スイッチングハブについて

1.スイッチングハブの動作

従来のハブでは接続されている機器同士が、伝送帯域を共有(同一セグメント)しているため複数のデータを同時の通信すると衝突が発生し、一度に1つのデータしかネットワークに流す事が出来ない。しかし、スイッチングHUBは各ポート(各ワークグループ)毎にセグメントを分割する事が出来るため、ネットワーク内の負荷が分散される。

図1のように、W/S AからW/S Cへパケットを送信したとき、通常のハブはW/S Aから受け取ったパケットを全ポートへ出力させる。従って、もしハブからW/S Dへ送信されると同時に、W/S DからW/S Fへパケットを送信しようとすると、コリジョン(パケットの衝突)が発生し同時に通信が出来なくなる。又、ハブ自体が同一セグメントであるため、ワークステーションの増加や、トラフィックが高くなってくると送信されたパケットやコリジョンによってパフォーマンスが低下する。

これに対してスイッチングハブ(図2)はW/S AからW/S Cへパケットを送信したとき、受け取ったパケットのディスティネーション・アドレスを、スイッチングハブの各ポートのアドレステーブル(各ポート毎に接続されている機器のソースアドレスが登録されている)と参照し、そのアドレスを持つ機器が接続されているポートへのみパケットをフォワーディングし、その他のポートには出力しない。又、それぞれのポートによりセグメントが分割されるため、ある一つのポートで発生したコリジョンは他のポートへ影響を与えない。従って、W/S AとW/S C間で伝送をしていても、他のポートへパケットをフォワーディングしないため、W/S DとW/S F間で同時に伝送することが出来る。その為、帯域幅から見たパフォーマンスは著しく向上する。

 

 

 

スイッチング LAN の基本構成パターン

複数のスイッチングハブを使ってネットワークを構成するには、以下のパターンが挙げられる。

・並列接続

・カスケード

・帯域共有型集約

・ルータ集約

 

 

 

・並列接続

 

 

 

 

スイッチングハブを使用して並列接続する方法は、以下の3通りの接続方式に分けることができる。

(1) 全二重による Ethernet ( 20Mbps )

(2) 全二重による Fast Ethernet ( 200Mbps )

(3) 全二重による独自方式

 

このパターンによる方式は、いずれもスイッチングハブ間でのトラフィックに余裕を持たせるために、送受信が同時に行える全二重方式を使用するのが特長である。並列接続が用いられる原因は、1台のスイッチングハブで運用を行っていたが、ポート数が足りなくなっってしまったケースがほとんどである。

・カスケード

 

 

 

 

カスケードは、スイッチングハブにスイッチングハブをカスケード接続して束ねる方式である。この方式は、従来の 10BASE-T ハブでもポート数が足りなくなった場合によく用いられる一般的な接続方法だが、この接続を行う際には、十分に注意を払うことが必要である。上の図からも分かるように、最上位のハブに対してカスケード接続されたハブのトラフィックが集中するために、最上位のハブが過負荷状態になることも考えられる。

一般的には、スイッチングハブにおいてフロント側(マシンを接続する側)スイッチのトラフィックが、バックボーン側(通常、ネットワーク側)のトラフィックの 1/10 以下でないと、同じスイッチでカスケード接続した場合に性能を確保できないと言われています。 100Base-TX スイッチハブで 10BASE-T のスイッチングハブを複数束ねるという接続は、一般的によく見られる方法である。

しかし、この 1/10 以下という指針は実際のネットワーク環境におけるトラフィックに大きく依存することであり、トラフィック的に余裕がある環境においては必ずしも 1/10 以下でなくても、安定して稼動するケースもある。この事からも、ネットワーク構築の際には現状のトラフィックを正確に把握することが大切であることと言える。

 

 

 

 

・帯域共有型集約

 

 

 

 

 

帯域共有型集約は、スイッチングハブを FDDI などの帯域共有型 LAN を使って集線装置で束ねる方式である。帯域共有型 LAN においては、FDDI は現在多くのサイトのバックボーンネットワークとして利用されていある。従って、FDDI を使ったリング型トポロジーからスター型トポロジーへ移行する際に、従来の FDDI を利用してスイッチングハブを束ねるという方法は、現実的に良く行われている。

また帯域共有型集約に FDDI を用いる別のメリットとして、光ファイバの使用が上げられる。スイッチングハブを束ねる個所に光ファイバを敷設しておけば、将来的に ATM や GIGA Ethernet などの高速ネットワークを導入する際にインフラを流量することも可能になる。

スイッチングハブにおけるビッグパイプは、この方式を利用している。ビッグパイプ部分には、100BASE-TX や 100BASE-FX 、100VG-AnyLAN が多く使用されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

・ルータ集約

 

 

 

 

本来、スイッチングハブで構成されるネットワークの中にルータが必要とされるケースがいくつか考えられる。

まず上げられるのが、スイッチングハブのポートを VLAN ( Virtual LAN ) で分けた場合である。ハブの中を VLAN で分けたセグメント間はブロードキャストのパケットが届かない為、MAC アドレスを頼りにするスイッチングハブだけでは通信ができなくなってしまう。このために、IP アドレスでパケットを中継するルータが必要になる訳である。今後、VLAN が今以上に普及することが予想される為、この用途はこれからの注目すべき方式になるだろう。

また、現在最も必要とされているケースは、LAN をインターネットに接続する場合である。これはセキュリティの面を考慮してのことで、インターネットにスイッチングハブを直接接続した場合、セキュリティ機能を持たないスイッチングハブはインターネットからのアクセスに対してあまりに無防備だと言える。ルータ経由で接続することでネットワークを分けることにより、外部からの不正アクセスを防ぐことを目的としている。今後この状況は、ルーティング機能を備えたスイッチングハブの登場により変化していくものと思われる。

 

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