、「シフト業者」の品揃え、推薦コンテンツの提供、メニュー紹介という行為と 信用が批評につながるものがよい。コミットメント機能に検討の余地がある。
さらに付け加えると、著作権うんぬんの問題ではなく、 ガードがないと、そもそも供給元のよく分からないエロ・グロ・暴力団何でも ありで、結局現状のP2Pと何も変わらなくなる(ような気がする)。それが魅力 という人はそれこそブラックマーケットでやってればいいわけだが、表立ってす るには、現在のP2Pシステムでも、情報とモノが思ったように手に入るわけではなく、 入手コストが高すぎ(=ダウン中毒症状がちょっとひどすぎ)るかな、と小生は感じる(P2Pに限らないが)。 ダウン板的にいえば、ダウンやエンコにかかりきりで他の現実のことが何もできなく なるような遊びを、夢と現実の区別が付かない小中高生にやらしてちゃいかんでつ。
――P2P側から何もしなくても、既にいろいろな業界で十分こうした方向に向かって 進んでいるのかもしれませんが、とりあえずいろんなインスピレーションを誘うことができればよいと思います。
クリエイティブ・コモンズも、よく勉強せにゃいかんですが。 とりあえずノーシフトとフリーシフトは違う、というところ辺りで。
おわり。
