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時々恐ろしい汚染化学物質としてニュースなどで「猛毒のシアン化合物を検出」などと聞いたことがあると思います。
化学物質の「青酸」と同じ名前の色で、ちょっとドキっとしますね。
しかし、Cyan〜 ということばは毒薬から来た言葉ではなく、蒼い、という意味の頭に付く言葉(接頭辞)です。
たとえばお医者さんや救急隊などが具合の悪い人を見る時「チアノーゼは出ているか?」とチェックしますが、これも蒼白、の意味でシアンが蒼全体をさしていることの一例です。
最近では個人でCDを作るときに使うCDR盤で裏の青い製品がありますが、これもシアニンという色素物質の色です。
マゼンタは、イタリアはミラノの西にあるマジェンタという地名に由来するそうです。
しかし実際この色はコールタールから取り出したフクシンという名前の物質の色です。
さて、ではどうしてフクシンという色名にならなかったのでしょう?
フクシンの化学抽出に成功した1859年は、このマジェンタの町でイタリア統一のきっかけとなった歴史的な戦いが行なわれたのでした。
そこで戦勝記念の象徴として、この色はマジェンタと呼ばれるようになりました。
日本語のカタカナではマゼンタという仮名書きになってしまいました。
たまに濁点がついてマゼンダと表記されたり言葉で呼ばれたりしているのもありますが、これは日本独特な言葉のひとりあるきです。
フクシンの色名はさらにさかのぼると、フクシアの花の色から来て、もっとさかのぼると植物学者フックスの名前に行き当たるようです。
検証委員:吉岡
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