ですから、プロジェクトメンバーは専任化しなければならないのです。それができないのなら、いつもの倍働けと命令しておくしかありません。情報システムのサイクルが短期化している昨今、システム開発プロジェクトに2年も3年もかける企業はありません。半年ぐらいが普通、長くても1年、もしかしたら3ヵ月という場合もあるでしょう。しかも、そのうち、プロジェクトメンバーが最も深く関わるのは、システム化構想をまとめる段階です。その期間だけ、仕事量が倍になっても、どうにかなるでしょう。
そうはいっても、専任化するに越したことはありませんし、できるだけ専任とすべきです。システム開発のスケジュールが乱れ、稼動時にまともに動かなかったり、稼動時期が大きく遅れたり、予算が超過したりといったことを考えれば、早めに苦労をしておく方がずっといいのです。
プロジェクトメンバーを供出する各課の長が抵抗するのは目に見えています。ですが、なぜ、そんなことになるのでしょう。その人がいなければ仕事にならないということが、一般企業で有り得るのでしょうか。そうであれば、その人が病気になって長期休養を取らざるを得なくなったり、突然退職したりした場合、長はどうやって仕事を進めるのでしょうか。そんな恐ろしいことは考えないようにしているとでもいうのでしょうか。
そのメンバーにしても、そもそも優秀なのだから次の課長に抜擢されるかもしれません。そうなっても、それまでの仕事は自分でやるのでしょうか。そうではないはずです。やはり部下の誰かに引き継いで、自分は課長としての職務を果たそうとするはずです。
ですから、専任化というのは、引継ぎを早めるだけのことなのです。突然、退職するのと違い、プロジェクト室にはいつでもいるのですから、何か問題があれば、すぐにアドバイスできます。こうやって、本来の業務とプロジェクトの業務の比率を、最初は50対50、だんだんに25対75、最終的に5対95あたりまで持っていければ、専任化は成功です。
この専任化というのは、やはり会社全体としての意識、社長を初めとする管理職の統率力がなければできないことだろうと思います。しかし、これができないために、無理が生じているプロジェクトを、僕はいくつも見てきました。少しでも、スムーズに新しいシステムを作り上げたいなら、必ずなすべきことなのです。
トップダウン(社長が専任化を指示)でも、ボトムアップ(プロジェクトメンバーが専任化を要望)でも、結局、障害になるのは課長クラスという気がします。中間管理職は要らないなどといわれがちですが、本当にそうなのかもしれませんね。